2025年10月9日、メルカリが「マーケットプレイスの基本原則」を2021年以来初めて改定すると発表しました。
これまで「自由な取引」を大切にしてきたメルカリが、なぜ今、ルールを変えるのか。
💡 その背景には、ニンテンドースイッチ2の転売を巡る大きな騒動がありました。
📋 この記事でわかること

📱 メルカリが「運営ルール」を4年ぶりに改定-何が変わった?
[画像: メルカリアプリの画面とニンテンドースイッチ2本体を生成AIで作成したリアルなイメージ(日本人の手がスマートフォンを操作している様子、日本語文字「転売禁止」の文字が画面に表示)]
2025年10月9日、メルカリは「マーケットプレイスの基本原則」を改定すると発表しました。
この原則は2021年に作られて以来、一度も変更されていなかったメルカリの運営方針です。
✨ 今回の改定で何が変わるのか
これまでメルカリは「誰もが自由に取引できる場所」を目指してきました。
でも今回の改定で、こんな新しいルールが追加されました。
⚠️ 新しく追加されたルール
- 不正な出品が急増した場合、特例として出品禁止にできる
- 商品の価格が急に上がったり下がったりして混乱が起きた場合も同じ
- コメント欄で誹謗中傷が増えた場合も対応できる
つまり、これまでは「基本的に自由」だったのが、「問題が起きたら個別に判断して止める」という方針に変わったんです。
実は、メルカリがこういう大きな方針転換をするのは4年ぶりの大きな決断。
では、なぜこのタイミングで?
🎮 引き金となったニンテンドースイッチ2の転売騒動
メルカリが方針を変えた最大の理由、それがニンテンドースイッチ2(通称:スイッチ2)の転売問題でした。
💰 スイッチ2転売の実態
2025年6月5日、任天堂の新型ゲーム機「スイッチ2」が発売されました。
希望小売価格は49,980円(税込)。でもメルカリでは、こんなことが起きていたんです。
📊 転売価格の推移
- 発売前:10万円前後で出品される
- 発売直後:7〜8万円に値下がり
- 数日後:59,000円前後まで下落
- さらに数日後:50,000円を切るものも
定価5万円のゲーム機が一時10万円超で売られ、わずか数日で半額近くまで値崩れ。
これだけでも大混乱ですが、問題はそれだけじゃありませんでした。
😠 さらに深刻だった「悪質出品」と「コメント欄の荒れ」
実は、Switch2の転売では、こんな悪質な手口も横行していました。
- 箱だけ出品:本体の写真を使いながら、実際には空箱だけを送る
- 写真販売:「商品の写真を送ります」とコメント欄に小さく書いて騙す
- 誹謗中傷の嵐:転売出品のコメント欄が誹謗中傷で埋め尽くされる
メルカリ上でのSwitch2出品が混乱を極め、運営側も「これは放置できない」と判断したわけです。
⚖️ 「自由なマーケットプレイス」vs「安心・安全」-メルカリが直面したジレンマ
でも、ここで疑問が出てきます。
「なぜメルカリは最初から転売を禁止しなかったの?」って思いませんか?
🎯 メルカリの基本理念
メルカリには、こんな運営理念があります。
🌟 マーケットプレイスの基本原則の3つの柱
- 安全であること(Safe)
- 信頼できること(Trustworthy)
- 人道的であること(Humane)
この3つを守りながら、「誰もが安心して参加できる、多様で自由なマーケットプレイス」を目指してきました。
つまり「自由な取引」も大事にしてきたんです。
💸 実は、メルカリは転売で儲かる仕組み
もう一つ、知っておきたい事実があります。
メルカリは商品が売れると、販売価格の10%を手数料として受け取ります。
つまり、1万円で売れたら1,000円、10万円で売れたら10,000円がメルカリの儲けになる。
高額転売が増えれば増えるほど、メルカリの利益も増える仕組みなんです。
🤔 それでもルールを変えた理由
でも今回、メルカリは「利益よりも安心・安全」を選びました。
Switch2の転売問題で、こんな深刻な事態が起きていたからです。
- 悪質な出品で騙される人が続出
- コメント欄の誹謗中傷で利用者が傷つく
- 「メルカリは転売を放置している」という批判が殺到
🎯 「自由な取引」と「安心・安全」、どちらも大事。でも今回は「安心・安全」を優先する決断をしたんです。
🆚 Yahoo!との対応の違い-なぜメルカリは完全禁止しなかったのか
実は、Switch2の転売対策では、フリマサイトごとに対応が分かれていました。
🚫 Yahoo!オークション・Yahoo!フリマの対応
Yahoo!オークションとYahoo!フリマは、Switch2本体を当面の間「完全出品禁止」にしました。
🛑 Yahoo!の対応
- Switch2本体は発売後も当面出品禁止
- 違反した場合、アカウント停止などの厳しい処分
- コロナ禍のマスク以来、具体的な商品名を挙げて出品禁止にしたのは初
⚠️ メルカリの対応
一方、メルカリは完全禁止ではなく、こんな対応を取りました。
- 出品自体は禁止しない
- 価格が高騰している商品には「冷静な判断をお願いします」というアラート表示
- オークション機能は停止
- 悪質な出品は個別に削除
つまり、Yahoo!は「全面禁止」、メルカリは「アラート+個別対応」という違いがあったんです。
💭 なぜメルカリは完全禁止しなかったのか
この違いには、それぞれの判断がありました。
メルカリは「本当に必要で手放したい人もいるかもしれない」という考えから、完全禁止ではなく「冷静な判断を促す」方針を選んだようです。
ただ、結果的にSwitch2の転売は収まらず、今回の原則改定につながりました。
📜 過去にもあった転売問題-マスク・備蓄米・空薬莢
実は、メルカリが転売問題で対応を迫られたのは、今回が初めてじゃありません。
😷 コロナ禍のマスク転売(2020年3月)
2020年、新型コロナウイルスが流行し始めた頃、マスクの高額転売が社会問題になりました。
メルカリは2020年3月、マスクの出品を全面禁止。これが大きな転機になったんです。
🍚 備蓄米の転売問題(2025年5月〜6月)
2025年、お米の価格が高騰した時期に、政府が備蓄米を放出しました。
でも、この備蓄米がメルカリで転売されてしまい、本当に必要な人に届かない事態に。
📋 メルカリの対応
- 2025年5月29日:政府備蓄米の出品を禁止
- 2025年6月23日:米穀全般の出品を禁止(個人・個人事業主)
🔫 空薬莢の出品禁止(2025年)
さらに、銃の空薬莢(使用済みの薬きょう)がメルカリで出品されていた問題も。
メルカリは空薬莢の出品を禁止し、警察庁から感謝状を授与されています。
こうした積み重ねがあって、今回の原則改定に至ったんです。
📅 10月22日のもう一つの規約改定-事業者アカウント禁止は別の話
ここで注意したいのが、10月には2つの規約改定があったということ。
🔀 2つの改定は別件
📌 10月9日発表:マーケットプレイスの基本原則改定
- 内容:転売問題への対応方針
- 対象:全ユーザー
- 目的:安心・安全な取引環境の確保
📌 10月22日施行:事業者の個人アカウント使用禁止
- 内容:事業者は個人アカウントで出品できなくなる
- 発表日:2025年9月21日
- 目的:個人間取引と事業者取引の明確な区別
この2つ、実はまったく別の話なんです。
🏢 事業者アカウント禁止って何?
10月22日から施行されたのは、こんなルールです。
- 継続的に転売・せどりをしている人は「メルカリShops」への移行が必要
- 個人アカウントで事業的な販売はできなくなる
⚠️ 事業者と判定される可能性がある基準
- 1カ月間に200点以上、または一時に100点以上を出品
- 過去1カ月間の落札総額が100万円以上
- ブランド品、インクカートリッジ、健康食品、チケット類を一時点で20点以上出品
ただし、普通に不用品を出品する分には何も変わりません。
実は、この改定は転売対策というより、「個人の不用品売買」と「事業としての販売」を明確に分けるためのものなんです。
🔮 今後の転売対策はどうなる?利用者への影響は
では、今回の改定で、私たちにどんな影響があるのでしょうか。
🎯 今後、出品禁止になる可能性がある商品
今回の原則改定で、こんな商品が出品禁止になる可能性があります。
- 不正出品が急増している商品
- 価格が急激に上がったり下がったりしている商品
- コメント欄で誹謗中傷が増えている商品
ただし、具体的にどの商品が禁止されるかは、その都度メルカリが判断します。
✅ 普通に不用品を出品する人への影響
✨ 結論:ほとんど影響なし
- 使わなくなった服やゲームを出品するのは今まで通りOK
- たまに不要なものを売る分には何も変わらない
- 転売目的でなければ心配する必要なし
🔄 継続的に転売している人への影響
結論:「メルカリShops」への移行が必要
- 継続的に新品・中古品を仕入れて販売している人
- ハンドメイド作品を継続的に販売している人
- 輸入商品を販売している人
こういった人たちは、10月22日から「メルカリShops」への移行が求められます。
⚠️ 転売批判の暴走に注意-66万円の賠償命令事例
最後に、一つ重要な注意点があります。
転売を批判する気持ちはわかります。
でも、その批判が行き過ぎると、逆に自分が訴えられる可能性があるんです。
🚨 実際にあった事例
2021年、ある女性がメルカリで転売している人を批判しようと、こんなことをしました。
- 転売者の商品写真と説明文を流用して安い価格で出品
- 「悪質転売撲滅」とニックネームを変更
- 転売者の氏名や住所を一部伏せ字で公開
この女性は名誉毀損とプライバシー権侵害で訴えられ、約66万円の賠償命令が出ました。
💡 転売批判の正しい方法
- メルカリの通報機能を使う
- 運営に任せる
- 自分で過激な行動をしない
冷静に、ルールの範囲内で対応することが大切です。
📝 まとめ:メルカリの原則改定で何が変わったのか
最後に、今回の記事の重要なポイントをまとめます。
🎯 重要ポイント
- メルカリが4年ぶりに「マーケットプレイスの基本原則」を改定(2025年10月9日発表)
- 不正出品や価格乱高下が起きた商品は、特例として出品禁止にできるようになった
- 背景にはニンテンドースイッチ2の転売問題があった
- 普通に不用品を出品する人には影響なし
- 継続的な転売ビジネスをしている人は「メルカリShops」への移行が必要(10月22日から)
- 10月9日の原則改定と10月22日の事業者アカウント禁止は別の話
メルカリが「自由な取引」と「安心・安全」のバランスをどう取るか、今後も注目していく必要がありそうです。
あなたは今回のメルカリの対応について、どう思いますか?
💬 よくある質問(FAQ)
Q1. メルカリの原則改定で普通の利用者に影響はありますか?
A. 普通に不用品を出品する人には影響ありません。使わなくなった服やゲームを売る分には、これまで通り利用できます。今回の改定は主に悪質な転売や不正出品への対応強化です。
Q2. ニンテンドースイッチ2の転売問題とは何ですか?
A. Switch2が定価49,980円のところ、メルカリで一時10万円超で転売され、箱のみ出品や写真販売など悪質な手口も横行しました。コメント欄での誹謗中傷も増加し、メルカリが原則改定に踏み切る大きなきっかけとなりました。
Q3. メルカリとYahoo!の転売対応の違いは?
A. Yahoo!オークション・Yahoo!フリマはSwitch2本体を完全出品禁止にしました。一方メルカリは出品禁止にせず、価格高騰アラート表示と個別削除で対応。結果的にメルカリでの転売は収まらず、今回の原則改定につながりました。
Q4. 10月22日の事業者アカウント禁止とは何ですか?
A. 継続的に転売・せどりをしている人は「メルカリShops」への移行が必要になりました。月200点以上の出品や月間100万円以上の売上がある場合、事業者と判定される可能性があります。これは10月9日の原則改定とは別の規約変更です。
Q5. 転売批判で訴えられるリスクはありますか?
A. 2021年に転売者を批判した女性が名誉毀損で約66万円の賠償命令を受けた事例があります。転売者の個人情報を公開したり、過激な誹謗中傷をすると訴えられる可能性があります。転売が気になる場合は、メルカリの通報機能を使うのが正しい対応です。
Q6. 今後どんな商品が出品禁止になる可能性がありますか?
A. 不正出品の急増、価格の急激な乱高下、コメント欄での誹謗中傷増加が起きた商品が出品禁止になる可能性があります。ただし具体的にどの商品が対象になるかは、その都度メルカリが個別に判断します。
📚 参考文献リスト