⚠️ 実は「台風後は釣れる」は本当でした
でもこの情報が、3人の男性を波にさらわせました。
60代男性が亡くなった大磯町の事故から、私たちが学ぶべきことをお伝えします。
📋 この記事でわかること
2025年10月9日午前5時45分。
神奈川県大磯町の照ヶ崎海岸で、知人と海釣りに来ていた3人が波にさらわれる事故が発生しました。
この日、台風22号が伊豆諸島に接近中で、八丈島には暴風・波浪特別警報が発表されていました。
テレビでは連日台風情報が流れ、多くの人が外出を控えていた朝。
なぜ彼らは海に向かったのでしょうか。
🎣 実は「釣りのチャンス」？台風時に釣りに行きたくなる心理
楽しみにしていた休日。
でも天気予報は台風接近...。
あなたなら、どうしますか？
💡 「台風後は魚が釣れる」は本当だった
実は、釣り愛好者の間では有名な話があります。
「台風の後は魚が爆釣する」
これ、科学的に本当なんです。
台風後1~3日は魚の活性が上がりやすく、特にシーバス（スズキ）、クロダイ、太刀魚などが釣れやすくなることが知られています。
なぜかというと：
📊 理由1：海がかき混ぜられて栄養が増える
台風の強風で海水がかき混ぜられ、海底に溜まっていた栄養分が浮き上がります。
これにより小魚やプランクトンが活発になり、それを狙って大型の魚も動き出すんです。
📊 理由3：小魚が岸寄りに集まる
波の影響を避けて、沖にいた小魚やエビ・カニなどが岸の近くに逃げてきます。
それを追って、大型の魚も岸に近づいてくるというわけです。
🤔 「貴重な機会」を逃したくない心理
今回の事故について、ネット上ではこんな意見がありました。
「貴重な機会だったために釣りに行きたかった気持ちは理解できる」
釣り愛好者なら、この気持ち、分かるかもしれません。
平日は仕事で忙しく、やっと取れた休日。
せっかくの機会を台風で諦めたくない...。
⚠️ でも、ここに大きな落とし穴があります
「台風後は釣れる」という情報は正しい。
でも、「台風の最中」と「台風の後」を混同してしまうと、命を失うことになります。
💭 次に、台風時の海がどれだけ危険なのか、具体的に見ていきましょう...
🌊 台風時の海は想像以上に危険 - 3つの"見えない脅威"
「普段は穏やかな場所なのに...」
警察の発表では、照ヶ崎海岸は通常、波が穏やかな場所だということです。
でも台風が近づくと、海は一変します。
しかも、その危険は見た目では分からないんです。
⚡ 脅威1：遠くの台風が作る「うねり」
台風の中心が遠く離れていても、危険は迫っています。
それが「うねり」です。
うねりとは、遠くの台風が作った波が、何日もかけて海岸に届く現象のこと。
台風の影響で発生したうねりは、台風の中心が遠く離れていても、数日にわたって沿岸に到達し続けます。
🔴 見た目は普通の波に見えるんです
でも突然、防波堤や磯に大きな波が襲いかかることがあります。
うねりは通常の波に比べて穏やかに見えますが、防波堤や磯では急激な高波を生む可能性があり非常に危険だと専門家は警告しています。
💥 脅威2：1000回に1回の「一発大波」
もう一つ、恐ろしいのが「一発大波」。
これは何百回かに1回、突然、普通よりはるかに高い波が襲ってくる現象です。
海上保安庁の調査によると、一発大波は海岸で数百回に1回、通常よりもはるかに高い波が打ち寄せる現象だそうです。
予測はほぼ不可能。
釣り人がのみ込まれるケースが後を絶ちません。
🌀 脅威3：足元をえぐる「引き波」の力
波が押し寄せてくるだけが危険じゃありません。
波が引くときも、実はとても危険なんです。
波打ち際で立っているときに波が引くと、足下の砂が波で運ばれてえぐれてしまいます。
そうすると、波自体はそれほど高くなくても、大人でも簡単に転倒してしまうんです。
一度転んでしまうと、次の波が来る前に立ち上がれない...。
そのまま海に引きずり込まれることもあります。
💭 では、この悲劇はどうすれば防げたのでしょうか...
🛟 たった一言で救えた命 - 事故を防ぐための3つの判断
今回の事故は、防げたはずです。
たった一言、「今日は止めよう」と誰かが言えば。
✋ 判断1：「退く勇気」を持つこと
ネット上で、こんな意見がありました。
「進むも勇気、退くも勇気」
「生きていれば次がある。無理して死んだら後は無い」
本当にその通りです。
一回の釣行を我慢するだけで済むはずのものが、釣り人のわがままで自分自身のみならず大勢の人にも迷惑をかけてしまいます。
実際、今回の事故でも：
- 警察が捜索
- 消防が出動
- 海上保安庁が捜索
多くの人たちが、二次災害の危険を冒しながら救助活動にあたりました。
「今日は止めよう」
この一言を言える勇気が、命を守ります。
🦺 判断2：ライフジャケットは「お守り」じゃない
もう一つ、絶対に知っておいてほしいことがあります。
ライフジャケットの有無で、生存率が2倍変わる
これは国の調査で明らかになっている事実です。
ライフジャケット着用で生存率が未着用時の約2倍、未着用では死亡・行方不明率が約5倍も高くなります。
もっと具体的な数字もあります。
📊 衝撃的なデータ
鹿児島県では2020-2024年に釣り中の海中転落で12人が事故に遭い、そのうち10人がライフジャケット未着用でした。
そして、その10人全員が死亡・行方不明となっています。
逆に、着用していた8人のうち6人は助かっています。
ライフジャケットは「念のため」のアイテムではありません。
命を守るための必需品です。
選ぶときは、国土交通省の安全基準に適合した「桜マーク」付きのものを選んでください。
📱 判断3：天候確認は「義務」だと考える
「天気予報くらい見てるよ」
そう思うかもしれません。
でも、普通の天気予報だけでは不十分なんです。
釣りに行くなら、最低でもこれらをチェックする必要があります：
- 風速と風向
- 波の高さ
- うねりの周期（これが一番重要）
- 波浪警報・注意報
特に「うねりの周期」は重要です。
うねりの周期が8秒以上の長い周期は、数回に一度、突発的に大きな波（セット）が来る可能性があり非常に危険だと言われています。
💭 でも「そんな専門的な情報、どこで見るの？」と思いますよね。実は...
📲 スマホで簡単！釣り愛好者が使うべき天候確認アプリ
安心してください。
今は、スマホアプリで簡単にチェックできます。
しかも、無料で。
🌐 おすすめアプリ1：Windy（ウィンディ）
釣り愛好者に最も人気のアプリです。
視覚的に分かりやすく、海の状況が一目で把握できます。
しかも、他の天気予報サイトでは見られない「波の動き」まで詳しく表示されます。
☀️ おすすめアプリ2：釣り天気.jp
日本の釣り専門の天気アプリです。
釣り場ごとに詳細な情報が見られるので、具体的な判断がしやすいです。
🌊 おすすめアプリ3：海快晴（うみかいせい）
プロのアングラーも使っている本格派アプリです。
✅ 何が見られるか
- 日本全国11,000ヶ所以上のピンポイント予報
- うねりの周期（これが重要！）
- 潮位
- 波向
一画面で必要な情報がすべて確認できるので、判断がスピーディーにできます。
📊 おすすめアプリ4：タイドグラフBI
シンプルで使いやすいと評判のアプリです。
特に便利なのが、波浪警報が出ると赤いバッジで知らせてくれる機能。
見逃す心配がありません。
スマホで5分チェックするだけで命が救える
これらのアプリ、すべて無料で使えます。
釣りに行く前に5分、アプリをチェックする。
たったこれだけで、命を守ることができます。
「面倒くさい」と思うかもしれません。
でも、釣り道具の準備には30分かけるのに、天候確認に5分かけないのは、おかしくないでしょうか？
📝 まとめ：「次の機会」は必ず来る
今回の事故について、改めて考えてみましょう。
確かに「台風後は釣れる」という情報は正しい
でも、「後」と「最中」を間違えてはいけません。
事実として：
釣り中の事故で毎年約100人が亡くなっています。
これは2日に1人のペースです
でも、この数字を見て、釣りをやめる必要はありません。
大切なのは、この3つです：
1️⃣ 「今日は止めよう」と言える勇気
友人に誘われても、天候が悪ければ断る。
これは臆病なことじゃありません。賢明な判断です。
2️⃣ ライフジャケットの着用
ライフジャケットを着用すると、生存率が2倍になります。
「桜マーク」付きのものを選び、必ず着用しましょう。
3️⃣ スマホアプリで事前確認
Windy、釣り天気.jp、海快晴、タイドグラフBI。
これらのアプリで、行く前に必ず確認を。特に「うねりの周期」と「波浪警報」は必ずチェックしてください。
🌅 台風後の「本当のチャンス」はいつ？
台風後1-3日、海が完全に落ち着いてからが本当の「釣りのチャンス」です。
生きていれば、次の機会は必ず来ます。
この記事が、一人でも多くの釣り愛好者の命を守るきっかけになることを願っています。
そして、今回の事故で亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
🎣 あなたが次に釣りに行くとき、この3つを思い出してください
- ✓ 天候確認（スマホで5分）
- ✓ ライフジャケット着用
- ✓ 「今日は止めよう」と言える勇気
釣りは楽しい趣味です。
でも、安全があってこそ。
ぜひ、周りの釣り仲間にもこの記事をシェアしてください。
❓ よくある質問（FAQ）
Q1. なぜ台風時に釣りに行く人がいるのですか？
台風後は魚の活性が上がり釣れやすくなるという情報が広く知られています。ただし「台風後」と「台風最中」を混同すると命に関わる危険があります。
Q2. 台風時の海はどのような危険がありますか？
遠くの台風が作る「うねり」、予測不能な「一発大波」、足元をえぐる「引き波」の3つの見えない脅威があります。波は1000回に1回は平均の2倍の高さになります。
Q3. ライフジャケットは本当に必要ですか？
はい、絶対に必要です。ライフジャケット着用で生存率が未着用時の2倍になります。国土交通省の安全基準に適合した「桜マーク」付きを選んでください。
Q4. 釣りに行く前にどんな情報を確認すべきですか？
風速、風向、波の高さ、うねりの周期、波浪警報を確認してください。特に「うねりの周期が8秒以上」は危険のサインです。Windyや釣り天気.jpなどのアプリで簡単にチェックできます。
Q5. 台風後はいつから釣りに行けますか？
台風の通過中は絶対に行かないでください。台風後1-3日、海が完全に落ち着いてからが本当の「釣りのチャンス」です。アプリで波の状態を確認してから判断しましょう。
Q6. 釣りの事故はどれくらい起きていますか？
釣り中の事故で毎年約100人が亡くなっています。これは2日に1人のペースです。天候確認とライフジャケット着用で多くの事故は防げます。
📚 参考文献
