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渡邊センスが講談社に勝訴で220万円賠償命令|実は高額判決だった理由

 

2025年11月25日、東京地方裁判所で注目の判決が下されました。

お笑いコンビ「クロスバー直撃」の渡邊センスさんが、写真週刊誌「フライデー」の記事で名誉を傷つけられたとして講談社を訴えていた裁判で、裁判所は講談社に220万円の損害賠償を命じたのです。

 

「ダウンタウン」松本人志さんの性加害疑惑報道に関連して書かれた記事をめぐる、約1年半にわたる法廷闘争。

渡邊センスさんは法廷で涙を流しながら「私の人生が壊れました」と訴えました。


週刊誌と芸人の闘い。そして下された「220万円」という判決の意味とは?


渡邊センスが講談社に勝訴で220万円賠償命令|実は高額判決だった理由

渡邊センスが講談社に勝訴で220万円賠償命令|実は高額判決だった理由

 

 

 

東京地裁が講談社に220万円の賠償命令-渡邊センスの名誉毀損訴訟で判決

結論から言うと、2025年11月25日、東京地方裁判所は講談社に対して220万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。

 

この裁判は、お笑い芸人の渡邊センスさん(41歳)が、写真週刊誌「フライデー」の記事によって名誉を傷つけられたとして、発行元の株式会社講談社を訴えていたものです。


訴訟の経緯を時系列で整理すると、このようになります。

2024年5月1日
渡邊センスさんが東京地裁に提訴。このとき請求した金額は1100万円でした。新車が数台買えるほどの金額です。
2024年6月25日
第1回口頭弁論が開かれ、その後はオンラインでの弁論準備が続きました。
2025年9月9日
証人尋問が実施され、渡邊センスさん本人と講談社の編集者が法廷で証言しました。
2025年10月2日
和解協議も行われましたが、両者の溝は埋まらず決裂。
2025年11月25日
判決。講談社に220万円の支払いが命じられました。

 

判決の内容は、渡邊センスさんの訴えが認められ、講談社に220万円の支払いが命じられました。

請求額1100万円に対して認められた金額は220万円。
つまり、請求額の約5分の1です。

「思ったより少ない?」と感じた人もいるかもしれません。


しかし実は、この金額には重要な意味があるのです。
それについては後ほど詳しく説明します。


では、なぜ渡邊センスさんは講談社を訴えることになったのでしょうか?
問題となった記事の内容を見ていきましょう。


 

 

 

なぜ訴訟に?フライデー記事の内容と渡邊センスが受けた被害

渡邊センスさんがフライデーを訴えた理由は、「松本人志に女性を上納した」という事実無根の記事を複数回掲載され、それによって仕事を失うなど深刻な被害を受けたからです。

 

事の発端は、2023年12月に「週刊文春」が報じた松本人志さんの性加害疑惑でした。

この報道を受けて、フライデーは2024年1月から4月にかけて、関連する記事を複数回掲載しました。
その中で渡邊センスさんについて、このような内容が書かれていたのです。

「2018年10月中旬、大阪のホテルで行われた松本人志さんとの飲み会に、渡邊センスさんが女性を『上納』した」

 

具体的には、渡邊さんが女性に対して「明日めっちゃVIPが来るから、女の子を用意できる?もしヤるってなったら必ずできる子を呼んでほしい」と頼んだという内容でした。


渡邊センスさんはこの記事内容を完全に否定しています。

2025年9月9日の証人尋問では、「事実ではありません。全てデタラメです」と明言しました。


そして、この「デタラメの記事」によって受けた被害について、渡邊センスさんは涙を流しながらこう訴えました。

「記事が出てから、オンエアが2つなくなり、収録予定の仕事も2つなくなりました。その後もテレビの仕事がなくなった。記事が出る以前とは比べものにならないぐらい仕事を失いました」

 

つまり、記事掲載後に最低でも4本以上のテレビの仕事が消えたということです。


さらに渡邊センスさんは、こう続けました。

「この20年間、僕はテレビで活躍している皆さんほどではないけど、着実に一歩ずつ階段を上って、もしかしたら努力が実って思い描いていた未来にたどりつけるかもと思っていた。

このようなことを書かれると、信頼がない(となる)」


そして、「テレビスターになる夢を捨てなければいけないという状態になって…」と言葉を詰まらせ、大粒の涙をぬぐいました。

芸人として20年かけて積み上げてきたもの。
それが週刊誌の記事で一瞬にして崩れ去った。

渡邊センスさんの悲痛な訴えが、法廷に響きました。

 

こうした被害に対して、裁判所が認めた220万円という賠償額には、どのような意味があるのでしょうか?


 

 

 

220万円の賠償額が意味すること-名誉毀損の相場と今回の判決

実は、220万円という金額は、個人の名誉毀損訴訟の一般的な相場と比べると4倍以上の高額判決なのです。

 

「え?220万円って高いの?」と思った人も多いでしょう。

請求額1100万円に対して220万円、つまり約5分の1しか認められなかったわけですから、「意外と少ない」と感じるのも無理はありません。


しかし、名誉毀損の慰謝料には相場があります。

名誉毀損の慰謝料相場

  • 個人の場合:10万円〜50万円
  • 企業の場合:50万円〜100万円程度

 

一般的な相場は、被害者が個人の場合で10万円から50万円程度とされています。
企業の場合でも50万円から100万円程度です。


この相場と比較すると、今回の220万円という金額は相場の4倍以上。

個人の名誉毀損訴訟としてはかなり高額な部類に入るのです。


では、なぜこれほど高額になったのでしょうか?

名誉毀損の賠償額を決める際には、以下のような要素が考慮されます。

賠償額を決める3つの要素

① 悪質性の程度
記事の内容がどれだけ悪質だったか。

今回のケースでは、「女性を上納した」という表現は、読者に強い印象を与える内容でした。
② 被害の大きさ
実際にどれだけの損害を受けたか。

渡邊センスさんは複数のテレビの仕事を失い、芸人としてのキャリアに深刻な影響を受けました。
③ 継続性
一度だけでなく、複数回にわたって記事が掲載されたこと。

フライデーは2024年1月から4月まで、関連記事を繰り返し掲載していました。

 

これらの要素を総合的に判断した結果、裁判所は220万円という金額を認めたと考えられます。


ちなみに、請求額に対する認容額の割合(今回は約20%)は、名誉毀損訴訟では一般的な傾向です。

裁判所は、被害者の主張を認めつつも、請求額を精査して適正な金額を判断するのです。

 

名誉毀損の法的基準については、こちらの記事で詳しく解説しています。


では、この高額判決に対して、講談社側はどのように反論していたのでしょうか?


 

 

 

講談社側の主張と法廷での攻防

講談社側は「十分な取材を行い、記事内容は名誉毀損にあたらない」と主張しましたが、裁判所はこれを認めず、220万円の賠償を命じました。

 

講談社側の反論の柱は、主に2つでした。


講談社側の主張その1:十分な取材を実施した

講談社側は準備書面で、「きちんと取材をして、真実性・真実相当性があるんだ」と主張しました。

つまり、記事の内容は取材に基づいたものであり、真実だと信じるに足る根拠があった、ということです。


講談社側の主張その2:記事は名誉毀損にあたらない

さらに興味深いのは、講談社側のこんな主張でした。

記事の内容について、「一般読者に与える印象は、原告(渡邊センス)は、もし性行為を行うことになっても大丈夫かどうかを事前に確認し、女性の真摯な同意が得られた場合に限り、訴外松本との飲み会に招待していたというものである」と解釈できる。

 

つまり、渡邊さんが事前に女性の意思を確認したという内容は、むしろ「丁寧さの現れ」として渡邊さんの名誉を高めることはあっても、傷つけることはない、という主張だったのです。


渡邊センスさんの代理人弁護士は、この主張に対して「あきれていた」と語っています。


しかし、裁判所はこれらの講談社側の主張を認めませんでした。


和解協議の経緯

和解協議の経緯も注目されました。

2025年9月9日の証人尋問後、裁判長の計らいで和解協議が行われることになりました。

講談社側は金銭支払いと謝罪文を提案しましたが、渡邊センスさんは「はっきりとした謝罪と責任」を求めていました。


10月2日、オンラインで和解協議が行われましたが、結局合意には至りませんでした。


その後、渡邊センスさんは自身のXでこう投稿しています。

「証人尋問でズタボロになったフライデー。裁判長の計らいで、相手からの最後の和解案(謝罪や支払い)を聞きに行きました。

時間のムダでした。

彼らは最後の慈悲のチャンスを逃しました。11月25日に一連の報道の週刊誌がボロ負けします。

ここからはウィニングランです」

 

そして、その言葉通り、11月25日の判決で渡邊センスさんは勝訴したのです。


では、この判決は今後の週刊誌報道やメディア業界にどのような影響を与えるのでしょうか?


 

 

 

週刊誌報道と名誉毀損-この判決が示すもの

この判決は、週刊誌が「取材した」と主張するだけでは不十分で、報道される側の名誉に配慮する必要性を示したものと言えます。

 

今回の判決には、いくつかの重要な意味があります。


「取材した」では免責されない

講談社側は「十分な取材を行った」と主張しましたが、裁判所はそれだけでは名誉毀損を免れないと判断しました。

重要ポイント

名誉毀損の民事責任を免れるには、単に取材しただけでなく、その内容が真実であることを証明するか、または真実だと信じるに足る確実な根拠が必要なのです。

 

複数回の記事掲載の影響

フライデーは2024年1月から4月まで、関連する記事を複数回掲載しました。

この「繰り返し」も、賠償額が高額になった一因と考えられます。


一度の報道ミスは誰にでもあり得ますが、それを繰り返し掲載することは、より悪質と判断される可能性があるのです。


実害の重視

渡邊センスさんは、具体的に複数のテレビの仕事を失ったという実害を訴えました。

このような具体的な被害の立証が、高額判決につながったと考えられます。


松本人志さん本人の訴訟との違い

さて、松本人志さん本人はどうなったのでしょうか?

実は、松本人志さんも週刊文春を訴えていましたが、2025年11月に訴えを取り下げています。
つまり、松本人志さん自身の訴訟は「決着なし」で終わったのです。


一方で、渡邊センスさんの訴訟は「勝訴」で終わりました。

同じ一連の報道をめぐる訴訟でも、結果が分かれたことになります。


判決後の記事削除について

ただし、ここで知っておくべき重要な事実があります。

実は、判決が出ても週刊誌の記事には削除義務がないのです。

 

名誉毀損が認められて賠償金の支払いが命じられても、それは「お金で償いなさい」という意味であって、「記事を消しなさい」という命令ではありません。


記事の削除を求めるには、別途、削除を求める訴訟を起こす必要があります。

渡邊センスさんは損害賠償とともに「訂正記事」も求めていましたが、この点について判決がどう判断したかは、現時点では詳細が明らかになっていません。


また、講談社が今回の判決を不服として控訴する可能性もあります。

控訴期限は判決から2週間以内ですので、12月上旬にはその動向が明らかになるでしょう。


私たち読者が考えるべきこと

この裁判は、週刊誌だけの問題ではありません。

SNSの時代、誰もが情報を発信できるようになりました。
そして、誰もが「名誉毀損」の加害者になり得るのです。


SNSでの注意点

「リツイートしただけ」「いいねしただけ」でも、場合によっては名誉毀損の責任を問われることがあります。

実際に、SNSでの「いいね」をめぐる訴訟も起きています。

 

情報を拡散する前に、ほんの少し立ち止まる。
その情報は本当に正しいのか、誰かを傷つけないか、確認する。


そんな一人ひとりの意識が、より健全な情報社会を作っていくのではないでしょうか。



まとめ

今回の判決のポイントを整理します。

    • 2025年11月25日、東京地裁が講談社に220万円の賠償を命令:渡邊センスさんの訴えが認められた

    • フライデーの記事で仕事を複数失った被害:芸人として積み上げてきたキャリアに深刻な影響

    • 220万円は個人の名誉毀損訴訟としては高額:一般的な相場(10-50万円)の4倍以上

    • 「取材した」だけでは免責されない:内容の真実性や確実な根拠が必要

  • 週刊誌報道の在り方に警鐘:報道される側の名誉への配慮の必要性

 

渡邊センスさんは法廷で「書いたもの勝ちではなく、動く時は動かないといけない」と語りました。


この言葉は、メディアだけでなく、情報を受け取り、発信する私たち一人ひとりにも向けられているのかもしれません。


あなたは、今回の判決についてどう思いますか?

 

 

 


よくある質問(FAQ)

Q1. 渡邊センスの講談社への訴訟で、判決はどうなりましたか?

A. 2025年11月25日、東京地方裁判所は講談社に対して220万円の損害賠償を命じる判決を下しました。渡邊センスさんの訴えが認められた形です。

Q2. なぜ渡邊センスさんは講談社を訴えたのですか?

A. フライデーが「松本人志に女性を上納した」という事実無根の記事を複数回掲載し、それによって渡邊センスさんがテレビの仕事を最低4本失うなど、深刻な被害を受けたためです。

Q3. 220万円は名誉毀損訴訟として高額ですか?

A. はい。個人の名誉毀損訴訟の一般的な相場は10万円から50万円程度です。220万円は相場の4倍以上で、個人の名誉毀損訴訟としてはかなり高額な部類に入ります。

Q4. 講談社側はどのように反論していましたか?

A. 講談社側は「十分な取材を行った」「記事内容は名誉毀損にあたらない」と主張しましたが、裁判所はこれらの主張を認めず、220万円の賠償を命じました。

Q5. この判決は今後の週刊誌報道にどう影響しますか?

A. 週刊誌が「取材した」と主張するだけでは免責されず、内容の真実性や確実な根拠が必要であることを示した判決です。報道する側は、報道される側の名誉により配慮する必要性が高まると考えられます。


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