⚡「セクハラ認定なし」なのに辞任――。
東海テレビ放送の小島浩資会長(67)が12月23日付で辞任した。
週刊新潮がセクハラ疑惑を報じたことを受けて設置された調査委員会は「セクハラ行為は認定できない」と結論づけたにもかかわらず、だ。
では、なぜ辞任したのか。
24日に公表された調査報告書には、ある一言が記されていた。
「写真を撮られるような行動自体が
極めて不適切とのそしりは免れない」
この言葉が意味するものとは何か。
今年1月のフジテレビ問題から約1年。
系列局のトップが辞任に至った経緯を、時系列で整理する。

📋 この記事でわかること
東海テレビ小島浩資会長が辞任を発表
📌 結論:東海テレビ放送の小島浩資会長(67)が、2025年12月23日付で辞任した。
24日夜、東海テレビは名古屋市内で記者会見を開き、林泰敬社長がこの事実を発表。
同日、調査委員会の報告書も公表された。
読売新聞オンラインによると、小島氏は「取締役および代表取締役」の両方を辞任している。
つまり、経営陣から完全に退くことになる。
辞任の発表は、調査報告書が公表されたのと同じ日。
この「同時発表」という形が、今回の問題の複雑さを物語っている。
では、そもそも何が問題だったのか。
週刊新潮が報じた内容を見ていこう。
週刊新潮が報じたセクハラ疑惑の内容とは
📌 結論:2025年11月13日発売の週刊新潮が、小島氏のセクハラ疑惑を報道した。
記事によると、小島氏は2022年ごろの懇親会で、派遣社員の女性に「キスしてよ」と迫り、自身の頬にキスをさせたとされている。
さらに、女性スタッフと抱き合う写真も掲載された。
デイリー新潮の報道では、他にも以下の疑惑が指摘されていた。
- 妊娠中の女性社員のお腹に頬を寄せ、「俺の子か?」と発言した疑い
- 女子アナをスポンサーとの会食に「接待要員」として動員した疑い
特に「接待要員」の疑惑は、今年1月に大きな問題となったフジテレビの体質と重なる部分があった。
週刊新潮は、小島氏を「名古屋の日枝久」と表現。
フジテレビで長年権力を握った日枝久氏になぞらえた形だ。
これらの報道を受けて、東海テレビは外部有識者を含む調査委員会を設置した。
調査委員会がセクハラを認定しなかった理由
📌 結論:調査委員会は「セクハラに該当する言動は認められない」と結論づけた。
つまり、セクハラ行為は認定されなかったのだ。
なぜか。
💡 実は、女性スタッフ本人が「セクハラされたと感じたことはない」と明言していたからだ。
調査委員会は、橋本修三弁護士を委員長とし、椙山女学園大学の東珠実教授、東海テレビ常勤監査役の3名で構成されていた。
委員会は元スタッフの女性らにヒアリングを実施。
その結果、本人たちから「被害を受けた」という認識は確認できなかった。
報告書では「会食については不適切、不相当なものであったとは認められない」とも結論づけている。
週刊新潮の報道内容には「誤りがある」との指摘もあった。
ここまで聞くと、「じゃあなぜ辞任したの?」と思うだろう。
実は、辞任の理由は「セクハラ行為」そのものではなかった。
「セクハラ認定なし」でも辞任した真の理由
⚠️ 核心:辞任の真の理由は、「行為」ではなく「状況」にあった。
報告書はこう指摘している。
「(セクハラととられかねない)写真が撮られるような行動自体は極めて不適切なものだった」
💡 つまり、セクハラかどうかに関係なく、「報道機関のトップが、そのような写真を撮られる場を作ったこと自体が問題」という判断だ。
日本経済新聞によると、林社長も会見でこう説明している。
「ハラスメントの認定がなくても、報道機関のトップとして人権問題の認識の甘さは否めない」
調査委員長の橋本弁護士は、さらに厳しい言葉を残した。
「今回の報道は、東海テレビが築いてきた信用をすべて水泡に帰することになりかねないものであり、極めて残念」
「セクハラではなかった」けれど、「報道機関のトップとして不適切だった」。
この微妙なラインが、今回の辞任の本質だ。
そして、この「不適切な場」には、もう一人の重要人物が同席していた。
林泰敬社長も報酬返納「同席していたのに制止できず」
💡 実は、問題の宴席には林泰敬社長も同席していた。
林社長は会見で、不適切な行為を制止できなかったことを認め、月額報酬の20%を3カ月間自主返納すると発表した。
会長が辞任し、社長は報酬返納。
トップ2人がともに責任を取る形となった。
林社長の処分理由は明確だ。
その場にいながら、写真を撮られるような状況を止められなかった。
報道機関の経営者として、その判断力が問われた形になる。
では、辞任した小島浩資氏とは、そもそもどのような人物だったのか。
小島浩資の経歴と「名古屋の日枝久」の異名
📌 プロフィール:小島浩資(こじま ひろし)氏は、1958年12月16日生まれの67歳。愛知県出身。
Wikipediaによると、経歴は以下のとおり。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1981年 | 名古屋工業大学工学部卒業、東海テレビ放送入社 |
| 2011年 | 取締役東京支社長 |
| 2019年 | 代表取締役社長 |
| 2025年6月 | 代表取締役会長 |
入社から40年以上、一貫して営業畑を歩んできた人物だ。
社内では「営業マンの鑑」と評され、その手腕は高く評価されていたという。
💡 そして実は、小島氏には「名古屋の日枝久」という異名があった。
日枝久氏とは、フジテレビで長年「ドン」として君臨した人物。
今年のフジテレビ問題でも、その責任を問う声が上がっていた。
小島氏が「日枝久」になぞらえられていたことは、東海テレビにおける小島氏の影響力の大きさを物語っている。
そして今回の問題は、そのフジテレビ問題と無関係ではなかった。
フジテレビ問題から約1年、系列局に波及した影響
📌 背景:今年1月、中居正広氏の性加害問題をきっかけに、フジテレビの会長と社長が辞任した。
中居正広・フジテレビ問題は、女性アナウンサーを接待に動員していた実態も明らかにし、テレビ業界全体に波紋を広げた。
4月には、関西テレビの大多亮社長も辞任。
今年1月、東海テレビは自局で調査を行い「フジテレビと同様の事案は確認されなかった」と発表していた。
💡 実は、東海テレビは今年8月、「フジテレビ問題から何を学ぶか」をテーマに全社集会まで開催していた。
放送倫理とコンプライアンスについて、全社員で考える場を設けていたのだ。
その3カ月後に、会長のセクハラ疑惑が報道されることになるとは、皮肉な話だ。
フジテレビ問題で東海テレビは「数億円の損失」を被ったとも報じられている。
スポンサー離れの影響だ。
今回の会長辞任が、さらなる影響を及ぼすかどうかは、まだわからない。
ただ、「フジ的体質を受け継ぐ」と指摘されていた系列局で、ついにトップが辞任したという事実は重い。
まとめ
今回の東海テレビ会長辞任について、ポイントを整理する。
- 小島浩資会長は2025年12月23日付で辞任を発表
- 調査委員会はセクハラ行為を認定しなかった
- 女性スタッフ本人が「セクハラと感じたことはない」と明言
- ただし「写真を撮られる状況を作ったこと自体が不適切」と指摘された
- 林社長も同席していたため、月額報酬20%を3カ月間自主返納
- フジテレビ問題から約1年、系列局のトップ辞任に発展
「セクハラ認定なし」でも辞任に至った今回の判断は、報道機関のトップに求められる基準の高さを改めて示す結果となった。
よくある質問
Q. 東海テレビ小島浩資会長はなぜ辞任したの?
調査委員会が「セクハラ認定なし」と結論づけたにもかかわらず、「写真を撮られる状況を作ったこと自体が報道機関トップとして不適切」と判断されたため辞任した。
Q. 週刊新潮は小島会長について何を報じた?
2022年ごろの懇親会で派遣社員女性に「キスしてよ」と迫った疑惑や、女性スタッフと抱き合う写真などを報道。女子アナの接待動員疑惑も指摘された。
Q. なぜ調査委員会はセクハラを認定しなかった?
女性スタッフ本人が「セクハラされたと感じたことはない」と明言していたため。ヒアリングの結果、被害認識が確認できなかった。
Q. 林泰敬社長はなぜ報酬を返納した?
問題の宴席に同席していながら、不適切な行為を制止できなかったことを理由に、月額報酬の20%を3カ月間自主返納すると発表した。
Q. 小島浩資氏の経歴は?
1958年生まれの67歳。名古屋工業大学卒業後、1981年に東海テレビ入社。営業畑一筋で40年以上勤務し、2019年に社長、2025年6月に会長就任。
Q. フジテレビ問題との関係は?
小島氏は「名古屋の日枝久」と呼ばれ、東海テレビは8月に「フジ問題から学ぶ」全社集会を開催。約1年後に系列局トップの辞任に発展した形となる。
参考文献
- 読売新聞オンライン - 辞任発表、調査結果の詳細
- デイリー新潮/Yahoo!ニュース - 週刊新潮報道の詳細内容
- 日本経済新聞 - 調査委報告と辞任理由
- Wikipedia - 小島浩資の経歴
- Wikipedia - フジテレビ問題の経緯