2025年11月23日、さいたまスーパーアリーナで開催された人気声優ライブ「あんさんぶるスターズ!!」。
楽しいイベントのはずが、思わぬ形でSNSを騒がせることになりました。
ライブ参加者2人が近隣の病院のトイレを無断使用したことが発覚し、患者の家族が「勝手に使うな」とX上で怒りをあらわにしたのです。

でも、この病院は普通の病院ではありませんでした。免疫力が極端に弱い子どもたちが命をつなぐ、高度医療を行う専門施設だったのです。
SSAライブ客が病院トイレ無断使用で炎上|11月23日の詳細
J-CASTニュースの報道によると、この日さいたまスーパーアリーナでは、人気ゲーム「あんさんぶるスターズ!!」(通称:あんスタ)のキャラクターを演じる男性声優らによるライブが開催されていました。
22日から24日までの3連休、3日間にわたる大規模イベントです。
患者の家族によるX上の投稿では、2次元キャラクターのデザインが入ったバッグを持った女性2人が、ライブ前にマスクを着用せずに病院のトイレを使うのを目撃されたとのこと。
さいたまスーパーアリーナのすぐそばには、埼玉県立小児医療センターとさいたま赤十字病院があります。
どちらも「関係者以外立入禁止」を求める看板が立っていたにもかかわらず、この2人は病院内に入ってトイレを使用したというのです。
患者の家族は、ライブの参加者に対して「病院内のトイレやコンビニの利用は止めるように」とX上で呼びかけました。
病院という場所は、健康な人が気軽に立ち寄る場所ではありません。
でも、なぜそこまで問題視されたのでしょうか?
実は、この病院は「ただの病院」ではなかったのです。
なぜダメ?小児医療センターは免疫力が弱い患者がいる高度医療施設
埼玉県立小児医療センターの公式サイトによると、この病院は「小児専門病院として新生児に対する高度医療をはじめ、一般医療機関では対応困難な小児の疾患の診療を行う3次医療」を提供しています。
つまり、普通の病院では治療できない重症の子どもたちが集まる、最後の砦のような施設なんです。
特に注目すべきは、感染免疫・アレルギー科の存在です。
ここでは「生まれつき免疫力が弱いために感染症を繰り返す病気(免疫不全症)の診断と治療」を行っています。
免疫力が弱いとはどういうこと?
私たちは普段、体に入ってくるウイルスや細菌を免疫システムが撃退してくれています。
でも、免疫不全症の患者さんは、この防御システムがうまく働きません。
さらに、この病院には新生児集中治療室(NICU)が30床あります。
生まれたばかりの赤ちゃん、それも重症の赤ちゃんが治療を受けている場所です。
研修生ですら入れない厳格な感染対策
実は、この病院の感染対策は想像以上に厳格です。
病院の診療案内によると、研修生や実習生が患者エリアに立ち入る際には、抗体価検査とワクチン接種が義務付けられています。
つまり、医療を学ぶ専門家ですら、十分な免疫を獲得していることを証明しないと中に入れないほど、感染管理が重要な場所なのです。
J-CASTニュースの取材に対し、病院側は次のように答えています。
「病院では、高度に専門的な治療を行っており、免疫力が弱くなっている病気の方もおられます。トイレなどは、あくまでも患者やご家族の方のために用意しています。関係ない人が利用すると、快く思わない方もおられます」
そして、こう続けました。
「病院の入口では、トイレなどの利用はご遠慮していただくよう看板を設置しています。また、アリーナに対しては、イベント参加者が病院内のトイレなどを利用しないようにアナウンスしてほしいと強く申し入れました」
それだけ重要な施設の近くに、なぜ最大37,000人が集まる大規模ライブ会場が?
そして、なぜ参加者は病院に向かってしまったのでしょうか。
さいたまスーパーアリーナのトイレ問題|488個でも足りない理由
さいたまスーパーアリーナの公式サイトを見ると、こんな注意書きがあります。
「イベント当日の女子トイレは大混雑!時間に余裕をもって行動するりん!」
公式キャラクターまで必死で呼びかけているんです。
488個でも足りない理由
実は、さいたまスーパーアリーナのトイレは男女合わせて488個という、国内でも有数の規模を誇ります。
でも、それでも足りません。なぜでしょうか?
答えは簡単です。さいたまスーパーアリーナは、最大37,000人を収容できる国内最大級の多目的アリーナだからです。
もちろん、男女比や使用タイミングの偏りを考えると、実際はもっと混雑します。
実際の利用者の声を見ると、「開演前や休憩時間のトイレは大混雑。特に女性トイレでは30分待ちも珍しくありません」とあります。
30分ですよ。ライブの開演時間が迫っているのに、トイレで30分待つなんて、焦りますよね。
けやきひろばのトイレも少ない
さらに問題なのが、アリーナ入場前に使える「けやきひろば」のトイレです。
けやきひろばは、さいたまスーパーアリーナに隣接する商業施設で、誰でも利用できる場所です。
でも、ここのトイレの数は「非常に少ない」と公式サイトに書かれています。
つまり、「会場に入る前にトイレに行っておこう」と思っても、そこも混雑しているんです。
世界最大級の可動システム
実は、さいたまスーパーアリーナには驚くべき技術が使われています。
世界最大級の可動システムによって、トイレが配管ごと移動できるんです。
アリーナモードとスタジアムモードで会場の形が変わるのですが、そのときトイレも一緒に動きます。
また、女性が多いイベントでは、男性トイレを女性用に転用する「フレックストイレ」という仕組みも採用されています。
それでも、ピーク時の混雑は避けられません。
こうした状況の中、一部のライブ参加者が「病院のトイレなら空いているかも」と考えてしまったのかもしれません。
でも、それは絶対にやってはいけないことでした。
では、こうした問題を受けて、病院とアリーナ側はどんな対応を取ったのでしょうか?
病院とSSA側の対応|看板設置と主催者への要請強化
病院側の対応
埼玉県立小児医療センターの事務局によると、病院の入口には2か所の自動ドアがあります。
その間にトイレやコンビニ、休憩所があるのですが、土日祝日は奥のドアにカギをかけているそうです。
ただ、手前のドアは「患者に面会に来た家族らに利用してもらうため」に自由に入れるようになっていました。
つまり、完全に閉鎖するわけにはいかないんです。
病院側は「関係者以外立入禁止」の看板を設置しています。
でも、それでもマナー違反は後を絶ちません。
今回の件を受けて、病院側は「マナーを守らない人がいるとの意見を踏まえ、何らかの対策を検討している」と明らかにしました。
さいたまスーパーアリーナ側の対応
さいたまアリーナの広報担当者によると、けやきひろばから病院に向かうデッキ上で、「この先の通行は遠慮してほしい」とする看板を立てているとのこと。
また、男女比を変えられるフレックストイレを採用し、女性が多くなりそうなイベントではその比率を増やしているそうです。
2025年から何度も要請があった
重要なのは、実は2025年に入って、病院からアリーナ側に何度も要請があったということです。
「イベント参加者が病院内のトイレなどに入らないようアナウンスしてほしい」
この要請を受けて、さいたまスーパーアリーナは主催者と情報共有し、参加者に呼びかけているとしています。
看板を立てても、アナウンスしても、一部の人には届いていない。これは深刻な問題です。
では、ライブに参加する私たちはどうすればいいのでしょうか?
ライブ参加者が知っておくべきマナーと事前準備
まず、最も重要なルールを確認しましょう。
「関係者以外立入禁止」の看板がある場所には、どんなに混雑していても入ってはいけません。
では、具体的にどう対策すればいいのでしょうか?
駅のトイレを活用する
さいたま新都心駅のトイレは、改札内に広々としたきれいなトイレがあります。
女性化粧室、男性化粧室、ファミリー化粧室、多機能トイレと充実しています。
電車を降りてさいたまスーパーアリーナに向かう前に、ここで済ませておくのがベストです。
ただし、イベント当日は朝から混雑するので、できるだけ早めに到着することをおすすめします。
商業施設のトイレを使う
さいたま新都心の東口には、ショッピングモール「コクーンシティ」があります。
ここのトイレは比較的空いている穴場です。
また、さいたま新都心駅からさいたまスーパーアリーナに向かう途中の右手にある「JRさいたま新都心ビル」にも、コンビニや飲食店が入っていて、トイレを利用できます。
ライブの入場時間より少し早く到着して、ショッピングや食事を楽しみながらトイレを済ませる、というのも良い方法です。
穴場:北与野駅のトイレ
実は、さいたま新都心駅から歩いて15分ほどの場所に、埼京線の北与野駅があります。
ここのトイレは比較的空いている穴場です。
ただし、トイレは改札内にあるので、入場券を購入するか、ICカードで入場する必要があります(入場料がかかります)。
水分調整の工夫
実は、ライブファンの間では「水分調整」という裏技が知られています。
ライブの数時間前から水分摂取を控えめにする、という方法です。
ただし、これはあくまで「工夫」であって、脱水症状にならないよう体調第一で判断してください。
また、糖質を含む食品(大福やボンタンアメなど)は、体内の水分を一時的に保持する働きがあり、ライブ中の尿意を抑える効果があるとされています。
時間に余裕を持つ
最も重要なのは、時間に余裕を持って会場に到着することです。
開演ギリギリに到着すると、トイレに行く時間もなく、焦ってしまいます。
その時間を使って、駅や商業施設でゆっくりトイレを済ませ、グッズを見たり、友達と話したりして過ごせます。
さいたまスーパーアリーナの公式アドバイス
さいたまスーパーアリーナの公式サイトでは、こうアドバイスしています。
「館内にはすべてのフロアにトイレがあるりん。」
会場内のトイレは、200レベル、300レベル、400レベルなど、各階に分散しています。
入口近くのトイレは混雑しますが、奥の方や上の階のトイレは比較的空いていることもあります。
まとめ:ライブの楽しさと患者さんの安全、両方を守るために
今回の炎上事件から、私たちが学ぶべきことは何でしょうか?
- 埼玉県立小児医療センターは、免疫力が極端に弱い子どもたちが治療を受ける高度専門病院
- 外部からの感染は患者さんの命に関わるため、関係者以外の立入りは絶対にNG
- さいたまスーパーアリーナには488個のトイレがあるが、最大37,000人には不足
- 駅や商業施設のトイレを事前に利用し、時間に余裕を持つことで対策可能
- 病院とSSA双方が対策を取っているが、一人ひとりのマナー意識が最も重要
ライブは、みんなが楽しみにしている特別な時間です。
推しの声優さんを間近で見られる、一生の思い出になるイベントですよね。
でも、その楽しさが誰かの命を脅かすことがあってはいけません。
「トイレくらい借りてもいいでしょ」
そう思う気持ちもわかります。でも、その「くらい」が、重症の患者さんにとっては命に関わる問題になるのです。
一人ひとりが少しだけ早めに行動する、少しだけ計画的に準備する。
それだけで、患者さんの安全を守りながら、私たちも楽しくライブを楽しむことができます。
次にさいたまスーパーアリーナでライブに参加するときは、ぜひこの記事で紹介した対策を試してみてください。
そして、もし友達が「病院のトイレ行こうかな」と言ったら、この記事のことを思い出して、止めてあげてください。
よくある質問(FAQ)
Q1: なぜ病院のトイレを使ってはいけないのですか?
A: 埼玉県立小児医療センターは、免疫力がほとんどない患者や重症の子どもが治療を受ける高度専門病院です。外部からの感染は患者さんの命に関わるため、関係者以外の立入りは絶対に禁止されています。研修生ですらワクチン接種が義務付けられるほど、感染管理が厳格な施設です。
Q2: さいたまスーパーアリーナにはトイレは何個ありますか?
A: さいたまスーパーアリーナには男女合わせて488個のトイレがあります。しかし、最大37,000人が集まるため、特に女性トイレは30分待ちになることもあります。会場には世界最大級の可動システムがあり、トイレが配管ごと移動できる仕組みになっています。
Q3: ライブ前にどこでトイレを済ませればいいですか?
A: さいたま新都心駅の改札内トイレ、コクーンシティ、JRさいたま新都心ビルのトイレを利用するのがおすすめです。穴場としては北与野駅(徒歩15分)のトイレもあります。開演の1時間〜1時間半前には到着し、時間に余裕を持って行動することが重要です。
Q4: 埼玉県立小児医療センターはどんな病院ですか?
A: 小児専門の3次医療機関で、一般医療機関では対応困難な重症の子どもが治療を受ける施設です。免疫不全症の患者や新生児集中治療室(NICU)30床を有し、生まれつき免疫力が弱い患者にとって外部からの感染は命に関わります。病院側は2025年初からアリーナ側に複数回の対策要請を行っています。
参考文献リスト
- ・J-CASTニュース「SSAライブ客が病院のトイレに?患者家族が「勝手に使うな」と訴え」
- ・埼玉県立小児医療センター公式サイト
- ・埼玉県立小児医療センター 感染免疫・アレルギー科
- ・さいたまスーパーアリーナ 当日の過ごし方
- ・JREメディア「さいたま新都心・スーパーアリーナ付近で使えるトイレ情報」
- ・さいたまスーパーアリーナのトイレ徹底攻略
- ・Wikipedia「埼玉県立小児医療センター」