2025年11月初旬、札幌市南区の私立幼稚園で衝撃的な事態が発覚しました。札幌梅香幼稚園で、教職員ら8人が一斉に退職していたのです。
職員総数約10名の小規模園で、実に8割もの職員が同時に辞めるという異例の事態。しかも、保護者に知らされたのは退職のわずか前日でした。
「明日から誰が子どもを見てくれるの？」―保護者たちは突然の通知に戸惑い、転園を検討する動きも出ています。一体、この幼稚園で何が起きたのでしょうか。
📋 この記事でわかること
📍 札幌梅香幼稚園で何があった？教職員8人一斉退職の全容
2025年10月31日付で、札幌市南区藤野にある札幌梅香幼稚園の教職員7人と事務員1人の計8人が退職しました。
この幼稚園は職員総数が約10名という小規模な園。そのうち8名が一度に退職したということは、園長を含めて実質2名程度しか残っていない計算になります。
💡 実は、職員総数10名のうち8名退職というのは、園の運営が継続できるかどうかの瀬戸際といえる深刻な状況なんです。
札幌市私立幼稚園連合会の園情報によると、園児数は31名。満3歳児から5歳児までが在籍する認可幼稚園です。
🗓️ 保護者への通知はいつだった？
保護者が職員の一斉退職を知らされたのは、なんと退職の前日である10月30日。子どもを通じて配布された書面1枚での通知だけでした。
「明日から先生がいなくなる」と前日に突然知らされた保護者の驚きと不安は、想像に難くありません。
STVニュース北海道の報道では、説明会に出席した保護者の声として「11月4日以降の保育体制がどうなるか知りたい」「何名が退職されて新規で採用されたのは何名ですか」という切実な質問が紹介されています。
❓ 一斉退職の理由は？「園長の暴言」説と園長の反論
では、なぜこれほど多くの職員が一度に辞めることになったのでしょうか。
保護者側の説明では、退職の原因は「園長の暴言」だとされています。しかし、園長は取材に対して「そういう発言はない。納得できない」と反論。双方の主張は真っ向から対立しています。
📝 退職理由は明らかになっているのか
説明会で園長は「この度は私の管理不行き届きのために、いろんな皆さんに心配をかけて大変申し訳ないと思っています」と謝罪しました。
しかし同時に「退職届は理由はちゃんと細かく書いてくれた人は誰もいなかった」「僕は分からない」「いつの間にかこうなった」とも発言。具体的な理由については明確な説明がなされていません。
⚠️ 実は、全国で増えている一斉退職
幼稚園や保育園での職員一斉退職は2024年頃から全国で増加傾向にあります。
保育業界の労働問題に詳しい専門家の分析によると、2024年3月には静岡県焼津市の私立幼稚園で15人中13人が、宮城県登米市の認定こども園では17人中10人が一度に退職する事例がありました。
これらの事例に共通するのは、園長・経営者と現場職員の間に深刻な信頼関係の崩壊があったという点です。
静岡県焼津市の事例では、退職した教諭が「子どもの安全を確保できない環境。経営陣が子どもファーストでない。本当に不信感しかありません」と語っています。
主な退職理由として挙げられているのは、労働条件への不満、ハラスメント、現場を顧みない経営姿勢などです。
📢 保護者への通知はなぜ退職前日？説明会での混乱
前日通知という対応には、多くの保護者が不信感を抱きました。
多くの保育施設では、職員の退職を保護者に事前に知らせることが一般的です。なぜなら、子どもの預け先に関わる重要な情報だからです。
📌 ポイント
今回は退職のわずか前日、しかも書面1枚だけの通知。これでは保護者が転園先を探す時間も、心の準備をする時間もありません。
💬 説明会でも明確な回答なし
11月初旬に開催された説明会で、保護者たちは園側に経緯の説明を求めました。
しかし保護者が「今回のことになった経緯を説明してくれ」と求めても、園長は「僕は分からない」「いつの間にかこうなった」と繰り返すばかり。
ある保護者は取材に対して「このままここに通わせ続けていてもいいのかどうか。それだけですね。親として」と不安を口にしています。
保護者が知りたいのは：
- 11月4日以降の具体的な保育体制
- 新規採用職員の人数
- 今後の運営方針
しかし、これらの疑問に対する明確な回答は得られませんでした。
😰 保護者の不安と転園の動き―「このままで大丈夫？」
突然の事態に、保護者たちは大きな不安を抱えています。
年長クラスに子どもを通わせているある保護者は「転園はさせようと考えています。残しておくには心配なので」と話します。
「転園先を探したりするのはすごい労力も使うし、これから転園しなきゃならないって子どももすごく不安だと思うんですよ。また一からやり直さなきゃならないので。そういうのを助けてほしくて」
この保護者の声には、親としての切実な思いが込められています。
🔄 転園は簡単ではない現実
実は、年度途中の幼稚園転園は想像以上に大変なんです。
幼稚園の転園手続きに関する専門情報によると、転園には以下のような課題があります：
📌 定員の問題
転園先の幼稚園に空きがなければ入園できません。特に年度途中は空きが少ない傾向にあります。
📌 必要な手続き
- 現在の幼稚園から在園証明書を取得
- 転園先の入園願書を提出
- 住民票などの書類準備
- 場合によっては面接や入園検定も
📌 時期の問題
年度途中での転園が難しい場合、4月まで待つという選択を余儀なくされることもあります。
11月という時期は、4月の新年度まであと5ヶ月。この期間を不安定な状態で過ごすのは、子どもにとっても保護者にとっても大きな負担です。
保育施設でのトラブルによる転園については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
👶 子どもへの影響も心配
転園は子どもにとっても大きなストレスです。
慣れ親しんだ環境、仲良しのお友達、毎日会っていた先生たち。そのすべてと別れて、新しい場所で一から関係を築かなければなりません。
特に年長児の場合、あと数ヶ月で小学校入学という大切な時期。この時期の環境変化は、子どもの心に大きな影響を与える可能性があります。
🔮 今後の保育体制は？新規採用と残された課題
幼稚園側は新たに職員を補充して園を運営する見通しを示しています。
しかし、保護者側は採用人数などがはっきりしないと反発。具体的な情報が不足しているため、不安は解消されていません。
⚖️ パワハラ防止法の義務化
📜 実は、2022年4月からパワーハラスメント防止措置がすべての事業主（幼稚園・保育園も含む）に義務化されています。
保育園におけるパワハラ対策の専門情報によると、事業主には以下の措置が義務付けられています：
- ハラスメント防止の方針明確化と周知
- 相談窓口の設置
- 事案発生時の迅速な対応
- プライバシー保護の徹底
しかし、制度が整っていても、実際に機能していなければ今回のような事態は防げません。
📊 一斉退職後の課題
保育業界の一斉退職問題に関する分析では、一斉退職が起きる原因として以下が指摘されています：
🔴 経営陣のハラスメント
園長や経営者による暴言、パワハラが最も多い原因です。
🔴 給与・労働条件への不満
処遇改善が進まず、他園との格差が生じている場合があります。
🔴 職員配置の問題
人手不足の中、安全な保育体制が確保できない不安があります。
🔴 経営方針への不信
現場の声を聞かない、急激な改革など、職員との意思疎通不足が原因となることもあります。
保育施設での職員問題と対策については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
❓ これからどうなる？
新規職員の採用で運営を継続するとしていますが、課題は山積みです。
短期的な課題
- 11月4日以降の実際の保育体制
- 新規職員の人数と経験
- 残留職員の負担増
長期的な課題
- 保護者との信頼関係の再構築
- 職場環境の改善
- 透明性のある運営体制の確立
何より大切なのは、子どもたちが安心して過ごせる環境を一日も早く取り戻すことです。
📝 まとめ：札幌梅香幼稚園の一斉退職問題
札幌梅香幼稚園での教職員8人一斉退職問題について、重要なポイントをまとめます：
- 異例の事態：職員総数10名のうち8名が10月31日付で一斉退職。小規模園にとって運営の根幹を揺るがす深刻な状況
- 通知の問題：保護者への通知は退職前日のみ。書面1枚での突然の通知に保護者は混乱
- 理由の対立：保護者側は「園長の暴言」を理由とするが、園長は否定。具体的な退職理由は不明
- 全国的な傾向：2024年以降、全国で幼稚園・保育園の職員一斉退職が増加傾向
- 転園の困難：年度途中の転園は空き状況次第で難しく、保護者は不安定な状態での判断を迫られている
- 今後の課題：新規採用で運営継続を目指すが、具体的な体制や保護者との信頼回復には多くの課題が残る
幼稚園・保育園での一斉退職問題は、単なる労働問題ではありません。子どもの成長と安全に直結する、社会全体で考えるべき課題です。
職場環境の改善、ハラスメント防止の徹底、そして何より保護者との透明性のあるコミュニケーション。これらが実現されなければ、同様の問題は今後も起こり続けるでしょう。
札幌梅香幼稚園の今後の対応と、子どもたちが安心して通える環境が取り戻されることを願うばかりです。
❓ よくある質問（FAQ）
Q1. 札幌梅香幼稚園で何人の職員が退職したの？
教職員7人と事務員1人の計8人が2025年10月31日付で一斉退職しました。職員総数約10名のうち8名という異例の事態です。
Q2. 一斉退職の理由は何？
保護者側は「園長の暴言」を理由としていますが、園長は否定しており、具体的な理由は明らかになっていません。退職届にも詳細な理由の記載はなかったとされています。
Q3. 保護者はいつ退職を知らされたの？
保護者への通知は退職の前日である10月30日でした。子どもを通じて配布された書面1枚での通知だけで、転園先を探す時間もない突然の知らせでした。
Q4. 年度途中の転園は可能なの？
年度途中の転園は転園先の空き状況次第で困難な場合が多いです。必要書類の準備、面接、入園検定など手続きも複雑で、4月まで待つという選択を余儀なくされることもあります。
Q5. 今後の保育体制はどうなるの？
幼稚園側は新規職員を採用して運営を継続する方針を示していますが、具体的な採用人数や11月4日以降の体制については明確になっていません。
Q6. 幼稚園の一斉退職は他でも起きているの？
2024年以降、全国で幼稚園・保育園の職員一斉退職が増加しています。静岡県焼津市では15人中13人が、宮城県登米市では17人中10人が一斉退職する事例がありました。
