📖 この記事でわかること
「え、ハーモニーランドってずっと赤字だったの?」
そう驚く人も多いかもしれません。
実は、大分県にあるハーモニーランドは1991年の開園以来、ほぼ恒常的に赤字が続いていました。
交通アクセスの悪さやテーマパーク乱立の影響が、長年の課題だったのです。
それが今、「天空のパーク」という壮大な構想のもと、まったく新しいリゾートに生まれ変わろうとしています。
2025年12月8日、サンリオは大分県庁で基本構想を発表。
ホテル新設、雨を防ぐ大屋根、空を飛ぶようなロープウェー…。
その全貌を、わかりやすく解説していきます。

ハーモニーランド「天空のパーク」構想とは?100億円投資で10年計画が始動
サンリオエンターテイメントの公式発表によると、大分県庁で立地表明式が行われました。
大分県知事・日出町町長とともに「エンタメリゾート化」の始動が宣言されたのです。
📅 具体的なスケジュール
| 2025年12月8日 | 基本構想発表(今回の発表) |
| 2026年中 | 基本計画を発表予定 |
| その後 | 他企業とコンソーシアム(共同事業体)を組成 |
| 完成まで | 約10年の見通し |
日本経済新聞の報道では、初期投資100億円に加え、総投資額は数百億円規模になると見られています。
実は、完成まで10年もかかるんです。
「10年って長くない?」と思うかもしれませんが、これだけの大規模リゾート開発には、それくらいの時間が必要なんですね。
では、100億円で具体的に何が変わるのでしょうか?
何が変わる?新ホテル・大屋根・ロープウェーの具体的内容
「天空のパーク」構想の中身を、一つずつ見ていきましょう。
☔ 大屋根の設置
屋外型テーマパークの最大の弱点は「雨」です。
実は、この弱点を克服するため、パークの中心部分に大屋根を設置する計画があります。
これにより、雨の日でも暑い夏の日でも、一年中快適に過ごせるようになります。
🚡 ロープウェー・電動モビリティの導入
ハーモニーランドは高低差のある地形が特徴です。
この地形を活かして、ロープウェーや電動モビリティ(電動で動く乗り物)を導入。
まさに「空を飛ぶ」ような移動体験ができるようになります。
🚪 入場ゲートの移設
現在の入場ゲートを、より下の位置に移設する計画です。
これにより、パークに入った瞬間から「天空に向かって登っていく」ような体験ができます。
🏨 新ホテルの建設
Yahoo!ニュースの報道によると、パークに隣接する小高い場所に新しいホテルを建設する計画があります。
このホテルからは、パーク全体と大分の山々、そして別府湾を一望できるとのこと。
サンリオの世界観を楽しみながら宿泊できる、夢のような施設になりそうです。
📐 敷地の大幅拡大
= 合計約43ヘクタールの広大なリゾートが誕生!
これだけの大改革、でもなぜ東京ではなく大分なのでしょうか?
なぜ大分?34年の歴史と「赤字テーマパーク」からの大逆転
🏛️ 始まりは「一村一品クラフト公園」
意外と知られていませんが、ハーモニーランドの元々の場所は「一村一品クラフト公園」という大分県の公園でした。
当時の大分県知事がサンリオに熱心に要請し、この公園内にテーマパークが誕生したのです。
開園当初は「第三セクター方式」(県と民間企業が共同で出資する形態)でスタートしました。
📉 34年間の苦戦
日本経済新聞によると、開園後は「ほぼ恒常的に赤字が続いた」とされています。
その理由として挙げられるのが:
- 景気低迷の影響
- 1990年代のテーマパーク乱立
- 大分という立地の不便さ
大分空港から車で約30分という場所にあり、直通の交通手段も限られていました。
✈️ 逆転への布石
しかし近年、状況は変わりつつあります。
実は、大分空港は2024年12月から「大分ハローキティ空港」という愛称になりました。
さらに、空港とハーモニーランドを直接結ぶ「ハーモニーライナー」というラッピングバスも運行開始。
大分県とサンリオの連携が加速しているのです。
東京にピューロランドがあるのに、なぜ大分にもパークがあるのか?2つの違いを見ていきましょう。
ピューロランドとの違いは?サンリオ初のリゾート事業の意味
🎡 2つのパークの違い
サンリオが運営する国内テーマパークは、実は2カ所しかありません。
| サンリオピューロランド | ハーモニーランド | |
|---|---|---|
| 場所 | 東京都多摩市 | 大分県日出町 |
| タイプ | 屋内型 | 屋外型 |
| 開園 | 1990年 | 1991年 |
| 年間入場者 | 非公開 | 約50万人 |
ピューロランドは都市型の屋内施設で、天候に左右されない強みがあります。
一方、ハーモニーランドは大分の自然を活かした屋外型で、開放感が魅力でした。
🏨 「リゾート事業」という新たな挑戦
今回の「エンタメリゾート化」は、サンリオにとって初めてのリゾート事業です。
これまでサンリオは「日帰りで楽しむテーマパーク」を運営してきました。
しかし今回は、ホテルを含む「泊まって楽しむリゾート」に挑戦します。
サンリオエンターテイメントの小巻亜矢社長は「長時間滞在することが少し難しいのが現状の課題」と語っており、この課題を解決するのが今回のリゾート化なのです。
では、このリゾートでサンリオが大切にしている理念とは何でしょうか?
「誰の笑顔も諦めない」7つの理念とは?
サンリオは今回のリゾート化にあたって、大切にしたい考え方を「7つのこと」にまとめました。
公式発表から、その内容を紹介します。
1️⃣ 遊びごころを、すみずみに
訪れる人の「無邪気さ」を解放する場所。大人も子どもに戻ってしまう体験を届けます。
2️⃣ みんなとつくるリゾートへ
サンリオと世界中の「みんな」が一緒に創り上げていくリゾート。遊びに行くだけでなく、参加して楽しむ場所です。
3️⃣ 世界の一流を、大分の日常に
遊びも、食も、宿泊も、世界の一流が集まる場所に。「わざわざ行きたい」と思える体験を追求します。
4️⃣ みんなの「かわいい」を見つけよう
ハーモニーランドでいちばんかわいいのは、訪れる「あなた」。誰もが素直な表情になれる場所を目指します。
5️⃣ 帰りたいまち、になろう
「いらっしゃい」より「おかえりなさい」の気持ちで迎える。世界中の人々にとって「第二の故郷」を目指しています。
6️⃣ 100年後も楽しく、美しく
サンリオは自然を犠牲にしません。クリーンエネルギーや再生可能素材を活用し、100年後も楽しい場所に。
7️⃣ 誰の笑顔も諦めない
障がいがあるから、言葉が通じないから…そんな理由で諦めなくていい。0歳から100歳まで、4世代が一緒に遊べる場所を目指します。
この理念を実現するために、実はファンも開発に参加できる仕組みがあるんです。
ファンも参加できる!「未来共創室」とは?
🤝 「共創型」開発という新しい形
今回のリゾート化は、完成した施設を一方的に提供するのではありません。
構想段階から、ファンや地元の方と一緒に考える「共創型」の開発です。
具体的には「ハーモニーランド未来共創室(仮称)」というコミュニティを立ち上げ、国内外問わず誰でも参加できるようにする予定です。
💡 参加できる開発内容
このコミュニティでは、以下のような開発に参加できる可能性があります:
- リゾート内の施設デザイン
- 装飾デザイン
- オリジナルグッズの企画
- レストランメニューの開発
- 移動手段のアイデア
🏠 「お客様」ではなく「住民」として
サンリオは、訪れる人を「お客様」ではなく「住民」として迎える、と表現しています。
同じ未来を生きる仲間として、一緒にリゾートを作っていく。
これがサンリオならではの「Kawaiiリゾート」の形なのです。
まとめ:世界でいちばんやさしい場所へ
最後に、この記事のポイントをまとめます。
📌 今回の発表でわかったこと:
- 2025年12月8日に「天空のパーク」構想が発表された
- 初期投資100億円、完成まで10年の大規模プロジェクト
- 大屋根、ロープウェー、新ホテルなど大幅リニューアル
- サンリオ初の「リゾート事業」への挑戦
- ファンも開発に参加できる「共創型」開発
📅 今後のスケジュール:
- 2026年中:基本計画発表
- その後:企業コンソーシアム組成
- 約10年後:リゾート完成予定
2026年に35周年を迎えるハーモニーランド。
「世界でいちばんやさしい場所」を目指すこのプロジェクト、続報に注目です。
❓ よくある質問
Q. ハーモニーランド「天空のパーク」の完成はいつ?
A. 完成まで約10年の見通しです。2025年12月8日に基本構想が発表され、2026年中に基本計画が発表される予定。その後、企業コンソーシアムを組成して本格的な開発が始まります。
Q. ハーモニーランドのリゾート化にかかる投資額は?
A. 初期投資は100億円で、総投資額は数百億円規模になると見られています。サンリオにとって初めてのリゾート事業への大規模投資です。
Q. 天空のパーク構想で何が変わる?
A. 雨を防ぐ大屋根の設置、ロープウェー・電動モビリティの導入、別府湾を一望できる新ホテルの建設などが計画されています。敷地も約23haから約43haに拡大予定です。
Q. ハーモニーランドとピューロランドの違いは?
A. ピューロランドは東京・多摩市にある屋内型、ハーモニーランドは大分・日出町にある屋外型のテーマパークです。今回のリゾート化はサンリオ初の宿泊施設込みの事業となります。
Q. ファンもリゾート開発に参加できる?
A. はい、参加できます。「ハーモニーランド未来共創室(仮称)」というコミュニティを立ち上げ、施設デザインやグッズ企画、メニュー開発などに国内外から参加できる予定です。
📚 参考文献