粗品は約4分間の講評で厳しい言葉を並べたが、最後には「女王どころか王にもなれる」とエールを送っていた。
荒川も「ありがたいんですけど」と敬意を示した上で反論している。
2025年12月13日に放送された『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』で、審査員の粗品(霜降り明星)と出場者の荒川(エルフ)が衝突した。
SNSでは「喧嘩」「マジギレ」といった言葉が飛び交ったが、実態は少し違う。
この記事では、粗品の発言の全容、荒川が反論した理由、そして「スカしたな」という言葉の意味を解説する。

何が起きた? ― 「質の悪い客」発言の全容
粗品の講評は約4分間に及んだ。賞レースの審査としては異例の長さだ。
スポニチの報道によると、粗品は以下のような趣旨の発言をした。
- ネタ中、荒川のファンが「かわいい」と声援を送っていた
- その声援に対し「質の悪い客だなと思った」と指摘
- ネタの途中で声援が入ると、漫才の流れが止まる
- 結果として「ネタがちゃんと評価されない」状況になる
この発言だけを切り取ると、粗品がエルフのファンを一方的に批判したように見える。
しかし、東スポWEBの詳報を見ると、粗品は講評の最後にこう締めくくっている。
「女王どころか王にもなれる」
厳しい言葉の後に、荒川の実力を高く評価する言葉を添えていた。
つまり、粗品の講評は「批判して終わり」ではなかった。
東スポWEBの続報では、粗品が「熱が入りすぎた」と認めつつも、後輩である荒川の反論を「全然OKです」と受け入れていたことも報じられている。
では、荒川はなぜ反論したのか。
荒川はなぜ反論した? ― 「ファンを守るため」
荒川の反論は、自分のファンを守るためだった。
粗品の講評を受けた荒川は、こう返した。
「ありがたいんですけど、出て行ってください」
注目すべきは「ありがたいんですけど」という前置きだ。
荒川は粗品の真剣な講評に対して敬意を示しつつも、「質の悪い客」と言われた自分のファンを守る姿勢を見せた。
この一言には、芸人としての矜持と、応援してくれるファンへの感謝が込められていたと言える。
粗品はこの反論に対し、一瞬フリーズした後、笑いながら「お前もスカしたな」と返した。
この「スカしたな」とは、どういう意味なのか。
「スカしたな」の意味 ― 粗品の返答に込められた意味
「スカシ」とは、ボケに対してツッコミを入れずスルーする技術のこと。
粗品は荒川が講評に正面から向き合わなかったことを指しつつ、お笑い的な返しとして受け止めていた。
本来ならリアクションが求められる場面で、あえて軽く受け流したり無視したりするテクニック。
2017年にM-1グランプリを制したとろサーモンも、一時期「スカシ漫才」を披露していたことで知られている。
粗品が「お前もスカしたな」と言った真意は、おそらくこうだ。
「俺は真剣に講評したのに、お前はそれを受け止めずにスカした(スルーした)な」
オリコンの報道によると、粗品は一瞬フリーズした後、笑いながらこの言葉を返している。
実は、荒川の「出て行ってください」という反論自体が、ある種の「スカシ」的な返しだったとも言える。
粗品の真剣な講評に対して、あえてボケ的に切り返すことで笑いに変えた。芸人として、これは一つの正解だったのかもしれない。
では、この衝突は本当に「喧嘩」だったのか。両者の言い分を整理してみよう。
両者の言い分を整理 ― どちらが正しい?
結論から言えば、粗品と荒川、どちらの言い分も納得できる。
粗品はお笑いへの愛情から真剣に審査し、荒川は大切なファンを守るために反論した。
Yahoo!ニュースで芸能ライター・田辺ユウキ氏はこう分析している。
【粗品の立場】
賞レースとして異例の約4分もの熱弁を振るった。独壇場的に映ったが、審査理由をきっちり説明する姿勢からは笑いへの愛情が感じられる。真摯な審査だったと言える。
【荒川の立場】
大事なファンを「質の悪い客」と貶されたことへの正当な反論だった。ネタ直後に「(大会が)荒れてんだもん」と違和感を表明していたことからも、粗品の「劇場化」に思うところがあったのだろう。
SNS上では「粗品は後輩だからOKと言っている」という情報も広まっている。
つまり、粗品自身は荒川の反論を許容範囲として受け止めていたようだ。
「マジギレだった」と報じるメディアもあるが、実際には芸人同士のやり取りとして成立していたと見るべきだろう。
田辺氏は「粗品と荒川の言い分はどちらも納得できる」と述べた上で、こう結んでいる。
「激しくぶつかり合ったからこそ、あらためて二人が向き合う場が訪れてほしい。そうすれば、この衝突は意味のあるものになるだろう」
激しくぶつかり合った二人だが、今後の関係はどうなるのだろうか。
今後の展開 ― 粗品と荒川の関係はどうなる?
粗品は過去に低評価した芸人を自身のYouTubeに招き、対等に向き合う姿勢を見せている。荒川との関係も、今後良い形で発展する可能性がある。
実は、粗品には前例がある。
今年3月の『ytv漫才新人賞決定戦』で審査員を務めた際、厳しい評価をつけた出場者を後日、自身のYouTubeチャンネルに招待している。
その企画では、出場者にネタを披露させた上で、粗品が改めて審査するという内容だった。
審査員として厳しい言葉を投げかけつつも、同じ芸人としては対等であろうとする。そんな粗品のスタンスが見て取れる。
今回の荒川との衝突も、同じ流れで「その後」が生まれる可能性は十分にある。
YouTube共演なのか、テレビ番組での再会なのか、形はわからない。
しかし、お互いが真剣に向き合ったからこそ、今後の関係性に期待が持てる。
なお、エルフは敗者復活戦を制し、視聴者投票枠で最終決戦に進出した。結果的に優勝はニッチェに譲ったものの、荒川の「反論」も含めて大会を盛り上げた功労者と言えるだろう。
まとめ
今回の『THE W 2025』での粗品と荒川の衝突について、ポイントを整理する。
- 粗品は約4分間の講評で「質の悪い客」発言をしたが、最後には「女王どころか王にもなれる」とエールを送っていた
- 荒川は「ありがたいんですけど」と敬意を示した上で、ファンを守るために反論した
- 粗品の「スカしたな」は、お笑い用語で「スルーした」という意味
- 粗品は荒川の反論を「後輩だからOK」と許容範囲で受け止めていた
- 粗品は過去に低評価した芸人とYouTubeで共演しており、今後の展開に期待が持てる
一見すると「喧嘩」に見えたこのやり取り。しかし実態は、お笑いへの真剣さが生んだ衝突だった。
今後、二人がどのような形で再び向き合うのか。その時こそ、この衝突の本当の意味が明らかになるだろう。