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ロッテリアはなぜ消えた?新社名「バーガー・ワン」に込めたマクドナルド攻略の2つの武器

ロッテリアからバーガー・ワンへの社名変更を象徴するアイキャッチ。「ロッテリア消滅は負けじゃない」のテキスト

| 読了時間:約8分

2026年2月16日、「ロッテリア」は株式会社バーガー・ワンに社名を変えた。
3月には国内全店が一時閉店し、新ブランド「ゼッテリア」に生まれ変わる。

その裏にある、マクドナルド攻略の2つの秘策を読み解く。

 

 

 

ロッテリアが「バーガー・ワン」に――54年の歴史に幕を下ろした本当の理由

2026年2月16日、「株式会社ロッテリア」は「株式会社バーガー・ワン」へと社名を変更した。
ロッテリアの全店舗は3月をめどに一時閉店し、「ゼッテリア」へと順次生まれ変わる。

「ロッテリア」が消える。
このニュースを聞いて、「マクドナルドに負けたんだな」と思った人は少なくないだろう。

54年の歴史をもつ老舗チェーンが看板を下ろすのだから、そう感じるのも無理はない。


ところが、これは敗退ではない。外食売上高1位のゼンショーが仕掛けた、攻めのリブランドだ。

ゼンショーHDの公式発表によると、2月16日付で株式会社ロッテリアは株式会社バーガー・ワン(英文表記:Burger One Co., Ltd.)に社名を変更した。

2026年2月16日より、「ロッテリア」および「ゼッテリア」を運営する株式会社ロッテリアは、「株式会社バーガー・ワン」へと社名変更したことをお知らせいたします。
――ゼンショーホールディングス 公式発表

そもそも「ロッテリア」とは、「ロッテのカフェテリア」を縮めた造語だ。
東洋経済オンラインも指摘するとおり、2023年にゼンショーHDが買収して以降、経営母体はゼンショーなのに店名には「ロッテ」が残るという矛盾が続いていた。

今回の社名変更で、その矛盾にようやく決着がついた。

 

 

 

買収からわずか3年で完全刷新

時系列を整理すると、ゼンショーの動きは速い。

ロッテリア→バーガー・ワンの歩み

2023年4月:ゼンショーHDがロッテHDからロッテリアを買収
2023年9月:東京・田町にゼッテリア1号店オープン
2025年12月末:ロッテリア106店、ゼッテリア172店(逆転)
2026年1月末:ロッテリア91店、ゼッテリア186店
2026年2月16日:社名をバーガー・ワンに変更
2026年3月:ロッテリア全店を一時閉店、ゼッテリアへ転換

産経新聞によると、2026年1月末時点の合計店舗数は277店
ハンバーガーチェーンとしては国内4位だ。

チェーン 店舗数
マクドナルド 約3,025店
モスバーガー 約1,309店
バーガーキング 約337店
ゼッテリア+ロッテリア 約277店

マクドナルド約3,000店に対し、ゼッテリアとロッテリアの合計は約280店。
その差はおよそ11倍にもなる。

それでも新社名は「バーガー・ワン」。
ハンバーガーでNo.1を目指すという宣言にも読める。

1972年――マクドナルドが日本に上陸した翌年に生まれたチェーンが、半世紀の看板を捨てて挑む再出発だ。

では、ゼンショーはどんな武器でこの巨人に立ち向かうのか。
その答えは、すき家やはま寿司で実証済みの「ある仕組み」にある。

 

 

 

すき家の牛丼が業界最安値になった仕組み――ゼッテリアに受け継がれる"最安値の遺伝子"

バーガー・ワンの最大の武器は、MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)と呼ばれるゼンショー独自の仕組みだ。

値上げが当たり前の時代に、すき家は牛丼を値下げした。
同じ仕組みがバーガー市場にも展開されようとしている。


MMDとは何か――食材版ユニクロの仕組み

ゼンショーHDの公式サイトによると、MMDとは食材の調達から製造・加工、物流、店での販売までを自社グループ内で一気通貫に管理する仕組みだ。

仕入れ先と店の間にほかの会社を挟まない。
だから中間マージンが発生しない。

MMDの核心

アパレルでいえばユニクロのSPA(製造小売)モデルに近い。
素材の調達から店頭の販売まで自前でやることで、品質を保ちながらコストを削る。
「仕入れ→加工→配送→販売」の全工程を自社で握ることで、中間コストを削り、他社より安く出せる

 

 

 

すき家450円、はま寿司110円という実績

この仕組みがもたらした成果は数字にはっきり出ている。

すき家は2025年9月に牛丼を値下げし、並盛450円で大手最安値を実現した。
吉野家498円、松屋460円と比べてもっとも安い。

回転寿司でも同じだ。
スシローやくら寿司が税抜100円の皿をやめるなか、はま寿司は税込110円メニューを維持・強化している。

すき家

牛丼並盛 450円

大手3社で最安値

はま寿司

税込110円皿を死守

他社は撤退

牛丼もすしもバーガーも、食材の流れを握った者が一番安く売れる。
ゼッテリアがこの調達網に乗ったことで、バーガー市場でも同じ戦い方ができるようになったとみてよいだろう。


飲食店ドットコムによると、2025年の飲食店倒産は900件で過去最多を更新した。
3年連続の増加だ。

原材料費と人件費の高騰で、多くの飲食店が値上げに踏み切らざるをえない。
そんな中で値上げの時代に「値下げできる仕組み」を持つ企業がバーガー市場に乗り込んできた

ただし価格面だけでは、3,000店のマクドナルドには太刀打ちできない。
ゼッテリアにはもうひとつ、王者が手を出しきれなかった"別の戦場"がある。

 

 

 

マクドナルドが失敗した"カフェ"に、ゼッテリアが挑む理由

ゼッテリアのもうひとつの武器は、「カフェ需要」の取り込みだ。

ハンバーガー店のコーヒーは「おまけ」だと思っていないだろうか。
ゼッテリアでは違う。ブランド名そのものが「カフェ」を掲げている。


ブランド名の半分は「カフェテリア」

ゼッテリアという名前は「絶品」と「カフェテリア」を掛け合わせた造語だ。
つまりコーヒーやスイーツはおまけではなく、看板の半分を支える主力商品にあたる。

ゼッテリア公式サイトによると、コーヒーはキリマンジャロ豆をメインに、7産地のアラビカ豆をすべてフェアトレードで調達している。

ゼッテリアのコーヒー

ゼッテリアのコーヒーはSサイズ180円
スターバックスのドリップコーヒーShort 390円と比べれば半額以下だ。
ファミリーマートですら2026年2月17日からコーヒーを値上げする中、この価格は際立っている。

キリマンジャロ豆をメインに全て直接提携型フェアトレードで調達した7産地の高品質なコーヒー豆をブレンド。
――ゼッテリア公式サイト メニューページ

さらにゼッテリアには14時からの「カフェコンビ」メニューがある。
ランチ後の空白時間帯をコーヒーとスイーツで埋め、一日を通じて客を呼び込む狙いだ。

 

 

 

マクドナルドはなぜカフェ業態に失敗したのか

実は、マクドナルドもカフェ市場に目をつけていた。

プレジデントオンラインによると、米マクドナルドは2023年12月にドリンク特化型の新業態「コスマックス」をスタートさせた。
開店初日は最長6時間待ちの行列ができるほどの盛況ぶりだった。

ところが、わずか1年半で全店閉鎖に追い込まれている。
カスタマイズ需要への対応やオペレーションの複雑さが裏目に出たとされる。

項目 コスマックス ゼッテリア
方式 バーガー店とは別の新店舗 既存店内にカフェ機能を統合
結果 2025年に全店閉鎖 2026年、全店転換を推進中
コーヒー価格帯 スペシャリティドリンク中心(高価格) Sサイズ180円(低価格)

マクドナルドが別業態で失敗した「カフェ」を、ゼッテリアは既存店舗の中で仕掛ける
別の箱を用意するのではなく、いまある店にコーヒーとスイーツの機能を足す。

投資リスクが小さく、オペレーションもシンプルに保てる。

⚠️ ここからは推測

コーヒー豆の国際価格は高騰が続き、2026年もメーカー各社が相次いで値上げに踏み切っている。
カフェチェーンの一杯も着実に高くなるなか、「180円のフェアトレードコーヒー」はゼッテリアの強い集客装置になるのではないだろうか。

MMDによる調達力でコーヒー豆も安く仕入れ、バーガーと合わせて低価格で提供する。
ランチタイムはバーガーで、午後はカフェで。

一日二回の来店動機を作れるとすれば、約280店という規模でも十分に存在感を示せるはずだ。

 

 

 

まとめ

  • 2026年2月16日、株式会社ロッテリアは株式会社バーガー・ワンに社名変更した
  • ロッテリア全店は3月をめどに一時閉店し、ゼッテリアへ順次転換する
  • バーガー・ワンの武器は2つ。MMDによる価格競争力カフェ需要の取り込み
  • すき家の牛丼最安値、はま寿司の110円皿と同じ仕組みがバーガー市場に展開される
  • マクドナルドが失敗したカフェ領域に、180円のフェアトレードコーヒーで挑む

近所のロッテリアの看板が「ゼッテリア」に変わるとき。
それは54年分の記憶が、新しい挑戦に生まれ変わる瞬間でもある。

よくある質問(FAQ)

Q1. バーガー・ワンとは何ですか?

2026年2月16日にロッテリアから社名変更した会社名です。英文表記はBurger One Co., Ltd.で、ゼッテリアを運営しています。

Q2. ロッテリアはいつまで営業していますか?

2026年3月をめどに国内全店を一時閉店し、ゼッテリアへ順次転換する予定です。

Q3. ゼッテリアとロッテリアの違いは何ですか?

ゼッテリアは絶品バーガーとカフェ機能を軸にした新ブランドです。フェアトレードコーヒーS180円など独自メニューがあります。

Q4. なぜロッテリアからゼッテリアに変わるのですか?

ゼンショーHDが2023年に買収後、自社の調達網を活かすためブランドを統合。旧ロッテ傘下の名称を刷新する狙いです。

Q5. ゼッテリアの店舗数は何店ですか?

2026年1月末時点でゼッテリア186店、ロッテリア91店の計277店。国内ハンバーガーチェーン4位です。

Q6. ゼッテリアのコーヒーの値段はいくらですか?

ホットコーヒーSサイズ180円です。キリマンジャロ豆メインのフェアトレードコーヒーを提供しています。

Q7. ゼッテリアはマクドナルドに勝てるのですか?

店舗数は約11倍の差がありますが、MMDによる価格競争力とカフェ需要の取り込みで差別化を図る戦略です。

Q8. ロッテリアのメニューはゼッテリアでも食べられますか?

絶品バーガーなど主力メニューは引き継がれますが、一部メニューは3月末で販売終了となります。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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