📅 2026年1月18日 / ⏱️ 読了時間:約4分
ボードが折れた——五輪王者・平野歩夢の「最後のW杯」で。
2026年1月17日、スイス・ラークスで行われたW杯ハーフパイプ第5戦。北京五輪金メダリストの平野歩夢は、決勝1本目で転倒し、顔面から出血。2本目を棄権した。
ミラノ・コルティナ五輪の開幕まで、わずか3週間。「2連覇」を目指す王者に、何が起きたのか。
この記事でわかること
平野歩夢、W杯決勝で転倒——ボード折れ顔面から出血
2026年1月17日、スイス・ラークスで行われたW杯第5戦。平野歩夢は決勝1本目の3発目で転倒し、顔と腹から雪面に叩きつけられた。その衝撃はボードの先端が折れるほどで、鼻と口付近からは出血が見られた。
デイリースポーツによると、平野は空中でバランスを崩し、地面とほぼ平行の状態で落下。両膝に手をついて苦しそうにしながらも、自力でゴール地点まで滑り降りた。
💬 治部忠重ヘッドコーチのコメント
「口を切り、左股関節と右膝に痛みを訴えた」「自力でゴンドラで山を降りられる状態」——帰国後に検査を受ける予定だという。
転倒した技は、平野のオリジナルトリックだった。
「フロントサイドダブルコーク1260クリップラージャパングラブ」——平野はこの技について、こう語っていた。
「練習段階から何回も頭から落ちた。トラウマみたいになっていた」
五輪3週間前の最終W杯で、なぜこれほど危険な技に挑んだのか。
平野が挑んだ「フロントサイドダブルコーク1260」とは、いったいどれほど危険な技なのか。
「ダブルコーク1260」とは?縦2回転+横3回転半の超高難度技
「ダブルコーク1260」は、縦に2回宙返りしながら横にも3回転半するという超高難度の3D系トリック。平野歩夢が独自にアレンジを加えたオリジナル技だ。
まず「ダブルコーク」とは何か。
コークスクリュー——ワインの栓を抜くときの螺旋回転をイメージしてほしい。縦に回りながら、横にも回る。この複合回転を空中で2回行うのが「ダブルコーク」だ。
1回転
360度
1260(3回転半)
360×3.5
なぜこれほど危険なのか。
⚠️ 危険な理由
縦と横の回転が同時に起きると、空中で上下左右がわからなくなる。着地点を目視で確認できない。プロでも失敗すれば、今回のように顔面から落ちる。
平野はこの難技に、さらに独自の「グラブ」(空中でボードをつかむ動作)を加えた。世界でも平野しかできない技に昇華させた結果、リスクも跳ね上がった。
本人が「トラウマ」と語るほどの技。
それでも平野は、五輪前最後のW杯でこの技に挑んだ。
しかし平野歩夢にとって、大怪我は今回が初めてではない。彼はこれまでも「復活」を繰り返してきた選手だ。
過去の大怪我と復活——平野歩夢の「攻め続ける」哲学
平野歩夢は過去にも命に関わる大怪我を乗り越えてきた。2017年には内臓を損傷する重傷を負いながら、翌年の平昌五輪で銀メダルを獲得。2025年にも肋骨骨折から復活し、今季W杯で優勝を飾っている。
2017年、USオープンでの大怪我。
笹川スポーツ財団によると、平野は左膝の靭帯を損傷し、肝臓も痛めた。位置が数センチずれていたら命を落としていたとも言われる重傷だった。
しかし平野は、わずか数ヶ月で復帰。2018年平昌五輪では銀メダルを獲得した。
2025年3月、世界選手権での肋骨骨折。
時事通信によると、平野は練習中に転倒し、左肋骨を骨折。世界選手権を棄権した。
だが今シーズン、平野はW杯開幕戦で優勝。ショーン・ホワイトが主催する「ザ・スノーリーグ」でも優勝を飾り、完全復活を遂げていた。
💡 実は、平野のライバルも同じパターンを経験している
ショーン・ホワイト。アメリカのレジェンドで、平野の最大のライバルだった男だ。
2018年平昌五輪の直前、ホワイトは練習中に転倒。顔面を62針縫う大怪我を負った。しかし本番では復活し、3度目の金メダルを獲得している。
大怪我のたびに、さらに強くなって戻ってくる——それが平野歩夢という選手だ。
平野は五輪について、こう語っていた。
「2連覇にどれだけとらわれずに、限界を超えていけるか」
守りに入らない。攻め続ける。それが平野の哲学であり、強さの源泉だ。
では、今回の怪我はミラノ五輪にどう影響するのか。そして平野歩夢は2連覇の夢を叶えることができるのか。
ミラノ五輪への影響は?3週間後の「2連覇」に挑む
ミラノ・コルティナ五輪への出場は確実だ。全日本スキー連盟は1月19日に正式発表を予定している。残された時間は約3週間——平野歩夢にとって、これは「復活」のための十分な時間かもしれない。
今季の平野は、絶好調だった。
W杯開幕戦では優勝。ショーン・ホワイト主催の「ザ・スノーリーグ」でも優勝し、2連勝を飾っていた。ソチ、平昌、北京に続く4大会連続の五輪代表入りも確実にしていた。
🏅 北京五輪を思い出してほしい
実は、北京でも平野は逆境にいた。
2本目の滑走で、平野は「ハーフパイプ史上最高難度」とも言われるルーティンを完璧に決めた。しかし採点は91.75点で2位。不当に低い評価だと、世界中から批判が上がった。
3本目。平野は同じルーティンに挑んだ。怒りをぶつけるような滑り。結果は96.00点。逆転で金メダルを獲得した。
「怒りの逆転」——北京五輪を象徴する名場面だ。
平野歩夢は、逆境で強い。
ソチで銀、平昌で銀、北京で金——。平野歩夢は4度目の五輪に挑む。
今回の怪我は「復活の序章」になるのか、それとも——。
答えは2月、イタリアの雪上で明らかになる。
今回のニュースまとめ
- 平野歩夢がW杯決勝で転倒し棄権。ボードが折れ、顔から出血する衝撃のアクシデント
- 転倒した技は本人が「トラウマ」と語るほど危険なオリジナル技。五輪3週間前でも攻め続けた
- 2017年の内臓損傷、2025年の肋骨骨折——平野は何度も大怪我から復活してきた
- ミラノ五輪への出場は確実。「2連覇にとらわれず限界を超える」——答えは2月6日に
🔗 関連リンク
- ミラノ・コルティナ2026 日本代表一覧
五輪出場選手の最新情報を確認 - JOC 平野歩夢選手ページ
公式プロフィール・実績を確認 - スノーボードハーフパイプW杯 2025-26 結果一覧
今季の大会結果を確認 - 平野歩夢インタビュー:ミラノに向けた進化
本人の五輪への思いを読む
よくある質問(FAQ)
Q1. 平野歩夢の怪我の状態は?
治部ヘッドコーチによると、口を切り、左股関節と右膝に痛みを訴えている。ただし自力でゴンドラで下山できる状態で、帰国後に検査を受ける予定。
Q2. ミラノ五輪に出場できる?
出場は確実。全日本スキー連盟は1月19日に正式発表を予定している。4大会連続の五輪代表となる。
Q3. 転倒した技はどんな技?
「フロントサイドダブルコーク1260クリップラージャパングラブ」という平野オリジナルの超高難度技。縦に2回宙返りしながら横にも3回転半するという3D系トリック。
Q4. 平野歩夢は過去にも大怪我をした?
2017年USオープンで左膝靭帯・肝臓を損傷する重傷、2025年世界選手権前に肋骨骨折。いずれも復活し、その後の大会で優勝している。
Q5. 北京五輪ではどうやって金メダルを獲得した?
2本目で「史上最高難度」のルーティンを決めたが採点は91.75点で2位。3本目で同じルーティンに再挑戦し96.00点で逆転金メダルを獲得した。
リアルタイムニュース.com 編集部
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