📰 2025年11月17日発表
2025年11月17日、小田急電鉄が新型ロマンスカーのデザインとコンセプトを正式に発表しました。
2029年3月にデビューする80000形は、淡い水色の車体に展望席を備えた次世代特急。「きらめき走れ、ロマンスカー」をコンセプトに、箱根への旅を新しいスタイルで演出します。
でも実は、この新型ロマンスカーには大きな変化が。60年続いた「連接車」という特殊な構造をやめて、普通の電車と同じ「ボギー車」になるんです。
白いVSEが引退し、赤いGSEだけになった展望席ロマンスカー。新型80000形は、失われた魅力を取り戻せるのでしょうか?

📑 この記事でわかること
🚄 小田急新型ロマンスカー80000形とは?2029年3月デビューの次世代特急
2029年3月、小田急線に新しいロマンスカーが誕生します。
小田急電鉄の公式発表によると、形式名は「80000形」。7両編成のロマンスカーとして、新宿と箱根を結ぶ特急列車に使われる予定です。
💡 実は、80000という数字には意味がある
引退した白いロマンスカーVSE(50000形)と、置き換え対象のEXE(30000形)。
この2つを足すと、ちょうど80000になるんです。
開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」。
新型80000形は、2つの役割を担います。
🎯 2つの役割を1台で
1つ目は、2023年に引退したVSE(50000形)の後継。展望席付きの観光向けロマンスカーとして、箱根への特別な旅を演出します。
2つ目は、老朽化したEXE(30000形)の代替。通勤時間帯の特急としても使える実用性を兼ね備えます。
観光と通勤。性格の違う2つの列車を1つにまとめる—これが新型ロマンスカーの大きな挑戦です。
📅 いつから乗れる?
就役予定は2029年3月。
2027年4月に小田急小田原線が営業開始100周年を迎え、その2年後という節目のタイミングです。小田急は新型80000形を「次の100年を牽引する車両」と位置づけています。
デザインは建築家の長曽我部亮さんと岡野道子さんが率いるCOA一級建築士事務所が担当。設計は、これまで多くのロマンスカーを製造してきた日本車輌製造が手がけます。
箱根登山線(小田原から箱根湯本)への乗り入れにも対応。新宿から箱根湯本まで、新型ロマンスカーで直通できるようになります。
では、この新型ロマンスカーは一体どんなデザインになるのでしょうか?
🎨 淡い水色の車体と展望席!「水」をテーマにした新デザインの特徴
新型80000形の最大の特徴は、その色です。
淡い水色。
白いVSE、赤いGSE。これまでのロマンスカーとはまったく違う、爽やかな水色が採用されました。
💧 「水」がテーマの理由
なぜ水色なのか?
小田急の沿線には、水と深く関わる場所がたくさんあります。箱根の芦ノ湖、富士山の湧水、多摩川、相模湾...。
新型ロマンスカーは「水」をテーマに開発されています。車体の淡い水色は、これらの美しい水の風景を表現しているんです。
🎨 カラーリングのポイント
車両の連結部には、ロマンスカーの伝統色「バーミリオンオレンジ」も配置。
伝統を守りながら、新しい挑戦をする—そんなメッセージが込められています。
👀 展望席は健在
「展望席はどうなるの?」
これが多くの人の疑問でした。安心してください。新型80000形には、最前部と最後部に展望席が設置されます。
運転席の下に設けられた特等席。大きな曲面ガラスを通して、箱根への道のりを最前列で楽しめます。
2023年にVSEが引退してから、展望席付きのロマンスカーはGSEの2編成だけ。新型80000形の登場で、また展望席で箱根に行けるロマンスカーが増えるんです。
鉄道プレスの詳細記事では、デザインの特徴についてさらに詳しく解説されています。
🏗️ 建築家が手がける車両デザイン
今回のデザインを担当するCOA一級建築士事務所。
実は、鉄道車両のデザインは初めてです。でも、過去のロマンスカーでも建築家が活躍してきました。
VSEをデザインした岡部憲明さん、西武鉄道のラビューを手がけた妹島和世さん。鉄道の常識にとらわれない建築家の視点が、新しいロマンスカーを生み出してきたんです。
美しいデザインの裏には、大きな技術的決断がありました。
⚙️ 連接車復活ならず!ボギー車採用の理由とホームドア対応
新型80000形について、鉄道ファンが最も注目したのがこれ。
「連接車じゃないの?」
結論から言うと、新型ロマンスカーは連接車ではありません。普通の電車と同じ「ボギー車」になります。
🔧 連接車って何?
まず、連接車とボギー車の違いを説明しましょう。
🚃 普通の電車(ボギー車)
各車両の下に2つの台車(車輪がついた部分)がある構造です。
1両ごとに独立しているので、車両の切り離しや整備がしやすい。
🔗 連接車
車両と車両の間に1つの台車を共有する構造。
2つの車両で1つの台車を使うので、台車の数が少なくなり、軽量化できます。
小田急ロマンスカーは、初代SE(1957年)から連接車を採用。VSE(2005年)まで、約60年にわたって連接車の歴史を築いてきました。
でも、GSE(2018年)からはボギー車に。そして新型80000形も、ボギー車で作られます。
❓ なぜ連接車をやめたのか
理由は大きく2つあります。
1. ホームドア対応
連接車は1両あたりの長さが短くなります。そのため、ドアの位置が普通の電車と違ってしまうんです。
ホームドアを設置するとき、これが大きな問題になります。普通の電車とロマンスカーで、ドアの位置が違う。すると、ロマンスカー専用の特殊なホームドアが必要になってしまいます。
小田急のホームドア対応状況を見ると、EXEとMSEは既に一部のドアを閉めたまま運用。
連接車のVSEは、ホームドア設置の最大の障壁だったんです。
2. 保守性とコスト
連接車は構造が特殊です。車両を1両ごとに分解するのが難しく、整備に手間がかかります。
部品も特注品が多く、コストが高い。VSEが早期引退した理由も、この保守コストの高さが影響していると言われています。
普通のボギー車なら、部品の共通化ができ、整備もしやすい。長く使い続けるには、ボギー車の方が有利なんです。
🛋️ 乗り心地はどうなる?
「連接車の方が乗り心地いいんじゃないの?」
確かに、連接車には乗り心地の良さがありました。でも、GSEには全車両に「電動油圧式フルアクティブサスペンション」という最新技術が搭載されています。
これにより、ボギー車でも連接車に匹敵する快適な乗り心地を実現。新型80000形でも、同様の技術が採用される可能性が高いでしょう。
60年続いた連接車の歴史は終わりますが、技術の進化により、快適さは保たれるんです。
では、車内はどうなるのでしょうか?
💺 スーパーシート復活?複数の座席種別で観光と通勤の両立
新型80000形の車内について、注目の発表がありました。
「複数の座席種別を設置」
これは何を意味するのでしょうか?
✨ スーパーシートとは
ロマンスカーの歴史を振り返ると、1991年に登場したRSE(20000形)に「スーパーシート」と「グリーン席」という特別な座席がありました。
通常の座席より広く、ゆったりとした座り心地。2階建て車両の2階部分に設けられた特等席です。
でも、RSEは2012年に引退。それ以降、ロマンスカーは基本的に全席同じグレードでした。
💡 実は、スーパーシートが復活すれば33年ぶり
1991年のRSE以来、小田急ロマンスカーで上位座席が設定されるのは初めてのこととなります。
🎯 なぜ今、複数座席種別なのか
観光向けのVSEと、通勤向けのEXE。
この2つを統合するという難題に対して、小田急が出した答えが「複数の座席種別」です。
箱根旅行の観光客には、特別感のある上位座席を。通勤で使うビジネス客には、リーズナブルな標準座席を。
1つの車両で、様々なニーズに応えようとしているんです。
🚄 ライバルは豪華座席で勝負
競合他社を見ると、豪華な座席の導入が進んでいます。
東武鉄道の「スペーシアX」には、個室感覚のコックピットシート。近鉄の「ひのとり」には、プレミアムシート。
箱根と日光は、観光地としてライバル関係。小田急も、負けられない戦いがあります。
具体的な座席の種類や配置は、今後の発表を待ちましょう。でも、「複数の座席種別」という言葉には、小田急の本気が感じられます。
新型ロマンスカーの話題で、もう一つ気になることがあります。
🚂 VSEはどうなる?50001編成はミュージアム展示、50002編成は未定
新型ロマンスカーの話をすると、必ず出てくる疑問があります。
「VSEはどうなるの?」
白いロマンスカーVSE(50000形)は、2023年12月に完全引退しました。2編成あったVSEは、今どうなっているのでしょうか?
🏛️ 50001編成はミュージアムへ
2025年11月17日、小田急電鉄は正式に発表しました。
VSE 50001編成は、2026年3月からロマンスカーミュージアム(海老名駅隣接)で展示されます。
⚠️ 重要なポイント
でも、全車両が保存されるわけではありません。
展望席のある先頭車両1両だけが、見学ルートに展示されます。残りの8両は、残念ながら解体されます。
18年間で延べ600万キロ以上を走り、約2,000万人を運んだVSE。その象徴である展望席だけが、後世に残されるんです。
🤔 なぜ1両だけなのか
10両編成を全部保存するのは、現実的に難しい。
ロマンスカーミュージアムのスペースにも限りがあります。HiSE、RSEといった歴代ロマンスカーも展示されていますから。
展望席は、VSEの最大の特徴。運転席の下の特等席で、窓枠のない超大型3次元フロントガラスから景色を楽しめた—その体験だけは、展示として残したいという判断でしょう。
❓ 50002編成はどうなる?
もう1編成の50002編成。
こちらは2023年9月24日に引退しましたが、その後の処遇は発表されていません。現在は喜多見車両基地に保管されているという情報もありますが、最終的にどうなるかは未定です。
😢 VSEが早期引退した理由
VSEは2005年にデビューし、2023年に引退。約18年での引退は、ロマンスカーとしては早すぎました。
理由は技術的な問題です。
- 車体傾斜装置: 曲線を高速で通過するための装置でしたが、更新に多額のコストがかかる
- ダブルスキン構造: 結露対策の二重窓ガラスでしたが、メンテナンスが難しい
- 連接台車: 保守に手間とコストがかかる特殊構造
- ホームドア非対応: ドア位置の問題で対応困難
大規模な更新工事をするより、新しい車両を作った方が良い—そう判断されたんです。
展望席1両だけでも残してくれるのは、18年間の活躍への敬意なのかもしれません。
では、新型ロマンスカーには実際いつから乗れるのでしょうか?
📅 新型ロマンスカーはいつから乗れる?2029年3月就役予定
「新型ロマンスカー、いつから乗れるの?」
就役予定は2029年3月です。
今から約3年後。あと少し、待つことになります。
🗺️ どこを走る?
新型80000形の運転区間は、まだ正式発表されていません。
でも、箱根登山線への乗り入れに対応していることから、こんな運転パターンが予想されます。
🚄 予想される運転パターン
新宿 ⇔ 箱根湯本
VSEが活躍していた観光ルート。展望席で箱根への旅を楽しめます。
新宿 ⇔ 片瀬江ノ島
江の島・鎌倉方面への特急としても活躍する可能性。
北千住 ⇔ 箱根湯本
地下鉄千代田線経由で、都心からのアクセスも。
EXEの代替という役割から、通勤時間帯の運用もあるかもしれません。
📆 今後のスケジュール
2025年11月の発表では、「開発コンセプトとデザインの決定」が示されました。
今後はこんな流れで進むでしょう。
- 2025年〜2026年: 詳細設計
車内の座席配置、設備の仕様などを決定
- 2026年〜2027年: 試作・製造
実際の車両を作り始めます
- 2028年: 試運転
営業運転前の走行試験
- 2029年3月: 営業運転開始
ついに乗客を乗せて走り始めます
予約方法や料金は、就役が近づいてから発表されるでしょう。
乗りものニュースの詳細記事では、新型ロマンスカーの開発経緯についてさらに詳しく解説されています。
🆚 GSEとの違いは?
2018年にデビューした赤いロマンスカーGSE(70000形)。
新型80000形とGSEは、どう違うのでしょうか?
| GSE(70000形) | 新型80000形 | |
|---|---|---|
| 展望席 | あり | あり |
| 編成 | 7両編成 | 7両編成 |
| 台車 | ボギー車 | ボギー車 |
| 車体色 | ローズバーミリオン(赤系) | 淡い水色 |
| 座席種別 | 単一 | 複数種別 |
基本的な構造は似ていますが、新型80000形には「複数の座席種別」という新しい試みがあります。
GSEが「観光特急のフラッグシップ」だとすれば、80000形は「観光と通勤の両方に対応する万能選手」になるイメージです。
2029年3月。小田急100周年から2年後の、新しい門出。新型ロマンスカー80000形が、どんな箱根の旅を見せてくれるのか、楽しみに待ちましょう。
📝 この記事のまとめ
- ✅ 新型ロマンスカー80000形は2029年3月就役予定。淡い水色の車体で「水」をテーマにしたデザイン
- ✅ 展望席は健在。最前部と最後部に設置され、大きな曲面ガラスから景色を楽しめる
- ✅ 連接車は採用せず。ホームドア対応と保守性向上のため、普通の電車と同じボギー車を採用
- ✅ 複数の座席種別を設定。観光向けVSEと通勤向けEXEの両方の役割を1台で担う
- ✅ VSE 50001編成は2026年3月からミュージアム展示。ただし展望席1両だけで、残り8両は廃車
- ✅ 箱根登山線への乗り入れ可能。新宿から箱根湯本まで、新型ロマンスカーで直通できる
60年続いた連接車の歴史は終わりますが、小田急のロマンスカーは進化を続けます。
2029年3月、淡い水色の新しいロマンスカーが、箱根への道のりを彩ります。あなたは、どの席に座って箱根に向かいたいですか?
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 新型ロマンスカー80000形はいつから乗れますか?
2029年3月に就役予定です。小田急100周年(2027年4月)から約2年後のタイミングで営業運転を開始します。詳細な運行スケジュールは、就役が近づいてから発表される見込みです。
Q2. 展望席は設置されますか?
はい、新型80000形には展望席が設置されます。最前部と最後部に配置され、大きな曲面ガラスから箱根への道のりを最前列で楽しめます。VSE引退後に減少した展望席ロマンスカーが復活します。
Q3. VSE(白いロマンスカー)はどうなりますか?
VSE 50001編成は2026年3月からロマンスカーミュージアムで展示されますが、展望席のある先頭車両1両のみの保存となります。残り8両は廃車、50002編成の処遇は未定です。
Q4. なぜ連接車をやめてボギー車にしたのですか?
主な理由は2つです。1つ目はホームドア対応の難しさ、2つ目は保守性とコストの問題です。連接車は構造が特殊で整備に手間がかかり、ドア位置も通常車両と異なるため、ボギー車の方が長期運用に適しています。
Q5. スーパーシートは復活しますか?
公式発表では「複数の座席種別」を設定すると発表されています。1991年のRSE以来33年ぶりにスーパーシート的な上位座席が復活する可能性が高いですが、具体的な座席の種類や配置は今後の発表待ちです。
Q6. どの区間を走りますか?
箱根登山線への乗り入れに対応しているため、新宿⇔箱根湯本が主要ルートになると予想されます。他に新宿⇔片瀬江ノ島、北千住⇔箱根湯本(地下鉄千代田線経由)なども想定されます。EXE代替として通勤特急の運用もある可能性があります。
📚 参考文献
- 小田急電鉄公式プレスリリース - 新型ロマンスカー開発コンセプト決定
- 鉄道プレス - 小田急、新型ロマンスカーは水色の「80000形」に
- 乗りものニュース - 小田急の"新型ロマンスカー"は「80000形?」展望席付きで分割対応?
- YCS-info - 小田急電鉄のホームドア:ロマンスカーの対応
- 東洋経済オンライン - 小田急「白いロマンスカー」VSE、早すぎる引退理由