2025年10月26日、毎日新聞の「高市首相、ドタバタの外交デビュー」という記事がSNSで大炎上しました。
「ドタバタしていなかった」「外交は成功だった」という批判が殺到。
でも実は、毎日新聞とSNSは「違うこと」を語っていたかもしれないのです。

📋 この記事でわかること
📰 毎日新聞「ドタバタ外交デビュー」報道とSNS炎上の経緯
2025年10月26日、毎日新聞が高市早苗首相の初外遊について報じた記事が、SNS上で大きな話題になりました。
見出しは「高市首相、ドタバタの外交デビュー 就任5日目で初外遊」。
この記事がX(旧Twitter)で拡散されると、すぐに批判的なコメントが殺到します。
「ドタバタって毎日新聞の経営状態だよね」「どこがドタバタなの?」「印象操作だ」といった声が次々と投稿されました。
SNS上では「高市首相の外交は成功だった」「落ち着いて対応していた」という評価が広がっており、毎日新聞の「ドタバタ」という表現に違和感を持つ人が多数いたのです。
炎上は瞬く間に広がり、毎日新聞への批判は数時間で数千件規模に達しました。
💭 でも、ここで一つの疑問が浮かびます。
毎日新聞は本当に「外交が失敗した」と報じたのでしょうか?
実際の記事内容を確認してみると、意外な事実が見えてきます。
🔍 毎日新聞の報道内容 - 実際に何を報じたのか
炎上した毎日新聞の記事。実際にはどんな内容だったのでしょうか。
記事の見出しは確かに「高市首相、ドタバタの外交デビュー」でした。
でも本文を読むと、記事が焦点を当てているのは「準備期間の短さ」だったことがわかります。
記事によると、高市首相は10月21日の就任から、わずか5日目で初外遊に出発しました。
その間に、公明党の連立離脱、日本維新の会との連立交渉、首相指名選挙、組閣、所信表明演説と「怒濤の日々」をこなしていたのです。
そして記事には、こんな一文がありました。
💡 「ドタバタで準備してきた」(外務省幹部)
実は、この「ドタバタ」という表現は、毎日新聞の記者が勝手につけたものではなく、外務省幹部の実際の発言を引用したものだったのです。
記事では続けて、このように説明しています。
「各国首脳との個別会談も、ASEAN議長国のマレーシアと、日本と防衛協力が進むオーストラリア、フィリピンの3カ国にとどまった」
「外務省中堅は『外交日程の中でも、内政のことを考えられるくらいの余裕は残す日程にしておきたい』と語り、政権発足直後で過密スケジュールにあった首相を気遣ったことを明かした」
つまり、毎日新聞が報じていたのは「外交が失敗した」ではなく、「準備期間が短くて大変だった」ということだったのです。
💢 SNSで批判が殺到した理由 - なぜ怒りが広がったのか
では、なぜSNS上で批判が殺到したのでしょうか。
SNSでの批判の多くは、こんな内容でした。
- 「ドタバタしていなかった。堂々としていた」
- 「各国首脳から歓迎されていた」
- 「外交は成功だった」
つまり、SNSのユーザーたちは「外交の結果」を評価していたのです。
実際、高市首相の外交デビューは、多くのメディアで肯定的に報じられていました。
ASEAN各国の首脳は高市首相を温かく迎え、笑顔でハグする場面も報じられました。
東ティモールのグスマン首相は「高市総理は情勢に精通していました」とコメント。
マレーシアのアンワル首相は「私の妻と娘は、全面的にあなたを応援しています」と歓迎の言葉を述べました。
高市首相自身も英語でスピーチし、「自由で開かれたインド太平洋」の推進を訴えました。
SNSのユーザーたちは、こうした「外交の結果」を見て、「全然ドタバタしていない」と感じたのです。
そして、毎日新聞の「ドタバタ」という見出しを見て、「事実と違う」「印象操作だ」と批判したのでした。
🤔 でも、ここで重要なポイントがあります。
毎日新聞が報じた「準備のドタバタ」と、SNSが評価した「外交の成功」は、本当に矛盾するのでしょうか?
高市首相の所信表明演説でも、SNSで大きな話題になりました。
🌏 高市首相の外交デビューの実態 - 他メディアの報道と事実関係
高市首相の外交デビューについて、他のメディアはどう報じたのでしょうか。
時事通信は「無難な外交デビュー」という見出しで報じました。
記事では「安倍路線の継承をアピールしつつ、東南アジア諸国連合(ASEAN)と関係強化を確認するなど無難なスタートを切った」と評価しています。
日本テレビは「1泊3日、滞在27時間の弾丸外交デビュー」として、スケジュールの過密さを強調しつつ、外交の成功を報じました。
特に注目されたのは、マレーシア到着後、高市首相がトランプ大統領と電話会談を行ったことです。
通常、日米首脳の電話会談は、日本側は首相官邸から、アメリカ側はホワイトハウスから行います。
しかし今回は、高市首相はマレーシアのホテルから、トランプ大統領は大統領専用機「エアフォースワン」の機内から行いました。
✈️ ベテラン外交官のコメント
「こんな電話会談は記憶にない」
異例中の異例のスタイルだったのです。
高市首相は「どうしても電話で一度話しておきたかった」という思いで、この電話会談を実現させました。
ASEAN首脳会議では、高市首相は自ら各国首脳の席を回って挨拶。
日テレの報道によると、首相側近は「石破首相の外交デビューの失敗を教訓に、高市首相は自ら進んで首脳らのもとを回った」と話していたそうです。
会議では「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進で一致し、日本とASEANで共同声明を採択しました。
共同通信は「本格的な外交デビューとなった」と報じ、法の支配に基づく国際秩序の推進で一致したことを伝えています。
つまり、外交の「結果」については、ほとんどのメディアが肯定的に評価していたのです。
では、「準備」についてはどうだったのでしょうか。
実は、日テレも「準備期間が限られる中での慌ただしい外交デビュー」と表現していました。
つまり、「準備が大変だった」という事実は、毎日新聞だけが報じていたわけではなかったのです。
⚖️ 「ドタバタ」は適切な表現だったのか - 準備過程vs外交成果の見方の違い
ここまで見てきて、一つの重要なことがわかります。
毎日新聞が報じた「ドタバタ」と、SNSが評価した「成功」は、
実は違うものを指していたのです。
具体例で考えてみましょう。
あなたが試験を受けるとします。試験の直前まで、他の予定がたくさん入っていて、勉強時間が全然取れませんでした。
徹夜で必死に勉強して、「ドタバタで準備した」状態で試験に臨みました。
でも試験本番では、落ち着いて問題を解き、良い点数を取ることができました。
この場合、「準備がドタバタだった」と「試験は成功だった」は、どちらも正しいですよね。
高市首相の外交デビューも、同じような状況だったのです。
就任から5日間で、公明党の連立離脱への対応、維新との連立交渉、首相指名選挙、組閣、所信表明演説をこなしました。
外務省の関係者は「ドタバタで準備してきた」と証言しています。
これは「準備の様子」についての事実です。
一方、実際の外交の場では、高市首相は落ち着いて対応し、各国首脳から歓迎されました。
英語でスピーチし、個別会談も成功させ、共同声明も採択されました。
これは「外交の結果」についての事実です。
💡 つまり、「準備はドタバタだった」と「外交は成功だった」は、
どちらも真実であり、矛盾しないのです。
毎日新聞は「準備過程」を報じ、SNSのユーザーは「外交成果」を評価した。
だから、同じ出来事を見ていても、違う評価になったのです。
では、毎日新聞の見出し「ドタバタの外交デビュー」は適切だったのでしょうか。
この見出しだけを見ると、「外交がドタバタだった」と読めてしまいます。
でも実際に報じていたのは「準備がドタバタだった」ということでした。
見出しと本文の内容に、少しズレがあったと言えるかもしれません。
一方で、外務省幹部の実際の発言を引用しているので、完全に間違った報道とも言えません。
結局、この問題は「報道をどう読み解くか」という、もっと大きなテーマにつながっていきます。
📚 報道を読み解くポイント - 見出しと本文、準備と成果の区別
今回の騒動から、私たちが学べることは何でしょうか。
まず、見出しだけで判断しないことの重要性です。
SNS上では、毎日新聞の見出しだけが拡散され、多くの人が本文を読まずに批判しました。
でも本文を読むと、記事が報じている内容が見えてきます。
見出しは限られた文字数で注目を集める必要があるため、時に誤解を招く表現になることがあります。
だからこそ、気になる記事があれば、本文まで読むことが大切なのです。
次に、「何について語っているのか」を見極めることです。
今回の場合、毎日新聞は「準備過程」を、SNSのユーザーは「外交成果」を語っていました。
料理に例えると、「下ごしらえが大変だった」という話と、「完成した料理が美味しかった」という話は、どちらも正しいですよね。
同じように、一つの出来事でも、どの側面を見るかで評価が変わることがあります。
報道を読むときは、「これは何について語っているのか?」を意識することが重要です。
また、複数のメディアの報道を比較することも有効です。
今回の場合、時事通信、日テレ、共同通信など、複数のメディアが報じていました。
それぞれの報道を比較することで、より全体像が見えてきます。
一つのメディアだけを見て判断するのではなく、いくつかの報道を見比べることで、バランスの取れた理解ができるのです。
そして最後に、SNSでの情報拡散には注意が必要です。
SNSでは、見出しや一部の情報だけが切り取られて拡散されることがよくあります。
「炎上」している情報を見かけたら、一度立ち止まって、元の情報を確認することが大切です。
SNSで情報が瞬時に拡散される時代、冷静な判断が求められています。
今回の騒動は、報道とSNSの関係、そして情報の読み解き方について、私たちに大切なことを教えてくれました。
情報があふれる時代だからこそ、一つ一つの情報を冷静に見極める力が必要なのです。
📌 この記事のポイントまとめ
- 毎日新聞の「ドタバタ外交デビュー」報道がSNSで炎上したが、実は報道とSNSは異なる側面を語っていた
- 毎日新聞は外務省幹部の発言を引用し「準備過程」の慌ただしさを報じた
- SNSのユーザーは「外交成果」の成功を評価し、毎日新聞を批判した
- 「準備がドタバタだった」と「外交は成功だった」は矛盾せず、どちらも事実
- 報道を読み解くには、見出しだけでなく本文を読み、何について語っているかを見極めることが重要
- 複数のメディアの報道を比較し、SNSでの一部情報だけで判断しないことが大切
💬 あなたの考えは?
報道を見るとき、あなたは見出しだけで判断していませんか?
それとも本文まで読んで、何について語っているのかを確認していますか?
情報の読み解き方一つで、見えてくる世界は大きく変わります。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 毎日新聞の報道は何が問題だったのですか?
毎日新聞は外務省幹部の発言を引用して「準備過程」の慌ただしさを報じましたが、見出しの「ドタバタ外交デビュー」という表現が外交の結果全体がドタバタだったと誤解される可能性がありました。本文を読めば準備過程について報じていることが分かります。
Q2. SNSで批判が広がった理由は何ですか?
SNSのユーザーは高市首相の外交の「成果」を見て成功と評価していました。一方、毎日新聞の見出しだけが拡散され、多くの人が本文を読まずに「外交が失敗したと報じている」と誤解したため、批判が殺到しました。
Q3. 高市首相の外交デビューは実際にはどうだったのですか?
準備期間は確かに短く慌ただしいものでしたが、実際の外交の場では各国首脳から温かく歓迎され、英語でスピーチを行い、ASEAN共同声明の採択など成果を上げました。時事通信や日テレなど多くのメディアが肯定的に評価しています。
Q4. 「準備がドタバタ」と「外交が成功」は矛盾しないのですか?
矛盾しません。試験に例えると、直前まで忙しくて準備がドタバタだったとしても、本番で落ち着いて良い成績を取ることは可能です。準備過程と最終結果は別の側面であり、両方とも真実となり得ます。
Q5. 報道を正しく読み解くにはどうすればいいですか?
見出しだけで判断せず本文まで読むこと、その報道が何について語っているのか(準備過程なのか結果なのか等)を見極めること、複数のメディアの報道を比較すること、SNSで拡散された一部情報だけで判断しないことが重要です。
Q6. 他のメディアはどう報じていましたか?
時事通信は「無難な外交デビュー」、日本テレビは「弾丸外交デビュー」、共同通信は「本格的な外交デビュー」と報じ、いずれも外交の成果については肯定的に評価していました。ただし日テレも「準備期間が限られる中での慌ただしい外交デビュー」と準備の大変さには触れています。