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笠井スイさん41歳で逝去 双極性障害Ⅱ型とは?『ジゼル・アラン』作者の人生

2025年9月28日、漫画家・笠井スイさんの訃報が親族により発表されました。


まだ41歳という若さでの逝去に、多くのファンが驚きと悲しみに包まれています。

 

代表作『ジゼル・アラン』で知られる笠井さんは、繊細で美しい作画と心温まる物語で、長年ファンに愛され続けてきました。しかし、その裏では10年以上にわたる病気との闘いがあったのです。

この記事では、笠井スイさんの人生と作品、闘病の実態、そして最後まで支え続けたパートナーの存在について、事実に基づいて丁寧にお伝えします。


 

繊細なタッチで描かれた20世紀初頭ヨーロッパ風の街並みとレトロな衣装を着た少女のイラスト。淡い色彩と優しい雰囲気。日本語で「漫画家・笠井スイさん追悼」のテキストを配置。

繊細なタッチで描かれた20世紀初頭ヨーロッパ風の街並みとレトロな衣装を着た少女のイラスト。淡い色彩と優しい雰囲気。日本語で「漫画家・笠井スイさん追悼」のテキストを配置。



 

📖 笠井スイさん(41)逝去 – 繊細な作風で愛された漫画家

2025年9月12日、漫画家の笠井スイさんが逝去されました。

41歳という若さでした。


親族が9月28日に公式Xアカウントで報告し、「生前、笠井スイを支えてくださいましたファンの皆様、関係者の皆様へ心より感謝申し上げます」とコメントを発表しています。

笠井スイさんは1984年生まれ、長野県出身の女性漫画家です。


💡 笠井さんの漫画家デビュー

2008年に『Fellows!』創刊号の読切「花の森の魔女さん」でデビュー。翌2009年には初の連載作品となる『ジゼル・アラン』をスタートさせました。

 

コミックナタリーの訃報記事によると、笠井さんの作風は「繊細な筆致と可憐な少女たちの表情」が特徴で、多くの読者の心を捉えてきました。

その作品は、派手な展開やキャッチーな台詞に頼らず、心に沁みる空気感やささやかな日常の美しさを丁寧に描くものでした。


読んだ後に、どこか心が落ち着くような優しい余韻を残してくれる。

そんな作風が、幅広い年代の読者に愛される理由だったのです。

→ では、なぜこんなに若くして亡くなったのでしょうか?

 

 

 

🏥 死因は公表されず – 10年以上闘った双極性障害Ⅱ型とは?

笠井スイさんの死因については、親族からの公式発表はありません。

しかし、笠井さんは長年にわたり「双極性障害Ⅱ型」という精神疾患と闘っていたことを、自身のnoteで公表していました。


双極性障害Ⅱ型とは、どんな病気なのでしょうか。

これは、気分の波が激しい病気です。いつもより元気で活動的な「軽躁状態」と、何もする気が起きず深く落ち込む「うつ状態」が、交互に訪れます。


てらすクリニックひきふねの解説によると、双極性障害Ⅱ型は、軽躁状態とうつ状態を繰り返すことが特徴です。本人は「いつもより調子がいい」と感じる軽躁状態でも、周囲から見ると「いつもと違う」「元気すぎる」と思われることがあります。


⚡ 実は、この病気は100人に1人弱の確率で発症するとされています。


学校のクラスに1人いるかいないか、くらいの割合です。決して珍しい病気ではないのです。

 

✏️ 創作活動への大きな影響

漫画家にとって、この病気は特に大きな影響を与えます。

なぜなら、創作意欲が湧く時期と、何も手につかない時期が交互に訪れるからです。


「描きたい!」という気持ちが溢れる軽躁状態のときは、アイデアが次々と浮かび、筆が進みます。

しかし、うつ状態になると、描きたくても描けない。ペンを持つことさえ難しくなってしまうのです。


笠井さんはnoteで自身の闘病についてこう書いていました。


「山積みの問題の前に力尽き休載して、そろそろ8年が経とうというところです」

 

2010年代初頭に症状が顕在化し、2014年には代表作『ジゼル・アラン』を休載。その後、約11年間、連載再開を目指しながら闘病を続けていました。


精神科の閉鎖病棟に半月ほど入院したこともありました。

入院の目的は、「本当に双極性障害なのか? 発達障害などの併発はないのか? これからどうしていったら、今よりも良い状態で生きていけるのか?」を徹底的に調べることだったそうです。


全身くまなく検査され、MRIには50分も入り、人生の記憶を洗いざらい聞き取られる。

病気と向き合い、何とか創作活動を続けようと必死に努力していたのです。

→ では、笠井さんを支えた人は誰だったのでしょうか?

 

 

 

💐 パートナー・沖乃青さんの追悼「大事な人が旅立ってしまいました」

笠井スイさんには、長年そばで支え続けたパートナーがいました。

沖乃青さんです。


沖乃青さんはnoteで、笠井さんへの追悼メッセージを発表しています。


「いつまでも隣に居てくれると思っていた大事な人が、旅立ってしまいました」

 

そう書き出されたメッセージは、笠井さんの人柄を優しく、そして深く伝えるものでした。


「ずっと私に温かい愛情をくれて、一緒にそばにいてくれて、大好きな人」

「人に優しくしあいたいと言っていた大事な人」

「動物を、植物を、人を愛していました」


笠井さんは、写真を通して優しさや温かさを表現する人でした。繊細な絵は、彼女の内側にある柔らかい部分を切り取ったかのようだったと、沖乃青さんは語ります。


「彼女は賢く、私にとっては誰よりも美しい人でした」

「強く、時に弱く、その内面は私よりもずっと大人に見えるのに子どもみたいな顔も持っていました」


💚 このメッセージから伝わってくるのは…


笠井さんが「人に優しくしあいたい」という信念を持った、優しく美しい人だったということです。動物も植物も人も愛する。そんな優しさが、作品の一つ一つに息づいていたのでしょう。

 

→ そんな笠井さんの代表作とは?

 

 

 

📚 代表作『ジゼル・アラン』– 11年の休載を経ても愛され続けた理由

笠井スイさんの代表作が、『ジゼル・アラン』です。


カドコミの公式ページによると、この作品は20世紀初頭のヨーロッパを舞台にした物語です。


主人公は、ジゼル・アランという少女。お嬢様育ちなのに、アパートの大家をしながら「何でも屋」を開業します。


店子のエリックを助手に、猫探し、子守、ストリッパーの付き人、煙突掃除など、さまざまな依頼をこなしていく。

好奇心旺盛で暴走しがちなジゼルの、可憐で危なっかしい活躍を描いた作品です。


2009年に連載が始まり、2014年まで続きました。単行本は全5巻

しかし、笠井さんの病気療養のため、2014年8月を最後に休載となってしまいます。

 

❓ なぜ11年も待ち続けたのか

休載から11年。

それでも、ファンは待ち続けました。

なぜでしょうか?


それは、この作品が持つ独特の魅力があったからです。


Amazonの読者レビューを見ると、その魅力がよく分かります。


  • 「森薫に似ているという人が多いけど、私には全く違うジャンルの絵に見えた。別のベクトルで好き」

  • 「低評価レビューを見て、この作品をスルーしてしまうのは非常にもったいない。読んでみるとすっかりはまってしまった」

  • 「非常に繊細な絵柄で、お話も暗い話もあるけど、それでもなんだか癒される感じがする」

  • 「衣装や家具などを見てるだけで幸せになれる」

 

精緻な作画。丁寧に描かれるキャラクター。心温まるストーリー。

そして、読んだ後に心が落ち着くような、優しい余韻。


💡 実は「森薫の劣化版」と比較されることもありましたが…


読者たちは笠井スイさんの作品に独自の魅力を見出していたのです。19世紀ヨーロッパを思わせる建物、衣装、文化への細かいこだわり。背景の精緻なタッチ。それらが物語に説得力を持たせていました。

 

だからこそ、11年という長い休載期間を経ても、「続きが読みたい」と願い続けるファンがいたのです。

→ その続きは、どうなったのでしょうか?

 

 

 

📝 未完の『ジゼル・アラン』番外編は完成間近 – ハルタが公開予定

笠井スイさんが逝去されたとき、実は『ジゼル・アラン』の番外編が完成間近でした。


ハルタ編集部の公式Xでは、こう発表されています。


「笠井さんは休載中もずっと続きを描こうとしてくれていました。その思いを知るだけに、本当に残念でなりません」



「笠井さんが復帰に向けて執筆していた『ジゼル・アラン』の番外編は、完成が間近でした。皆様に読んでいただける形にする予定です」

 

最後まで、復帰を目指していた。

最後まで、読者に作品を届けようとしていた。


⚠️ 亡くなる1週間前まで執筆していた事実



実際、笠井さんは亡くなる1週間前の9月2日にも、Twitterでこう投稿していました。

「やだなーと思いつつ諦めて仕事量の調整。しかたない。付き合う、乗りこなすしかない。がっかりしすぎない」

 

体調が思わしくない中でも、仕事量を調整しながら、執筆を続けていたのです。


もう少しで完成するはずだった番外編。

もう少しで、ファンに届けられるはずだった作品。

その「もう少し」が、叶わなかったのは本当に残念です。


しかし、ハルタ編集部が「皆様に読んでいただける形にする」と約束してくれています。

笠井さんが最後まで描き続けた番外編を、私たちはもうすぐ読むことができるのです。

→ 笠井さんの他の作品も知りたい方へ

 

 

 

🎨 他の作品たち – 短編集で味わう笠井スイの世界観

笠井スイさんは、『ジゼル・アラン』以外にも素晴らしい作品を残しています。


デビュー作は、2008年の読切「花の森の魔女さん」

子どもと老婆のひとときのふれあいを、自然とともに描いた作品です。すでにデビュー作から、笠井さん独特の繊細な世界観が完成していました。


2011年には、初の短編集『月夜のとらつぐみ』を発売。


KADOKAWAの公式ページによると、この短編集には全8篇が収録されています。


📖 『月夜のとらつぐみ』収録作品



  • 月夜のとらつぐみ水面の翡翠:鳥をキュートに擬人化した作品

  • 仏頂面のバニー:笑わない美人のバニーガールを笑わせるコメディ

  • 遥かファンティエット:異国と初恋のお話

  • Story Tellerシリーズ:「嘘」を主軸としたシリアスなヒューマンドラマ

 

2018年には『マリア様のいない町 -Story of Carocheila-』『名もなき羊たちの町 -Story of Carocheila-』という短編集も発表。

これらは架空の町「カロチーラ」を舞台に、悲しみや罪、希望といったテーマを描いた作品群です。


✨ 全作品に共通する魅力



「言葉にしづらい感情や人間の奥深い関係性を柔らかく描写する表現力」。その作風が、多くの読者の心を掴みました。

 

→ 病気と闘いながら、どう生活していたのでしょうか?

 

 

 

💰 FANBOXでの支援活動 – 「漫画描きと病人の二足のわらじ」

病気と闘いながら、笠井スイさんはどうやって生活していたのでしょうか。


笠井さんは、pixivFANBOXというプラットフォームで、ファンからの支援を受けていました。

FANBOXとは、ファンが直接クリエイターを支援できる仕組みです。月額制で支援金を送ることができます。


📝 笠井さんのFANBOXタイトル



「漫画描きと病人の二足のわらじ、笠井スイのリハビリテーション&生存戦略ルーム」

そこでは、リハビリの過程を公開し、創作活動の様子を発信していたのです。

 

笠井さんは、こう語っていました。


「支援金のおかげで生き延びていると言っても過言ではない。かなりの割合で生活費の基礎的なところで支えてもらっている」



「なかなかお礼ができていないので、必ず復帰して仕事を届けたい」

 

病気で思うように働けない中、ファンの支援が生活を支えていました

そして笠井さんは、その恩に応えるため、必ず復帰して作品を届けようと努力し続けていたのです。


描きたくても描けない時期がある。

体調が安定しない。

それでも、創作を諦めなかった。


ファンに作品を届けたいという想いを、最後まで持ち続けていました。

→ 多くの人が笠井さんを追悼しています

 

 

 

🌸 ファン・同業者からの追悼の声

笠井スイさんの訃報を受け、多くの追悼の声が寄せられています。


日刊スポーツの記事によると、同業の漫画家からも深い悲しみのコメントが投稿されました。


🎨 漫画家・犬童千絵さんのコメント



「笠井スイさん。Fellows!で衝撃のデビューを飾られた時から、当時新人の私にも憧れの存在でした」

「繊細な筆致と可憐な少女たちの表情は唯一無二で、原画から燦然とした輝きを放っていた。寂しいです」

 

🎨 漫画家・帯屋ミドリさんのコメント



「笠井スイ先生は僕を漫画家にしてくれた憧れの一人です」

「僕が勝手にそう思っているだけですが、本当に本当に僕の人生において大事なものを与えてくれた一人です」

「お亡くなりになられたとの投稿を見て非常に残念ですが、この機会に感謝を伝えせてください。ありがとうございました。また『ジゼル・アラン』を読み返そうと思います」

 

💡 実は、笠井スイさんは…



多くの漫画家にとって「憧れの存在」であり、「漫画家になるきっかけを与えた」人物だったのです。

 

SNSでは、ファンからもこんな声が寄せられています。


  • 「ジゼル・アラン大好きだった」

  • 「作品に救われた」

  • 「もっと続きが読みたかった」

  • 「優しい作品に癒された」

 

多くの人が、笠井さんの作品に救われ、心を動かされてきました。

その存在がどれほど大きかったか、追悼の声の数々が物語っています。

 

 

 

🌟 まとめ:最後まで創作を諦めなかった漫画家の人生

笠井スイさんは、41歳という若さでこの世を去りました。

しかし、その作品は多くの人の心に深く刻まれています。


📌 この記事のポイントまとめ



  • 笠井スイさんは2025年9月12日に41歳で逝去。代表作は『ジゼル・アラン』

  • 10年以上、双極性障害Ⅱ型と闘いながら創作活動を続けていた

  • 同性パートナーの沖乃青さんが、「人に優しくしあいたい」という信念を持った人だったと追悼

  • 休載から11年経っても、ファンは『ジゼル・アラン』の続きを待ち続けた

  • 亡くなる1週間前まで執筆していた番外編が、ハルタ編集部により公開予定

  • 多くの同業漫画家が「憧れの存在」として追悼の言葉を捧げている

 

10年以上の闘病生活の中でも、最後まで創作への情熱を失わず、ファンに作品を届けようとしていた姿勢は、多くの人に勇気を与えました。


パートナーの沖乃青さんが語ったように、笠井さんは「人に優しくしあいたい」と願い、動物も植物も人も愛する優しい人でした。

その優しさは、作品の一つ一つに息づいています。


未完となった『ジゼル・アラン』の番外編は、ハルタ編集部により「皆様に読んでいただける形」にして公開される予定です。

笠井さんが最後まで描き続けた作品を、もうすぐ私たちは読むことができます。


笠井スイさんのご冥福を心よりお祈りいたします。

そして、これからも彼女の作品が多くの人に読まれ、愛され続けることを願っています。

 

💬 よくある質問(FAQ)

Q1: 笠井スイさんはいつ亡くなったのですか?

笠井スイさんは2025年9月12日に逝去されました。親族が9月28日に公式Xアカウントで報告しています。41歳という若さでした。

Q2: 双極性障害Ⅱ型とはどんな病気ですか?

気分の波が激しい病気で、いつもより元気な「軽躁状態」と深く落ち込む「うつ状態」が交互に訪れます。創作意欲が湧く時期と何も手につかない時期が繰り返されるため、漫画家には特に大きな影響を与えます。100人に1人弱の確率で発症する病気です。

Q3: ジゼル・アランの続きは読めますか?

笠井さんが復帰に向けて執筆していた番外編が完成間近でした。ハルタ編集部が「皆様に読んでいただける形にする予定」と発表しており、もうすぐ公開される見込みです。

Q4: 笠井スイさんの他の作品は?

デビュー作「花の森の魔女さん」(2008年)、短編集「月夜のとらつぐみ」(2011年)、「マリア様のいない町」「名もなき羊たちの町」などがあります。すべて繊細で優しい世界観が特徴です。

Q5: パートナーの沖乃青さんとはどんな関係でしたか?

笠井さんの同性パートナーで、長年そばで支え続けた存在です。沖乃青さんはnoteで感動的な追悼メッセージを発表し、笠井さんが「人に優しくしあいたい」という信念を持った人だったと語っています。

Q6: 笠井スイさんはどうやって生活していたのですか?

pixivFANBOXでファンからの支援を受けていました。笠井さん自身が「支援金のおかげで生き延びている」と語っており、リハビリの過程を公開しながら創作活動を続けていました。

 

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