⚾ 37歳のベテラン投手が選んだ道
新人王・最優秀防御率・WBC代表の実績を持つ石川歩投手が
コーチ就任を断り、現役続行を決意
ロッテの石川歩投手が、今シーズン限りでの退団を発表しました。
球団はコーチ就任を提案していましたが、石川投手は37歳にして現役続行を選択。「これからもマウンドで投げていきたい」というコメントからは、まだまだ野球への情熱が感じられます。
新人王に輝き、WBC日本代表にも選ばれた投手が、なぜ37歳で新たな挑戦を選んだのでしょうか。

📋 この記事でわかること
⚾ 石川歩が37歳で現役続行を選んだ理由
千葉ロッテマリーンズの公式発表によると、球団は石川投手にコーチ就任を打診していました。
コーチになれば安定した立場が保証され、引退試合で花道を飾ることもできたはず。それでも石川投手は、現役続行の道を選びました。
実は、石川投手は2023年に右肩の手術を受け、一度は育成契約に。
育成契約とは、1軍登録ができない選手の契約形態で、年俸も大幅に下がります。
それでも2024年には支配下選手に復帰し、3勝を記録。
手術からの復活を遂げた37歳の投手にとって、まだ「やり切った」という実感がないのかもしれません。
💭 「マウンドで投げていきたい」というコメントには、投手としての誇りと、もう一度輝きたいという強い思いが込められています。
コーチという安定を捨ててでも、現役にこだわる理由がそこにあります。
🏆 新人王から最優秀防御率まで―石川歩の輝かしいキャリア
石川歩投手の現役への執着を理解するには、彼がどれほど凄い選手だったかを知る必要があります。
NPB公式サイトの個人成績を見ると、その実績の凄さが分かります。
⭐ 2014年:新人王獲得
ドラフト1位で入団した1年目、石川投手は10勝8敗、防御率3.43という成績で新人王に輝きました。
1年目から先発ローテーションを任され、パ・リーグの新人で唯一規定投球回に到達。
プロ初完投で初勝利、プロ初完封で10勝目と、記録ずくめのデビューでした。
📈 2015-2016年:エースへの階段
2年目は12勝、3年目は14勝と、3年連続で2桁勝利をマーク。
特に2016年は14勝5敗、防御率2.16という圧倒的な成績で最優秀防御率のタイトルを獲得。
📊 防御率2.16の意味
これは9回投げて2点しか取られない計算で、投手として最高レベルの安定感を示す数字です。
この年、石川投手はロッテのエースとして君臨していました。
🌏 2017年:WBC日本代表に選出
その活躍が認められ、2017年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表に選出されます。
小久保監督から「先発4人構想のうちの1人」として期待され、世界の舞台で日本の背番号を背負いました。
📊 通算成績の重み
12年間で積み上げた通算79勝66敗、防御率3.49。
197試合に登板し、1246イニングを投げ抜きました。
完投14回、完封6回という数字は、現代野球で先発完投が減っている中で、特に価値のある記録です。
この実績を持つ投手が、簡単に引退を選べないのは当然かもしれません。
🎯 「ハンカチ世代」の中で異色の経歴を持つ投手
石川歩投手は1988年4月11日生まれ。
この世代は「ハンカチ世代」と呼ばれ、田中将大、前田健太、坂本勇人、柳田悠岐など、球界を代表するスター選手が揃っています。
👔 服飾デザイナーを目指していた高校時代
実は石川投手、もともとは高校で野球を辞めて服飾関係の専門学校に進むつもりだったそうです。
Wikipediaによると、周囲に勧められて大学のセレクションを受け、合格したことで野球を続けることに。
✨ 異色の経歴
甲子園出場経験もなく、高校3年夏は3回戦敗退。
そこから中部大学で実力をつけ、社会人の東京ガスを経て、2013年ドラフトで巨人とロッテが競合する1位指名を受けるまでに成長しました。
華々しい高校時代を送った同世代の選手たちとは、全く違う道を歩んできた投手なのです。
♨️ 球界屈指のサウナ好き
石川投手のユニークな一面として、サウナへの情熱が挙げられます。
各遠征先に行きつけのサウナがあり、サウナ雑誌「SAUNA BROS. WEB」で「石川歩のととのう日記」という連載を持つほど。
球団SNSで富山のおすすめスポットを聞かれた時には「辻わくわくランドですね。スーパー銭湯です」と即答。
2022年に球団から発売された直筆メッセージフェイスタオルには、サウナ用語である「ととのう」と書いたというエピソードも。
真面目な投手としてのイメージと、こうした人間味あふれる趣味のギャップが、ファンに愛される理由の一つでした。
💉 右肩手術からの復活劇と今季の状況
石川投手のキャリアは、順風満帆とは言えませんでした。
🏥 2023年:開幕投手内定から手術へ
2023年、石川投手は開幕投手に内定していました。
開幕投手とは、シーズン最初の試合を任される、チームのエースの証です。
しかし右肩の痛みで辞退。
報道によると、シーズン終了後の10月24日に右肩の骨棘(こつきょく)の切除と後方関節包の切開、関節唇のクリーニング手術を受けました。
⚠️ プロ入り10年目で初めて、1軍での登板機会がゼロに。
育成契約への降格は、プライドの高い投手にとって大きな挫折だったはずです。
🔄 2024年:支配下復帰と3勝
それでも諦めなかった石川投手は、2024年6月に支配下選手に復帰。
パ・リーグ公式サイトのコメントでは「状態は上がってきていると思います。長いリハビリの日々の中、支えてくださった皆様には感謝の気持ちで一杯です」と語っていました。
そして実際に3勝1敗、防御率3.70という成績で復活。
2年ぶりの1軍マウンドで、669日ぶりの勝利を挙げた時の喜びは、計り知れないものがあったでしょう。
📉 2025年:再び試練の年に
しかし2025年、石川投手は再び1軍登板がありませんでした。
37歳という年齢、手術の影響、若手の台頭。様々な要因が重なり、マウンドに立つ機会を失っていきました。
それでも「これからもマウンドで投げていきたい」と現役続行を選んだのです。
🔮 移籍先は?これからの石川歩に注目
現時点で、石川投手の移籍先は決まっていません。
🤔 考えられる選択肢
37歳の先発投手を必要とする球団は、正直なところ多くないでしょう。
しかし、通算79勝の実績と、WBC代表経験は大きな武器です。
- 他球団への移籍:中継ぎやロングリリーフとしての需要はあるかもしれません
- 独立リーグ:四国アイランドリーグplusなどで調整し、NPB復帰を目指す道
- 社会人野球:出身の東京ガスなど、社会人チームでプレーする選択肢
実は2025年シーズン中、阪神がラファエル・ドリス投手(37歳)を四国ILから獲得した例もあります。
年齢は壁ではなく、実力次第で道は開けるということです。
💪 「まだやれる」という思い
石川投手の決断の根底にあるのは、「まだやれる」という確信でしょう。
手術から復活し、2024年に3勝を挙げた経験。
そのシーズンの手応えがあるからこそ、37歳という年齢でも諦められないのです。
🌟 第二章への期待
服飾デザイナーを目指していた高校生が、周囲に勧められて野球を続け、ドラフト1位でプロ入り。新人王、最優秀防御率、WBC代表と、誰もが羨む実績を残しました。
手術を乗り越えて復活した投手が、もう一度輝く姿を見たいと思うファンは多いはずです。
📌 今回の記事のポイント
- 石川歩投手(37歳)がロッテを退団し、現役続行を選択
- 球団のコーチ就任打診を断り、「マウンドで投げ続けたい」と決意表明
- 2014年新人王、2016年最優秀防御率、2017年WBC代表という輝かしい実績
- 通算79勝66敗、防御率3.49、12年間で1246イニングを投げ抜いた
- 「ハンカチ世代」の一員で、服飾デザイナー志望から転身した異色の経歴
- 球界屈指のサウナ好きとしても知られる個性的な選手
- 2023年右肩手術で育成契約に降格も、2024年に支配下復帰し3勝
- 2025年は1軍登板なしも、現役への情熱は消えず
石川歩投手の次の舞台はまだ決まっていませんが、「投げ続けたい」という強い思いが、新たな道を切り開くことになるでしょう。
プロ野球の世界で12年間戦い続けた投手の、第二章に注目です。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: 石川歩投手はなぜ37歳で現役続行を選んだのですか?
球団からコーチ就任の打診がありましたが、2024年に右肩手術から復活して3勝を挙げた経験から「まだやれる」という確信があり、「マウンドで投げ続けたい」という投手としての情熱が強かったためです。
Q2: 石川歩投手の主な実績は何ですか?
2014年に新人王、2016年に最優秀防御率(14勝5敗、防御率2.16)を獲得し、2017年にはWBC日本代表に選出されました。通算79勝66敗、防御率3.49で、12年間で1246イニングを投げ抜いた実績があります。
Q3: 石川歩投手はどの世代に属していますか?
1988年4月11日生まれで「ハンカチ世代」と呼ばれる世代に属します。田中将大、前田健太、坂本勇人、柳田悠岐などと同世代で、球界を代表するスター選手が揃っています。
Q4: 石川歩投手の移籍先はどこになる可能性がありますか?
現時点では未定ですが、他球団への移籍(中継ぎやロングリリーフ)、四国アイランドリーグplusなどの独立リーグ、出身の東京ガスなど社会人野球チームでのプレーなどの選択肢が考えられます。