2025年10月21日、日本テレビの人気バラエティ番組「月曜から夜ふかし」に対して、BPO(放送倫理・番組向上機構)が「放送倫理違反があった」という厳しい判断を下しました。
問題となったのは、2025年3月24日の放送。中国出身の女性へのインタビュー映像を、スタッフがわざと編集して「中国ではカラスを食べる」という全くの嘘の内容で放送していたのです。
これは単なる編集ミスではありません。音声を意図的に切り貼りして、女性が言ってもいないことを言ったかのように見せた「捏造」でした。
💡 この問題の核心
春に起きた問題が、なぜ秋になって大きく取り上げられているのか。BPOは何を問題視したのか。そして、13年続く人気番組は今後どうなるのか。
この記事では、7ヶ月にわたる審議の結果と、問題の全貌を詳しく解説します。
📋 この記事でわかること
📺 「月曜から夜ふかし」のカラス捏造問題とは?何があったのか
⏰ 2025年3月24日、何が放送されたのか
問題となった放送は、「この春上京する人へのアドバイスを聞いてみた件」という企画でした。JR新宿駅東南口で行われた街頭インタビューで、中国・広州から来た女性が登場します。
女性は日本に来て驚いたこととして、カラスが多いことを挙げました。ベランダにカラスが来てハンガーを持っていかれたので、それ以降は洗濯物を外で乾かしていない、というエピソードを話しました。
ここまでは普通のインタビューです。
問題は、その後の部分でした。
❌ 放送された内容(実際には嘘)
番組では、女性がこんなふうに話しているように編集されていました。
「あんまり中国にカラス飛んでるのがいないですね」
↓
「みんな食べてるから少ないです」
↓
「とにかく煮込んで食べて終わり」
つまり、「中国にカラスが少ないのは、みんなカラスを食べているから」という内容です。画面を見た視聴者の多くは、「中国ではカラスを食べる文化があるんだ」と信じてしまったでしょう。
✅ 実際には何を話していたのか
しかし、女性は「中国ではカラスを食べる」という話を一切していませんでした。日本経済新聞の報道によると、「別の話題について話した内容を制作スタッフが意図的に編集した」とのこと。
つまり、女性が別の文脈で話していた「みんな食べてる」「煮込んで食べる」という音声を、カラスの話に無理やりつなげたのです。恐らく、料理の話をしていたと考えられます。
実際、中国ではカラスは不吉な鳥とされており、食用ではありません。
🔍 どうやって発覚したのか
この捏造が明るみに出たのは、意外な経路からでした。放送後、中国のSNS(微博など)でこの映像が話題になったのです。
「日本のテレビが中国人はカラスを食べると放送している」と批判が広がりました。
それを番組スタッフが発見。内部調査を行った結果、捏造が判明しました。
📅 対応のタイムライン
日本テレビは3月27日、わずか3日後に番組公式サイトで謝罪。「テレビメディアとして決してあってはならない行為」と認めました。
謝罪文は日本語だけでなく、中国語版も掲載されました。それだけ、国際的な問題になる可能性があったということです。
😢 被害を受けた女性の状況
この捏造放送によって、インタビューに応じた女性は大きな被害を受けました。SNS上で「本当に中国ではカラスを食べるのか」「嘘をついているのでは」といった誹謗中傷にさらされたのです。
女性は一切そんなことを言っていないのに、番組の捏造編集によって、ネット上で批判の的になってしまいました。
日本テレビは後に「女性は、一日も早く元の生活に戻りたいと強く希望されています」とコメント。SNSでの女性への誹謗中傷をやめるよう呼びかけました。
💭 このセクションのポイント:番組は女性の発言を意図的に切り貼りして、全く異なる内容で放送。中国のSNSで話題になり発覚し、女性は誹謗中傷を受ける二次被害にあいました。
では、なぜBPOはこの問題を「放送倫理違反」と判断したのでしょうか。次のセクションで詳しく見ていきます。
⚖️ BPOが「放送倫理違反」と判断した理由
🏢 BPOとは何か
BPO(放送倫理・番組向上機構)は、テレビやラジオの番組内容が適切かどうかをチェックする独立した組織です。視聴者からの意見や放送局からの報告を受けて、問題のある番組について審議を行います。
そして、必要に応じて「意見書」を公表し、放送局に改善を求めます。
ただし、BPOには番組を打ち切らせる法的な権限はありません。あくまで「意見」を述べる立場です。
それでも、BPOが「放送倫理違反」と判断することは、テレビ業界では非常に重く受け止められます。
📆 4月に審議入り、10月に意見書公表
この問題について、BPOは2025年4月11日に審議入りを決定しました。BPOの小町谷育子委員長は、審議入りの理由をこう説明しています。
「編集の仕方がかなり意図的に見える。他国の文化への尊重をどのように考えていたのか。調査をした方がいい」
そして約7ヶ月後の10月21日、BPOは正式な意見書を公表しました。
⚠️ BPOが指摘した3つの問題点
意見書では、大きく3つの問題が指摘されました。
❶ 虚偽の内容を放送した
「VTR素材を恣意的に編集し、事実に基づかない虚偽の内容を放送した」
これは、単なる編集ミスではなく、わざと嘘の内容を作り上げたということです。
❷ 文化への配慮が不十分だった
「外国における食文化について誤解を与え、当該国の人々や視聴者に不快感を与えた」
「多様な文化や他国の人々の感情を尊重する姿勢が不十分であった」
❸ 取材対象者が誹謗中傷を受けた
「発言していない内容を発言したかのように放送した結果、取材対象者がソーシャルメディア上で誹謗中傷にさらされる事態に至った」
女性は番組の捏造によって、ネット上で批判されるという二次被害を受けました。BPOはこの点も重く見ています。
🎯 なぜここまで厳しい判断なのか
BPOがここまで厳しい判断を下したのには、理由があります。まず、これが単なる編集ミスではなく、明らかに意図的な捏造だったこと。
そして、それが特定の国の文化に対する誤解を広める内容だったこと。
さらに、取材に協力してくれた一般の女性が、番組の捏造によって誹謗中傷を受けるという深刻な被害が生じたこと。
実は、総務省の村上誠一郎総務相(当時)も、この問題について会見で異例の苦言を呈しています。「放送事業者の社会的役割を自覚してほしい」と。
政府が個別の番組について言及するのは珍しく、それだけ問題が大きかったということです。
🆚 「演出」と「捏造」の違い
バラエティ番組では、面白く見せるための「演出」は日常的に行われています。しかし、今回の問題は「演出」の範囲を大きく超えていました。
日本テレビの福田博之社長も、3月31日の会見で「演出の範囲を超えており、あってはならないこと」と認めています。
📌 重要な違い
取材対象者が実際に言っていないことを、言ったように見せる。これは「演出」ではなく、「捏造」です。
そして、その捏造が他国の文化についての誤解を広め、個人を誹謗中傷にさらす結果を招いた。だからこそ、BPOは「放送倫理違反」という厳しい判断を下したのです。
💭 このセクションのポイント:BPOは7ヶ月の審議を経て、「虚偽の内容放送」「文化への配慮不足」「誹謗中傷被害」の3点を指摘し、放送倫理違反と認定しました。
では、この捏造編集を実際に行ったのは誰だったのでしょうか。次のセクションで見ていきます。
👤 捏造編集を行ったのは誰?なぜこんなことをしたのか
🎬 編集を行ったのはフリーランスのディレクター
この捏造編集を実際に行ったのは、フリーランスの男性ディレクターでした。日本テレビの発表によると、このディレクターは企画担当として、約1年半この番組に関わっていました。
つまり、新人ではなく、番組のことをよく知るベテランだったのです。
福田社長は会見で「ディレクター本人が『撮ったものをより面白くしたい』と自分の判断で編集した」と説明しています。
そして「そこに他の人間の意思は介在しておりません」とも述べ、ディレクターが単独で行ったことを強調しました。
😰 「面白くしたい」という動機
では、なぜこのディレクターは捏造に走ったのでしょうか。BPOの調査によると、ディレクターは「オチが付き面白い内容になると考えて」編集したとのこと。
つまり、「中国にカラスが少ない理由」について、「食べているから」というオチをつければ面白くなると考えたのです。
⚠️ ディレクターの弁明
ディレクター本人は「誤っていたと深く反省しています」と述べ、差別的な意図はなかったとしています。しかし、「面白くしたい」という思いだけで、事実を捻じ曲げてしまった。
これは、制作者としてあってはならないことです。
⚙️ 制作現場の競争プレッシャー
テレビプロデューサーの鎮目博道氏は、弁護士ドットコムのコラムで、こう指摘しています。「夜ふかし」ほどの人気番組では、多くのディレクターが厳しい競争状態にあったと思われる」
複数のスタッフが自分の企画をプレゼンし、上司が「ボツ、採用」を決める。採用されないスタッフは心理的に追い込まれる。
そうした状況で、「無理やり面白くさせる」ことに走ってしまうディレクターが出てくるのではないか、という分析です。
もちろん、これは推測です。しかし、制作現場のプレッシャーが、今回のような捏造を生む土壌になっている可能性は否定できません。
🔍 なぜチェック体制は機能しなかったのか
日本テレビでは、ディレクターが編集した映像を、社員のプロデューサーや演出が必ずチェックする体制になっていました。しかし今回、その体制は機能しませんでした。
BPOの意見書では、「放送内容の正確性を担保し、番組の制作過程に不正がないかどうか疑念を持つ意識が制作幹部に希薄だった」と指摘されています。
つまり、チェックする側も「まさか捏造はしていないだろう」という思い込みがあったのです。
また、「取材対象者に放送内容の真正性を確認する場が、放送を許諾するよう仕向ける場となっていた」という問題も指摘されました。
本来なら、女性に「こういう内容で放送しますが、問題ありませんか?」と確認すべきです。しかし実際には、「こういう内容で放送させてください」と承諾を求めるだけの形式的な確認になっていたのです。
🚫 「二度と番組で仕事することはない」
福田社長は会見で、このディレクターについて「月曜から夜ふかしで再び仕事をすることはない」と明言しました。ただし、フリーランスという立場上、雇用関係ではないため、懲戒処分などの形式的な処分は行われていません。
問題のディレクターは、実質的に番組から外されたという形です。
💭 このセクションのポイント:約1年半番組に関わっていたフリーランスディレクターが、「面白くしたい」という動機だけで単独で捏造。制作現場の競争プレッシャーとチェック体制の甘さが背景にありました。
では、日本テレビと番組はこの問題にどう対応したのでしょうか。次のセクションで見ていきます。
🔧 日本テレビと番組の対応・再発防止策
⚡ 迅速な謝罪と調査
日本テレビの対応は、比較的迅速でした。問題の放送が3月24日。中国のSNSで話題になり、番組スタッフが気づいたのが数日後。
そして3月27日には、番組公式サイトで謝罪文を掲載しました。この謝罪文は、日本語と中国語の両方で公開されています。
謝罪文では、こう述べられています。
「実際には女性が『中国ではカラスを食べる』という趣旨の発言をした事実は一切なく、別の話題について話した内容を制作スタッフが意図的に編集し、女性の発言の趣旨とは全く異なる内容になっていました」
⏸️ 街頭インタビューの一時中止
日本テレビは、再発防止策が整うまで、番組の看板企画である街頭インタビューを中止すると発表しました。「月曜から夜ふかし」といえば、新宿や渋谷などで行われる街頭インタビューが大きな魅力の一つです。
その看板企画を止めるというのは、かなり思い切った判断でした。
実際、街頭インタビューがない間の番組は、過去の映像を使った企画が中心となり、視聴者からは「パワーダウンした」という声も上がっていました。
✅ 再発防止策の内容
そして5月12日、日本テレビは街頭インタビューの再開を発表しました。約2ヶ月弱での再開です。
🛡️ 再発防止策として整えた体制
- 複数チェック体制の強化:複数の番組スタッフ+番組担当外の日テレ社員による確認
- 取材対象者への確認の徹底:形式的な許諾ではなく、実質的な内容確認
- 研修の実施:制作モラル向上のための研修を繰り返し実施。「面白さ」よりも「正確性」を優先する意識の徹底
📺 番組内での謝罪
街頭インタビューの再開と同時に、番組内でもMCのマツコ・デラックスさんと村上信五さんが謝罪のコメントを表示しました。ただし、2人が直接カメラに向かって謝罪する形ではなく、テロップでのお詫びという形だったようです。
これについては、「2人には責任がない」という声がある一方、「もっと真摯に謝罪すべきでは」という意見もありました。
🎤 日テレ社長の謝罪会見
福田博之社長は、3月31日と4月21日の定例会見で、この問題について謝罪しています。「演出の範囲を超えており、あってはならないことだ。申し訳ありませんでした」
そして、再発防止に向けた取り組みを説明しました。
「街頭インタビューやロケのルールを作って徹底しているところです。確認できたところで再開します」
また、BPOの審議については「審議対象となったことを重く受け止め、真摯に対応していきます」と述べました。
📄 BPO意見書公表後のコメント
そして10月21日、BPOの意見書公表を受けて、日本テレビは改めてコメントを発表しました。
「BPOの意見を真摯に受け止めております。ご指摘をふまえて再発防止に向けた体制の強化や社員・スタッフの研修に取り組み、今後の番組制作にいかしてまいります」
謝罪から7ヶ月。日本テレビは、この問題に対して継続的に対応している姿勢を見せています。
💭 このセクションのポイント:日テレは問題発覚3日後に謝罪、約2ヶ月で再発防止策を整えて街頭インタビューを再開。複数チェック体制と研修で再発防止に取り組んでいます。
しかし、視聴者が最も気になるのは「番組は今後どうなるのか」ということでしょう。次のセクションで見ていきます。
🔮 「月曜から夜ふかし」は今後どうなる?打ち切りの可能性は?
📰 「打ち切り濃厚」という報道
BPO審議入りが決まった4月、一部メディアでは「番組打ち切り濃厚」という報道が出ました。週刊誌FRIDAYは、「BPOに人権侵害などと認定された場合、番組は打ち切られることが多い」と報じています。
実際、過去には日本テレビの「スッキリ」が、アイヌ民族への差別的な表現問題でBPO案件となり、最終的には番組終了となりました(ただし、番組終了の理由は複合的で、BPOだけが原因ではないとされています)。
そのため、「月曜から夜ふかし」も同じ運命をたどるのではないか、という見方が広がったのです。
視聴者からも「番組終了もあり得る」という声が上がり、ネット上では不安の声が広がりました。
✋ 社長が打ち切りを明確に否定
しかし、福田社長は4月21日の会見で、番組の打ち切りを明確に否定しました。中日スポーツの報道によると、社長はこう述べています。
💬 福田社長の発言
「元の形に戻って放送を続けたい」
「再発防止して続けられると思っているからです」
つまり、日本テレビとしては、番組を継続する方針を明確にしたのです。
📺 BPO審議中も番組は継続
実際、BPOの審議が行われている間も、番組は通常通り放送を続けました。4月以降も毎週月曜日に放送され、街頭インタビューも5月から再開。
一時は過去の映像を使った企画が中心でしたが、徐々に通常の形に戻っていきました。
9月11日に行われた日本テレビの改編説明会でも、「月曜から夜ふかし」の放送継続が改めて表明されています。
デイリー新潮の記事によると、コンテンツ戦略局の大井秀一氏が「BPO審議に至ったことを重く受け止めている」としながらも、番組継続の方針を示したとのことです。
📋 BPO意見書に法的拘束力はない
では、BPOが「放送倫理違反」と判断したのに、なぜ番組は継続できるのでしょうか。それは、BPOの意見書に法的拘束力がないからです。
BPOは独立した第三者機関であり、番組を打ち切らせる権限はありません。あくまで「こういう問題があった」「こう改善すべき」という意見を述べるだけです。
最終的に番組を続けるかどうかは、放送局が判断します。
ただし、BPOの意見は業界内で非常に重く受け止められます。スポンサーが離れる可能性もあります。
それでも今回、日本テレビは番組継続を選びました。
🤔 なぜ継続できたのか
番組が継続できた理由はいくつか考えられます。
🔑 番組継続を可能にした要因
- 迅速な対応:問題発覚から3日で謝罪、2ヶ月で再発防止策を整えて再開
- 単独犯による捏造:組織的な不正ではなく、1人のディレクターによる単独の行為
- 人気番組としての価値:日本テレビにとって重要な看板番組で、視聴率も安定
- MCに責任がない:マツコ・デラックスさんと村上信五さんは、編集には関与していない
⚠️ 今後の課題
ただし、番組が完全に元通りになったわけではありません。視聴者の中には、「本当に改善されたのか」「また同じことが起きるのでは」という不信感を持つ人もいます。
街頭インタビューを見ても、「これ、本当にそのまま?」と疑う声がSNSで見られます。
番組スタッフには、視聴者の信頼を取り戻すための努力が、これからも求められます。
そして何より、「面白さ」と「正確性」のバランスをどう取るか。これは、バラエティ番組全体に問われている課題です。
💭 このセクションのポイント:日テレ社長は打ち切りを明確に否定し、BPO審議中も番組は継続。BPO意見書に法的拘束力はなく、番組は今後も続く方針です。
では、この番組は過去にも問題を起こしていたのでしょうか。最後のセクションで見ていきます。
🔄 過去にもあった?「月曜から夜ふかし」の問題・炎上歴
⚠️ 今回が初めてではない
実は、「月曜から夜ふかし」が問題視されたのは、今回が初めてではありません。過去にも、番組の取材手法や内容について批判が上がったことがあるのです。
📅 2022年:ゴールデン昇格時の「地方いじめ」批判
2022年4月、番組がゴールデンタイムに昇格した際、大きな批判を浴びた企画がありました。日刊ゲンダイの報道によると、「日本全国で聞いた我が町あるある」という企画で、地方の住民への取材方法が問題視されました。
📍 問題となった取材内容
香川県粟島での取材
ドローンで荷物を運ぶサービスを利用する住民を取材。商品代金より高い500円の費用がかかることを、やや揶揄するような形で紹介。中年女性3人が荷物を受け取る際、釣り銭を先に受け取って代金を払うのを忘れた様子を、「しょうもないことで毎日楽しく過ごせる島」と表現。
大分県姫島での取材
ITアイランド構想を推進する島で、ITを理解していないお年寄りに取材。「Netflix」を「メトリックス」と言い間違えた人を笑いの対象に。
これらについて、「地方や老人をバカにしている」「地方を軽視した内容」という批判が相次ぎました。島で民宿を営む女性は、日刊ゲンダイの取材に対して「ドローンは必要ない、というのが本音です」と語っています。
🎌 アイヌ差別問題への言及
FRIDAYの記事では、日本テレビの「スッキリ」がアイヌ民族への差別的表現で問題となり、最終的に番組終了に至ったことに触れています。「アイヌ差別の教訓を生かせず」というタイトルで、日本テレビ内部では今回の問題に「戦々恐々」としていると報じています。
同じ局内で、少数民族や他国の文化に対する配慮不足の問題が繰り返されたことになります。
🎥 「街頭インタビューのパワープレイ」疑惑
日本テレビ関係者の話として、「これまでもパワープレイで街頭インタビューをしてきているという噂が絶えない」との指摘もあります。「パワープレイ」とは、取材対象者に強引に取材する、編集で意図的に面白くするなどの行為を指すと考えられます。
今回の捏造が「余罪」の可能性を示唆する声もありますが、これは確認されていません。
🔍 番組の体質的な問題?
これらの過去の問題を見ると、ある共通点が浮かび上がります。それは、「面白さを追求するあまり、取材対象者への配慮が不十分になる」という傾向です。
⚠️ 共通する問題点
地方の住民、お年寄り、少数民族、外国人。いずれも、番組にとっては「面白いネタ」として扱われた面があります。しかし、取材される側から見れば、自分たちの生活や文化が、笑いのネタにされているように感じることもあるでしょう。
📺 テレビ業界全体の課題
もちろん、これは「月曜から夜ふかし」だけの問題ではありません。バラエティ番組全体、そしてテレビ業界全体が、「面白さ」と「配慮」のバランスをどう取るかという課題に直面しています。
制作費や人員が限られる中で、視聴率を取らなければならないプレッシャー。その中で、つい「やりすぎ」てしまうことがある。
今回のBPO意見書は、「月曜から夜ふかし」だけでなく、テレビ業界全体への警鐘とも言えるでしょう。
💭 このセクションのポイント:過去にも2022年の地方いじめ批判など複数の問題が。面白さ追求と取材対象者への配慮不足が共通する問題点として指摘されています。
🎯 まとめ:放送倫理違反認定が意味するもの
「月曜から夜ふかし」のカラス捏造問題は、単なる編集ミスではなく、テレビ制作の根幹に関わる問題を浮き彫りにしました。
📌 この問題の重要ポイント
- 2025年3月24日放送で、中国出身女性の発言を意図的に捏造編集
- 「中国ではカラスを食べる」という虚偽の内容を放送し、文化的誤解を広めた
- 被害女性はSNS上で誹謗中傷にさらされるという二次被害を受けた
- フリーランスディレクターが「面白くしたい」という動機だけで単独実行
- BPOは10月21日に「放送倫理違反」と認定する厳しい意見書を公表
- 日本テレビは再発防止策を整え、番組は継続する方針
BPOが「放送倫理違反」と認定したことの意味は大きいです。これは、バラエティ番組であっても、事実の尊重と文化への配慮が不可欠であることを示しています。
「面白ければ何でもあり」ではない。取材される側の人権や尊厳を守ることが、何よりも優先されなければならない。
制作現場のプレッシャー、視聴率競争、人員不足。さまざまな構造的な問題が背景にあるでしょう。
しかし、どんな状況でも、事実を捻じ曲げることは許されません。
視聴者としても、番組の内容を鵜呑みにせず、批判的に見る目を持つことが大切です。そして何より、今回被害を受けた女性のように、取材に協力してくれた一般の人たちが、不当に傷つけられることがあってはなりません。
「月曜から夜ふかし」は今後も続きます。番組スタッフには、この教訓を忘れず、視聴者の信頼を取り戻す努力を続けてほしいと思います。
💬 あなたの意見をお聞かせください
あなたは、この問題についてどう思いますか?バラエティ番組に求められる「面白さ」と「正確性」のバランスについて、考えてみてください。
❓ よくある質問(FAQ)
📚 参考文献リスト
- 時事通信:「月曜から夜ふかし」に放送倫理違反 BPOが意見書公表
- 日本経済新聞:日テレ、「月曜から夜ふかし」の不適切編集で謝罪
- BPO公式サイト:第205回放送倫理検証委員会
- はむた:日テレ「月曜から夜ふかし」街頭インタビュー発言捏造事件
- デイリースポーツ:「月曜から夜ふかし」捏造問題 問題の編集は約1年半関わったフリーの男性ディレクター
- 弁護士ドットコム:『月曜から夜ふかし』で発言捏造、過大な「制作プレッシャー」背景か
- 中日スポーツ:BPO審議入り「月曜から夜ふかし」、日テレ社長あらためて謝罪
- Wikipedia:月曜から夜ふかし
- 日刊ゲンダイ:日テレ「月曜から夜ふかし」ゴールデン昇格で問われる"素人イジり"のあり方
- FRIDAY:「アイヌ差別」の教訓生かせず…『月曜から夜ふかし』捏造問題