2025年12月3日午後4時頃、JR宇都宮駅西口で痛ましい事故が起きました。
77歳の女性が運転する車が、駐車中の車に乗り込もうとしていた23歳の女性をはねたのです。
運転していた女性は「ブレーキとアクセルを間違えた」と話しています。
被害者の女性は病院に運ばれましたが、意識はあるとのこと。
💡 実は…踏み間違い事故の件数が最も多いのは20代なんです
「また高齢者の踏み間違いか…」と思った方も多いかもしれません。
では、なぜ高齢者の事故ばかりがニュースになるのでしょうか?
この記事では、今回の事故の詳細と、踏み間違い事故の意外な真実をお伝えします。

宇都宮駅前で77歳女性が23歳女性はねる事故の詳細
🚨 事故の概要
2025年12月3日午後4時頃、JR宇都宮駅西口ロータリーで77歳女性の車が23歳女性をはねた
読売新聞の報道によると、宇都宮市在住の77歳女性(無職)が運転する乗用車が、駐車中の車に衝突しました。
その際、車に乗り込もうとしていた同市在住の23歳女性がはねられたのです。
23歳の女性は病院に搬送されましたが、意識はあるということです。
ケガの程度については、現時点では詳しく発表されていません。
運転していた77歳の女性も、この事故でケガを負い病院に運ばれています。
警察の調べに対し、77歳の女性は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話しているとのこと。
事故現場となった宇都宮駅西口ロータリーは、バスやタクシー、一般車両が行き交う混雑した場所です。
午後4時という時間帯は、帰宅ラッシュが始まる頃。
多くの人が行き交う中での事故に、現場は騒然としたようです。
SNSでは「宇都宮駅付近で事故」「救助活動で消防出動」といった投稿が相次ぎました。
では、なぜこのような踏み間違い事故は起きてしまうのでしょうか?
なぜ踏み間違い事故は起きるのか?意外な原因
📌 結論
踏み間違い事故が起きる最大の原因は「パニック」と「とっさの判断ミス」
「ブレーキとアクセルを間違えるなんて、ありえない」
そう思う人も多いでしょう。
🤔 驚きの事実
踏み間違い事故の件数で最も多いのは20代
JAF交通安全トレーニングによると、車両相互事故(車同士の事故)の発生件数は、24歳以下の若者が最多。
70代の高齢者よりも多いというデータがあります。
「え、高齢者の事故じゃないの?」と思いますよね。
若者に踏み間違いが多い理由は、運転経験の浅さです。
免許を取ったばかりで操作に慣れていない。
交差点の右折待ちや駐車場で、周りの車にプレッシャーを感じて焦ってしまう。
そんな状況で、無意識にペダルを踏み間違えてしまうのです。
では、なぜニュースになるのは高齢者の事故ばかりなのでしょうか?
それは、高齢者の踏み間違い事故は「重大化しやすい」からです。
若い人は踏み間違えても、すぐに「あ、間違えた!」と気づいてブレーキを踏み直せます。
でも高齢者は、間違いに気づくのに時間がかかることがあります。
さらに、パニックになると「ブレーキを踏んでいるつもり」でアクセルを踏み続けてしまう。
これが、店舗に突っ込んだり、人をはねたりする重大事故につながるのです。
では、統計データで高齢者の踏み間違い事故の実態を見てみましょう。
高齢者の踏み間違い事故の実態と統計データ
⚠️ 衝撃のデータ
踏み間違い事故は年間約1万件。死亡重傷事故の7割以上が高齢者
踏み間違いによる事故は、年間約1万件も発生しています。
1日あたり約10件。
つまり、2時間半に1回以上のペースで起きている計算です。
Hondaの調査によると、2018年から2020年の3年間で、踏み間違いによる死傷事故は約1万件ありました。
そして死亡重傷事故に限ると、その7割以上が65歳以上の高齢者なのです。
件数では若者が多いのに、重大事故は高齢者が圧倒的に多い。
この違いはなぜ生まれるのでしょうか?
🔍 高齢者の体に起きる変化
年齢を重ねると体が硬くなり、股関節が開きやすくなります。
その結果、足先が自然と右側(アクセル側)に向きやすくなるのです。
さらに、駐車場でバックする時に体をひねると、足もつられて右に寄ってしまう。
ブレーキを踏んだつもりが、アクセルを踏んでいた…ということが起きやすくなります。
令和6年版交通安全白書(内閣府)でも、高齢者の事故の特徴として「ハンドル操作の誤り」「ブレーキとアクセルの踏み間違い」が挙げられています。
2024年の交通事故死者数2663人のうち、65歳以上は1513人。
nippon.comの報道によると、実に半数以上が高齢者なのです。
過去には釧路で80代男性の車が屋上駐車場から転落する事故も発生しています
こうした事故を防ぐために、どんな対策があるのでしょうか?
踏み間違い事故を防ぐための対策
✅ 主な対策は3つ
サポカー導入、踏み間違い防止装置、75歳以上の運転技能検査
1. サポカー(安全運転サポート車)の活用
最近の車には「踏み間違い防止装置」が搭載されているものがあります。
アクセルを急に踏み込んでも、車が自動でブレーキをかけてくれる仕組みです。
壁やコンビニのガラスなどを検知して、衝突を防いでくれます。
2. 後付けの踏み間違い防止装置
すでに持っている車にも、後から踏み間違い防止装置を取り付けることができます。
価格は数万円から。自治体によっては補助金が出る場合もあります。
3. 75歳以上の運転技能検査(2022年から義務化)
📢 知っていましたか?
2022年5月から、75歳以上で一定の違反歴がある人は、免許更新時に「運転技能検査」が義務になりました。
不合格だと、免許を更新できません。
これは2019年の池袋暴走事故をきっかけに導入された制度です。
家族ができること
高齢の家族がいる方は、定期的に運転の様子を確認することも大切です。
- 「最近、車に傷が増えていないか」
- 「駐車場でヒヤッとすることはないか」
こうした会話がきっかけで、免許返納を考えるケースもあります。
「自分は大丈夫」という過信が、事故につながることもあります。
年齢に関係なく、運転に不安を感じたら、専門家に相談してみてください。
まとめ
今回の事故と、踏み間違い事故の実態をまとめます。
- 事故概要:2025年12月3日午後4時頃、JR宇都宮駅西口で77歳女性の車が23歳女性をはねた
- 原因:運転者は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と供述
- 被害状況:23歳女性は意識あり、77歳女性もケガで搬送
- 踏み間違い事故の実態:年間約1万件、死亡重傷事故の7割以上が65歳以上
- 意外な事実:事故件数自体は20代が最多だが、高齢者は重大化しやすい
踏み間違い事故は、誰にでも起こりうる事故です。
若い人は「自分は大丈夫」と思わず、常に慎重な運転を。
高齢者やその家族は、サポカーや踏み間違い防止装置の導入を検討してみてください。
被害に遭われた方の一日も早い回復をお祈りします。
よくある質問(FAQ)
Q. 宇都宮駅前の事故で被害者の容態は?
23歳の被害女性は病院に搬送されましたが、意識はあるとのことです。77歳の運転者もケガを負い搬送されています。詳しいケガの程度は現時点で発表されていません。
Q. 踏み間違い事故は年間どれくらい起きている?
年間約1万件、1日あたり約10件のペースで発生しています。死亡重傷事故に限ると、その7割以上が65歳以上の高齢者によるものです。
Q. なぜ高齢者の踏み間違い事故は重大化しやすい?
加齢により体が硬くなり、足先がアクセル側に向きやすくなることが一因です。また、間違いに気づくまでに時間がかかり、パニック状態でアクセルを踏み続けてしまうケースがあります。
Q. 踏み間違い事故を防ぐ対策は?
サポカー(安全運転サポート車)の導入、後付けの踏み間違い防止装置の設置が有効です。また2022年から75歳以上で違反歴のある人には運転技能検査が義務化されています。
参考文献
- 読売新聞オンライン - JR宇都宮駅前で77歳女性運転の車が23歳女性はねる
- 内閣府 - 令和6年交通安全白書
- nippon.com - 2024年の交通事故死亡者統計
- JAF交通安全トレーニング - 踏み間違い事故の要因と対策