DeNAベイスターズの三嶋一輝投手(35)が戦力外通告を受けたニュースで、多くの人が耳にした「国指定難病」という言葉。
実は、この制度について詳しく知る人は意外に少ないのではないでしょうか。
今回は、三嶋選手が闘い続けている病気を通して、知られざる日本の難病支援制度の実態を分かりやすく解説します。

🏥『国指定難病』とは—実は348種類もある難治性疾患の実態
「国指定難病」と聞くと、とても珍しい病気を想像する人が多いかもしれません。
しかし実際は、現在348種類もの病気が指定されているんです。
📝 国指定難病の基本的な条件
国指定難病に認定されるには、4つの条件があります:
- 治療方法が確立していない
- 患者数が日本の人口の0.1%程度以下(約10万人以下)
- 長期間の治療が必要
- 診断基準が明確である
つまり、「治りにくくて、患者数は少ないけれど、確実に診断できる病気」が対象になるということです。
💡 想像以上に身近な制度
348種類という数字を聞くと、想像以上に多いと感じませんか?
これは全国のコンビニ店舗数の約6割に相当する数です。
📊 難病情報センター公式データによると、制度開始当初の2015年は110疾病でしたが、年々追加され続けています。
実際に指定難病の患者さんは全国で約100万人以上いるとされており、私たちが思っている以上に身近な制度なんです。
🏛️ 制度ができた背景
この制度は2015年に🏛️ 難病の患者に対する医療等に関する法律として始まりました。
それまでは一部の病気しか支援対象ではなかったため、多くの患者さんが高額な医療費で苦しんでいたのです。
🦴 三嶋選手を襲った『黄色靱帯骨化症』—背骨の靱帯が石のように硬くなる病気
三嶋選手が患っているのは「胸椎黄色靱帯骨化症」という病気です。
この病名、確かに読むだけで難しそうですよね。
🤔 分かりやすく言うとどんな病気?
簡単に説明すると、背骨にある靱帯が石のように硬くなってしまう病気です。
通常、靱帯はゴムのようにしなやかで、体を自由に動かすことができます。
しかし、この病気になると靱帯の中にカルシウムが蓄積し、だんだんと骨のように硬くなってしまいます。
😰 どんな症状が現れるの?
🏥 難病情報センターの解説によると、主な症状は以下の通りです:
- 足のしびれ(最初に現れることが多い)
- 歩きにくさ(階段の上り下りが困難に)
- 脱力感(足に力が入らない)
- 排尿の障害(進行した場合)
三嶋選手も2022年5月頃から足のしびれを感じ始め、その後診断されました。
❓ なぜこの病気になるのか?
実は、原因はまだ完全には分かっていません。
ただし、いくつかの特徴があることが分かっています:
- 日本人・アジア人に多い(欧米人は少ない)
- 40歳以降に発症することが多い
- 男性にやや多い傾向
- 家族性(遺伝的要因)がある場合も
💪 三嶋選手の闘病から復帰まで
三嶋選手は2022年8月29日に手術を受けました。
📰 文春オンラインの詳細記事によると、手術は無事成功し、約半年間のリハビリを経て2023年2月に実戦復帰を果たしています。
「前よりももっと強くなって帰ってきます!」
これが手術前の三嶋選手のコメントでした。実際に2023年4月には一軍のマウンドに立ち、見事復活勝利を挙げています。
⚾ プロ野球界で相次ぐ発症—星野仙一、大隣憲司らも闘った同じ病気
実は、プロ野球界では過去10年間で十数人の選手がこの病気を発症しています。
🌟 著名な患者たち
特に話題になった例をご紹介します:
⭐ 星野仙一さん(元楽天監督)
- 2014年に発症
- 監督業を一時休養
- 手術・リハビリ後に現場復帰
🏆 大隣憲司さん(元ソフトバンクほか)
- 2013年に発症・手術
- プロ野球史上初の国指定難病克服後勝利を達成
- 2018年まで現役続行
💔 越智大祐さん(元巨人)
- 2012年に発症・手術
- 残念ながら一軍復帰は叶わず2014年引退
🤔 なぜプロ野球選手に多いのか?
医学的な研究によると、特に投手に多いことが分かっています。
その理由として考えられているのが:
- 高速投球による体への負担
- 投球時の脊椎の高速回転
- 胸腰椎移行部への集中的ストレス
投手が150キロ以上のボールを投げる時、体幹を高速で回転させる必要があります。
この動作が長年続くことで、背骨の靱帯に大きな負担がかかり、骨化が進む可能性があるということです。
🎯 復帰の可能性は?
過去の事例を見ると、復帰の可能性は決して低くありません。
- 大隣憲司さん:完全復活し、その後5年間現役続行
- 中日の福敬登投手:2022年手術、2023年復帰
- ロッテの岩下大輝投手:2023年手術、2024年一軍復帰
重要なのは、早期発見・早期治療と適切なリハビリです。
💰 手厚い支援制度—月額最大3万円、実質1万円以下で治療可能
「難病の治療費って、すごく高いんでしょ?」
そう思う人も多いかもしれませんが、実は国の支援制度により、多くの場合月1万円以下の負担で治療を受けられます。
💳 医療費助成の仕組み
🏥 難病情報センター公式説明によると、自己負担額は所得に応じて決まります:
📊 所得区別の月額自己負担上限額
| 所得区分 | 月額負担 |
|---|---|
| 生活保護世帯 | 0円 |
| 市町村民税非課税 | 2,500円 |
| 年収約80万円未満 | 4,500円 |
| 年収約370万円未満 | 10,000円 |
| 年収約810万円未満 | 20,000円 |
| 年収約810万円以上 | 30,000円 |
つまり、一般的な年収の人であれば月1万円程度で治療を受けられるということです。
📱 スマホの月額料金と同程度
月1万円という金額は、多くの若い人のスマホ料金と同じくらいですよね。
難病の治療としては、かなり手厚い支援と言えるのではないでしょうか。
📝 どうやって申請するの?
申請の流れは以下の通りです:
- 難病指定医による診断
- お住まいの自治体(保健所)で申請
- 審査(約3ヶ月)
- 医療受給者証の交付
申請から受給者証が届くまでの医療費も、後から払い戻しを受けることができます。
💡 軽症でも支援対象になる場合
症状が軽くても、月々の医療費が33,330円(3割負担で約1万円)を超える月が年3回以上ある場合は支援対象になります。
これを「軽症高額該当」といいます。
つまり、多くの患者さんが何らかの形で支援を受けられる制度になっているんです。
🔥 三嶋選手の今後—35歳、現役続行への強い意志
戦力外通告を受けた三嶋選手ですが、現役続行への意欲は衰えていません。
💪 まだまだ現役レベルの実力
📰 スポニチの報道によると、三嶋選手は取材に対してこう語っています:
「まだ自分は150キロ出るんですよ」
病気と闘いながらも、プロとして通用する球速を維持しているということです。
🌟 病気を克服した選手としての価値
三嶋選手には、単純な戦力以外の価値もあります。
- 国指定難病を克服した経験
- 若い選手への精神的支えになる存在
- ファンに勇気を与える存在
実際に、三嶋選手の復活を見て元気をもらったファンは数多くいます。
🔄 移籍先の可能性
35歳という年齢は確かにベテランですが、経験豊富な中継ぎ投手として需要はあるでしょう。
特に、中継ぎ投手が不足している球団にとっては、魅力的な選手かもしれません。
過去にも戦力外から他球団で復活した例は数多くありますからね。
✨ まとめ:知られざる支援制度と諦めない心
三嶋一輝選手の戦力外通告を通じて、私たちは多くのことを学ぶことができました:
📋 今回の記事のポイント
- 国指定難病は348種類もあり、意外に身近な制度
- 医療費助成により月1万円程度の負担で治療可能
- プロ野球選手でも克服できる病気があること
- 諦めずに挑戦し続けることの大切さ
- 適切な支援制度があれば、病気と向き合いながらも夢を追い続けられること
三嶋選手のように、困難な状況でも前向きに挑戦し続ける姿勢は、多くの人に勇気を与えてくれます。
そして、日本にはこうした病気と闘う人たちを支える制度がしっかりと整備されているということも、心強い事実ですよね。
三嶋選手の今後の活躍を応援するとともに、この記事を通じて「国指定難病」という制度について、少しでも理解を深めていただければ幸いです。
病気になっても、適切な治療と支援があれば、夢を諦める必要はないのです。
🙋 よくある質問
Q: 国指定難病とは何ですか?
A: 治療方法が確立しておらず、患者数が10万人以下で、長期治療が必要な病気のことです。現在348種類が指定されており、医療費助成制度の対象となります。
Q: 黄色靱帯骨化症とはどんな病気ですか?
A: 背骨の靱帯が石のように硬くなり、神経を圧迫する病気です。足のしびれや歩行困難などの症状が現れ、手術が必要な場合があります。
Q: なぜプロ野球選手に多いのですか?
A: 高速投球時の体幹回転により脊椎に大きな負担がかかるためです。過去10年で十数人の選手が発症し、星野仙一さんや大隣憲司さんも同じ病気でした。
Q: 医療費はいくらかかりますか?
A: 国の医療費助成により、所得に応じて月額2,500円〜30,000円の自己負担で治療できます。一般的な年収の方なら月1万円程度です。
Q: 三嶋選手は現役続行するのですか?
A: 戦力外通告を受けましたが、現役続行を熱望しています。「まだ150キロ出る」とコメントしており、他球団での活躍が期待されます。