2025年11月26日、アメリカの感謝祭前日に衝撃的なニュースが世界を駆け巡りました。
米首都ワシントンD.C.のホワイトハウスからわずか徒歩5分の場所で、パトロール中の州兵2人が銃撃されたのです。
驚くべきことに、トランプ大統領は事件の前日、まさに同じホワイトハウスで「ワシントンは今や完全に安全な街になった」と発言していました。
さらに、連邦裁判所がこの州兵派遣を「違法」と判断してからわずか5日後の出来事でした。
この記事では、事件の詳細から犯人の素性、そしてトランプ政権の州兵派遣をめぐる複雑な背景まで、わかりやすく解説します。

この記事でわかること
ホワイトハウス近くで州兵2人銃撃〜何が起きた?
犯人は単独犯とみられ、周囲にいた他の州兵たちに取り押さえられて拘束されています。
事件の経緯
ABC Newsの報道によると、事件は以下のように発生しました。
午後2時15分頃、1人の男がファラガット・ウエスト駅付近の角を曲がって現れました。
男は腕を上げて銃を構え、「高視認性パトロール」と呼ばれる巡回任務中だった州兵2人に向けて発砲。
現場はホワイトハウスから北西に約400m、徒歩わずか5分ほどの距離です。
現場はオフィス街のランチスポット
「ホワイトハウス近く」と聞くと、厳重な警備の政府機関エリアを想像するかもしれません。
しかし実際の現場は、ファラガット・スクエアという公園に面したオフィス街。
ファストフード店やカフェが立ち並び、平日の昼休みには会社員たちで賑わう場所でした。
犯人はどう拘束されたのか
CNNの報道によると、銃撃を受けた州兵は武装していました。
銃撃戦の後、近くにいた他の州兵たちが駆けつけ、犯人を地面に押さえつけて拘束。
警察によれば、「数分以内」に犯人の身柄を確保できたとのことです。
犯人自身も銃撃を受けており、病院に搬送されました。
では、撃たれた2人の容体はどうなっているのでしょうか?
実は、この点で情報が大きく錯綜していました。
死亡か重体か?情報が錯綜した真相
ただし、事件直後には「死亡」という発表もあり、混乱が生じました。
なぜ「死亡」報道が出たのか
撃たれた州兵2人は、ウェストバージニア州から派遣されていました。
同州のモリシー知事は事件から約1時間後、自身のSNS「X」で次のように投稿しました。
「大変な悲しみとともにお伝えします。本日ワシントンD.C.で撃たれた2人のウェストバージニア州兵が、負傷により亡くなりました」
この発表を受けて、時事通信など複数のメディアが「死亡」と報じました。
30分後の異例の撤回
ところが、モリシー知事は約30分後に再び投稿。
「2人の州兵の容体について、矛盾する情報を受け取っています。追加情報が入り次第、お知らせします」
知事自身が発表を撤回するという異例の事態でした。
公式発表は「重体」
その後、ワシントンD.C.で開かれた記者会見で、FBI長官のカシュ・パテル氏とバウザー市長が揃って発表。
「2人の州兵は重体です」と明言しました。
NPRの報道によると、2人は男女1人ずつで、それぞれ別の病院で治療を受けているとのことです。
目撃者が見た現場の様子
事件現場の近くにいた男性は、CNNの取材に対してこう証言しています。
- 「州兵に応急処置が行われ、蘇生措置が試みられていた」
- 「法執行官が男を地面に押さえつけ、『起き上がるな』と叫んでいた」
別の目撃者は、担架で運ばれる州兵の頭部が血まみれで、胸には自動心臓マッサージ装置が取り付けられていたと話しています。
では、なぜこの事件は起きたのでしょうか?
犯人の素性が少しずつ明らかになっています。
犯人は誰?「アフガニスタン出身」容疑者の素性
2021年にアメリカに入国したとされています。
ただし、この情報は複数の法執行関係者からの情報であり、当局からの正式発表はまだありません。
2021年入国の意味
2021年といえば、アフガニスタンで歴史的な出来事があった年です。
同年8月、タリバンが首都カブールを制圧。
アメリカ軍は20年にわたる駐留を終え、撤退しました。
この混乱の中、多くのアフガニスタン人がアメリカに避難しています。
容疑者がこの時期に入国したことが、事件と何らかの関係があるのかは現時点では不明です。
FBIはテロの可能性も捜査
NBC Newsの報道によると、FBIは当初からこの事件を「テロの可能性」として捜査しています。
ただし、これはあくまで初期段階の捜査方針であり、テロと確定したわけではありません。
捜査当局は容疑者の身元や動機の解明を進めていますが、現時点で動機は明らかになっていません。
容疑者は身分証を持っていなかった
CNNによると、容疑者は逮捕時に身分証明書を所持しておらず、捜査に協力していないとのこと。
指紋照合によって身元の特定が進められました。
バウザー市長「狙い撃ちだった」
ワシントンD.C.のバウザー市長は、この事件を「標的型の銃撃」と表現しました。
つまり、通りすがりの一般人ではなく、州兵を狙って撃ったということです。
警察の発表でも、犯人は角を曲がった直後に銃を構え、発砲したとされています。
そもそも、なぜワシントンD.C.に州兵が派遣されていたのでしょうか?
ここには、トランプ大統領の政策が深く関わっています。
なぜ州兵がワシントンに?トランプ「緊急事態宣言」の真相
その後、派遣人数は約2,100人にまで増員されています。
トランプ大統領の主張
Bloombergの報道によると、トランプ大統領は8月11日の記者会見でこう述べました。
「アメリカの首都は今や、暴力的なギャングや血に飢えた犯罪者、野放しの若者たち、薬物依存者、そしてホームレスに占拠されている」
「これ以上、放置はできない」
そして、ワシントンD.C.警察を連邦政府の指揮下に置くとともに、州兵の派遣を命じました。
実は…犯罪率は30年ぶりの低水準だった
しかし、ここで驚くべき事実があります。
CNNの分析記事によると、米司法省のデータでは2024年の同地域の凶悪犯罪は30年ぶりの低水準を記録。
ワシントンD.C.政府のデータでも、前年同期比で犯罪発生率は26%減少していました。
地元と連邦政府の対立
バウザー市長は「2023年には一時的に犯罪が増加したが、対策強化により、現在は過去30年で最も低い水準にある」と反論。
トランプ大統領の緊急事態宣言は「誇張」だと批判しました。
しかし、トランプ大統領は地元当局の同意なしに州兵派遣を強行。
ウェストバージニア、オハイオ、ルイジアナ、ミシシッピなど8つの州から州兵が集められました。
州兵は何をしていたのか
派遣された州兵たちは、主に以下の任務に当たっていました。
- 地下鉄駅や観光地でのパトロール
- ホワイトハウス周辺の警備支援
- ナショナル・モールでのゴミ拾いや植栽の手入れなどの「美化活動」
今回撃たれた2人も、こうした「高視認性パトロール」の最中でした。
実は、この州兵派遣には大きな法的問題がありました。
事件のわずか5日前、連邦裁判所が重大な判断を下していたのです。
「違法」判決の5日後に起きた皮肉な展開
そして判決文の中で、こう警告していたのです。
「致命的な偶発的事案につながる大きなリスクがある」
その5日後、まさに州兵が銃撃される事件が起きました。
なぜ「違法」と判断されたのか
CBS Newsの報道によると、コブ判事は複数の理由で違法と判断しました。
まず、ワシントンD.C.の自治権の侵害。
D.C.には独自の市長や市議会があり、一定の自治が認められています。
連邦政府がD.C.当局の同意なく州兵を派遣することは、この自治権を侵害するとされました。
次に、他州からの州兵派遣の問題。
ウェストバージニア州やオハイオ州など、D.C.以外の州から州兵を派遣することは、連邦法上の根拠がないと指摘されました。
判決は「一時停止」されていた
ただし、コブ判事は判決の執行を21日間停止しました。
トランプ政権が控訴する時間を与えるためです。
つまり、判決が出た後も州兵はD.C.に残り続けていました。
「予言」が現実に
判決文でコブ判事が警告した「致命的な偶発的事案」。
その言葉が、5日後に現実となってしまいました。
州兵派遣に反対していたD.C.のシュワルブ司法長官は、「米軍がアメリカ国民を市民として警備すべきではない」と主張していました。
今回の事件で、この議論はさらに激しくなることが予想されます。
この事件に対し、トランプ大統領はどう反応したのでしょうか?
トランプ「けだもの」「代償払わせる」の激しい反応
トランプ大統領の投稿内容
事件発生から約1時間後、トランプ大統領はこう投稿しました。
「2人の州兵を撃ったけだものは、2人とも重傷を負い、今は別々の病院にいる。(犯人も)重傷だが、それでも非常に高い代償を払うことになるだろう」
「偉大な州兵、そしてすべての軍と法執行機関に神のご加護を」
「安全になった」発言の翌日に事件
実は、トランプ大統領は事件の前日、ホワイトハウスで行われた感謝祭恒例の七面鳥恩赦式典でこう発言していました。
「ワシントンのどの通りを歩いても大丈夫。州兵に感謝したい。ここでやってくれた仕事は素晴らしい」
この発言の翌日に銃撃事件が起きたことは、大きな皮肉として注目されています。
トランプ大統領はフロリダに滞在中だった
事件発生時、トランプ大統領はワシントンD.C.にはいませんでした。
感謝祭の休暇で、フロリダ州パームビーチの私邸「マー・ア・ラゴ」に滞在中でした。
ホワイトハウスのレビット報道官は「大統領はこの悲劇的な状況を注視している」とコメント。
トランプ大統領は現地で事件の報告を受けたとのことです。
そして、トランプ大統領はさらなる行動に出ました。
追加500人派遣へ〜「違法」判決に真っ向対抗
「違法」判決の控訴期限(12月11日)を前に、むしろ派遣を強化するという対応です。
国防長官の声明
ヘグセス国防長官は声明でこう述べました。
「これは、ワシントンD.C.を安全で美しい街にするという我々の決意をさらに強固にするものだ」
500人の追加により、D.C.の州兵は約2,600人規模になる見込みです。
「違法」判決との矛盾
ここで問題となるのが、連邦裁判所の「違法」判決との整合性です。
判決は21日間の執行停止期間中ですが、この間に追加派遣を行うことは、司法判断を事実上無視する形になります。
トランプ政権は控訴する方針を示しており、司法と行政の対立は深まる可能性があります。
感謝祭翌日から派遣開始
追加の州兵は、感謝祭明けから順次ワシントンD.C.に到着する見込みです。
アメリカにとって家族で過ごす大切な祝日の翌日から、州兵たちは首都の警備に向かうことになります。
今後の展開
この事件が今後の州兵派遣政策にどう影響するかは、まだわかりません。
一方では「治安維持のために州兵は必要」という声が強まる可能性があります。
他方では「軍が市民を警備することのリスクが証明された」という批判も出てくるでしょう。
12月11日の控訴期限、そして裁判所の最終判断が注目されます。
まとめ
今回の事件のポイントを整理します。
- 2025年11月26日、ワシントンD.C.のホワイトハウス近くで州兵2人が銃撃された
- 撃たれた州兵2人は重体(当初「死亡」報道があったが、知事が撤回)
- 容疑者は29歳のアフガニスタン出身の男性とされ、FBIがテロの可能性も含め捜査中
- 事件の5日前、連邦判事が州兵派遣を「違法」と判断し、「致命的リスク」を警告していた
- トランプ大統領は事件前日に「完全に安全になった」と発言していた
- 事件を受け、トランプ大統領は州兵500人の追加派遣を指示
アメリカの首都で起きたこの事件は、治安政策、司法と行政の対立、そして移民問題など、多くの論点を浮き彫りにしています。
感謝祭という祝日の前日に起きた悲劇。
撃たれた州兵2人の回復と、事件の真相解明が待たれます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 州兵2人は死亡したのですか?
A. 最新の公式発表では「重体」です。ウェストバージニア州知事が当初「死亡」と発表しましたが、約30分後に「矛盾する情報がある」として撤回しました。FBI長官とワシントンD.C.市長は「2人とも重体で治療中」と発表しています。
Q. 犯人は誰ですか?動機は?
A. CBS Newsによると、容疑者は「ラフマヌラ・ラカンワル」という29歳のアフガニスタン出身の男性と報道されています。2021年にアメリカに入国したとされます。動機は現時点で不明で、FBIがテロの可能性も含めて捜査中です。
Q. なぜワシントンD.C.に州兵がいたのですか?
A. トランプ大統領が2025年8月に「犯罪緊急事態」を宣言し、治安対策として約2,100人の州兵を派遣していました。ただし、連邦判事は11月21日にこの派遣を「違法」と判断しています。
Q. 事件後、トランプ大統領はどう対応しましたか?
A. トランプ大統領は容疑者を「けだもの」と非難し、「高い代償を払わせる」と投稿しました。また、ヘグセス国防長官を通じて州兵500人の追加派遣を指示しています。