兵庫県三田市の障害者施設「医療福祉センターさくら」で、介護職員が就寝中の入所者の顔面を膝蹴りし、左目を失明させるという衝撃的な事件が発生しました。
2025年11月26日、兵庫県警三田署は傷害の疑いで介護職員の男を逮捕。
容疑者は「日頃の態度に腹が立った」と供述しています。
この記事では、事件の詳細から容疑者の情報、被害者が負った「眼球破裂」という重傷の深刻さ、そして今後予想される刑罰まで、分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること
事件の概要|何が起きたのか
神戸新聞の報道によると、事件が発生したのは2025年9月1日の午前5時過ぎ。
兵庫県三田市東本庄にある障害者施設「医療福祉センターさくら」の居室で、おむつ交換の際に事件は起きました。
就寝中だった21歳の入所者男性に対し、容疑者は顔面を膝蹴り。
この暴行により、被害者は左目の眼球が破裂するという重傷を負いました。
被害者には重度の知的障害と身体障害があり、十分な会話ができない状態だったとされています。
つまり、自分で「痛い」「やめて」と訴えることが難しい方だったということです。
事件直後、被害者が泣き叫ぶ声を聞いた別の職員が駆けつけ、目から血を流している状態を発見。
すぐに病院に搬送されましたが、左目は失明してしまいました。
では、この事件を起こした容疑者とはどのような人物なのでしょうか。
犯人(容疑者)は誰?名前は公開されている?
容疑者の名前は上竹英(うえたけ ひで)容疑者、22歳です。
兵庫県三田市在住で、事件が起きた「医療福祉センターさくら」で介護職員として勤務していました。
逮捕されたのは事件から約3ヶ月後の2025年11月26日。
兵庫県警三田署が傷害容疑で逮捕しました。
容疑者は取り調べに対し、「日頃の私への態度に腹が立って膝蹴りした」と供述し、容疑を認めています。
22歳という若さで介護職に就いていた人物が、なぜこのような凶行に及んだのか。
「態度に腹が立った」という供述からは、介護の専門性や倫理観の欠如がうかがえます。
重度の障害があり意思表示が難しい方に対して、「態度」を理由に暴力を振るう—これは明らかな虐待行為であり、許されるものではありません。
では、事件が起きた施設とはどのような場所なのでしょうか。
医療福祉センターさくらとは|どんな施設?
医療福祉センターさくらは、重度の知的障害と肢体不自由が重複している児童・者を対象とした医療型障害児入所施設です。
社会福祉法人枚方療育園が運営しており、病床数は300床。
未就学児から60歳までの方々が入所しています。
施設では医療・看護・介護・リハビリテーション・学校教育などを一体的に提供しており、6つの病棟に分かれて運営されています。
【実は】この施設では2024年9月に「虐待防止研修」を実施していました。施設の公式サイトには、90名以上の職員が参加したと記載されています。
つまり、虐待防止に取り組んでいたはずの施設で、このような事件が起きてしまったということです。
研修を受けていたにもかかわらず、なぜ防げなかったのか。
施設の管理体制や職員教育のあり方が問われることになりそうです。
ここまでで事件の経緯と施設の概要がわかりました。
次に、被害者が負った「眼球破裂」という怪我がどれほど深刻なものなのか見ていきましょう。
眼球破裂による失明とは|回復の可能性は?
医学情報サイトの解説によると、眼球破裂とは、強い衝撃によって眼球の壁(角膜や強膜)が破れ、内部の組織が飛び出してしまう状態です。
今回のケースでは、膝蹴りという強力な打撃が眼球に直接加わったことで発生しました。
治療としては、破れた組織を縫い合わせ、感染症を予防する手術が行われます。
しかし、損傷が高度な場合は眼球を摘出せざるを得ないこともあります。
【注意】交感性眼炎のリスク
片方の眼球が損傷を受けた後、数週間から数ヶ月後にもう片方の眼球にも炎症が起きる病気です。最悪の場合、両目とも失明してしまう可能性があります。
つまり、今回の被害者は左目を失明しただけでなく、今後も右目への影響を注意深く観察していく必要があるということです。
21歳という若さで、一生片目が見えない生活を強いられることになりました。
この損害は、お金では到底償えるものではありません。
このような重傷を負わせた容疑者には、どのような刑罰が科される可能性があるのでしょうか。
傷害罪の量刑|懲役何年になる可能性がある?
傷害罪の法定刑:15年以下の懲役または50万円以下の罰金
失明という重大な後遺症を負わせた今回のケースでは、罰金刑ではなく懲役刑が求刑される可能性が高いと考えられます。
一般的に、傷害事件の量刑は以下の要素を総合的に考慮して決定されます。
- 傷害の程度
- 暴行の態様(悪質さ)
- 前科の有無
- 示談の成否
- 被害者の処罰感情
- 反省の度合い
今回の事件では、以下の悪質な要素が複数あります。
- 眼球破裂・失明という極めて重大な結果
- 就寝中の障害者という抵抗できない相手への暴行
- 介護職員という立場を悪用
初犯であっても、これだけ重大な結果と悪質な態様があれば、実刑(執行猶予なしで刑務所に入る)となる可能性は十分にあります。
過去の類似事例を見ると、障害者施設での虐待事件で実刑判決が出たケースは複数存在します。
ただし、最終的な量刑は裁判で決まるため、現時点では確定的なことは言えません。
ところで、この事件は9月1日に発生しながら、逮捕は11月26日でした。
なぜこれほど時間がかかったのでしょうか。
なぜ発覚まで約2ヶ月もかかった?
事件の経緯を整理すると、9月1日早朝に事件が発生。
被害者の叫び声を聞いた別の職員が駆けつけて発覚しました。
その後、9月26日になって施設の事務長が近くの駐在所に相談。
防犯カメラの映像などから容疑者が特定され、11月26日に逮捕となりました。
【疑問点】なぜ事件直後ではなく、約1ヶ月後に警察に相談したのでしょうか。
報道では詳しい経緯は明らかになっていませんが、施設内で事実確認や対応協議を行っていた可能性があります。
障害者虐待防止法では、障害者福祉施設の職員は虐待を発見した場合、速やかに市町村に通報する義務があります。
今回の対応が適切だったのかどうか、行政による検証が行われる可能性もあります。
防犯カメラの映像が決め手となって容疑者が特定されたことは、施設内での監視体制が機能していた証拠とも言えます。
一方で、カメラがあっても虐待を防げなかったという現実もあります。
では、このような障害者施設での虐待は、全国的にどれくらい発生しているのでしょうか。
障害者施設での虐待の実態|増加する事件
厚生労働省の最新統計によると、令和5年度(2023年度)の障害者福祉施設従事者による虐待件数は1,194件、被害者数は2,356人でした。
この数字は年々増加傾向にあります。
令和3年度から令和5年度にかけて、相談・通報件数は2,410件増加し、虐待認定件数も495件増えています。
虐待の内容としては、以下の割合になっています。
- 殴る・蹴るなどの身体的虐待:51.9%(最多)
- 暴言や悪口などの心理的虐待:48.0%
- 複数の虐待が重なるケースも少なくない
虐待が増加している背景には、介護業界の慢性的な人手不足があると指摘されています。
介護労働安定センターの調査では、約65%の事業所が人員不足を感じていると回答しています。
人手不足により一人あたりの負担が増え、ストレスが蓄積しやすい環境が生まれています。
だからといって虐待が許されるわけではありませんが、構造的な問題への対策も必要です。
今回の事件を受けて、施設には虐待防止体制の強化が求められます。
また、行政による監督体制の見直しも議論されることになるでしょう。
まとめ
今回の事件のポイント
- 2025年9月1日、三田市の障害者施設「医療福祉センターさくら」で介護職員による暴行事件が発生
- 上竹英容疑者(22歳)が、就寝中の21歳入所者の顔面を膝蹴りし、左眼球を破裂させて失明させた
- 容疑者は「日頃の態度に腹が立った」と供述し、容疑を認めている
- 眼球破裂は眼科外傷で最も重篤であり、視力が完全に回復することは基本的にない
- 傷害罪の法定刑は15年以下の懲役または50万円以下の罰金で、今回のケースでは実刑の可能性もある
- 障害者施設での虐待は年々増加しており、令和5年度は1,194件が認定されている
抵抗できない障害者に対する暴力は、決して許されるものではありません。
この事件をきっかけに、障害者施設における虐待防止対策が強化されることを願います。
よくある質問(FAQ)
Q. 上竹英容疑者はなぜ逮捕された?
2025年9月1日に障害者施設「医療福祉センターさくら」で入所者の顔面を膝蹴りし、左眼球を破裂させて失明させた傷害容疑で逮捕されました。容疑者は「日頃の態度に腹が立った」と供述しています。
Q. 眼球破裂で失明した場合、視力は回復する?
基本的に回復しません。眼球破裂は眼科外傷の中で最も重篤な状態であり、手術で組織を縫合しても視力が完全に戻ることはほとんどありません。また、もう片方の目にも炎症が起きる「交感性眼炎」のリスクもあります。
Q. 傷害罪で失明させた場合、懲役何年になる?
傷害罪の法定刑は15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。失明という重大な後遺症を負わせ、抵抗できない障害者への暴行という悪質性を考慮すると、実刑(執行猶予なしで刑務所に入る)となる可能性があります。
Q. 障害者施設での虐待は増えている?
増加傾向にあります。厚生労働省によると、令和5年度の障害者福祉施設従事者による虐待件数は1,194件、被害者数は2,356人でした。令和3年度から2年間で虐待認定件数は495件増加しています。