27年前の1998年11月24日、三重県伊勢市で24歳の女性記者が忽然と姿を消しました。
2025年11月24日、その両親は今年も伊勢市内で情報提供を呼びかけています。
「高羽さんの件もあるし、警察には絶対に頑張っていただきたい」
母親のこの言葉には、ある「希望」が込められていました。
実は2024年10月、26年間未解決だった別の殺人事件で犯人が逮捕されたのです。
この記事では、辻出紀子さん行方不明事件の全容と、27年経った今なぜ解決しないのか、そして両親が見出した希望について詳しく解説します。

この記事でわかること
辻出紀子さん行方不明事件とは?1998年11月24日に何が起きたのか
辻出紀子さんは1998年11月24日深夜、勤務先の出版社を退社後、取材で知り合った男性と会う約束の駐車場へ向かい、そのまま行方不明に。27年経った今も発見されていません。
辻出紀子さんのプロフィール
辻出紀子さんは当時24歳で、三重県伊勢市にある出版社「伊勢文化舎」で雑誌記者として働いていました。
立命館大学法学部を1997年に卒業し、地域情報誌『伊勢志摩』の編集者兼記者として活躍。
学生時代からマスコミ志望で、ミャンマーの内戦地帯やタイの難民キャンプを取材するなど、行動力のある女性だったといいます。
当時の社長は辻出さんについて「活発で、他人を警戒するような心を抱かず飛び込んでいって話ができるタイプ」と語っています。
失踪当日の不可解な状況
実は、辻出さんが失踪したのはタイ旅行から帰国した翌日のことでした。
1998年11月23日に帰国し、24日が休暇明けの初出勤日。
溜まっていた仕事を片付けるため、社長と2人で深夜まで残業していました。
午後11時頃、「もう帰りなさい」と声をかけられた辻出さんは会社を出ます。
ここから不可解なことが始まります。
11月の寒い夜なのに、出勤時に着ていたダウンジャケットを会社に置いたまま出ていった。
まるで「すぐに戻るつもりだった」かのように。
駐車場に残された車と謎
翌25日、辻出さんの車が伊勢市内の保険会社駐車場で発見されました。
紺色の日産マーチは、普段几帳面だった辻出さんらしくなく、白線を無視して斜めに停められていました。
車内からは以下の異常が見つかっています。
- 非喫煙者なのにタバコの吸殻が1本
- 運転席のシートが普段より下げられた位置
- いつもエンジンをかけると流れるカーステレオが切られた状態
- 財布、手帳、携帯電話が入ったショルダーバッグは消失
銀行口座から預金が引き出された形跡はありませんでした。
失踪直前に会っていた「男性X」
警察の調べで、辻出さんは失踪当日、ある男性と会う約束をしていたことが判明します。
その男性は、取材を通じて知り合った県内在住の人物でした。
11月24日、この男性は辻出さんの携帯や勤務先に複数回電話をかけており、午後11時に保険会社の駐車場で落ち合う約束をしていたのです。
警察はこの男性に容疑を向けますが、その後の展開は予想外のものになります。
容疑者Xとは誰か?2024年にも有罪判決を受けた男の正体
容疑者Xは辻出さんに最後に会った男性で、別件で逮捕されましたが無罪となりました。
しかし2024年、別の女性へのストーカー行為で有罪判決を受けており、女性トラブルの「前科」が証明された形です。
容疑者Xの素性
容疑者Xは当時32歳で、三重県海山町で熱帯魚販売店を経営していました。
地元の青年会議所で副理事長も務める「地域の顔役」的な存在。
辻出さんとの接点は、尾鷲市役所からの紹介でした。
当時、『伊勢志摩』誌の記者だった辻出さんは東紀州地域に詳しい取材協力者を探しており、市役所が「地元に顔が広い人物」としてXを紹介したのです。
1998年6月発行の雑誌には、辻出さんが取材・執筆したXの記事も掲載されていました。
別件逮捕と無罪判決
警察はXを辻出さん失踪事件の容疑者と見て、1999年1月から任意で取り調べを開始。
しかし決定的な証拠が見つからなかったため、別の事件での「別件逮捕」に踏み切ります。
その容疑は、1997年12月に東京で交際相手だったホテトル嬢を監禁したというもの。
ところが、この逮捕監禁事件の裁判でXは無罪判決を勝ち取ります。
さらに裁判では、警察の取り調べに違法な威圧や偽計があったことが発覚。
日本弁護士連合会が三重県警本部長に「強い警告」を発する事態にまで発展しました。
「無罪になったら全て話す」と言いながら…
実は、Xは勾留中に辻出さんの両親に対して書面を送っていました。
「逮捕監禁事件で無罪を勝ち取った暁には、すべてを話す」
両親はこの言葉を信じて待ちました。
しかし1999年10月、無罪判決後に面会を求めると、Xは義兄を通じてこう答えたのです。
「いくら灰色と言われても放っておく」
「今後話をする気になったら弁護士を通じて連絡する。それまで来ないでほしい」
25年以上経った今も、Xは沈黙を守り続けています。
2024年、再び逮捕された容疑者X
そして2024年7月、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
Xがストーカー規制法違反で逮捕されたのです。
三重県警察の公式サイトによると、Xは2023年11月から2024年1月にかけて、三重県内の30代女性宅に5回にわたって押しかけ、周辺をうろつくなどのストーカー行為をしていました。
被害女性のゴミを物色してカレンダーを持ち去ったり、拒絶されたことへの恨み言をLINEで送りつけたりもしていたといいます。
2024年10月21日、津地方裁判所はXに懲役10月・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
辻出さん失踪事件との関連は証明されていませんが、女性に対する執着心の強さは、27年前から変わっていないように見えます。
母が語った「高羽さんの件」とは?26年越しの逮捕が与えた希望
母親が言及した「高羽さん」とは、26年越しで犯人が逮捕された名古屋の主婦殺害事件の被害者です。
この逮捕劇は、辻出さんの両親にも「次は自分の番」という希望を与えました。
母・美千代さんの言葉の意味
2025年11月24日、伊勢市内のショッピングセンターで情報提供を呼びかけた母・辻出美千代さん(76歳)は、報道陣にこう語りました。
「高羽さんの件もあるし、警察には絶対に頑張っていただきたい」
この「高羽さん」とは、1999年11月に名古屋市西区で殺害された主婦・高羽奈美子さん(当時32歳)のことです。
26年越しで犯人逮捕された高羽奈美子さん事件
高羽さん事件は、辻出さん失踪のちょうど1年後に起きた未解決殺人事件でした。
自宅アパートで首を刃物で刺されて死亡。
犯人は長年見つかりませんでした。
ところが2024年10月31日、事件から26年を経て、安福久美子容疑者(69歳)が逮捕されたのです。
驚くべきことに、犯人は被害者の夫の高校時代の同級生でした。
高羽奈美子さん事件の詳細と26年越しの逮捕についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
未解決事件の遺族に広がる希望
この逮捕は、同じように未解決事件に苦しむ遺族たちに大きな希望を与えました。
2004年に愛知県豊明市で妹一家4人を殺害された天海としさん(63歳)は、高羽さん事件の犯人逮捕を知って「鳥肌が立って、パァーっと明るくなった」と語っています。
辻出さんの母・美千代さんも、同じ思いでこの言葉を口にしたのでしょう。
26年かかっても諦めなければ、真相解明の可能性はある。
この事実が、27年目を迎えた辻出さんの両親に、活動を続ける力を与えているのです。
27年間諦めなかった両親の現在と活動
78歳の父と76歳の母は、27年間毎年11月24日に情報提供を呼びかけ続けています。
「どんな形でもいいので見つけてほしい」という言葉には、生存への望みより「真実を知りたい」という切実な思いが込められています。
2025年11月24日の情報提供活動
共同通信の報道によると、2025年11月24日、伊勢市内のショッピングセンターで情報提供の呼びかけが行われました。
父・泰晴さん(78歳)と母・美千代さん(76歳)に加え、伊勢警察署の捜査員ら約40人が参加。
辻出さんの等身大ボードや愛用していた靴などが並べられ、チラシとマスク計2000枚が配布されました。
父・泰晴さんは報道陣にこう訴えました。
27年間の捜索の軌跡
両親は娘が行方不明になって以来、毎年11月24日に情報提供を呼びかけ続けてきました。
その活動は想像を超える執念に満ちています。
- 知人や行きつけの店、取材先に娘の写真を配布
- 慣れないパソコンを操作して娘のメール仲間と連絡
- 四国八十八箇所すべてを巡礼
- テレビ番組の超能力捜査官やダウジング専門家にも依頼
- 2010年には尾鷲市の山中で重機を使った大規模捜索
実は、両親は2019年時点で「娘は死んでいると思う」と語っています。
それでも活動をやめないのは、「どんな形でも真実を知りたい」という思いがあるからです。
これまでの捜査状況
三重県警は1999年9月から公開捜査を開始し、伊勢警察署に捜査本部を設置しています。
これまでに投入された捜査員はのべ3万9000人以上。
寄せられた情報提供は107件に上りますが、有力な手がかりは得られていません。
事件当時、警察は辻出さんの失踪を「家出」として扱い、初動捜査が遅れたという指摘もあります。
両親が捜査を求めても「誰でも家出をするということはあるんですから」と取り合わなかったといいます。
情報提供はどこへ?懸賞金300万円の詳細と連絡先
情報提供は伊勢警察署(電話: 0596-20-0110)へ。
懸賞金は最大300万円です。27年前の記憶でも、どんな些細な情報でも、真実解明の糸口になる可能性があります。
情報提供の連絡先
📞 0596-20-0110
懸賞金上限: 300万円
辻出紀子さんの当時の特徴
- 身長: 161cm
- 体重: 46kg
- 当時24歳(存命であれば51歳)
些細な情報でも価値がある
情報提供活動でチラシを受け取った伊勢市内の高校3年生(17歳)は、「家族に話し、ちょっとしたことでも報告したい」と語りました。
27年前の出来事を覚えている人は、今や50代以上になっています。
「あの頃、あの場所で何か見た気がする」
「知り合いが何か言っていた」
そんな断片的な記憶でも、捜査の糸口になる可能性があります。
高羽さん事件が26年越しで解決したように、時間が経っても事件が動くことはあるのです。
まとめ
この記事のポイント
- 辻出紀子さんは1998年11月24日、伊勢市の出版社を退社後に行方不明となり、27年経った今も未解決
- 容疑者Xは最後に会った男性で、別件で無罪となったが2024年にストーカー行為で有罪判決
- 母親が言及した「高羽さんの件」は、26年越しで犯人が逮捕された事件で、両親に希望を与えている
- 78歳の父と76歳の母は27年間、毎年11月24日に情報提供を呼びかけ続けている
- 情報提供は伊勢警察署(0596-20-0110)へ。懸賞金は最大300万円
26年間未解決だった高羽さん事件が解決したように、時間が経っても真相解明の可能性は残されています。
1998年11月24日前後に伊勢市周辺で何か見聞きした方、心当たりのある方は、どんな些細なことでも伊勢警察署までご連絡ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 辻出紀子さん事件の犯人は誰ですか?
A. 27年経った現在も犯人は特定されていません。失踪直前に会っていた「容疑者X」と呼ばれる男性が疑われましたが、証拠不十分で逮捕には至っていません。Xは2024年に別件(ストーカー行為)で有罪判決を受けています。
Q. なぜ27年も未解決なのですか?
A. 決定的な物証が見つかっていないことが最大の理由です。容疑者Xは別件で逮捕されましたが無罪となり、その後は警察もメディアも追及に及び腰になったとされています。Xは「無罪になったら話す」と言いながら25年以上沈黙を続けています。
Q. 母親が語った「高羽さんの件」とは何ですか?
A. 1999年11月に名古屋市西区で殺害された主婦・高羽奈美子さんの事件のことです。26年間未解決でしたが、2024年10月31日に犯人が逮捕されました。この逮捕が辻出さんの両親に「次は自分の番」という希望を与えています。
Q. 情報提供はどこにすればいいですか?
A. 伊勢警察署(電話: 0596-20-0110)で受け付けています。懸賞金は最大300万円です。27年前の些細な記憶でも、捜査の糸口になる可能性があります。