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TBS「安らかに眠る」炎上事件|赤ちゃんに使ってはいけない理由と正しい表現を解説

 

2025年10月7日の朝、SNSに投稿された1枚の写真が、大きな騒動を巻き起こしました。

元モーニング娘。の辻希美さんの長女・希空さん(18歳)が、生まれたばかりの妹・夢空ちゃんを優しく抱っこする、とても温かい写真。

 

それをTBS NEWS DIGが記事にしたのですが…

 

「安らかに眠る妹・夢空ちゃんを抱く姿を公開」

 

この見出しを見た瞬間、多くの人が「え?」と画面を二度見しました。

 

「安らかに眠る」って、亡くなった人に使う言葉じゃ…?

 

日本人の赤ちゃんがすやすやと眠っている穏やかなイメージと、その上に「安らかに眠る?」という疑問符付きの日本語テキストが重なる、ややショッキングだが考えさせられるビジュアル

日本人の赤ちゃんがすやすやと眠っている穏やかなイメージと、その上に「安らかに眠る?」という疑問符付きの日本語テキストが重なる、ややショッキングだが考えさせられるビジュアル



 

 

 

🔥「安らかに眠る妹」で大炎上!TBSニュースが赤ちゃんに使った"死の表現"

たった一言が幸せなニュースを訃報に変えた

Togetterのまとめページによると、ジャーナリストの鳥集徹さんのX投稿が火付け役でした。

 

「安らかに眠る……ぎょっとした。テレビ局の日本語力が落ちてるのかな」

 

この投稿は、あっという間に拡散。

 

📊 閲覧数 1,600万回 突破

これは日本の人口の約13%に相当する数字です

 

8万以上の「いいね」、1万以上のリポストが集まりました。誰もが同じことを思っていました。

 

  • 「亡くなったの?」
  • 「なんの嫌がらせ?」
  • 「結婚式に霊柩車を呼ぶレベルの不謹慎さ」

 

元々は、辻希美さんが第5子として次女・夢空ちゃんを出産し、「7人家族になりました♥」と幸せを報告した、とても温かいニュース。

18歳差の姉妹という珍しい家族構成も話題を呼んでいました。

 

でも、TBSの記事のせいで、その幸せなニュースが「訃報なのでは?」と誤解される事態に。

 

 

 

数時間で記事は消えた。でも説明はなし

記事は投稿から数時間後、音もなく削除されました。朝に投稿されて、昼過ぎには消えていた――それくらいの速さです。

 

⚠️ 実は

TBSからの謝罪も訂正のコメントも、一切ありませんでした。ただ黙って記事を消しただけ。

 

これがさらに批判を呼び、「速報優先でチェックを怠った」「AI執筆の弊害では?」といった憶測も飛び交いました。

 

Yahoo!ニュースを経由して拡散された記事だったため、多くの人の目に触れてしまった後での削除。

炎上の勢いは止まりませんでした。

 

では、なぜ「安らかに眠る」という表現がこれほど問題になったのでしょうか?

 

 

 

❓ なぜダメ?「安らかに眠る」の本当の意味と使われ方

「安らかに眠る」――この言葉、辞書を引くと、実は意外なことが書いてあります。

 

辞書には「生きている人にも使える」と書いてある

日本語の辞書解説サイトによると、「やすらか」という言葉は「心配事もなく、心の穏やかなさま」を意味します。

 

つまり、辞書的には「安らかに眠る」は、単に「穏やかに眠っている」という意味。

 

📖 辞書的な定義

生きている人に使っても、言葉の定義としては間違いではないんです。

 

「え?じゃあTBSは間違ってないの?」

 

そう思いますよね。でも、ここからが重要なんです。

 

でも実際は「死者を悼む言葉」として定着している

言葉には、辞書に載っている「意味」だけでなく、「実際にどう使われているか」という文化的な側面があります。

 

「安らかに眠る」は、長年にわたって葬儀や訃報の場面で使われ続けてきた言葉

 

  • テレビのニュースでも
  • 新聞でも
  • お葬式でも

 

亡くなった方に対して使われる定番の表現です。

 

💬 「安らかにお眠りください」
「安らかに眠られることをお祈りします」

こういう使われ方を、私たちは何度も耳にしてきました。

 

英語の "Rest in peace(RIP)"に対応する、日本語の弔いの言葉なんです。

 

 

 

「無言の帰宅」と同じ:遠回しに伝える日本語の文化

日本語には、悲しいことや辛いことを直接言わず、遠回しに伝える文化があります。これを「婉曲表現」と言います。

 

  • 「亡くなった」ではなく → 「お星さまになった」
  • 「死亡」ではなく → 「永眠」
  • 「遺体で帰ってきた」ではなく → 「無言の帰宅」
  • 「亡くなって眠っている」ではなく → 「安らかに眠る」

 

このような表現は、遺族の気持ちに配慮し、直接的な言葉のショックを和らげるために使われてきました。

仏教やキリスト教の死生観――「死後も魂は安らかに眠る」という考え方――にも由来しています。

 

だから、「安らかに眠る」と聞いた瞬間、ほとんどの日本人は「死」を連想してしまうんです。

たとえ辞書的には「穏やかに眠っている」という意味だとしても。

 

では、赤ちゃんが眠っている様子は、どう表現すればよかったのでしょうか?

 

 

 

✨ 赤ちゃんには「すやすや」!正しい表現とその理由

定番は「すやすや」「ぐっすり」

日本語の辞書によると、赤ちゃんや子どもが気持ちよく眠っている様子を表す言葉はいくつかあります。

 

😴 すやすや眠る

静かによく眠っているさま。穏やかな寝息を立てている様子。赤ちゃんの寝顔を表現するときの定番中の定番です。

 

💤 ぐっすり眠る

深い眠りについている様子。ぐっすり、の「ぐ」という音が、深さを表現しています。

 

穏やかに眠る
平和で安心した状態で眠っている様子。「安らかに」よりも生きている人向けの表現。

 

健やかに眠る
健康的にしっかり眠っている様子。元気な赤ちゃんの睡眠にぴったり。

 

「すやすや」は自分には使えない?実は視点の問題

面白いのは、「すやすや」という言葉の使い方。日本語学習者向けの解説サイトによると、「すやすや」は他の人が眠っているのを見ている視点で使う言葉。

 

  • 「赤ちゃんがすやすや眠っている」はOK ✅
  • 「私は昨日すやすや寝た」は不自然 ❌

 

自分の睡眠には「ぐっすり寝た」「よく眠れた」を使います。日本語って、誰の視点で見ているかで言葉を使い分けるんですね。

 

 

 

TBSが書くべきだった表現

つまり、TBSの記事は本来こう書けばよかったんです。

 

✅ 「すやすや眠る妹・夢空ちゃんを抱く姿を公開」

✅ 「ぐっすり眠る妹・夢空ちゃんを抱く姿を公開」

✅ 「穏やかに眠る妹・夢空ちゃんを抱く姿を公開」

 

たった一言変えるだけで、温かく幸せな記事になったはずなのに。

 

実は、この「言葉の誤解」問題、TBSだけの話ではありませんでした。

 

 

 

🔄 2週間前にも炎上した「無言の帰宅」事件との共通点

⚠️ 実は、たった2週間前にも

まったく同じパターンの炎上が起きていました

 

「よかったですね」が不謹慎コメントに

2025年9月25日。SNSの「Threads」に、こんな投稿がありました。

 

「行方不明だった夫が見つかりましたが、残念ながら"無言の帰宅"となりました」

 

この投稿に対して、たくさんの人が励ましのコメントを送りました。

 

  • 「よかったですね✨」
  • 「無事に帰ってこれてよかった!」
  • 「これだけ心配かけといて無言とか、まずは謝罪でしょ!」

 

でも、「無言の帰宅」の本当の意味は――

 

遺体となって帰ってくること

 

つまり、亡くなって発見されたという、とても悲しいお知らせだったんです。善意で送った「よかった」というコメントが、遺族にとっては信じられないほど不謹慎な言葉になってしまいました。

 

 

 

90年近い歴史がある表現なのに

国立国会図書館の調査によると、「無言の帰宅」という表現は昭和10年代(1930年代後半)から使われている、約90年の歴史がある言葉。

 

📚 実は90年の歴史

「無言の凱旋」という言葉もあり、戦死した兵士が遺骨となって故郷に帰ることを表していました。

 

つまり、おじいちゃん・おばあちゃん世代には当たり前の表現。でも、若い世代には「黙って帰ってきた」としか聞こえない。

 

ThreadsとXの文化の違いも

興味深いのは、Yahoo!ニュースの分析によると、最初に誤解が広がったのはThreadsというSNS。

 

ThreadsはInstagramと連携した、比較的新しいSNS。若い世代が多く、カジュアルな会話が中心です。

一方、X(旧Twitter)には、ニュースをよく読む層や年齢層の高いユーザーも多い。

 

「無言の帰宅」という表現を知っている人が多かったXで、この誤解が指摘され、大きな話題になりました。

SNSのプラットフォームによって、使っている人の言語感覚が違う――それも浮き彫りになった事件でした。

 

2週間で2回。偶然じゃない

📅 「安らかに眠る」事件:10月7日

📅 「無言の帰宅」事件:9月25日

たった14日間で、2回も同じパターンの炎上

 

これは偶然ではありません。日本語の「死を表す遠回しな表現」が、今の時代、特に若い世代に伝わらなくなっている――そんな現実を示しています。

 

では、なぜこのような問題が繰り返されるのでしょうか?

 

 

 

📉 なぜ繰り返される?メディアの日本語力低下の真相

2週間で2回。しかも片方は、言葉のプロであるべき大手テレビ局・TBSが起こしたミス。

 

なぜこんなことが繰り返されるのでしょうか?

 

速報優先で校正をスキップ?

TBSの記事が「数時間で削除された」という事実から、推測できることがあります。

 

💭 推測される背景

速報を出すことを優先して、チェックをスキップした可能性が考えられます。

 

辻希美さんの家族ニュースは、多くの人が関心を持つ話題。Yahoo!ニュースに早く掲載すれば、たくさんの人に読んでもらえる。

 

そんな焦りから、本来なら複数人でチェックすべき記事を、十分に確認せずに公開してしまったのかもしれません。

 

「校正」って何?誰がチェックしているの?

記事を書いた後、「校正」という作業があります。これは、間違いがないか、不適切な表現がないかをチェックする作業。

 

従来、新聞社やテレビ局には、専門の「校正者」がいました。誤字脱字だけでなく、言葉の使い方が適切か、読者に誤解を与えないか――そういう細かいチェックをする人たちです。

 

📰 でも、ネット記事の時代になって

この校正の工程が省略されることが増えています。速報を出すスピードが重視され、「書いたらすぐ公開」が当たり前に。

 

AI記事のファクトチェックに関する記事によると、AIで記事を書く場合、特に人間のチェックが重要になるのに、それがおろそかになっているケースも指摘されています。

 

 

 

AI記事の可能性は?

TBSの記事がAIで書かれたのかどうかは、公式発表がないため分かりません。

 

ただ、AIは文化的な文脈を理解するのが苦手です。「安らかに眠る」という言葉を辞書的には正しく理解できても、「これは葬儀で使う言葉だから赤ちゃんには不適切」という判断は難しい。

 

もしAIで記事の下書きを作っていたとしたら、その後の人間のチェックがさらに重要になります。

でも、そのチェックが機能しなかった。

 

ニュース表現に触れる機会が減っている

もう一つの大きな要因は、若い世代がテレビのニュースや新聞を読まなくなったこと。

 

テレビのニュースでは、訃報を伝えるとき、「安らかに眠る」「無言の帰宅」といった表現がよく使われます。

でも、スマホでSNSやYouTubeを見る時間が増え、テレビを見ない人が増えました。

 

📱 結果として

こうした「ニュースで使われる遠回しな表現」に触れる機会がなくなり、意味を知らない人が増えているんです。これは知識の問題ではなく、経験の問題。聞いたことがない言葉は、分からなくて当然です。

 

TBSだけの問題じゃない

ここで大切なのは、これは「TBSがダメ」「執筆者がダメ」という個人の問題ではないということ。

 

メディア業界全体の構造的な問題なんです。

 

  • 速報優先で校正をスキップする文化
  • 校正者の人員削減
  • 若い世代の言語感覚の変化
  • ニュース表現に触れる機会の減少

 

これらが重なって、今回のような事件が繰り返されています。

 

では、私たち一人ひとりには、何ができるのでしょうか?

 

 

 

💡 私たちができる3つのこと:言葉を大切にするために

「メディアの問題」で片付けてしまえば簡単ですが、実は私たち一人ひとりにもできることがあります。

 

1. 知らない言葉に出会ったら、調べる習慣を

「無言の帰宅」の意味を知らなかった人を責めるのは間違っています。知らないことは恥ずかしいことじゃない。

 

🔍 大切なのは

知らない言葉に出会ったとき、「調べてみよう」と思えるかどうか。

 

  • 「無言の帰宅って何だろう?」
  • 「安らかに眠るって、赤ちゃんに使っていいの?」

 

そんな小さな疑問を、スマホで検索してみる。それだけで、言葉の背景にある文化や歴史が見えてきます。

 

2. SNSで見かけた疑問には、教え合いの姿勢で

誰かが言葉の意味を間違えていたとき。「こんなことも知らないの?」と上から目線で指摘するのではなく、「これ、実はこういう意味なんだよ」と優しく教えてあげる。

 

🤝 知識のマウントではなく

お互いに学び合う文化が大切です。言葉は時代とともに変わります。今は「知っている側」でも、10年後には「知らない側」になるかもしれない。

 

そう考えれば、もっと優しくなれるはずです。

 

 

 

3. メディアには説明責任を求める

TBSは記事を削除しましたが、謝罪も説明もありませんでした。これは問題です。

 

間違えたら、きちんと説明する。それがメディアの責任です。

 

私たち読者も、「消して終わり」を許すのではなく、「なぜそうなったのか」「再発防止策は?」を求める声を上げていく。

それが、メディアの質を高めることにつながります。

 


 

📝 この記事のまとめ:言葉の持つ力を思い出そう

  • TBSが赤ちゃんに「安らかに眠る」と書いて大炎上 → 1,600万人以上が見る騒動に
  • 「安らかに眠る」は辞書的にはOKでも、文化的には死者への言葉 → 葬儀で使われ続けてきた歴史
  • 正しい表現は「すやすや」「ぐっすり」「穏やかに」 → 生きている人への温かい言葉
  • 2週間前の「無言の帰宅」事件と同じ構造 → 遠回しな表現が若い世代に伝わらない
  • 速報優先・校正スキップ・ニュース離れが背景 → 個人ではなく構造の問題
  • 知らない言葉は調べる、教え合う、メディアに説明を求める → 私たちにもできること

 

たった一言の言葉選び。それだけで、幸せなニュースが訃報に見えてしまう。

 

そんな恐ろしいことが、実際に起きました。

 

「安らかに眠る」も「無言の帰宅」も、昔から使われてきた、日本語の遠回しな表現。

でも、時代が変わり、言葉の伝わり方が変わってきています。

 

これは、知っている人が偉いとか、知らない人が悪いとか、そういう話ではありません。

 

言葉には、辞書には載っていない「文化」がある

――ただそれだけです。

 

大切なのは、知らないことを恥じることではなく、知らない言葉に出会ったときに調べること。

そして、知っている人は、マウントを取るのではなく、優しく教えること。

 

メディアには、言葉のプロとしての責任があります。でも、私たち一人ひとりにも、言葉を大切にする責任があるのではないでしょうか。

 

「すやすや眠る赤ちゃん」。

 

そんなシンプルで温かい表現で、もっと幸せな世界を作っていけたらいいですね。

 

 

 

❓ よくある質問(FAQ)

Q1: なぜ「安らかに眠る」は赤ちゃんに使ってはいけないの?

A: 辞書的には生きている人にも使える言葉ですが、長年にわたって葬儀や訃報で使われ続けてきた歴史があり、日本人のほとんどが「死」を連想する表現になっているためです。文化的な文脈では死者への言葉として定着しています。

Q2: 赤ちゃんが眠っている様子は何と表現するのが正しい?

A: 「すやすや眠る」「ぐっすり眠る」「穏やかに眠る」「健やかに眠る」などが適切です。特に「すやすや」は赤ちゃんの寝顔を表現する定番の言葉で、静かによく眠っている様子を表します。

Q3: 「無言の帰宅」事件との共通点は?

A: どちらも「死を遠回しに表現する日本語の婉曲表現」であり、若い世代にその意味が伝わらず誤解が広がった点が共通しています。たった2週間の間に同じパターンの炎上が2回起きたことで、世代間の言語感覚の違いが浮き彫りになりました。

Q4: なぜメディアでこのような言葉の誤用が繰り返されるの?

A: 速報優先で校正をスキップする文化、校正者の人員削減、若い世代のニュース表現への接触機会の減少など、メディア業界全体の構造的な問題が背景にあります。個人のミスではなく、システムの問題として捉える必要があります。

 

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