普通の10円玉が、なんと27万円で落札されたのです。
「10円が27万円?嘘でしょ!」そう思う方がほとんどでしょう。
しかし、これは紛れもない事実です。
しかも、エラーコインのような分かりやすい異常があるわけではありません。
一見すると、財布の中にある普通の10円玉と変わらないように見えます。
では、なぜこんなに高額になったのでしょうか?
そして、あなたの財布の中にも、同じ価値を持つ10円玉が眠っているかもしれません。
この記事では、昭和61年の10円玉が27万円になった理由と、誰でもできる見分け方をわかりやすく解説します。
📋 この記事でわかること

💰 昭和61年の10円玉が27万円になった理由
2025年10月18日と19日に行われた第42回AWオークションで、昭和61年の10円玉が27万円(手数料込みで29万9700円)で落札されました。
額面の2.7万倍です。
コンビニでおにぎり1個買えるお金が、車1台買えるお金に化けたということです。
🤔 なぜそんなに高額なのか?
理由は2つあります。
1つ目の理由は、昭和61年の10円玉に「後期タイプ」という非常に珍しいデザインが存在するからです。
通常、10円玉のデザインは1年間同じものが使われます。
しかし昭和61年だけは例外的に、製造途中でデザインが変わりました。
そのため、同じ昭和61年でも「前期」と「後期」の2種類が存在するのです。
この後期タイプは、前期80枚に対して後期1枚という割合でしか存在せず、極めて希少です。
2つ目の理由は、今回落札された10円玉が完璧な保存状態だったことです。
アメリカの鑑定機関PCGSによって「MS65RD」という評価を受けていました。
これは「ほぼ新品で、色も95%以上残っている」という意味です。
製造されてから約40年経っているのに、この状態を保っているのは驚異的なことです。
希少なデザイン×完璧な保存状態という2つの要素が重なって、27万円という高額になりました。
では、なぜ昭和61年だけ2種類のデザインが存在するのでしょうか?
🔍 前期と後期の違いとは?なぜ2種類あるの?
先ほど「昭和61年には前期と後期がある」と触れましたが、なぜこんなことになったのでしょうか?
⚙️ 工場のミスが生んだ奇跡
実は、これは製造トラブルによるものでした。
昭和62年用に準備していたデザインが、手違いで昭和61年のプルーフ貨幣セット(収集用の特別な硬貨セット)に使われてしまったのです。
本来なら昭和62年まで登場しないはずのデザインが、昭和61年に先行して世に出てしまいました。
・通常流通用の「前期」(昭和60年と同じデザイン)
・プルーフセット用の「後期」(昭和62年先取りデザイン)
という2種類が存在することになったのです。
✨ 昭和61年だけの特別性
同じ年に2種類のデザインが存在する10円玉は、昭和26年に現在の10円玉が登場してから現在に至るまで、昭和61年だけです。
この一度きりの製造ミスが、後期タイプの希少価値を高めています。
📊 どのくらい珍しいのか?
造幣局のデータによると、昭和61年の10円玉は約7千万枚が製造されました。
このうち、後期タイプは前期80枚に対して後期1枚という割合です。
さらに、後期の大部分はプルーフ貨幣セットに封入されているため、財布に入って流通している後期タイプは極めて少ないと考えられます。
古銭取引の重鎮さえも「見たことがない」というほど珍しく、1万枚に1枚あればいいレベルとされています。
でも、もしかしたらあなたの財布の中に眠っているかもしれません。
では、どうやって見分ければいいのでしょうか?
✅ 誰でもできる!昭和61年後期10円玉の見分け方
では、先ほど紹介した前期と後期を、実際にどうやって見分けるのか見ていきましょう。
見分けるポイントは3つあります。
すべて、10円玉の裏面に描かれている平等院鳳凰堂のデザインで確認できます。
1️⃣ 中央階段部分(一番わかりやすい!)
まず確認したいのが、平等院鳳凰堂の中央階段を囲む縦線です。
後期:縦線が上部の横線とくっついている
この違いが一番わかりやすいので、まずはここを確認しましょう。
2️⃣ 左側の屋根の上部
次に、平等院鳳凰堂の一番左側にある屋根の先端を見てください。
後期:屋根の先端が鋭くピンと尖っている
3️⃣ 左側の屋根の下部
最後に、同じく左側の屋根の下部を確認します。
後期:切れ目がなく、先が鋭くなっている
🔎 見分けるコツ
これらの違いは非常に細かいため、肉眼で見分けるのは難しいです。
虫眼鏡やスマホのカメラの拡大機能を使うと確認しやすくなります。
1. まず階段部分を確認
2. 後期の特徴があれば、念のため屋根部分も確認
3. すべて後期の特徴に当てはまれば、専門業者に査定を依頼
「もしかして、これが後期かも!?」と思ったら、次に気になるのは「いくらで売れるのか?」ですよね。
💴 実際の価値はいくら?使用済みでも売れる?
「27万円で落札」という話を聞くと期待してしまいますが、実際の価値は硬貨の状態によって大きく変わります。
📊 状態別の相場
完全未使用品の場合:
PCGSやNGCといった第三者鑑定機関の評価を受けた未使用品は、評価によって価格が大きく変動します。
📌 2024年6月:97万円(MS66RD評価)
📌 2024年6月:37万円(MS64RD評価)
📌 2022年7月:22万円(MS65RD評価)
評価が1ランク違うだけで、価格が大きく変わることがわかります。
使用済みの場合:
完全未使用でなくても、使用済みで数万円の価値がつく可能性があります。
バイセルや福ちゃんなどの古銭買取専門店では、使用済みの昭和61年後期10円玉も買取実績があります。
🤔 前期でも価値はある?
「後期じゃなくて前期だった…」とがっかりする必要はありません。
昭和61年は他の年と比べて製造枚数が約7千万枚と少ないため、前期でも額面以上の価値がつく可能性があります。
・使用済みの前期:100円前後
・未使用品の前期:1,000円以上
で取引されている実績があります。
前期だからといって、すぐに使ってしまうのはもったいないかもしれません。
🏪 見つけたらどうする?買取方法を解説
「昭和61年後期の10円玉を見つけた!」となったら、どうすればいいのでしょうか?
🚫 まず絶対にやってはいけないこと
「綺麗にした方が高く売れるんじゃない?」と思うかもしれませんが、実は逆です。
硬貨の買取では「製造当初の状態に近いもの」が良いとされており、洗浄や研磨で表面が削れると価値が大幅に下がります。
また、素手で触ると指紋や油汚れがついて錆びの原因になります。
できれば手袋を着用して扱いましょう。
💼 3つの売却方法
①古銭買取業者(最も安全)
最も安全で確実なのが、古銭買取専門業者に査定を依頼する方法です。
・バイセル:出張・宅配・店頭買取に対応
・福ちゃん:古銭の高価買取実績多数
・買取大吉:全国1500店舗以上
・おたからや:全国無料出張買取
・大黒屋:店舗持込のみ
これらの業者は古銭の知識を持った査定士が在籍しており、適正な価格で買い取ってくれます。
②コインオークション(高値を狙う)
より高値を狙うなら、コインオークションに出品する方法もあります。
今回27万円で落札されたのも、AWオークションというコインオークションでした。
ただし、手数料がかかることと、必ずしも高値で売れるとは限らないことを覚えておきましょう。
③フリマアプリ(リスクあり)
ヤフオクやメルカリなどのフリマアプリで売る方法もあります。
ただし、古銭の知識がない買い手が多いため適正価格で売れない可能性があり、またトラブルのリスクもあります。
📋 鑑定を受けるべき?
本当に後期なのか自信がない場合や、より高値で売りたい場合は、PCGSやNGCといった第三者鑑定機関で鑑定してもらうのも一つの方法です。
鑑定書がつくと買取価格が大幅にアップする可能性があります。
・鑑定期間:2~6ヶ月程度
・鑑定費用:5,000~150,000円程度
がかかるため、事前に買取業者に相談してから決めるのが良いでしょう。
📊 複数業者に査定を依頼しよう
買取を検討する場合は、少なくとも3店舗以上に査定を依頼することをお勧めします。
業者によって買取価格が大きく異なることがあるため、複数の見積もりを比較することで、より高値で売却できる可能性が高まります。
🪙 他にも価値がある10円玉はある?
昭和61年後期の10円玉以外にも、高額で取引される10円玉が存在します。
⚙️ ギザ10(ギザ十)
「ギザ10」をご存知でしょうか?
これは、昭和26年(1951年)から昭和33年(1958年)にかけて製造された、縁がギザギザの10円玉のことです。
当時、10円玉が最高額面の硬貨だったため、その象徴として縁にギザギザが刻まれていました。
・昭和26年:ギザ10の初年度(未使用品で5~6万円)
・昭和32年:発行枚数が約5,000万枚と少ない(未使用品で4万円程度)
・昭和33年:ギザ10の最終年で発行枚数が約2,500万枚と最少(未使用品で4~5万円)
使用済みのギザ10でも、状態が良ければ額面の数倍~数十倍の価値がつく可能性があります。
⚡ エラーコイン
製造過程で何らかのミスが発生した「エラーコイン」も、高額で取引されることがあります。
・角度ズレ:表と裏で模様がずれている
・刻印ズレ:刻印がずれたりはみ出したりしている
・影打ち:片面の模様がもう片面に反転している
エラーコインは非常に希少なため、見つけたら専門業者に査定を依頼することをお勧めします。
🔍 財布の中を探してみよう
昭和61年後期の10円玉、ギザ10、エラーコインなど、私たちの身近な硬貨の中にも思わぬ価値を持つものが眠っている可能性があります。
財布の中を探すだけで、臨時収入が得られるかもしれません。
📝 まとめ:昭和61年の10円玉が27万円になった理由
この記事のポイントをまとめます。
- ✅ 昭和61年の10円玉が27万円で落札されたのは、2025年10月18-19日の第42回AWオークション
- ✅ 高額になった理由は、製造トラブルで生まれた希少な「後期タイプ」と完璧な保存状態
- ✅ 前期と後期の比率は約80:1で、後期は極めて希少
- ✅ 見分け方は中央階段部分を確認するのが一番わかりやすい
- ✅ 使用済みでも数万円の価値がつく可能性がある
- ✅ 見つけたら洗ったり磨いたりせず、そのまま専門業者に査定を依頼
あなたの財布の中に、昭和61年後期の10円玉が眠っているかもしれません。
今すぐ確認してみませんか?
もし見つけたら、それは思わぬ臨時収入のチャンスです。
この記事が、あなたの「お宝探し」の参考になれば幸いです。
📚 よくある質問(FAQ)
Q1. 昭和61年の10円玉が27万円になった理由は?
製造トラブルで昭和62年用のデザインが誤って使用され、希少な「後期タイプ」が生まれたことと、完璧な保存状態(PCGS MS65RD評価)が理由です。
前期80枚に対して後期1枚という割合で、極めて希少です。
Q2. 前期と後期の見分け方は?
一番わかりやすいのは中央階段部分です。
前期は階段の縦線が上下で途切れていますが、後期は縦線が上部とくっついています。また、左側の屋根の形状でも判別できます。
虫眼鏡やスマホの拡大機能を使うと確認しやすくなります。
Q3. 使用済みでも価値はある?
はい、使用済みでも数万円の価値がつく可能性があります。
完全未使用品は20万円~97万円で落札された実績がありますが、使用済みでも状態次第で価値が認められます。
Q4. 見つけたらどうすればいい?
絶対に洗ったり磨いたりせず、そのままの状態で古銭買取専門業者に査定を依頼しましょう。
バイセル、福ちゃん、買取大吉などの業者があります。複数の業者に査定を依頼することをお勧めします。
Q5. 他にも価値がある10円玉はある?
昭和26年~33年のギザ10(縁がギザギザの10円玉)も高額で取引されます。
特に昭和26年、32年、33年は未使用品で4~6万円の価値があります。また、エラーコインも希少価値があります。
🔗 参考文献
- 📌 造幣局公式サイト - 貨幣製造枚数データ
- 📌 PCGS公式サイト - 硬貨鑑定機関
- 📄 All About - 現行の10円玉が「97万円」「37万円」と続々大化け
- 📄 アンティーリンク - レアな10円玉一覧
- 📄 高く売れるドットコム - 古銭買取おすすめ業者
- 📄 バイセル - 古銭買取専門店