⚠️ 2025年11月、札幌で衝撃の事件が発生
21歳男性がオンラインゲームで知り合った10代前半少女への性的暴行容疑で逮捕。被害者が自ら警察に相談したことで発覚したこの事件は、オンラインゲームの危険性を改めて浮き彫りにしました。

この記事では、事件の概要からオンラインゲームに潜む危険性、そして子どもを守るための具体的な方法まで、わかりやすく解説します。
📋 この記事でわかること
📰 札幌で何が起きた?21歳男性逮捕の事件概要
2025年11月4日、札幌・中央警察署は不同意性交と暴行の疑いで、札幌市中央区に住む飲食店従業員の男性(21歳)を逮捕しました。容疑者は2025年4月16日から17日の間、自宅で札幌市西区に住む10代前半の少女に対して性的暴行を加え、その後少女の頬を殴った疑いが持たれています。
警察によると、2人はオンラインゲームを通じて知り合ったとみられています。少女が4月17日午後9時半ごろ、「ネットで知り合った人からわいせつなことをされた」と警察相談専用ダイヤルに自ら連絡したことで事件が発覚しました。
少女にけがはありませんでした。調べに対し男性は、「無実なので納得いかないところがある」と容疑を否認しています。
警察は男性の余罪や当時の詳しい状況について捜査を進めています。
💪 被害者の勇気ある行動
この事件で最も注目すべきは、被害者の少女が自ら警察に相談する勇気を持ったことです。多くの性犯罪被害者が「恥ずかしい」「怖い」という理由で被害を訴えられない中、少女の行動は事件解決の大きな一歩となりました。
実は、容疑者は現在も容疑を否認しており、日本の刑事司法では「推定無罪の原則」が適用されます。有罪が確定するまでは無罪と推定されるため、今後の捜査と裁判の行方が注目されています。
⚠️ オンラインゲームでの出会いはなぜ危険なのか
オンラインゲームは、今や子どもたちにとって当たり前の娯楽です。友達とボイスチャットで話しながら協力プレイを楽しむ光景は、現代では珍しくありません。
しかし、その楽しさの裏には大きな危険が潜んでいます。
オンラインゲームの最大の特徴は「匿名性」です。プレイヤーは本名ではなくニックネームを使い、顔も見せずにゲームを楽しめます。
この匿名性を悪用する大人がいるのです。
警察OBで組織された一般社団法人スクールポリスによると、悪意のある大人は「何時間も、何十時間も、子どもたちと一緒にゲームをプレイし、チャットで交流を重ねていく」といいます。毎日一緒にゲームをすることで、子どもは「この人はゲームの仲間だ」「信頼できる人だ」という認識を持ってしまうのです。
特に危険なのは、以下のようなケースです。
ゲーム内で「ピンチの時に助けてくれた」「レアアイテムをくれた」「攻略のアドバイスをしてくれた」といった経験があると、子どもは相手を「恩人」として強く信頼してしまいます。この信頼関係が築けたところで、悪意のある大人は「ゲーム以外のところでお話しよう」とLINEなどの個人連絡先を聞き出し、1対1でやり取りできるように誘導します。
その中で、身近な人には相談しづらい個人的な悩みなどを巧みに聞き出し、「君の写真を送ってほしいな」「今度、実際に会って一緒にゲームしない?」などと具体的な誘いを持ちかけてくるのです。
🚨 衝撃の統計データ
実は、2023年だけでオンラインゲームがきっかけで犯罪に巻き込まれた17歳以下の子どもは89人にも上ります。
警察庁の統計によると、「荒野行動」での被害が最も多く37人、「第五人格」と「フォートナイト」でそれぞれ13人の被害が報告されています。
これは決して他人事ではありません。あなたのお子さん、あなたの友達も、今この瞬間に危険にさらされている可能性があるのです。
⚖️ 不同意性交罪とは?2023年の刑法改正で何が変わった
今回の事件で容疑者が逮捕された「不同意性交罪」。これは2023年7月13日に施行された比較的新しい法律です。
不同意性交罪とは、相手の性的同意がない状態で性行為を行った場合に成立する犯罪です。以前の「強制性交等罪」から名称が変更され、内容も大きく見直されました。
従来の強制性交等罪は「暴行・脅迫」が必要とされていました。しかし、実際の性犯罪では暴力がなくても、恐怖で体が固まったり、相手との関係性で抵抗できないケースが多くありました。
法務省の公式Q&Aによると、2023年の改正では、「同意しない意思を形成し、表明し、全うすることが困難な状態」にさせた場合や、その状態に乗じて性行為を行った場合に不同意性交罪が成立するようになりました。具体的には、以下の8つの行為や状況が明文化されています。
📌 不同意性交罪が成立する8つの状況
- 暴行・脅迫を用いる
- 心身の障害を生じさせる
- アルコール・薬物を摂取させる
- 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせる
- 同意しない意思を形成・表明・全うするいとまを与えない
- 予想しない事態に直面させて恐怖させる
- 虐待に起因する心理的反応を生じさせる
- 経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させる
🔔 重要な変更ポイント
実は、この改正でもう一つ重要な変更がありました。性交同意年齢が13歳から16歳に引き上げられたのです。
これにより、16歳未満の者と性交等をすると、その同意の有無を問わず不同意性交罪が成立することになりました。ただし、同世代間での自由な意思決定による性的行為を処罰対象から除外するため、13歳以上16歳未満の者との性交等については、行為者が5歳以上年上である場合に限り処罰の対象とされています。
法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」と非常に重く、罰金刑の選択肢がありません。執行猶予が付くためには言い渡された刑が3年以下である必要があるため、不同意性交罪で有罪になった場合は原則として実刑になります。
今回の札幌の事件では、被害者が10代前半であるため、この法律が適用されています。
📞 被害に遭ったら?警察相談ダイヤル#9110の使い方
💡 知ってましたか?
実は、110番以外に#9110という警察相談専用ダイヤルがあることを知っていますか?
今回の事件で被害者の少女が連絡したのも、この「警察相談専用ダイヤル」でした。
政府広報オンラインによると、#9110は、犯罪や事故の発生には至っていないけれど、ストーカーやDV、悪質商法など、警察に相談したいことがあるときに利用できる全国共通の電話番号です。全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口に直接つながります。
110番との違いは「緊急性」です。110番は、今すぐ警察官に駆けつけてもらいたいような緊急の事件・事故などを受け付ける緊急通報ダイヤルです。
一方、#9110は緊急の対応を必要としない相談に利用します。「もしかしたら犯罪かもしれない」「不安なことがある」といった段階で相談できるのが特徴です。
🔍 #9110でできること
相談内容に応じて関係する部署が連携して対応します。指導、助言、相手方への警告、検挙など、相談者の不安を解消するために必要な措置を講じてくれます。
受付時間は平日の午前8時30分から午後5時15分までです(各都道府県警察本部で異なります)。土日・祝日及び時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応しています。
相談は無料ですが、通話料は利用者負担となります。また、ダイヤル回線や一部のIP電話からは利用できないため、その場合はお住まいの都道府県にある警察総合相談電話番号を利用してください。
性犯罪被害の相談であれば、#8103(ハートさん)という性犯罪被害相談電話もあります。こちらは通話料無料で、24時間対応しています。
「こんなこと相談していいのかな」と迷う必要はありません。少しでも不安を感じたら、まず相談することが大切です。
👨👩👧 子どもを守るために親ができること
「うちの子は大丈夫」と思っていませんか?残念ながら、オンラインゲームの危険は誰にでも起こりうるものです。
では、親としてどのように子どもを守ればよいのでしょうか。
⭐ 最も重要なポイント
オンラインゲームを「禁止」することではなく、「安全な使い方を教える」ことです。
まず、ペアレンタルコントロール機能を活用しましょう。
セコムの子どもの安全専門家によると、ゲーム機やスマートフォン、パソコンには、保護者が子どものプレイ状況を確認したり、課金やプレイ時間を制限したりする機能が搭載されています。
この機能を設定しておけば、保護者が気づかないうちに数十万円もの課金がされることや、異常なほどの長時間プレイになることを防げます。
次に、家庭でのルール作りです。
ただし、親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に話し合って決めることが大切です。
✅ 家庭で決めたいルール例
- ゲーム内で知り合った人とは実際に会わない
- 個人情報(本名、住所、学校名、電話番号など)は絶対に教えない
- LINEなどの個人連絡先を交換しない
- 少しでも不安を感じたら親に相談する
これらのルールを、なぜ必要なのかを説明しながら決めていきましょう。
警察OBの佐々木雄希さんは、「どうしても子どもがネット上の友達と会いたいと言う場合は、『じゃあ、お母さん(お父さん)も一緒にその人に会いに行ってもいいかな?』と提案してみるのも良い方法です」とアドバイスしています。
その時に相手が「え、親は来ないでよ」「なんで親が来るの?」と拒んだり、連絡が途絶えたりすれば、子ども自身もその相手の本質を理解できます。
また、普段から子どもがプレイしているゲームに関心を持つことも大切です。「どんなところが面白いの?」と聞いてみたり、可能であれば一緒にプレイしてみたりすることで、子どもも相談しやすくなります。
💬 専門家の声
セコムの専門家は、「オンラインゲームは楽しいことだけではなく、危ないこともある。このことをよく理解させ、子どもに警戒心を持たせることが大切です」と指摘しています。
実は、親子での対話が最も効果的な防止策なのです。
子どもが「おかしいな」と思った時にすぐに相談できる関係性を築くことが、悪意のある大人にとって最大の防止策となります。
📝 まとめ:子どもの安全を守るために
2025年11月に発生した札幌の事件は、オンラインゲームの危険性を改めて私たちに突きつけました。以下が、この記事の要点です。
- オンラインゲームで知り合った21歳男性が10代前半少女への性的暴行容疑で逮捕された
- 2023年だけでオンラインゲームきっかけで89人の17歳以下が犯罪被害に遭っている
- 不同意性交罪は2023年施行の新しい法律で、16歳未満との性行為は同意があっても犯罪
- #9110という警察相談専用ダイヤルがあり、緊急でない相談ができる
- ペアレンタルコントロールと親子のコミュニケーションが最も効果的な防止策
オンラインゲームは決して悪いものではありません。しかし、その楽しさの裏に潜む危険を知り、適切に使うことが大切です。
少しでも不安を感じたら、一人で抱え込まずに#9110に相談してください。あなたの勇気が、自分自身や誰かを守ることにつながります。
📞 困ったときの相談窓口
#9110
警察相談専用ダイヤル(平日8:30-17:15)
#8103
性犯罪被害相談電話(24時間・通話料無料)
❓ よくある質問
Q1. オンラインゲームで知り合った人と会うのは本当に危険なのですか?
A. はい、非常に危険です。相手の年齢、性別、目的などを確認する手段がなく、匿名性を悪用して近づいてくる大人がいます。2023年には89人の17歳以下がオンラインゲームきっかけで犯罪被害に遭っています。
Q2. 不同意性交罪とは何ですか?
A. 相手の性的同意がない状態で性行為を行った場合に成立する犯罪です。2023年7月に施行され、性交同意年齢が13歳から16歳に引き上げられました。16歳未満との性行為は同意があっても犯罪となります。
Q3. #9110とはどんな電話番号ですか?
A. 警察相談専用ダイヤルです。緊急ではないけれど警察に相談したいことがあるときに利用できる全国共通の電話番号で、平日8:30-17:15に受付しています。
Q4. 親として子どもを守るために何ができますか?
A. ペアレンタルコントロール機能の活用、家庭でのルール作り、子どもとの対話が重要です。特に、子どもが「おかしいな」と思った時にすぐ相談できる関係性を築くことが最も効果的な防止策です。