2025年10月24日、イタリア・ローマの観光名所パンテオンで、日本人観光客が約7メートル下の堀に転落し、死亡する事故が発生しました。
娘と休暇中だった69歳の男性が、気分が悪くなりバランスを崩して転落したとみられています。
⚠️ 実は、転落した場所は多くの観光客が休憩のために座る「普通の場所」でした。
なぜこのような悲劇が起きたのでしょうか。
海外旅行での安全対策と体調管理の重要性について、詳しく見ていきましょう。

📋 この記事でわかること
🚨 ローマ・パンテオンで日本人男性が転落死亡―何が起きたのか
2025年10月24日夜、ローマの古代遺跡パンテオンで、日本人観光客のヒビノ・モリマサさん(69歳)が壁から約7メートル下の堀に転落しました。
救急隊が駆けつけましたが、死亡が確認されました。
共同通信などの報道によると、ヒビノさんは娘と一緒にローマで休暇を過ごしていたとのことです。
在イタリア日本大使館は「事案は把握しており、関係者と連絡を取って対応に当たっている」とコメントしています。
捜査当局が詳しい状況を調べていますが、気分が悪くなりバランスを崩して転落した可能性が高いとされています。
📏 7メートルという高さは、ビルの2-3階分に相当します。
この高さから転落すれば、命に関わる重大な事故になることは容易に想像できます。
📍 転落した場所はどこ?―「普通に座れる壁」の危険性
では、ヒビノさんはパンテオンのどこで転落したのでしょうか。
現地の情報によると、転落した場所はパンテオンの裏側、ピアッツァ・デッラ・ロトンダ広場に面した入り口の反対側とされています。
この壁は、パンテオンを囲む円形の構造に沿って設置されており、建物の入り口や周囲の堀よりも数メートル高い位置にあります。
💡 実は、この場所は立ち入り禁止ではなく、多くの観光客が休憩のために座る場所でした。
パンテオンを訪れた観光客や地元のローマ市民が、この壁に座って休んだり、写真を撮ったりすることは日常的に行われていたそうです。
しかし、この壁の後ろには約7メートルの高低差があり、後ろに倒れたりバランスを崩したりすれば、下の堀に転落する危険性がありました。
日本の観光地であれば、このような危険な場所には必ず柵が設置されています。
しかし、パンテオンのこの場所には、柵がないか、あっても不十分な状態だったと考えられます。
「普通に座れる場所」だからこそ、多くの人が危険性を認識せずに座ってしまう―これが今回の事故の背景にあります。
では、なぜヒビノさんは転落してしまったのでしょうか。
次のセクションで、事故の直接的な原因を見ていきましょう。
❓ なぜ転落したのか?―気分が悪くなりバランスを崩す
ヒビノさんはなぜ転落してしまったのでしょうか。
報道によると、気分が悪くなりバランスを崩して転落したとみられています。
娘が助けを呼び、消防隊が現場に駆けつけましたが、間に合いませんでした。
🔢 69歳という年齢と体調不良
69歳という年齢は、海外旅行でも活動的に動ける年齢ですが、体調管理には特に注意が必要な年齢でもあります。
海外旅行では、時差、気候の変化、移動の疲労など、さまざまな要因で体調を崩しやすくなります。
特にローマのような石畳の道が多い都市では、歩行するだけでも足や腰に負担がかかります。
🌍 海外旅行での体調不良のリスク
海外安全協会の情報によると、海外旅行中に体調不良になる主な原因として、以下が挙げられています:
- 時差による睡眠不足
- 気温や湿度の違い
- 移動による疲労の蓄積
- 食事の変化
これらの要因が重なると、普段は元気な人でも突然めまいや吐き気を感じることがあります。
壁に座って休憩していた時に気分が悪くなり、バランスを崩して後ろに倒れてしまった―これが今回の事故の経緯と考えられます。
次のセクションでは、事故が起きたパンテオンとはどのような建物なのかを見ていきましょう。
🏛️ パンテオンとは?―2000年前の建物が今も使われている驚き
そもそも、パンテオンとはどのような建物なのでしょうか。
パンテオンは、ローマ市内のマルス広場に建造された神殿で、すべてのローマ神を奉る「万神殿」として知られています。
📜 パンテオンの歴史
最初のパンテオンは紀元前25年に建てられましたが、火災で焼失しました。
現在のパンテオンは、118年から128年にかけてローマ皇帝ハドリアヌスによって再建されたものです。
✨ 実は、今から約2000年前に建てられた建物が、今もそのままの姿で使われているのです。
古代ローマにキリスト教が伝わった後、608年頃にはキリスト教の寺院に改装され、破壊を免れました。
ルネッサンスの画家ラファエロや、イタリア王国の初代国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の墓もここにあります。
🏗️ パンテオンの構造
パンテオンは直径43.2mの円形建築で、半球形のドームが特徴です。
床からドーム頂部までの高さも、直径と同じ43.2mです。
ドームの頂点には直径約9mの天窓(オクルス)が開いており、そこから光が差し込む幻想的な空間になっています。
建物の壁の厚さは約6mもあり、古代ローマの建築技術の高さを今に伝えています。
ローマンコンクリートという特殊な建材が使われており、現代のコンクリート(寿命50-100年)よりも耐久性が高いとされています。
🎫 観光地としてのパンテオン
パンテオンはローマ中心部の人気観光スポットで、年間多くの観光客が訪れます。
以前は無料で入場できましたが、2023年から入場料が必要になりました。
建物の周りにはカフェやレストランが立ち並び、観光客でにぎわうエリアです。
では、なぜこのような歴史的建造物で柵が不十分だったのでしょうか。
次のセクションで、海外と日本の安全対策の違いを見ていきましょう。
🌐 海外と日本の安全対策の違い―なぜ「柵がない」のか
今回の事故で多くの人が疑問に思ったのが、「なぜ柵がなかったのか」という点です。
日本であれば、7メートルもの高低差がある場所には必ず柵が設置されます。
しかし、海外では日本とは異なる安全対策の考え方があります。
🇯🇵 日本の安全対策―「危険を排除する」文化
日本では、公共の場所での安全対策が非常に充実しています。
危険な場所には必ず柵が設置され、注意喚起の看板も多数設置されます。
これは、「集団の安全を優先する」という日本の文化が背景にあります。
万が一事故が起きた場合、管理者の責任が問われることも多いため、事前に危険を排除する対策が取られます。
🌍 海外の安全対策―「自己責任」の文化
⚠️ 実は、ヨーロッパなどでは「自己責任」の考え方が強く、日本ほど柵が設置されていない場所が多いのです。
海外の観光地や遺跡では、個人が自分の安全を自分で管理することが前提とされています。
また、歴史的建造物の場合、景観を損なわないように柵の設置を最小限にすることもあります。
パンテオンのような2000年前の建造物に、現代的な柵を設置することは、歴史的価値を損なう可能性があるという考え方もあります。
✅ 日本人観光客が注意すべきこと
日本では「危険な場所には柵がある」という感覚が染み付いていますが、海外ではそうとは限りません。
「柵がない=安全」ではなく、「柵がない=自分で危険を判断する必要がある」と考える必要があります。
特に以下のような場所では注意が必要です:
- 高低差がある場所(崖、壁の縁など)
- 古い建造物(階段、手すりがない場所など)
- 自然の中(山道、海岸など)
次のセクションでは、今回の事故の直接的な原因となった体調不良を防ぐ方法について見ていきます。
💊 海外旅行での体調管理の重要性―疲労と体調不良のリスク
今回の事故では、「気分が悪くなった」ことが直接的な原因と考えられています。
では、海外旅行中に体調不良を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
🤒 海外旅行で体調を崩す主な原因
海外旅行中の体調不良の主な原因として、以下が挙げられます:
⏰ 時差と睡眠不足
ヨーロッパへの旅行では、日本との時差が大きく、体内時計が乱れやすくなります。
時差ぼけによる睡眠不足は、判断力の低下やふらつきの原因になります。
🌡️ 気候の変化
旅行先の気温や湿度が日本と大きく異なる場合、体調を崩しやすくなります。
特に10月のローマは、日本より気温が低く、朝晩の寒暖差も大きくなります。
🚶 移動の疲労
石畳の道が多いヨーロッパの都市では、普段以上に足や腰に負担がかかります。
長時間の観光で疲労が蓄積すると、めまいや吐き気を感じることがあります。
🍽️ 食事の変化
慣れない食事や水により、消化器系のトラブルが起こることもあります。
✨ 体調管理のための具体的な対策
海外旅行での体調管理として、以下の対策が有効です:
📅 無理なスケジュールを組まない
特に高齢者の場合、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
「あそこもここも行きたい」という気持ちは分かりますが、体調を崩してしまっては元も子もありません。
☕ こまめに休憩を取る
長時間歩き続けるのではなく、カフェなどで定期的に休憩を取りましょう。
ただし、休憩する場所の安全性も確認することが大切です。
💊 常備薬を持参する
風邪薬、胃腸薬、鎮痛剤など、普段使っている薬を持参しましょう。
海外で薬を購入するのは言葉の壁もあり、困難な場合が多いです。
💧 水分補給を忘れずに
観光に夢中になっていると、水分補給を忘れがちです。
ミネラルウォーターを常に持ち歩き、こまめに水分を取りましょう。
👴 高齢者の海外旅行での注意点
69歳という年齢は、海外旅行を楽しむには十分若いですが、若い頃とは体力が異なることも事実です。
海外では年間約300-400人の日本人が死亡しており、その半数以上が疾病によるものです。
持病がある場合は、旅行前に医師に相談し、必要な薬を十分に用意することが重要です。
また、海外旅行保険に加入し、緊急時の連絡先を家族と共有しておくことも大切です。
最後のセクションでは、万が一に備えた具体的な対策について見ていきましょう。
🛡️ 万が一に備えた対策―海外旅行保険と家族への伝達
海外旅行では、どんなに気をつけていても予期せぬ事故や病気に遭遇する可能性があります。
万が一に備えて、事前にできる準備をしておきましょう。
💰 海外旅行保険の重要性
海外で医療機関を受診した場合、日本とは比較にならないほど高額な医療費がかかることがあります。
例えばハワイで風邪で病院にかかった場合、日本円で15,000円程度はかかります。
入院や手術が必要になった場合は、数百万円から数千万円という費用が請求されることもあります。
海外旅行保険に加入していれば、以下のような補償を受けることができます:
- 治療費・入院費
- 緊急移送費
- 家族の渡航・宿泊費用
クレジットカードに付帯している海外旅行保険もありますが、補償内容を必ず確認しましょう。
✈️ 遺体搬送の費用と手続き
万が一、海外で死亡した場合、遺体を日本に搬送するには高額な費用がかかります。
イタリアから日本への遺体搬送には約300万円前後の費用がかかるとされています。
イタリアはカトリックの国のため土葬が一般的で、現地で火葬するのも簡単ではありません。
海外旅行保険に加入していれば、遺体搬送費用も補償される場合があります。
👨👩👧👦 家族への情報共有
海外旅行に行く際は、以下の情報を必ず家族と共有しておきましょう:
📍 旅行日程と滞在先
どこに、いつまで滞在するのかを詳しく伝えておきましょう。
ホテルの名前と連絡先も共有しておくと、緊急時に連絡が取りやすくなります。
📋 海外旅行保険の内容
保険に加入している場合、保険証券のコピーを家族に渡しておきましょう。
緊急連絡先の電話番号も共有しておくことが重要です。
💊 持病と常備薬の情報
持病がある場合、どのような薬を持参しているか伝えておきましょう。
英文の診断書や処方箋も用意しておくと、現地の医療機関を受診する際に役立ちます。
🏢 在外公館の連絡先
旅行先の日本大使館や総領事館の連絡先を控えておきましょう。
事故や病気の際、在外公館は日本人の支援を行ってくれます。
📝 まとめ―楽しい海外旅行のために
ローマ・パンテオンでの転落事故は、海外旅行の楽しさと同時に潜むリスクを改めて私たちに教えてくれました。
✅ この記事の重要なポイント
- 海外では日本と安全対策が異なる―柵がない場所が多く、自己責任の文化がある
- 「普通の場所」でも危険性がある―高低差がある場所では常に注意が必要
- 体調管理が何より重要―疲労や体調不良は判断力を低下させ、命に関わる
- 高齢者は特に注意が必要―無理なスケジュールを避け、こまめに休憩を取る
- 万が一に備えた準備―海外旅行保険への加入と家族への情報共有が不可欠
海外旅行は人生を豊かにする素晴らしい体験です。
しかし、その楽しさを安全に味わうためには、日本とは異なる環境であることを常に意識し、自分の安全は自分で守るという心構えが必要です。
これから海外旅行を計画している方は、ぜひこれらのポイントを心に留めて、安全で楽しい旅行を実現してください。
亡くなられたヒビノさんのご冥福をお祈りいたします。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: パンテオン転落事故はいつ、どこで起きたのですか?
2025年10月24日夜、イタリア・ローマのパンテオンで発生しました。転落場所はパンテオンの裏側にある、観光客が休憩のために座る壁で、約7メートル下の堀に転落しました。
Q2: なぜ転落事故が起きたのですか?
69歳の男性が気分が悪くなりバランスを崩して転落したとみられています。海外旅行の疲労、時差、石畳の道での歩行負担などが体調不良の原因と考えられます。
Q3: パンテオンとはどのような建物ですか?
パンテオンは約2000年前(118-128年)にローマ皇帝ハドリアヌスによって再建された古代遺跡で、直径43.2mの円形建築が特徴です。現在も観光名所として多くの人が訪れています。
Q4: 海外旅行で体調管理のために気をつけることは?
無理なスケジュールを避け、こまめに休憩を取ることが重要です。常備薬の持参、水分補給、十分な睡眠を心がけましょう。特に高齢者は体調管理に注意が必要です。
Q5: 海外と日本の安全対策の違いは何ですか?
日本では危険な場所に柵が設置されることが一般的ですが、海外では「自己責任」の文化が強く、柵がない場所が多くあります。歴史的建造物では景観保護のため柵が最小限に抑えられています。
Q6: 海外旅行保険は必要ですか?
必要です。海外での医療費は非常に高額で、遺体搬送には300万円前後かかります。海外旅行保険に加入していれば、治療費や緊急移送費などが補償されます。
📚 参考情報
- 共同通信 - ローマ遺跡で転落、邦人死亡
- Wikipedia - パンテオン(ローマ)
- 海外邦人安全協会 - 大切な健康管理
- 地球の歩き方 - パンテオン
- エイチ・エス損保 - 海外旅行での体調不良を防ぐには
- 政府広報オンライン - 海外旅行を安全・健康に楽しむために
- ミライ工事 - パンテオンとローマンコンクリート
- 日本損害保険協会 - 日本人海外出国者数と事件・事故の実態
- 損保ジャパン - 海外旅行中に病気になったときの対処方法
- ゴミ屋敷バスター七福神 - 家族が海外旅行先で死んだ場合の対応