
2025年11月29日の夜、京都の人気観光スポット・先斗町で火災が発生しました。
火元は串焼き店「串焼き満天 先斗町店」。
約230平方メートルが全焼し、隣の建物にも火が燃え移りましたが、お店にいた64人は全員無事に避難でき、けが人は出ませんでした。
「先斗町ってどこ?」「火事の原因は?」「そもそも先斗町って何て読むの?」
気になる疑問をまとめました。
この記事でわかること
先斗町火災の概要|いつ・どこで何が起きた?
2025年11月29日の午後7時50分ごろ、京都市中京区の先斗町で飲食店から火が出ました。
火は約3時間後の午後10時45分ごろに消し止められています。
京都新聞の報道によると、最初の通報は店の従業員からでした。
「1階の調理場から火が出て、2階まで燃えている」という内容だったそうです。
消防車23〜24台が出動。
先斗町は幅が約2メートルしかない細い路地なので、消火活動は難航しました。
火災が起きたのは土曜日の夜。
観光客や食事を楽しむ人でにぎわう時間帯でした。
三条大橋の上からは、炎や煙が上がる様子を見守る人の姿もあったといいます。
幸いなことに、火元の店にいた約50人の客と、周辺の店舗にいた人たちを合わせて64人が避難しましたが、全員無事。
けが人は1人も出ませんでした。
では、火元となった店はどんなお店だったのでしょうか。
火元は「串焼き満天 先斗町店」|店舗情報と被害状況
火元は「串焼き満天 先斗町店」という居酒屋です。
先斗町歌舞練場(舞妓さんが踊りを披露する劇場)の真向かいにある人気店でした。
京都新聞によると、この店は木造3階建て。
1階にはカウンター席があり、職人が目の前で串を焼く様子を見ながら食事ができるスタイルでした。
2階にはテーブル席や掘りごたつの席があり、宴会などにも使われていたようです。
グルメサイト「ホットペッパーグルメ」での評価は★4.1(5点満点中)。
「京都らしさ」「先斗町らしさ」を楽しめるリーズナブルな居酒屋として、観光客にも人気がありました。
被害の規模
- 全焼面積:約230平方メートル(テニスコート約1面分)
- 延焼:隣の建物2棟の外壁なども焼けた
- 避難者:客・従業員あわせて64人(全員無事)
- けが人:なし
火災当時、店内には約50人もの客がいました。
土曜日の夜ということもあり、にぎわっていたのでしょう。
それだけの人数がいながら全員が無事に避難できたのは、従業員の素早い対応があったからかもしれません。
近くの店で働いていた外国人店員は、MBSニュースの取材に対して「お店も危ないから逃げてくださいと言われて外に出た」と話していました。
では、なぜ火災は起きたのでしょうか。
出火原因は「炭火からダクトへの引火」か
警察によると、串焼き店の炭火がダクト(換気用の管)に付着していた油に引火した可能性があるということです。
「ダクト火災」という言葉を聞いたことがない人も多いかもしれません。
簡単に説明すると、厨房から出る煙や油を外に逃がすための管の中で、たまった油汚れに火がついてしまう火災のことです。
東京消防庁の調査によると、特に炭火を使う焼肉店や焼き鳥店はダクト火災のリスクが高いとされています。
炭火焼き店でダクト火災が起きやすい理由
- 炭火は火力が強い:ガスコンロより高温になりやすい
- 油煙が大量に出る:肉を焼くと油を含んだ煙がたくさん発生する
- 管の中に油がたまる:油煙がダクト内部にこびりついていく
- 火の粉が入り込む:炭火の火の粉がダクトに入ることがある
実は、ダクト火災は全国で約9日に1回のペースで発生しているといわれています。
飲食店では定期的なダクト清掃が欠かせませんが、管の中は目に見えにくいため、汚れが放置されてしまうこともあるようです。
今回の火災の正確な原因はまだ調査中ですが、飲食店にとってダクト火災は決して他人事ではないということがわかります。
ところで、「先斗町」ってそもそもどんな場所なのでしょうか。
読み方がわからないという人も多いのではないでしょうか。
先斗町とは?読み方「ぽんとちょう」の意外な由来
「先斗町」は「ぽんとちょう」と読みます。
「せんとちょう」ではありません。
初見で正しく読める人は少ないのではないでしょうか。
実は京都でも有名な難読地名のひとつです。
先斗町は、京都市中京区にある細い路地のこと。
鴨川と木屋町通りの間に南北に伸びていて、全長は約500メートル(駅から歩いて5〜6分くらいの距離)、幅はわずか約2メートルしかありません。
この狭い通りの両側に、料亭、バー、居酒屋などがずらりと並んでいます。
京都を代表する花街(芸妓や舞妓がいるエリア)のひとつで、「京都五花街」に数えられています。
「ぽんとちょう」の名前の由来(諸説あり)
説1:ポルトガル語説
ポルトガル語で「先端」を意味する「ponto(ポント)」が由来という説。江戸時代、この場所が洛中(京都の中心部)の東端にあったことから名付けられたといわれています。
説2:鼓の音説
東に鴨川、西に高瀬川があり、川(皮)と川(皮)にはさまれている。鼓は皮でできていて、叩くと「ポン」と音がする。だから「ポント町」になったという説です。
どちらが正しいかはわかっていませんが、ポルトガル語説がよく紹介されています。
いずれにしても、漢字の「先斗」は当て字ということになります。
先斗町は観光客にも人気のスポットで、夕暮れ時に石畳の通りを歩くだけで「京都に来た」と実感できる場所です。
夏には鴨川沿いに「川床」と呼ばれるテラス席が出て、川を眺めながら食事を楽しむこともできます。
実は、この先斗町では9年前にも火災が起きていました。
過去にも火災|2016年にも先斗町で火事があった
2016年7月5日、今回とほぼ同じ場所で火災が発生しています。
このときも飲食店から出火し、消火活動は長時間に及びました。
京都市消防局の公式ページによると、この火災を受けて「先斗町火災対策ネットワーク会議」が設置されました。
会議では、地元の飲食店関係者や住民、消防・警察・区役所の担当者が集まり、防火対策について話し合いました。
当時の会議で出た意見
- 「現場の近くなのに、店内にいて火災に気付かない人が多くいた」
- 「避難経路は2つ以上必要」
- 「地域内での防火意識に大きな差がある」
この会議を経て、先斗町では独自の防火ルール「先斗町町式目」が定められました。
具体的には「1つの厨房に消火器を設置する」「各部屋に火災警報器をつける」「2方向への避難経路を確保する」などが盛り込まれています。
また、2016年11月には「ブラインド方式」(事前に知らせない形式)での防災訓練も実施されています。
それから9年。
防火対策が進められてきた先斗町で、再び火災が起きてしまいました。
今回の火災でけが人が出なかったのは、こうした過去の教訓が活かされた部分もあるのかもしれません。
一方で、ダクト火災という見えにくいリスクへの対策は、引き続き課題となりそうです。
最後に、火災現場のすぐ近くにある「先斗町歌舞練場」についても触れておきます。
映画『国宝』ロケ地・先斗町歌舞練場は無事
火元の「串焼き満天 先斗町店」の真向かいにあるのが「先斗町歌舞練場」です。
MBSニュースなど複数のメディアが「映画『国宝』のロケ地近く」と報じていましたが、歌舞練場への延焼は報告されていません。
現時点では無事だったとみられます。
先斗町歌舞練場は1927年(昭和2年)に建てられた歴史ある劇場です。
毎年5月には「鴨川をどり」が開催され、舞妓さんや芸妓さんの踊りを見ることができます。
2025年は、この歌舞練場が特に注目を集めた年でした。
映画『国宝』(吉沢亮・横浜流星主演)のロケ地として使われたからです。
劇中では大阪の劇場「浪花座」として登場し、主人公たちが歌舞伎の世界へ足を踏み入れる重要なシーンが撮影されました。
KBS京都の報道によると、映画は興行収入110億円を超える大ヒット。
「京の夏の旅」という特別公開イベントでは、1日100人以上の見学者が訪れる日もあったそうです。
そんな「聖地」のすぐそばで火災が起きたことで、SNSでは心配の声も上がっていました。
延焼がなかったのは不幸中の幸いといえるでしょう。
まとめ
今回の先斗町火災について、ポイントを整理します。
- 発生:2025年11月29日 午後7時50分ごろ
- 場所:京都市中京区 先斗町通り
- 火元:串焼き満天 先斗町店
- 被害:約230㎡全焼、隣接2棟も一部焼損
- けが人:なし(64人が避難、全員無事)
- 原因:炭火がダクト内の油に引火した可能性(調査中)
先斗町では2016年にも火災があり、防火対策が進められてきました。
今回けが人が出なかったのは、そうした取り組みの成果かもしれません。
一方で、ダクト火災は目に見えにくい場所で起きるため、飲食店にとっては引き続き注意が必要なリスクです。
京都の風情ある街並みを守るためにも、今後の原因究明と再発防止策が求められます。
よくある質問(FAQ)
Q. 先斗町火災の火元はどこですか?
火元は「串焼き満天 先斗町店」です。先斗町歌舞練場の向かいにある木造3階建ての居酒屋で、約230平方メートルが全焼しました。
Q. 先斗町火災の原因は何ですか?
串焼き店の炭火がダクト(換気用の管)に付着していた油に引火した可能性があると報じられています。正確な原因は現在も調査中です。
Q. 先斗町の読み方は?
「ぽんとちょう」と読みます。ポルトガル語で「先端」を意味する「ponto」が由来という説があり、京都でも有名な難読地名のひとつです。
Q. 映画『国宝』のロケ地は被害を受けましたか?
火災現場の向かいにある先斗町歌舞練場は、延焼の報告がなく無事だったとみられます。同施設は映画『国宝』で「浪花座」として撮影に使用されました。