高市早苗首相率いる高市内閣が2025年10月21日に発足し、官房副長官に尾﨑正直氏（58歳）が就任しました。
高知県知事を3期務め、地方創生で実績を残した尾﨑氏の抜擢は、「地方の視点を官邸に」という高市首相の意志を表しています。
💡 実は18年前の2006年にも、尾﨑氏は内閣官房副長官秘書官として官邸で働いていた経験があるんです。
「24時間365日働く官邸、このことが全く変わらないんだなとつくづく思います」という本人の言葉からは、過酷な官邸の仕事を知り尽くした上での覚悟が伝わってきます。
官房副長官は「出世の登竜門」とも呼ばれ、過去には安倍晋三元首相をはじめ5人が首相にまで上り詰めています。
尾﨑氏はどんな人物で、どんなキャリアを歩んできたのか？官房副長官とは一体どんな仕事なのか？詳しく解説していきます。
📑 この記事でわかること
👤 尾﨑正直って誰？高市内閣の官房副長官に就任した経歴
尾﨑正直（おざき まさなお）氏は、2025年10月21日に高市内閣で内閣官房副長官に就任した政治家です。
58歳（1967年9月14日生まれ）で、出身は高知市。東京大学経済学部を卒業後、大蔵省（現在の財務省）に入省したエリート官僚でした。
その後、高知県知事を3期12年務め、2021年に衆議院議員として国政に復帰。現在は衆議院議員2期目で、高市早苗首相が率いる内閣の要となる官房副長官に抜擢されました。
📌 ここがポイント
実は尾﨑氏、18年前の2006年から2007年にかけて、内閣官房副長官秘書官として官邸で働いていた経験があります。
「24時間365日働く官邸、このことが全く変わらないんだなとつくづく思います」と官邸スタッフを前にあいさつした尾﨑氏。
当時の経験を振り返りながら、「18年前は厳しい安全保障環境、日本経済の低迷だとか言っている時期ではなかった」としたうえで、「内外厳しい折だからこそこの官邸のリーダーシップが大変重要なんだろうと思います」と決意を語りました。
高市首相は2025年10月4日の自民党総裁選で当選し、日本初の女性首相として注目を集めています。
その高市首相を支える重要なポストに、地方行政の経験が豊富な尾﨑氏が選ばれたことは、「地方の視点を大切にする」という高市政権の姿勢を表しているといえるでしょう。
尾﨑氏は「私はまだ2期生の若造でありまして、皆様方の足手まといにならないように頑張らないといけない。そういう思いでございます」と謙虚に語っていますが、実際には高知県知事として数々の実績を残してきた実力者です。
🏛️ 官房副長官って何をする人？その役割と重要性を解説
では、尾﨑氏が就任した「官房副長官」とは、具体的にどんな仕事をする人なのでしょうか？
官房副長官は、内閣官房長官を補佐する特別職の国家公務員です。「副長官」という名前のとおり、内閣官房長官のナンバー2的な存在ですね。
👥 官房副長官は全部で3人います
政治家が務める「政務担当」が2人（衆議院議員から1人、参議院議員から1人）と、官僚が務める「事務担当」が1人の合計3人体制です。
今回尾﨑氏は、衆議院側の政務担当官房副長官に就任しました。
📋 官房副長官の主な仕事
官房副長官の仕事は多岐にわたりますが、主なものを挙げると：
1. 内閣官房長官の補佐
官房長官が不在の時は、その職務を代行します。つまり、官房長官が出張や国会対応で動けない時は、官房副長官が首相官邸で定例の記者会見を開くこともあるんです。
2. 首相・官房長官とともに内政・外交全般を担当
日本国内の問題から外交問題まで、あらゆる政策について首相や官房長官をサポートします。
3. 省庁間の調整役
各省庁の意見が対立した時、それを調整してまとめるのも官房副長官の重要な役割です。
4. 副大臣会議の議長
各省庁の副大臣が集まる会議の議長を務め、政府全体の政策調整を行います。
5. 首相の外交にも随行
首相が外国を訪問する際、官房長官は国内に残って危機管理にあたるため、代わりに官房副長官が同行することが多いです。
待遇としては副大臣と同等ですが、組閣後の記念撮影では閣僚と一緒に並ぶなど、他の副大臣とは扱いが異なっています。
これは、官房副長官が首相・官房長官とともに内政・外交全般を担当する「準閣僚級」のポストだからです。
時事通信の解説によれば、官房副長官は「政権の黒子」とも呼ばれ、表舞台に立つ機会は少ないものの、首相や官房長官を補佐する極めて重要なポストです。
年収は約2,800万円とされています。
このように、官房副長官は首相官邸の中枢で国の重要な意思決定に関わる、まさに「首相の右腕」といえる存在なんです。
📚 尾﨑正直の経歴：大蔵省から高知県知事、そして国政へ
では、尾﨑氏はどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。時系列で見ていきましょう。
🎓 エリート官僚としてのスタート
1991年、東京大学経済学部を卒業した尾﨑氏は、大蔵省（現在の財務省）に入省しました。
当時の大蔵省は「官僚の頂点」と言われる省庁で、東大卒のエリートが集まる場所でした。尾﨑氏は関税局などで勤務した後、1998年から2001年まで外務省に出向し、在インドネシア日本大使館で一等書記官を務めました。
🏢 官邸での経験
2006年から2007年にかけて、尾﨑氏は内閣官房副長官秘書官として官邸で働きました。この時の経験が、今回の官房副長官就任にもつながっているといえます。
🏡 40歳で故郷へ：高知県知事への挑戦
2007年、尾﨑氏は財務省を退官し、故郷の高知県知事選挙に無所属で出馬。自民党・民主党県連・公明党・社民党の推薦を受けて初当選を果たしました。
💭 注目ポイント
財務省のエリート官僚だった尾﨑氏が、40歳で故郷に戻って知事に挑戦したことは、当時大きな話題となりました。
🌟 高知県知事3期12年
その後、尾﨑氏は高知県知事を3期12年務めました。2011年と2015年の知事選挙では、いずれも無投票で再選・3選を果たしています。
知事時代には、全国知事会副会長や教育再生実行会議委員なども務め、地方の声を国に届ける役割も担いました。
🏛️ 国政復帰へ
2021年10月、尾﨑氏は第49回衆議院議員総選挙に自民党公認で高知2区から出馬し、初当選。14年ぶりに国政に復帰しました。
2024年10月の第50回衆議院議員総選挙でも再選を果たし、現在は衆議院議員2期目です。
国会議員としては、デジタル大臣政務官や国土交通大臣政務官などを歴任。自民党では副幹事長や地方組織・議員総局長なども務めてきました。
⭐ そして官房副長官へ
2025年10月、高市早苗氏が自民党総裁選で勝利し、日本初の女性首相に就任。尾﨑氏は総裁選で高市氏を支えた実績が評価され、官房副長官に抜擢されました。
大蔵省のエリート官僚→高知県知事→国会議員→官房副長官という、異例のキャリアを歩んできた尾﨑氏。特に、地方行政のトップとして12年間の実績を持つことが、今回の抜擢の大きなポイントとなったようです。
📊 高知県知事時代の実績がすごい！数字で見る成果
尾﨑氏の最大の強みは、高知県知事として残した具体的な実績です。尾﨑氏の公式サイトに掲載されているデータを見ると、その成果の大きさがよくわかります。
💡 人口減少県でも経済成長を実現
高知県は人口減少が続く県として知られています。普通に考えれば、人口が減れば経済も縮小するはず。
ところが尾﨑氏が知事だった時代、高知県の経済は逆に成長しました。
📈 県内総生産（県の経済規模）
2008年→2016年で名目+6.3%、実質+3.8%
人口減少下でも経済が拡大する構造に転換
一人当たり県民所得
2008年→2016年で+16.3%
全国平均（+8.4%）を大きく上回る伸び率
これは「人口が減っても一人ひとりの所得が増えれば、経済は成長できる」ということを証明した画期的な成果です。
💼 雇用環境の劇的改善
有効求人倍率（仕事を探している人1人に対して何件の求人があるかを示す指標）
2008年
0.46倍
2018年
1.27倍
約2.8倍の改善です。これは「仕事が見つからない県」から「仕事を選べる県」へと変わったことを意味します。
🌾 産業別の具体的成果
農業分野
- 農業産出額：1,026億円→1,201億円（17.1%増）
- 次世代型ハウス（最新技術を使った農業施設）を209棟整備
林業分野
- 原木生産量：41.8万㎥→64.6万㎥（54.5%増）
水産業分野
- 養殖業：139億円→225億円（61.9%増）
食品製造業
- 出荷額：910億円→1,089億円（19.8%増）
✈️ 観光の大成功
県外観光客数
- 2008年：305万人
- 2018年：441万人（44.6%増、過去最高）
- 6年連続で400万人台を達成
観光総消費額
- 2008年：777億円
- 2018年：1,104億円（42.1%増）
- 6年連続で1,100億円前後で推移
観光客が4割以上増え、観光で使われるお金も4割以上増えました。
🏠 移住者が8倍に
📍 移住者数の推移
2011年：120組／241人
↓
2018年：934組／1,325人
なんと約8倍です！
「高知に住みたい」と思う人が劇的に増えたことがわかります。
これらの数字を見ると、尾﨑氏が高知県知事として「人口減少県でも経済を成長させる」という困難な課題を見事にクリアしたことがわかります。この実績が評価され、今回の官房副長官抜擢につながったのでしょう。
🎯 官房副長官は「出世の登竜門」？過去に5人が首相に
官房副長官は、政治の世界で「出世の登竜門」と呼ばれています。実際、過去に官房副長官を務めた人の中から、5人が内閣総理大臣（首相）になっているんです。
👥 首相になった5人の官房副長官
Wikipediaの記事によれば、官房副長官から首相になったのは以下の5人です：
- 竹下登（元首相、1987-1989年在任）
- 海部俊樹（元首相、1989-1991年在任）
- 森喜朗（元首相、2000-2001年在任）
- 安倍晋三（元首相、2006-2007年・2012-2020年在任）
- 鳩山由紀夫（元首相、2009-2010年在任）
この中で最も有名なのは、やはり安倍晋三元首相でしょう。
🌟 安倍元首相も通った道
安倍元首相は、森喜朗内閣と小泉純一郎内閣で官房副長官を務めました。
特に印象的だったのは、2002年9月の小泉首相による北朝鮮訪問です。
時事通信の記事によれば、安倍氏は官房副長官として小泉首相に同行し、史上初の日朝首脳会談に同席。その後、一時帰国した拉致被害者を北朝鮮に帰さない政府方針を主導し、世論にその存在を印象付けました。
この官房副長官時代の実績が評価され、安倍氏は後に首相となり、憲政史上最長の通算8年8か月という在職記録を残しました。
❓ なぜ「登竜門」なのか
官房副長官が「出世の登竜門」と呼ばれる理由は、いくつかあります。
1. 若手有望株が起用されることが多い
政務担当の官房副長官には、首相側近の中堅・若手政治家が任命されることが多いです。「将来の首相候補」として期待されている人が選ばれるんですね。
2. 首相を間近で支える経験
官房副長官は首相や官房長官のすぐそばで働き、重要な政策決定の現場を経験します。この経験が、後に首相になった時に大きく役立ちます。
3. 省庁間調整のノウハウ
各省庁の意見を調整する役割を通じて、政府全体を動かすノウハウを身につけられます。
🔮 尾﨑氏の将来は？
尾﨑氏も将来、首相候補として名前が挙がる可能性があります。
58歳という年齢、高知県知事としての実績、そして今回の官房副長官就任。これらの経験を積み重ねれば、「安倍元首相のように」首相への道が開けるかもしれません。
もちろん、政治の世界は何が起こるかわかりません。でも、「出世の登竜門」と呼ばれるポストに就いたことは、尾﨑氏にとって大きなチャンスであることは間違いないでしょう。
⏰ 24時間365日働く官邸の激務とは
「24時間365日働く官邸、このことが全く変わらないんだなとつくづく思います」
これは、官房副長官に就任した尾﨑氏が、官邸スタッフを前にあいさつした時の言葉です。
18年前に内閣官房副長官秘書官として官邸で働いた経験を持つ尾﨑氏。その尾﨑氏が「変わらない」と語る官邸の激務とは、一体どういうものなのでしょうか。
🏛️ 官邸は常に動いている
首相官邸は、文字通り24時間365日、国を守り続けています。
国内外で突発的な事件や事故が起これば、深夜でも休日でも、すぐに対応しなければなりません。地震や台風などの自然災害、テロや国際紛争、経済危機など、いつ何が起こるかわかりません。
だからこそ、官邸は常に臨戦態勢を保っているのです。
💼 官房副長官の日常
官房副長官の仕事は、想像以上にハードです。
朝から深夜まで
通常の業務だけでも、朝から深夜まで続きます。各省庁との調整、官房長官への報告、記者会見の準備、国会対応など、やるべきことは山積みです。
突発事案への対応
国内外で何か起これば、すぐに対応しなければなりません。深夜に緊急の電話がかかってくることも珍しくありません。
休日も待機
休日も、いつ呼び出されるかわかりません。
⚠️ 過去の官房副長官エピソード
実は過去の官房副長官の中には、寝床にスーツを置いて、いつでも緊急事態に対応できるよう準備していた人もいたそうです。
💪 それでも「頑張る」という覚悟
こうした激務を知り尽くした上で、尾﨑氏は官房副長官に就任しました。
「内外厳しい折だからこそこの官邸のリーダーシップが大変重要なんだろうと思います」
「私はまだ2期生の若造でありまして、皆様方の足手まといにならないように頑張らないといけない」
この言葉からは、過酷な仕事であることを承知の上で、それでも国のために働くという強い覚悟が感じられます。
🌟 高市内閣を支える重要な役割
高市早苗首相は、日本初の女性首相として大きな期待を集めています。その高市首相を、24時間365日体制で支えるのが官房副長官の仕事です。
尾﨑氏は高知県知事として、人口減少という厳しい環境下で経済を成長させた実績を持っています。その経験と、18年前の官邸勤務の経験を活かし、高市内閣の「決断と前進」を支える重要な役割を果たすことが期待されています。
📝 まとめ：尾﨑正直氏の官房副長官就任が意味すること
尾﨑正直氏の官房副長官就任について、重要なポイントをまとめます：
- 異色の経歴：大蔵省（財務省）のエリート官僚→高知県知事3期12年→国会議員2期→官房副長官という、地方行政と中央政治の両方を経験した稀有なキャリア
- 実績が裏付ける実力：高知県知事時代に有効求人倍率を約2.8倍に改善、観光客を44.6%増加、移住者を8倍に増やすなど、人口減少県で経済成長を実現した手腕
- 官邸経験者の再登板：18年前（2006-2007年）に内閣官房副長官秘書官として官邸勤務の経験があり、「24時間365日働く官邸」の実態を知り尽くした上での就任
- 「出世の登竜門」への挑戦：過去に安倍晋三元首相をはじめ5人が首相になった官房副長官というポストで、将来的な首相候補としての可能性も
- 地方の視点を官邸に：地方行政のトップとして12年間の実績を持つことが評価され、高市内閣の「地方重視」の姿勢を象徴する人事
58歳という年齢で、激務を承知の上で官邸に戻る決断をした尾﨑氏。高市首相を支える「首相の右腕」として、どのようなリーダーシップを発揮するのか、今後の活躍が注目されています。
高市内閣の「決断と前進」を、地方行政の経験を活かしてどう支えていくのか。尾﨑氏の官房副長官としての働きが、日本の未来を左右することになるかもしれません。
❓ よくある質問（FAQ）
Q1. 尾﨑正直氏は何歳でどんな経歴の持ち主ですか？
58歳（1967年生まれ）で、東京大学卒業後に大蔵省に入省したエリート官僚です。その後、高知県知事を3期12年務め、2021年に国会議員となり、2025年10月に高市内閣で官房副長官に就任しました。
Q2. 官房副長官とは具体的にどんな仕事をするのですか？
内閣官房長官を補佐し、首相・官房長官とともに内政・外交全般を担当します。省庁間の調整、官房長官不在時の記者会見代理、副大臣会議の議長、首相の外交随行などが主な役割です。
Q3. 高知県知事時代にどんな実績を残したのですか？
有効求人倍率を0.46倍から1.27倍へ約2.8倍改善、観光客を44.6%増加、移住者を8倍に増やすなど、人口減少県でありながら経済成長を実現しました。一人当たり県民所得も全国平均を上回る16.3%増を達成しています。
Q4. 官房副長官から首相になった人はいますか？
過去に5人が首相になっています。竹下登、海部俊樹、森喜朗、安倍晋三、鳩山由紀夫の各元首相で、特に安倍元首相は憲政史上最長の在職記録を残しました。このため官房副長官は「出世の登竜門」と呼ばれています。
Q5. 官邸の仕事は本当に24時間365日なのですか？
はい。首相官邸は国内外の突発事案に常に対応する必要があるため、文字通り24時間365日体制で動いています。尾﨑氏も18年前の経験を振り返り「このことが全く変わらない」と語っています。
Q6. なぜ尾﨑氏が官房副長官に選ばれたのですか？
高知県知事として地方創生で実績を残したこと、18年前の官邸勤務経験、そして総裁選で高市首相を支えた実績が評価されました。特に地方行政の経験が、高市内閣の「地方重視」の姿勢と合致しています。
📚 参考文献
- 令和7年10月21日（火）午後 官房長官記者会見 | 首相官邸
- 尾﨑正直 - Wikipedia
- 内閣官房副長官 - Wikipedia
- 政権の黒子？出世の登竜門？ 官房副長官の役割とは | 時事ドットコム
- 主な成果 | 尾﨑正直 Official Site
- 衆議院議員 尾崎 正直 | 自由民主党
- 経産相に赤沢亮正氏、経済財政相に城内実氏 高市内閣顔ぶれ固まる - 日本経済新聞
- 尾﨑正直氏（衆院高知２区）高市新内閣の官房副長官に | 高知新聞
