🔴 最新情報(2025年10月18日)
2025年10月4日に那須塩原市で開催された全日本オリエンテーリング選手権大会で行方不明になっていた83歳男性について、10月18日に遺体が発見されました。
発見場所は日光市内の崖下で、最後の通過地点から約1.5km離れた場所でした。警察は身元確認を進めています。
約1,200人が参加した全国規模の大会で起きた遭難事故。とちぎテレビの報道によると、2週間にわたる捜索の末、ついに83歳男性の遺体が発見されました。
⚠️ 事故の重要ポイント
オリエンテーリングは山林の中を走る本格的な競技で、道迷いのリスクを伴います。今回の事故現場は100m近い落差のある崖があり、さらに那須塩原市は2025年6月以降に熊による人身被害が3件も発生している地域でした。
この記事では、遺体発見までの経緯、捜索の詳細、そしてオリエンテーリング競技の危険性と今後の安全対策について詳しく解説します。
📋 この記事でわかること

🔴【最新】10月18日、崖下で遺体発見―行方不明男性か
2週間にわたる捜索の末、ついに重要な発見がありました。とちぎテレビの報道によると、2025年10月18日午前10時頃、行方不明になっていた男性とみられる遺体が発見されました。
📍 遺体発見の詳細
発見したのは、オリエンテーリング協会の会員です。有志による捜索活動を続けていた際に、崖の下で遺体を発見し、110番通報しました。
発見場所
日光市内の崖の下
(男性の通過が最後に確認された6番ポイントから約1.5km離れた場所)
遺体の状態
・80代くらいの男性
・登山服を着用
・目立った外傷はなし
地図との関係
10月8日に発見された男性の地図は、遺体発見場所から北に約100mの地点で見つかっていた
🔍 身元確認を進める警察
警察は、この遺体が行方不明になっている埼玉県在住の83歳男性である可能性が高いとみて、身元の確認を急いでいます。遺体が発見されてから2週間が経過しているため、DNA鑑定などによる慎重な確認作業が必要となります。
状況証拠から、行方不明になった男性である可能性は極めて高いと考えられます。発見場所は男性が持っていた地図が見つかった場所から約100mの距離であり、整合性があります。
💡 次に気になるのは...
遺体発見までの2週間、どのような捜索が行われていたのでしょうか?
⏱️ 捜索の経過―警察・協会・有志へと引き継がれた2週間
10月4日の事故発生から遺体発見までの2週間、捜索は3つの段階を経て継続されました。
📅 第1段階:警察・消防による組織的捜索(10月5日~7日)
下野新聞の報道によると、那須塩原署は10月5日朝から56人態勢で捜索を開始しました。その後、70人態勢に増強して捜索を続けましたが、発見には至りませんでした。
警察・消防・栃木県消防防災航空隊が総動員され、男性が最後に通過した6番ポイント付近を中心に広範囲を捜索しました。しかし、10月7日の日没をもって、警察・消防による組織的な捜索は打ち切られました。
📅 第2段階:日本オリエンテーリング協会による捜索(10月8日~11日)
日本オリエンテーリング協会の発表によると、警察の捜索打ち切り後、協会関係者約30人体制で捜索を継続しました。
この段階で重要な発見がありました。10月8日、男性が最後に通過した6番ポイントから川を挟んで約1.5km離れた山林で、男性が持っていたとみられる大会の地図が発見されたのです。
しかし、本人は発見できず、協会は10月11日に捜索を打ち切ることを決定しました。
📅 第3段階:有志による捜索継続(10月12日~18日)
協会の公式な捜索が打ち切られた後も、協会会員の有志が自主的に捜索を続けていました。そして10月18日、ついに崖の下で遺体を発見したのです。
この粘り強い捜索活動により、事故から2週間後にようやく男性が発見されることとなりました。捜索に携わったすべての関係者の尽力に敬意を表します。
➡️ では、遺体はどのような場所で発見されたのか
次は、発見場所の地形と滑落の可能性について見ていきましょう。
🏔️ 滑落の可能性―発見場所は100m落差の危険地帯
遺体が発見された場所は、想像以上に危険な地形でした。
🗻 地形の特徴
とちぎテレビの取材によると、地図が発見された場所の近くには川が流れており、その両岸は100メートル近い落差がある崖になっているということです。
日本オリエンテーリング協会の村越真副会長は「川自体は渡れないことはないが水量がそこそこあり、コース内の川とは明らかに違う」とコメントしています。つまり、男性はコースから大きく外れた場所に入り込んでいたことになります。
📊 発見場所の位置関係
位置関係の整理
A地点:6番チェックポイント(最後の通過確認地点)
↓ 約1.5km
B地点:地図発見場所(10月8日発見)
↓ 北へ約100m
C地点:遺体発見場所(10月18日発見・崖の下)
🤔 何が起きたのか―推測される事故の経緯
遺体に目立った外傷がなかったことから、滑落による即死ではなく、以下のような経緯が考えられます:
- 道迷い:6番ポイント通過後、正しいルートを見失う
- コース逸脱:危険な地形の川沿いエリアに進入
- 地図を落とす:移動中に地図を紛失(または意図的に置いた)
- 滑落:崖から転落し、動けなくなる
- 低体温症:助けを呼べないまま、山中で衰弱
登山服を着用したまま発見されたことから、急激な外的要因ではなく、道に迷った末の滑落と低体温症が原因だった可能性が高いと考えられます。
🔍 ここまでで分かったこと
男性は100m近い落差のある崖から滑落し、崖下で発見されました。では、そもそもこの事故はどのように発生したのでしょうか?
📍 事故発生の経緯―全日本選手権で83歳男性が行方不明に
日テレNEWSの報道によると、2025年10月4日、栃木県那須塩原市湯本塩原の山林で開催された全日本オリエンテーリング選手権大会で、参加者の83歳男性が行方不明になりました。
🔍 事件の概要
大会を主催した日本オリエンテーリング協会によると、4日の大会には全国から約1,200人が参加していました。行方不明になったのは、埼玉県から1人で参加していた83歳の男性です。
会場は那須塩原市にあるハンターマウンテン塩原というスキー場周辺の山林で、コースの長さは約1.5km。途中に9個のチェックポイントが設定されていました。30分から1時間ほどでゴールできる想定のコースでした。
💾 6ポイント目で記録が途絶える
オリエンテーリングでは、チェックポイントの通過をICチップで記録するシステムが使われています。このシステムにより、行方不明になった男性は6ポイント目までは通過していたことが確認されていますが、それ以降の記録が残っていません。
つまり、6ポイント目と7ポイント目の間で道に迷い、コースを外れてしまったと考えられます。
👤 ベテラン競技者だった
報道によると、男性は大会に何度も参加しているベテラン競技者でした。経験豊富な参加者であっても、山林での競技には常にリスクが伴うことを示す事例となりました。
🚨 発見の遅れ
午前10時半頃にスタートした男性は、午後1時頃にはゴールできる想定でした。しかし、午後になって男性がゴールしていないことに気付き、警察と消防に通報されたのは午後4時頃でした。
💡 次に気になるのは...
そもそもオリエンテーリングって、どんな競技なのでしょうか?
🏃 オリエンテーリングとは?実は「走る競技」で道迷いリスクも
「オリエンテーリング」と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。多くの人は「地図を見ながらゆっくり歩く」というレジャー的なイメージを持つかもしれません。
しかし実際のオリエンテーリングは、山林の中を走り抜ける競技スポーツです。
📖 オリエンテーリングの基本ルール
日本オリエンテーリング協会の説明によると、オリエンテーリングは地図とコンパスを使って、山林の中に設置されたチェックポイントを順番に通過し、ゴールまでの所要時間を競う競技です。
重要なのは、チェックポイント間のルートは自由という点。登山のように決められた道を歩くのではなく、地図を読み解きながら自分でルートを決めて進みます。
そのため、より早くゴールするには、道なき道を突っ切ることもあります。これが道迷いのリスクにつながるのです。
⚔️ 北欧の軍事訓練が起源
オリエンテーリングの歴史は古く、Wikipediaによると、19世紀後半にスカンジナビア(北欧)で行われていた軍事教練が起源とされています。
最初の大会は1897年にノルウェーで開催されました。もともと軍隊の訓練として始まった競技だからこそ、地図を読み解く技術や体力が求められる本格的なスポーツなのです。
👤 競技者は1人ずつスタート
競技の公正を守るため、各選手のスタートは1分以上の間隔をあけて行われます。つまり、基本的に1人で山林の中を進むことになります。
スタートと同時にコースの地図が渡され、この地図とコンパスを頼りにルートを決定します。他の選手に誤った情報を与えることも禁止されているため、まさに自分の判断力だけが頼りです。
🤔 疑問が湧いてきますね
83歳の高齢者が、なぜこんな本格的な競技に参加していたのでしょうか?
👴 なぜ80代が参加?オリエンテーリングは生涯スポーツ
「83歳の高齢者が、なぜ山林を走る競技に参加していたの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
実は、オリエンテーリングは年齢に関係なく楽しめる生涯スポーツとして知られています。
🎯 年齢や体力に応じたコース設定
オリエンテーリングの大会では、性別、年齢、経験度に応じて、距離や難易度の異なるコースが用意されます。初心者から経験豊富な方、小学生からお年寄りまで、すべての人が自分の能力に合わせて挑戦できる設計になっています。
今回の大会で行われたのは「ミドル競技部門」で、コースの長さは約1.5km。全日本選手権という名前から想像するよりも、実は距離が短いコースも存在するのです。
📊 高齢者のスポーツ参加は珍しくない
シニア世代(60~79歳)の67.4%が日頃からスポーツや運動を行っているというデータがあります。
厚生労働省が主催する「ねんりんピック」(全国健康福祉祭)では、60歳以上の人を中心に、マラソンや水泳などの競技が行われており、80代、90代の競技選手も実際に活躍しています。
健康維持のためにスポーツを続けている高齢者は決して珍しくなく、オリエンテーリングもその選択肢の一つなのです。
⏱️ 個人のペースで楽しめる
オリエンテーリングは、タイムを競う競技ではありますが、自分のペースで進むことができます。歩いても走っても、どちらでも構いません。
この「自分の体力に合わせて調整できる」という点が、生涯スポーツとして支持される理由の一つです。
➡️ では、具体的に何が起きたのか
次は、行方不明になった原因について詳しく見ていきましょう。
❓ 行方不明になった原因は?6ポイント目で記録途絶える
では、なぜ男性は行方不明になったのでしょうか。遺体発見により、いくつかの事実が明らかになりました。
💻 ICチップで通過記録が残る仕組み
オリエンテーリングでは、各チェックポイントに「ユニット」と呼ばれる読み取り用の機械が設置されています。競技者は自分の持つ「Eカード」(ICチップ)をこのユニットに読み取らせることで、チェックポイントを通過したことが記録されます。
このシステムにより、行方不明になった男性が6ポイント目までは確実に通過していたことが分かっています。しかし、それ以降の記録がありません。
🧭 判明した原因
道迷いからの滑落
遺体と地図の発見場所から、以下のことが分かりました。男性は6ポイント目を通過した後、正しいルートを見失い、コースから約1.5km離れた危険な地形に迷い込みました。
地図が発見された場所の近くには100m近い落差のある崖があり、男性はこの崖から滑落したものと考えられます。
コース設計の問題点
大会参加者の証言によると、「男性が参加したコースは、ほかのコースから孤立した場所にあり、参加人数が非常に少ないうえに迷っても道に出られる安全なルートがなく、過酷な状況であったことが想定される」とのことです。
つまり、一度道に迷うと脱出が困難な、リスクの高いコース設定だった可能性があります。
📵 通信手段の制限
オリエンテーリングでは、競技中にGPSや通信機器を利用することが禁止されています。これは競技の公正性を保つためですが、万が一のトラブル時に連絡が取れないというリスクにもつながります。
⚠️ さらに心配なのは...
実は、この地域には別の危険要因もありました。
🐻 那須塩原は熊の多発地域―2025年6月以降3件の人身被害
行方不明の原因として当初懸念されたのが熊の存在でした。
実は、今回の大会が開催された那須塩原市は、2025年に入ってから熊による人身被害が相次いでいる地域なのです。
📅 2025年6月以降の人身被害
栃木県の公式発表によると、那須塩原市では2025年6月以降、熊による人身被害が3件発生しています。
1件目:6月30日
場所:那須塩原市埼玉地内
被害者:70代男性
状況:自宅敷地内で熊に襲われ、後頭部を負傷
2件目:7月6日午前6時30分頃
場所:那須塩原市上塩原
被害者:80代男性
状況:自宅庭先で作業中に背後から尻をかまれ軽傷
3件目:7月6日午前10時40分頃
場所:那須塩原市中塩原
被害者:70代男性
状況:山林内で親子とみられる熊2頭に遭遇し、頭や腕、脚を計30針以上縫う重傷
注目すべきは、被害者がすべて70代・80代の高齢者だという点です。また、市街地の住宅敷地内でも襲撃が起きています。
🏘️ 市街地にも出没する熊
下野新聞の報道によると、6月30日の負傷事故の現場から約2kmしか離れていない黒磯北中学校の校庭で、熊のふんや足跡のようなものが発見されています。
那須塩原市の熊は、山林だけでなく市街地にも出没しており、観光地である塩原温泉街でも目撃情報が相次いでいます。温泉街への観光客が減少し、地域経済にも影響が出ているほどです。
🐻 今回の事故と熊の関連
しかし、日本オリエンテーリング協会の村越真副会長は「半年以上準備してクマの発見はない。当日も1,000名超える競技者が走っていたがクマの目撃情報はない」とコメントしています。
捜索中にも熊の痕跡は確認されておらず、今回の事故に熊が関与した可能性は低いと考えられます。
🔍 ここまでで分かったこと
熊の関与は考えにくく、道迷いと滑落が原因と推測されます。では、この競技には他にどんなリスクがあるのでしょうか?
⚠️ オリエンテーリングの危険性―道迷い遭難が最多の理由
オリエンテーリングは生涯スポーツとして楽しめる一方で、山林で行う競技である以上、リスクも伴います。
📈 山岳遭難の41.5%は道迷い
警察庁の「令和3年における山岳遭難の概況」によると、遭難の原因として最も多いのが道迷いで、全体の41.5%を占めています。
オリエンテーリングは、決められた登山道ではなく、地図を頼りに道なき道を進む競技です。そのため、地図の読み間違いやルート選択のミスで道に迷うリスクが、一般的な登山よりも高いと考えられます。
🚶 1人で行動するリスク
オリエンテーリングは基本的に個人競技で、競技中は1人で山林の中を進みます。グループで登山する場合と比べて、トラブル時に助けを呼びにくいという問題があります。
また、スタートが1分以上の間隔をあけて行われるため、近くに他の競技者がいない状況も多く、異変に気付いてもらいにくい面があります。
📏 短距離でも油断できない
今回のコースは約1.5kmと、距離としては短めです。しかし、「短いから安全」とは限りません。
道迷いは距離に関係なく起こりえますし、転倒や体調不良などのトラブルは、むしろ油断している時に起きやすいものです。
🛡️ 安全対策の重要性
オリエンテーリングに参加する際は、以下のような安全対策が重要です:
- 地図読みの技術を十分に習得する
- 体力に合ったコースを選ぶ
- 非常時の装備(笛、ライト、非常食など)を携帯する
- 天候や体調を考慮して無理をしない
- 熊鈴など、野生動物対策を行う
特に、熊の出没が多い地域で大会が開催される場合は、より慎重な対応が求められます。
💡 今回の事故を受けて...
オリエンテーリング界では、どのような対応が取られているのでしょうか?
🔧 オリエンテーリング界に衝撃―安全対策の見直しへ
今回の遭難事故を受けて、日本オリエンテーリング協会は迅速に対応を開始しました。
📢 緊急説明会の開催
日本オリエンテーリング協会の公式サイトによると、2025年10月8日に「【オンライン】【緊急】オリエンテーリング大会の安全対策のための説明会」が開催されました。
また、同日「参加者の安全確保のために」という声明も発表され、安全対策の見直しが急務であることが示されました。
📱 GPS機器導入の検討
大会参加者からの提言として、「一部の参加者だけでなく全ての参加者に位置情報がわかるGPSベストが必要ではないか」という意見が出ています。
現在、競技の公正性を保つため、GPS機器の使用は禁止されていますが、安全確保のための位置情報システムの導入が検討される可能性があります。
🗺️ コース設計の見直し
今回の事故では、「他のコースから孤立」「安全なルートがない」というコース設計上の問題点が指摘されました。
今後は、以下のような点が検討される可能性があります:
- エスケープルートの確保:道に迷った際に安全に脱出できるルートの設定
- 危険地帯の回避:崖や急斜面など、滑落の危険がある場所をコースから除外
- 参加者数の考慮:孤立したコースには十分な参加者数を確保
- 年齢別の制限:高齢者向けにより安全なコース設定
⏰ チェックイン時間の設定
今回、男性がゴールしていないことに気付いたのは、スタートから数時間後でした。より早期に異変を察知するため、以下のような対策が考えられます:
- 想定タイムの設定:コースごとに標準的なゴール時間を設定
- 自動アラートシステム:想定時間を大幅に超過した場合に警告
- 中間チェックポイント:重要な地点での確認強化
🔮 今後の展開
今回の遭難事故は、オリエンテーリング競技の安全対策を根本から見直す契機となる可能性があります。競技の魅力を保ちながら、いかに参加者の安全を確保するか。オリエンテーリング界全体で取り組むべき課題です。
📝 まとめ:遺体発見で明らかになった事故の全貌
2025年10月4日に那須塩原市で発生したオリエンテーリング大会での遭難事故について、10月18日の遺体発見により、事故の全貌が明らかになりつつあります。
✅ この記事の要点
- 10月18日、日光市内の崖下で遺体発見。行方不明だった83歳男性の可能性が高い
- 遺体発見場所は6番ポイントから1.5km離れた場所で、100m近い落差のある崖の下
- 10月8日に発見された地図から北に約100mの地点で遺体が見つかった
- 捜索は警察(10月7日まで)→協会(10月11日まで)→有志(10月18日発見)と引き継がれた
- オリエンテーリングは山林を走る本格的な競技スポーツで、道迷いのリスクが高い
- 山岳遭難の41.5%は道迷いが原因。1人で行動する競技特性がリスクを高める
- 那須塩原市は2025年6月以降、熊による人身被害が3件発生しているが、今回の事故との関連は薄い
- 協会は緊急説明会を開催し、GPS機器導入などの安全対策を検討中
🔗 事故の要因
今回の遭難事故は、以下のような複数の要因が重なって発生したと考えられます:
- 競技の特性:道なき道を1人で進む
- コース設計:孤立した場所、安全なエスケープルートがない
- 地形の危険性:100m近い落差のある崖
- 通信制限:GPS・通信機器の使用禁止
- 年齢要因:83歳という高齢
どれか一つだけでなく、これらが組み合わさることで、リスクが高まったと考えられます。
🙏 ご冥福をお祈りいたします
2週間にわたる捜索の末、ようやく男性が発見されました。しかし、それは遺体という形での発見となってしまいました。
警察による身元確認が完了し次第、ご遺族のもとに帰られることになります。亡くなられた男性のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
🔧 再発防止に向けて
今回の事故を教訓に、オリエンテーリング界全体で安全対策の見直しが進められています。
- GPS機器による位置情報管理
- コース設計基準の見直し
- エスケープルートの確保
- 早期発見システムの構築
競技の魅力を保ちながら、いかに参加者の安全を確保するか。これは今後のオリエンテーリング界が直面する重要な課題です。
💬 あなたの意見を聞かせてください
山林で行うスポーツに参加する際、どのような安全対策が必要だと思いますか?
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 那須塩原のオリエンテーリング大会で何が起きたの?
2025年10月4日、全日本オリエンテーリング選手権大会に参加していた83歳男性が行方不明になりました。2週間にわたる捜索の末、10月18日に日光市内の崖下で遺体が発見されました。男性は6ポイント目までの通過は確認されていますが、その後道に迷い、100m近い落差のある崖から滑落したと推測されています。
Q2. 遺体はどこで発見されたの?
日光市内の崖の下で発見されました。最後に通過が確認された6番ポイントから約1.5km離れた場所で、10月8日に男性の地図が発見された地点から北に約100mの場所です。発見場所の近くには100m近い落差のある崖があり、滑落したものと考えられています。
Q3. 捜索はどのように行われたの?
捜索は3段階で行われました。第1段階(10月5~7日)は警察・消防が最大70人態勢で捜索。第2段階(10月8~11日)は日本オリエンテーリング協会が約30人体制で継続し、この時に地図を発見。第3段階(10月12~18日)は協会会員の有志が自主的に捜索を続け、10月18日に遺体を発見しました。
Q4. オリエンテーリングとはどんな競技?
オリエンテーリングは地図とコンパスを使って山林の中に設置されたチェックポイントを順番に通過し、タイムを競う競技スポーツです。チェックポイント間のルートは自由で、道なき道を走って進むこともあります。19世紀後半の北欧の軍事訓練が起源です。
Q5. なぜ83歳の高齢者が参加していたの?
オリエンテーリングは年齢や体力に応じてコースが設定される生涯スポーツです。大会では性別、年齢、経験度に応じた距離や難易度の異なるコースが用意されており、自分のペースで楽しめます。シニア世代の67.4%がスポーツを行っており、80代・90代の競技選手も活躍しています。男性は大会に何度も参加しているベテラン競技者でした。
Q6. 那須塩原は熊が出る地域なの?
はい、那須塩原市は2025年6月以降、熊による人身被害が3件発生している地域です。70代・80代の高齢者が市街地の住宅敷地内や山林で襲われる事件が起きており、観光地である塩原温泉街でも目撃情報が相次いでいます。ただし、今回の事故では熊の目撃情報や痕跡は確認されておらず、関与の可能性は低いと考えられています。
Q7. オリエンテーリングの危険性は?
山岳遭難の41.5%は道迷いが原因です。オリエンテーリングは道なき道を1人で進むため、地図の読み間違いやルート選択のミスで道に迷うリスクが高くなります。また、競技中はGPSや通信機器の使用が禁止されているため、トラブル時に連絡が取れないリスクもあります。今回の事故では、孤立したコース設計で安全なエスケープルートがなかったことも問題視されています。
Q8. 事故の原因は何?
6番ポイント通過後に道に迷い、コースから約1.5km離れた危険な地形に進入したことが原因と推測されています。その場所には100m近い落差のある崖があり、男性はこの崖から滑落したものと考えられます。遺体に目立った外傷がなかったことから、滑落後に低体温症などで亡くなった可能性があります。
Q9. 今後の安全対策は?
日本オリエンテーリング協会は10月8日に緊急説明会を開催し、安全対策の見直しを開始しました。GPS機器による位置情報管理、コース設計基準の見直し、エスケープルートの確保、早期発見システムの構築などが検討されています。大会参加者からは「全ての参加者にGPSベストが必要」との意見も出ています。