2025年10月10日の夜、北朝鮮の首都・平壌で大規模な軍事パレードが開催されました。
この日は朝鮮労働党が作られてから80年という節目。中国やロシアの要人が見守る中、金正恩総書記の前に登場したのが、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星20」でした。
🚨 北朝鮮の国営メディアは、これを「最強の核戦略武器」と呼んでいます。
でも、「最強」って本当なのでしょうか?そもそも火星20って何?日本にどんな影響があるの?
この記事では、火星20の正体から日本への脅威まで、誰でも分かるように解説します。
📋 この記事でわかること

🚀 北朝鮮の新型ICBM「火星20」とは?10月10日に初公開された「最強の核戦略武器」
💡 火星20って何?
火星20は、北朝鮮が開発した新型の「大陸間弾道ミサイル」です。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)とは、アメリカ本土まで届く超長距離ミサイルのこと。「大陸間」という名前の通り、太平洋を越えてアメリカ本土を攻撃できる能力を持つミサイルです。
2025年10月10日の軍事パレードで初めて公開されたこの火星20を、CNNの報道によると、北朝鮮は「最強の核戦略武器」と呼んでいます。
📅 いつ公開されたの?
公開されたのは、朝鮮労働党創建80周年を記念する軍事パレードでした。
この日、平壌の金日成広場には中国の李強首相やロシアの政権幹部が訪れていました。多くの外国要人が見守る中での公開は、北朝鮮にとって「核保有国としての地位」を国際的にアピールする絶好の機会だったのです。
⚙️ 火星20の特徴は?
火星20の最大の特徴は、固体燃料を使っている点です。
💡 実は、固体燃料ミサイルは「巨大なロケット花火」と同じ仕組み。ロケット花火を想像してみてください。導火線に火をつけたら、あとは勝手に飛んでいきますよね。
固体燃料ミサイルも同じで、一度点火したら止められません。最後まで燃え尽きるまで飛び続けます。
Yahoo!ニュースの報道によると、火星20には最新の技術が使われています。
エンジンの推力は1971kN(キロニュートン)。これは、大型バス約40台分を持ち上げる力です。
🔬 炭素繊維って何がすごいの?
もう一つの特徴が、炭素繊維複合材の使用です。
「炭素繊維?何それ?」と思うかもしれませんが、実は身近な製品に使われている素材なんです。釣り竿やゴルフクラブ、高級な自転車のフレームなどに使われています。
🎣 実は、炭素繊維は釣り竿やゴルフクラブにも使われる身近な素材。これを軍事転用することで、ミサイルの軽量化と高強度化を実現しています。
この炭素繊維の何がすごいかというと、軽くて強いこと。鉄よりも軽いのに、強度は鉄の10倍以上。さらに熱にも強いんです。
2024年9月に北朝鮮はこの炭素繊維を使った新型エンジンの地上試験を実施。そこからわずか1ヶ月で、実物を軍事パレードに登場させたスピード感には驚かされます。
❓ まだ飛ばしてないってホント?
実は、火星20はまだ一度も発射試験をしていません。
軍事パレードで見られたのは、キャニスター(発射筒)に入った状態の火星20。つまり、「こんなミサイルを作ったよ」と見せただけで、実際に飛ぶかどうかはまだ確認されていないんです。
でも、だからといって侮れません。北朝鮮はこれまで何度もミサイル実験を繰り返してきた実績があります。火星20も近いうちに発射試験が行われる可能性が高いと専門家は見ています。
📌 つまり火星20とは
固体燃料と炭素繊維を使った最新技術のICBMで、まだ飛行試験はしていないものの、北朝鮮が「最強」と誇示する新型兵器ということです。
では、この火星20は実際にどれくらいの脅威なのでしょうか?次のセクションで、射程と威力について詳しく見ていきます。
🌏 火星20の射程と威力—米本土攻撃可能、日本はどうなる?
📏 ICBMってどれくらい飛ぶの?
まず、ICBMの定義から説明します。
防衛省の公式説明によると、ICBMとは「射程5500km以上の弾道ミサイル」のこと。
5500kmって言われてもピンとこないですよね。分かりやすく言うと、日本からインドまでの距離です。これだけ飛べば、東アジアからアメリカ本土を狙えるわけです。
🎯 火星20はどこまで届く?
火星20の正確な射程はまだ分かりません。なぜなら、まだ一度も飛ばしていないから。
でも、北朝鮮が2017年に発射した「火星15」という前の世代のICBMは、時事通信の分析によると射程約1万3000kmでした。
🌐 1万3000kmは、地球を3分の1周する距離です。これなら、北朝鮮からアメリカ本土のどこでも攻撃できます。ワシントンもニューヨークも、完全に射程内です。
火星20は火星15よりも進化しているので、同等かそれ以上の射程があると考えられています。
🇯🇵 日本への影響は?
ここで意外な事実をお伝えします。
⚠️ 実は、日本はすでに北朝鮮のミサイルの射程内なんです。
日本経済新聞の解説によると、北朝鮮は「ノドン」という中距離ミサイルを何百発も保有しています。
このノドンの射程は約1300km。平壌から東京までの距離は約1300kmなので、日本全土がすでに射程圏内なんです。
じゃあ火星20は日本にとって関係ないのかというと、そうではありません。火星20と一緒に公開された「火星11マ」という極超音速ミサイルが、日本にとっての直接的な脅威なのです。
⚡ 極超音速ミサイルって何?
極超音速ミサイルは、音速の5倍以上のスピードで飛びながら、グネグネと軌道を変えられるミサイルです。
普通のミサイルは放物線を描いて飛ぶので、「だいたいこの辺に落ちる」と予測できます。でも極超音速ミサイルは飛びながら進路を変えるので、どこに落ちるか予測しにくい。つまり、迎撃が極めて難しいんです。
CNNの報道によると、火星11マはロシアの「イスカンデル」ミサイルをベースにした短距離弾道ミサイル。変則軌道で飛行するため、防御側は発見しにくく、防衛ミサイルでの迎撃も困難になります。
🎯 ICBMの本当の目的
ICBMは、実は「使うため」ではなく「見せるため」の兵器です。
アメリカ本土を攻撃できるミサイルを持つことで、「攻撃したら報復するぞ」という抑止力になります。これを専門用語で「戦略的抑止力」と言います。
つまり火星20の主な目的は、アメリカに「北朝鮮を攻撃したらアメリカ本土も危ないぞ」と思わせること。日本を直接狙うなら、もっと別のミサイル(ノドンや火星11マなど)があるわけです。
📌 まとめると
火星20はアメリカ本土まで届く射程を持つと見られ、日本はすでに別の中距離ミサイルの射程内。ICBMは「使う」より「見せる」ことで抑止力を発揮する兵器です。
それでは、火星20は従来のミサイルと何が違うのでしょうか?次のセクションで、火星19との違いを詳しく見ていきます。
🔄 火星20は火星19と何が違う?固体燃料と炭素繊維で「最強」に
📋 火星19って何だったの?
火星20の話をする前に、「火星19」について説明しますね。
火星19は、2024年10月31日に北朝鮮が初めて発射したICBMです。Yahoo!ニュースの専門家解説によると、北朝鮮はこの火星19を「最終完結版のICBM」と呼んでいました。
「最終完結版」なのに、なぜ1年も経たないうちに火星20が出てきたのか。不思議ですよね。
実は、火星19も火星20も、どちらも固体燃料を使っています。火星20は火星19の「進化版」なんです。
⚙️ 固体燃料と液体燃料、何が違う?
ここで、固体燃料と液体燃料の違いを説明します。この違いが、ミサイルの脅威を理解する上でめちゃくちゃ重要なんです。
液体燃料ミサイルは、燃料を別のタンクに保管しておいて、発射の直前にミサイルに注入します。Wikipediaの解説によると、昔のソ連のICBMは液体燃料の注入に数時間かかりました。
つまり、「今からミサイル撃つぞ!」と準備し始めたら、衛星で発見されやすいんです。
一方、固体燃料ミサイルは、最初から燃料が詰まっています。ロケット花火と同じで、導火線に火をつけたら(正確には点火装置で点火したら)、すぐ飛んでいきます。
⏱️ 液体燃料が「準備に数時間」なのに対し、固体燃料は準備時間30分以下。これが固体燃料の最大の利点です。
⚠️ なぜ固体燃料が危険なのか?
答えは簡単。奇襲攻撃ができるからです。
液体燃料ミサイルなら、準備している間に衛星で発見されて、「ミサイル発射の兆候あり」と警告できます。でも固体燃料ミサイルは準備時間が短いので、発見してから対応する時間が限られるんです。
JAXAの説明によると、固体燃料ロケットは「構造が簡単で取り扱いが容易」な反面、「一度点火したら推力の調整ができない」という特徴があります。
つまり、発射したら最後まで飛び続けるしかない。でもその分、即座に発射できるメリットがあるわけです。
🔬 炭素繊維がもたらした進化
火星20のもう一つの進化ポイントが、炭素繊維複合材の使用です。
Yahoo!ニュースの報道によると、2024年9月に北朝鮮は「炭素繊維複合材を使用した大出力エンジンの地上試験」を実施しました。
炭素繊維を使うと何がいいかというと:
- 軽量化:同じ強度なら、鉄よりずっと軽い
- 高強度:軽いのに、強度は鉄の10倍以上
- 耐熱性:ミサイルの飛行時には高温になるが、炭素繊維は熱に強い
軽くなれば、同じ燃料でもっと遠くまで飛べます。強くなれば、もっと大きなエンジンを載せられます。これが「最強」と呼ばれる理由なんです。
📊 火星19との具体的な違い
Yahoo!ニュースの専門家解説によると、火星19の主な特徴は:
- 飛行時間:86分(北朝鮮のICBMで過去最長)
- 最高高度:7687.5km
- 水平飛行距離:1001.2km
火星20は、この火星19をベースに、さらに炭素繊維エンジンで性能を向上させたバージョンというわけです。
❓ なぜ「最終完結版」の後に新型が?
「最終完結版」だった火星19の後に火星20が出てきたのは矛盾しているように見えますが、実は説明がつきます。
火星19は「固体燃料ICBM」としては完成形だったのでしょう。でも北朝鮮は、さらに性能を上げるために炭素繊維エンジンを開発し続けていたんです。
軍事技術に「最終完結版」はありません。常により良いものを追求し続けるのが、軍事開発の現実なのです。
📌 まとめると
火星20は火星19の進化版で、固体燃料による即時発射能力に加え、炭素繊維エンジンによる性能向上が特徴。「最終完結版」と言いながらも、北朝鮮の技術開発は止まっていません。
それでは、なぜ北朝鮮は今このタイミングで火星20を公開したのでしょうか?次のセクションで、その背景を探ります。
🌐 なぜ今火星20を公開?ロシア派遣の見返りと中露との結束
📅 タイミングの意味
2025年10月10日という日付には、特別な意味があります。
この日は、朝鮮労働党が創建されてから80年という節目。北朝鮮にとって、10年ごとの節目の年は特別な年なんです。
でも、ただの記念日だからというだけではありません。この軍事パレードには、中国とロシアの要人が参加していました。
中国からは李強首相(中国の序列2位)、ロシアからはメドベージェフ前大統領(統一ロシア党首、序列2位)が訪朝。時事通信の報道によると、これだけ多くの外国要人が集まる軍事パレードは珍しいことです。
🇨🇳 北京での「予行演習」
実は、この軍事パレードには伏線がありました。
2025年9月3日、中国・北京で「抗日戦争勝利80周年」を記念する大規模な軍事パレードが開催されました。Bloombergの報道によると、この式典には習近平国家主席、プーチン大統領、そして金正恩総書記の3人が揃って出席しました。
🤝 中国・ロシア・北朝鮮の3首脳が公の場で揃うのは初めてのこと。この時の会談で、10月の北朝鮮での軍事パレードへの参加が約束されたと見られています。
🪖 ロシアへの派遣兵士
ここで、もう一つ重要な背景があります。北朝鮮はロシアに兵士を派遣しているんです。
外務省の公式発表によると、北朝鮮は約1万2000人の兵士をロシアに派遣しています。目的は、ウクライナ侵攻を続けるロシアの支援です。
派遣されたのは、北朝鮮最精鋭の「暴風軍団」と呼ばれる特殊部隊。Wikipediaの解説によると、派遣された兵士の多くは20代前半で、北朝鮮の兵役期間は10年とロシアより長いため、基礎訓練は充実しています。
👨✈️ 実は、派遣された兵士は20代前半という若さ。「なぜそんな若い兵士を?」と思うかもしれませんが、北朝鮮の兵役は10年と長く、基礎訓練はしっかりしているんです。
でも、実戦経験はほとんどありません。結果として、約4000人以上が死傷したと報告されています。
🔄 「技術と兵士の交換」
なぜ北朝鮮は兵士をロシアに送ったのか。答えは「見返り」です。
Yahoo!ニュースの報道によると、北朝鮮はロシアから以下の技術を獲得したと分析されています:
- ドローン技術
- ミサイル誘導能力の向上技術
- 先進的な軍事技術
つまり、北朝鮮は「兵士」を提供する代わりに、「最新の軍事技術」を手に入れたわけです。火星20に使われている炭素繊維エンジン技術も、ロシアの支援を受けた可能性があると専門家は見ています。
🎯 核保有国の地位を既成事実化
もう一つの目的が、「核保有国としての地位の既成事実化」です。
北朝鮮は国連安全保障理事会の決議で、核・ミサイル開発を禁止されています。でも、中国やロシアの要人を招いて堂々と新型ICBMを公開することで、「もう核保有国として認めてもらっている」という既成事実を作ろうとしているんです。
中国もロシアも、表向きは北朝鮮の核開発に反対の立場。でも、両国の高官が軍事パレードに参加したことは、事実上の黙認と受け取られても仕方ありません。
📋 国防力発展5カ年計画の最終年
時事通信の報道によると、2025年は北朝鮮の「国防力発展5カ年計画(2021-2025)」の最終年です。
この計画の目標は:
- 固体燃料ICBM開発
- 極超音速兵器開発
- 核兵器の小型化
- 軍事偵察衛星の打ち上げ
火星20の公開は、この5年間の成果を示す「総決算」という意味もあったわけです。
📌 つまり
火星20の公開は、労働党創建80周年という節目、中露との結束強化、ロシアへの派兵の見返り、そして核保有国としての地位既成事実化という、複数の目的が重なったタイミングでした。
それでは最後に、最も重要な疑問に答えます。日本は火星20を迎撃できるのでしょうか?
🛡️ 火星20は迎撃できる?固体燃料ICBMの脅威と日本の防衛
⚔️ 日本の現在のミサイル防衛
まず、日本のミサイル防衛システムを説明します。
防衛省の公式説明によると、日本は「多層防衛」という仕組みを採用しています。
具体的には:
- 上層防衛(イージス艦):宇宙空間でミサイルを迎撃
- 下層防衛(PAC-3):地上近くでミサイルを迎撃
2段構えで守るわけですね。理屈では「1回目で外しても、2回目で迎撃できる」システムです。
でも、実際には大きな問題があります。
🚫 ICBMを迎撃するのは極めて困難
ニューズウィークの解説によると、ICBMの迎撃は極めて困難です。
理由は速度。ICBMは音速の20倍以上のスピードで飛んできます。
⚡ 音速の20倍って、どれくらい速いかイメージできますか?
東京から大阪まで、たった5分で到着する速さです。新幹線なら2時間半かかる距離を、5分ですよ。
ニューズウィークはこう表現しています:「ICBMを迎撃するのは、拳銃の弾を拳銃の弾で撃ち落とすようなもの。しかもICBMは拳銃の弾の約8倍速い」
📊 迎撃成功率の現実
では、実際の迎撃成功率はどれくらいなのでしょうか。
ニューズウィークの報道によると:
- イージス艦:42回中35回成功(成功率約83%)
- GMD(米国の地上配備型):18回中10回成功(成功率約55%)
- THAAD:18回全て成功(成功率100%)
「イージス艦は83%なら結構高いじゃん」と思うかもしれません。でも、これは有利な条件での実験です。
実戦では:
- 発射のタイミングが分からない
- 発射場所が分からない
- 複数のミサイルが同時に飛んでくるかもしれない
- ダミー(おとり)が混ざっているかもしれない
こうした悪条件では、成功率はもっと下がると予想されています。
そして、ここで衝撃の事実を伝えます。
⚠️ 実は、ICBMを100%迎撃できる防衛システムは、世界に存在しません。
⚡ 固体燃料ICBMの脅威
火星20のような固体燃料ICBMは、さらに迎撃が難しくなります。
理由は:
- 発射準備時間が短い:液体燃料が数時間かかるのに対し、固体燃料は30分以下
- 探知が困難:準備時間が短いので、衛星で発見してから対応する時間が限られる
- 即時発射可能:いつでもどこでも発射できる
つまり、「ミサイル発射の兆候」を事前に掴むのが難しいんです。
🎯 極超音速ミサイルの問題
さらに厄介なのが、火星20と一緒に公開された極超音速ミサイル「火星11マ」です。
笹川平和財団の分析によると、極超音速ミサイルは:
- 変則軌道で飛行する
- どこに落ちるか予測しにくい
- 既存のミサイル防衛システムでは迎撃困難
普通のミサイルは放物線を描いて飛ぶので、「だいたいこの辺に落ちる」と計算できます。でも極超音速ミサイルは飛びながらグネグネ曲がるので、予測が極めて困難なんです。
🛡️ 日本の今後の対応
では、日本はどうすればいいのか。
防衛省は、以下の対策を進めています:
- 反撃能力の保有:敵基地攻撃能力(相手の発射拠点を叩く能力)
- ミサイル防衛の強化:より高性能なレーダーと迎撃ミサイルの配備
- 日米協力の深化:アメリカとの情報共有と共同対処
でも、現実を直視する必要があります。
完璧な防御は不可能。だからこそ、「攻撃させない」ための外交努力と抑止力の維持が重要なんです。
🤝 抑止力とは?
「抑止力」とは、簡単に言えば「攻撃したら大変なことになるぞ」と相手に思わせる力です。
北朝鮮がICBMを開発する理由も、実はこの抑止力。「アメリカが北朝鮮を攻撃したら、アメリカ本土も攻撃するぞ」という脅しですね。
日本も同じように、「日本を攻撃したら、日米同盟でアメリカも反撃してくるぞ」という抑止力で守られています。
ミサイル防衛は大事ですが、それだけでは不十分。外交、抑止力、同盟関係、すべてを組み合わせて初めて、国を守れるんです。
📌 まとめると
火星20のような固体燃料ICBMを100%迎撃することは不可能。日本は多層防衛システムを持っているものの、完璧な防御は存在しないため、外交努力と抑止力の維持が今後ますます重要になります。
📝 まとめ:火星20が示す新たな脅威と日本への影響
🎯 記事の要点
- 火星20の正体:固体燃料と炭素繊維を使った北朝鮮の新型ICBM。2025年10月10日の軍事パレードで初公開され、「最強の核戦略武器」と呼ばれている
- 射程と威力:米本土全域を射程に収める能力を持つと見られる。日本はすでに中距離ミサイルの射程内だが、極超音速ミサイル「火星11マ」が新たな直接的脅威
- 火星19との違い:固体燃料による即時発射能力に加え、炭素繊維エンジンによる性能向上が特徴。液体燃料が数時間の準備時間を要するのに対し、固体燃料は30分以下で発射可能
- 公開の背景:労働党創建80周年という節目、中露との結束強化、ロシアへの派兵の見返り、核保有国としての地位既成事実化という複数の目的が重なったタイミング
- 日本の防衛:イージス艦とPAC-3による多層防衛システムを持つが、ICBMを100%迎撃することは不可能。外交努力と抑止力の維持が今後ますます重要
🔮 今後の展望
火星20が実際に発射試験されるのか、その性能は北朝鮮の主張通りなのか—国際社会の注視が続いています。
北朝鮮の核・ミサイル開発は、もはや東アジアだけの問題ではありません。ロシアとの軍事協力、中国との戦略的連携という国際政治の文脈の中で、地域全体の安全保障環境に新たな脅威をもたらしています。
完璧な防御システムが存在しない以上、私たちにできることは、正確な情報を知り、冷静に状況を判断すること。そして、外交努力と抑止力の維持を支持していくことです。
💭 あなたはこの問題について、どう考えますか?
北朝鮮の核・ミサイル開発への対応、日本の防衛政策、国際協力のあり方—様々な角度から考えてみることが大切です。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 火星20とは何ですか?
A. 火星20は、北朝鮮が2025年10月10日に初公開した新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)です。固体燃料と炭素繊維複合材を使用し、推力1971kNの高性能エンジンを搭載。北朝鮮は「最強の核戦略武器」と呼んでいます。
Q2. 火星20の射程はどれくらいですか?日本に届きますか?
A. 火星20の正確な射程はまだ不明ですが、従来のICBM「火星15」の射程約1万3000kmと同等かそれ以上と見られています。これはアメリカ本土全域を射程に収める距離です。日本はすでに中距離ミサイル「ノドン」の射程内にあり、さらに極超音速ミサイル「火星11マ」も脅威となっています。
Q3. 火星20と火星19の違いは何ですか?
A. どちらも固体燃料式ICBMですが、火星20は炭素繊維複合材を使用した新型エンジンを搭載し、より高い性能を実現しています。固体燃料により準備時間30分以下での即時発射が可能で、炭素繊維の採用により軽量化と高強度化を両立。火星19の「最終完結版」をさらに進化させたバージョンです。
Q4. 日本は火星20を迎撃できますか?
A. 日本はイージス艦とPAC-3による多層防衛システムを持っていますが、ICBMを100%迎撃することは極めて困難です。ICBMは音速の20倍以上の速度で飛行し、固体燃料式は準備時間が短く探知も困難。完璧な防御システムは世界に存在せず、外交努力と抑止力の維持が重要になります。
Q5. なぜ今このタイミングで火星20を公開したのですか?
A. 複数の理由があります。まず朝鮮労働党創建80周年という節目、中国・ロシア要人が参列する中での核保有国としての地位既成事実化、ロシアへの兵士派遣(約1万2000人)の見返りとしての軍事技術獲得、そして国防力発展5カ年計画(2021-2025)の成果発表という意味合いがあります。
Q6. 固体燃料ミサイルはなぜ危険なのですか?
A. 固体燃料ミサイルは準備時間が30分以下と極めて短く、液体燃料ミサイルの数時間と比べて即時発射が可能です。これにより奇襲攻撃能力が高まり、衛星による事前探知と対応の時間が限られるため、迎撃がより困難になります。「巨大なロケット花火」のように一度点火したら止められないのも特徴です。