⚾ 2025年10月11日、楽天モバイルパークで衝撃のニュースが飛び込んできました。
楽天イーグルス一筋13年、通算120勝を挙げてきた則本昂大投手(34)が、海外FA権の行使を明言したのです。
「行使を考えている。最後のFAになるかなと思う。年齢的にも」
淡々と語る表情の裏には、13年間積み重ねてきた実績への自信と、残された時間への切迫感がありました。
34歳という年齢で選んだこの決断。その先に見据えるのは、NPB史上わずか6人しか達成していない超難関記録「100勝100セーブ」への挑戦です。
📋 この記事でわかること

⚾ 則本昂大が海外FA権行使を決断―34歳、楽天一筋13年の集大成
2025年10月11日、秋季練習初日。
この日、則本昂大投手は報道陣の前で、保有する海外FA権を行使する意思を明言しました。
海外FA権とは、日本プロ野球だけでなくメジャーリーグを含む世界中のどの球団とも自由に契約できる権利のこと。
9年間、一軍で145日以上登録されることで獲得できる、プロ野球選手にとって特別な権利です。
💬 則本のコメント
「悔いのない野球人生にしたい」
そう語った則本の表情には、迷いはありませんでした。
楽天残留も含め、日米42球団すべてと交渉していく方針を示したこの決断。
13年間一度もユニフォームを変えることなく、楽天のために投げ続けてきた右腕が選んだ道でした。
則本は滋賀県出身の34歳。
2013年にドラフト2位で楽天に入団してから、一度も他球団への移籍を経験していません。
今季は2019年から結んだ7年契約の最終年。
このタイミングでのFA権行使表明には、明確な理由がありました。
通算成績は373試合登板、120勝99敗48セーブ、防御率3.12。
先発投手として、そして抑え投手として、常に結果を残し続けてきた実績。この数字が、則本の「最後の挑戦」を後押ししています。
では、なぜ今このタイミングなのでしょうか?
次のセクションで、34歳という年齢での決断理由を見ていきましょう。
🤔 「最後のFAになる」34歳の決断はなぜ今なのか
「年齢的にも、最後のFAになるかなと思う」
則本のこの言葉には、野球選手としての現実的な判断がありました。
2025年12月で35歳を迎える則本にとって、次にFA権を取得できるのは39歳。
その年齢でのメジャー挑戦は、現実的とは言えません。
今季が2019年から結んだ7年契約の最終年だったことも、決断のタイミングに影響しています。
契約最終年だからこそ、次のキャリアについて真剣に考える時期だったのです。
💡 実は、則本のメジャーへの夢は13年前から温められていた
2014年、楽天のエースだった田中将大がニューヨーク・ヤンキースに移籍。
その後、則本は田中の後継者としてチームのエースを任されることになります。そして同時に、メジャーリーグ中継にのめり込むようになったのです。
当時、ブレーブスの守護神として活躍していたクレイグ・キンブレル。
4年連続セーブ王の圧倒的なピッチングを見て、則本は「あんな、えげつない球を放るやつがおるんやな」と目を丸くしたといいます。
憧れの存在を見つけた瞬間でした。
「力が大きく落ちたとは感じない」
2024年、則本は先発から抑えに転向。
いきなり32セーブを挙げて最多セーブ王のタイトルを獲得しました。
34歳にして新たな役割で結果を出せたことが、この決断への自信につながっています。
役割が変わっても結果を残せる。
その自信があるからこそ、則本は「最後の挑戦」に踏み出す決心をしたのです。
しかし、34歳でのメジャー挑戦は本当に可能なのでしょうか?
次のセクションでは、則本のメジャー挑戦の現実性について見ていきます。
🌎 メジャー挑戦の現実性―すでにワッサーマンと契約、スカウトの評価は
則本の本気度を示す大きな動きがありました。
すでに米大手代理人事務所「ワッサーマン」と契約を結んでいることが判明したのです。
ワッサーマンといえば、2023年オフに山本由伸投手のドジャース移籍を実現した超大物代理人事務所。
その契約は12年総額3億2500万ドル(約465億円)という、投手史上最高額でした。
他にも、パドレスのダルビッシュ有投手、カブスの鈴木誠也選手、メッツの千賀滉大投手など、日本人メジャーリーガーの大型契約を次々とまとめてきた実績があります。
✨ ワッサーマンの凄さ
このワッサーマンのCEOであるケイシー・ワッサーマン氏は、2028年ロサンゼルスオリンピックの大会組織委員長を務める超大物。
スポーツ業界だけでなく、政財界にも強い影響力を持つ人物なのです。
そんな世界トップクラスの代理人事務所が則本をサポートする。
これは、メジャー移籍が現実的な選択肢であることを示しています。
実際、則本に対するメジャースカウトの評価は決して低くありません。
2013年、田中将大を視察するために来日していたメジャーのスカウトたちの間で、新人の則本が話題になっていたことが報じられています。
150キロを超える直球は回転数が多く、空振りが取れる球質。
スライダー、フォークも一級品だったのです。
「メジャーで田中に匹敵するスタッツを残せる投手なのにもったいない」
当時、あるスカウトがそう嘆いていたという証言もあります。
2019年に楽天と7年契約を結び直したとき、メジャー挑戦の機会を逃したことを惜しむ声が海外にもあったのです。
ただし、34歳という年齢はハードルとなります。
全盛期は過ぎたという見方もあり、獲得に名乗りを上げる球団がどれだけあるかは不透明です。
それでも、2024年に抑えとして32セーブを挙げた実績は、リリーフ投手としての価値を証明しています。
メジャーのブルペンでの起用を視野に入れた評価がなされる可能性は十分にあります。
では、則本昂大という投手は、これまでどんな実績を残してきたのでしょうか?
次のセクションで詳しく見ていきます。
📊 通算120勝48セーブ―先発でもリリーフでも結果を残した13年間
則本昂大という投手の凄さは、通算成績に表れています。
373試合に登板
120勝99敗48セーブ
防御率3.12
この数字がどれだけすごいのか、少し説明しましょう。
プロ野球で1年に10勝するだけでも大変なこと。
エース級の投手でも毎年10勝を続けるのは簡単ではありません。
則本は13年間で120勝。
平均すると毎年9勝以上を積み重ねてきた計算になります。
さらに特筆すべきは、最多奪三振のタイトルを5回獲得していること。
2014年から2018年まで5年連続での獲得は、パ・リーグ史上3人目の快挙でした。
5回の獲得は、伝説的投手・鈴木啓示に次いで歴代2位の記録です。
2017年には、NPB記録となる8試合連続2桁奪三振を達成。
この記録はメジャーリーグ記録に並ぶもので、コミッショナー特別表彰を受賞しました。
90個の三振のうち、86個をストレート・スライダー・フォークの3球種で奪ったという圧倒的な内容でした。
そして2024年、則本は大きな転機を迎えます。
先発から抑えへの転向。
野球において、先発投手と抑え投手は全く異なる役割です。
先発は試合の序盤から長いイニングを投げ、抑えは試合の最後に登板して勝利を守る。
調整方法も投げ方も違います。
🎯 役割転換の成功
多くの投手が役割転換に苦しむ中、則本は初年度で32セーブを挙げて最多セーブ王に輝きました。
さらに今季は抑えだけでなく、セットアッパーやビハインドの場面でも登板。56試合で3勝4敗16セーブ10ホールドという、多様な役割をこなしました。
「どんな状況でも結果を出す」
これが、則本昂大という投手の真髄です。
役割が変わっても、求められるものが変わっても、常に結果で応えてきた。
この適応力こそが、13年間第一線で活躍し続けられた理由なのです。
では、この則本昂大という投手の原点はどこにあるのでしょうか?
次のセクションで、2013年の感動的なストーリーを振り返ります。
🏆 2013年、新人王として楽天初の日本一に貢献した原点
則本昂大の原点は、2013年に遡ります。
この年、楽天イーグルスは球団創設9年目で初めてのリーグ優勝、そして日本一を達成しました。
エースの田中将大が24勝0敗という空前絶後の成績を残し、「マー君神の子、不思議な子」と呼ばれた伝説的なシーズン。
その影で、新人の則本も大きな役割を果たしていました。
⭐ 55年ぶりの快挙
則本は2013年の開幕投手を任されています。
新人の開幕投手は、パ・リーグでは1958年の杉浦忠以来55年ぶりの快挙でした。多くの人の親が生まれる前の記録です。
なぜ新人が開幕投手に?
理由は、エースの田中将大がWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場したため、開幕戦を回避することになったから。
そこで白羽の矢が立ったのが、オープン戦で防御率1.44という好成績を残していた新人・則本昂大だったのです。
開幕戦は敗戦投手となりましたが、続く試合でプロ初勝利。
そこから先発ローテーションを守り続け、シーズン15勝を挙げました。
170イニングを投げ抜き、新人王を獲得。
球団初の日本一に、新人として大きく貢献したのです。
そして日本シリーズ。
楽天は読売ジャイアンツと対戦。
第1戦の先発マウンドに立ったのは、またしても則本昂大でした。
日本シリーズ第1戦に新人が先発するのは61年ぶり。
しかも8回を投げて10奪三振という、新人としては史上2人目の記録でした。
最終第7戦では、前日160球を投げた田中将大が9回にリリーフ登板。
「あとひとつ」の大合唱の中、見事に日本一を達成。
仙台の夜空には、勝利の象徴である白いジェット風船が舞いました。
この2013年の経験が、則本昂大という投手を作り上げました。
22歳の新人が開幕投手を任され、日本シリーズ第1戦も先発。
チームから絶大な信頼を受け、その期待に応え続けた経験。
これが、13年間第一線で活躍し続ける精神的な支えになっているのです。
東日本大震災からの復興の象徴でもあった楽天の日本一。
その立役者の一人として、則本は東北の人々に勇気を与えました。
そして今、則本が見据える最終目標とは?
次のセクションで、NPB史上6人しか達成していない超難関記録について見ていきます。
🎯 目標は「100勝100セーブ」―NPB史上6人しか達成していない超難関記録
「100勝&100セーブ達成です。プロ野球界では6人(日米通算8人)しかいない。
あと何年プレーできるか分からないけど、チャンスがある限り追い続けたい」
則本が語った将来の目標。
この「100勝100セーブ」という記録が、どれほど難しいものなのか説明しましょう。
現在、則本は120勝48セーブ。
つまり、あと52セーブが必要です。
2024年に32セーブを記録したペースなら、あと2年弱で達成できる計算。
数字だけ見れば不可能ではありません。
しかし問題は、この記録の本質的な難しさにあります。
⚠️ 100勝100セーブの本質的な難しさ
100勝100セーブを達成するには、先発投手としてもリリーフ投手としても長期間活躍する必要があるのです。
先発投手は試合の序盤から登板し、長いイニングを投げます。
調整は「5日に1回」のペース。練習投球もしっかり確保できます。
一方、リリーフ投手は「いつでも投げられる」状態を維持しなければなりません。
登板機会は不規則で、練習投球量も少なくなります。
この全く異なる二つの役割で、どちらも大きな結果を残す。
これが100勝100セーブの本質的な難しさです。
- 江夏豊:206勝193セーブ
- 大野豊:148勝107セーブ
- 佐々岡真司:138勝101セーブ
- 工藤公康:224勝117セーブ
- 岩瀬仁紀:58勝407セーブ
- 平野佳寿:54勝148セーブ
日米通算を含めても8人しかいません。
上原浩治(日米通算134勝128セーブ)と斎藤隆(日米通算112勝139セーブ)が加わるだけです。
💎 名球会より難しい?
この記録は名球会の基準(200勝または250セーブ)を達成するより難しいとも言われています。
なぜなら、名球会入りは一つの役割を極めれば達成できますが、100勝100セーブは二つの役割で結果を出さなければならないからです。
そして何より、16年以上の現役生活が必要になります。
これまでの達成者は全員、16年以上プロで投げ続けました。
長期間、第一線で活躍し続ける必要があるのです。
34歳の則本に残された時間は多くありません。
しかし、2024年に抑えとして結果を出せたことで、この記録達成への道は現実的なものとなりました。
「最後のFA」と語った則本。
その先に見据えるのは、NPB史上7人目の100勝100セーブ達成者という、永遠に語り継がれる記録への挑戦です。
📝 まとめ:楽天一筋13年、則本昂大の「最後の挑戦」
2025年10月11日、楽天の則本昂大投手が海外FA権行使を明言しました。
34歳という年齢での決断。
その背景にあるのは、13年間積み重ねてきた実績と、NPB史上6人しか達成していない「100勝100セーブ」への挑戦です。
✅ この記事のポイント
- 則本昂大が海外FA権行使を明言、楽天残留も含め日米42球団と交渉へ
- 「最後のFAになる」と語った34歳の決断、7年契約最終年のタイミング
- すでに米大手代理人ワッサーマンと契約、山本由伸らの大型契約を実現した実績
- 通算120勝48セーブ、先発でもリリーフでも結果を残してきた13年間
- 2013年、新人王として楽天初の日本一に貢献した原点
- 目標は「100勝100セーブ」、NPB史上わずか6人の超難関記録
すでにワッサーマンという世界トップクラスの代理人事務所と契約を結んでいることからも、則本の本気度が伝わってきます。
メジャー挑戦という夢は13年前から温めていたもの。
34歳という年齢はハードルになりますが、2024年に抑えとして32セーブを挙げた実績が後押しします。
2013年、22歳の新人として楽天の日本一に貢献した右腕。
あれから13年、一度もユニフォームを変えることなくチームのために投げ続けてきました。
「悔いのない野球人生にしたい」
この言葉に込められた想いは重いものがあります。
楽天に残るのか、メジャーに挑戦するのか、それとも日本の他球団に移るのか。
どの道を選んでも、則本昂大という投手の挑戦は多くの野球ファンの心を動かすことでしょう。
あなたは則本の決断をどう思いますか?
楽天に残ってほしいですか、それともメジャーで挑戦する姿を見たいですか?
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: 則本昂大はなぜ34歳で海外FA権を行使したのですか?
2019年から結んだ7年契約の最終年を迎え、年齢的にも「最後のFA」となるため今が決断の時期でした。
次のFA権取得は39歳となり現実的ではないため、34歳の今が最後のチャンスと判断したのです。
Q2: 則本のメジャー挑戦の可能性はどのくらいありますか?
すでに山本由伸やダルビッシュ有の大型契約を実現した米大手代理人事務所ワッサーマンと契約済み。
34歳という年齢はハードルですが、2024年に32セーブを挙げた実績があり、メジャーのブルペンでの起用を視野に入れた評価がなされる可能性があります。
Q3: 100勝100セーブはどれくらい難しい記録ですか?
NPB史上わずか6人、日米通算でも8人しか達成していない超難関記録です。
先発投手としてもリリーフ投手としても長期間活躍する必要があり、16年以上の現役生活が必須。名球会入りより難しいとも言われています。
Q4: 則本昂大の通算成績はどのくらいですか?
373試合に登板し、120勝99敗48セーブ、防御率3.12。
最多奪三振を5回獲得(2014-2018年)、2024年には最多セーブ王にも輝いています。8試合連続2桁奪三振のNPB記録も保持しています。