⚠️ 2025年10月4日、沖縄・宮古島市の海で、43歳の陸上自衛隊員の男性がシュノーケリング中に亡くなる痛ましい事故が起きました。
「自衛隊員なら泳ぎも得意だろうに、なぜ?」―多くの人がそう思ったはずです。
実は、この疑問こそが、シュノーケリング事故の恐ろしさを理解する鍵なのです。
第11管区海上保安部のデータによると、2023年に沖縄県の海で起きた事故では172人が被害に遭い、そのうち66人が亡くなっています。
これは過去5年間で最多の数字です。
そして、もっと驚くべき事実があります。海上保安庁の調査では、ライフジャケットを着けているか着けていないかで、生存率が80%以上と30%台という衝撃的な差があることが分かっています。
つまり、ライフジャケットを着けていれば10人中8人以上が助かるのに、着けていないと10人中3人しか助からないのです。
この記事では、なぜ体力のある自衛隊員でも海で溺れてしまうのか、そしてあなたや大切な人の命を守るために絶対に知っておくべきことを詳しく解説します。
海に行く予定がある人、シュノーケリングに興味がある人は、ぜひ最後まで読んでください。

📑 この記事でわかること
🌊 宮古島でシュノーケリング中の自衛隊員が死亡―何が起きたのか
報道によると、2025年10月4日午後4時15分ごろ、宮古島市城辺友利にある「インギャーマリンガーデン」付近で、「シュノーケリングをしていた友人が見当たらない」と118番通報がありました。
亡くなったのは、陸上自衛隊宮古島駐屯地第7高射特科群に所属する43歳の男性です。
午後3時ごろ、男性は友人と2人でインギャーマリンガーデンから西に約700メートルの海域でシュノーケリングを開始しました。これは東京駅から有楽町駅くらいの距離です。
しかし、約1時間後、男性の姿が見えなくなり、友人が通報しました。
午後6時20分ごろ、石垣航空基地のヘリコプターが海に浮いていた男性を発見し、宮古空港へ搬送しましたが、消防によって死亡が確認されました。
男性はライフジャケットを着用していなかったということです。
💭 たった1時間の間に、友人と一緒にいたはずなのに、何が起きたのでしょうか。
📊 実は驚くほど多い―宮古島のシュノーケリング事故の実態
宮古島の美しい海の裏側には、衝撃的な事実があります。
宮古島のダイビングショップの情報によると、2023年に沖縄県の海で発生した人身事故は172人で、そのうち死亡・行方不明者は66人でした。これは過去5年間で最多の数字です。
さらに、マリンレジャー中の観光客の人身事故者も57人と過去5年間で最多で、このうち宮古島・石垣島周辺だけで31人が事故に遭っています。
宮古島の移住者のブログには、さらに詳しいデータがあります。2013年から2017年の5年間だけで、宮古島では27人もの人が水難事故で亡くなりました。
その後も事故は続いています:
- 2018年:5人
- 2020年:5人
- 2021年:1人
- 2022年:3人
- 2023年:5人
- 2024年:8人
つまり、宮古島では毎年必ず複数の人が海で亡くなっているのです。
多くの人が「宮古島の海は美しくて安全」というイメージを持っていますが、実際には毎年悲しい事故が繰り返されています。
💪 体力に自信があっても危険―なぜ自衛隊員でも事故に遭うのか
「自衛隊員なら体力があるし、泳ぎも得意なはずなのに、なぜ溺れてしまったのか?」
これは多くの人が抱く疑問でしょう。
⚡ 実は、体力があることと、海で安全に泳げることは全く別の話なのです。
自衛隊員は確かに厳しい体力検定や水泳訓練を受けています。プールで長距離を泳ぐこともできるでしょう。
しかし、プールと海では環境が全く違います:
🏊 プールと海の違い:
- プールには波がないが、海には予測できない波がある
- プールの水は真水だが、海は塩水で誤って飲むと危険
- プールは水深が一定だが、海は場所によって深さが変わる
- プールには流れがないが、海には沖に流される離岸流がある
- プールならいつでも壁につかまれるが、海では何もつかまれない
さらに、海では予期せぬトラブルが次々と起こります。シュノーケルの筒に水が入ったり、足がつったり、マスクに水が入って視界が悪くなったり。
そんな時、「プールなら泳げる」という自信は何の役にも立ちません。
むしろ、「自分は泳げるから大丈夫」という油断こそが、最も危険なのです。
体力に自信がある人ほど、ライフジャケットを「邪魔だから」と着けずに海に入ってしまいます。今回の事故も、そうした油断が原因だった可能性があります。
⚠️ シュノーケリング事故の本当の原因―「実はパニック」が最も危険
では、具体的にどうやって人は海で溺れてしまうのでしょうか。
シュノーケリング事故の専門的な分析によると、シュノーケリング事故の約8割が溺水(溺れて水を飲むこと)です。これは普通の遊泳事故(約6割が溺水)よりも高い割合です。
そして、その最大の原因はパニックです。
😱 パニックはこうやって起こる
❶ シュノーケルの筒に水が入る
波をかぶったり、頭を水に沈めすぎたりすると、呼吸用の筒に水が入ってきます。
❷ 水を飲んでしまう
筒の中の水を吹き飛ばす技術(シュノーケルクリア)を知らないと、息を吸った時に水も一緒に飲んでしまいます。
❸ 頭が真っ白になる
水を飲むと苦しくて、「どうしよう、どうしよう」と頭が真っ白になります。これがパニック状態です。
❹ 体が動かなくなる
パニックになると、冷静な判断ができなくなり、体がうまく動かせなくなります。
❺ 溺れる
そのまま溺れてしまいます。
海難事故の事例を見ると、「ちょっと水を飲んだだけ」という些細なことから、あっという間に命に関わる状況になってしまうことが分かります。
🌊 その他の危険な原因
離岸流(りがんりゅう):
沖に向かって流れる恐ろしい流れです。一度この流れに捕まると、どんなに頑張って泳いでも岸に戻れず、体力を消耗してしまいます。
足の痙攣(けいれん):
冷たい水や疲労で突然足がつることがあります。泳げなくなってパニックになります。
体調不良:
寝不足、疲労、飲酒後などは判断力が鈍り、トラブルに対処できなくなります。
実は、シュノーケリングは「簡単そう」に見えるからこそ、油断して事故に遭いやすいのです。
🦺 ライフジャケット未着用の衝撃的な生存率―着用時と80%以上の差
ここで、あなたの命を守る最も重要な情報をお伝えします。
つまり、ライフジャケットを着けているだけで、生存率が2.5倍以上も高くなるのです。
10人が事故に遭ったとして、ライフジャケットを着けていれば8人以上が助かりますが、着けていないと3人しか助かりません。
この差は圧倒的です。
❓ なぜライフジャケットを着けないのか
宮古島の水難事故分析によると、多くの人がライフジャケットを着けない理由は以下の通りです:
- 「動きにくいから」「邪魔だから」
- 「潜れなくなるから」(スキンダイビングをしたい)
- 「自分は泳げるから大丈夫」という過信
しかし、これは命を軽視していると言わざるを得ません。
✅ ライフジャケットの効果
ライフジャケットを着けていると:
❶ 浮力が確保される
何もしなくても水に浮いていられるので、パニックになりにくい
❷ 体力を温存できる
泳ぎ続けなくても浮いていられるので、長時間海にいても疲れない
❸ 発見されやすい
オレンジや黄色の目立つ色なので、遠くからでも見つけやすい
❹ 救助を待てる
浮いた状態で呼吸を確保できるので、冷静に救助を待てる
専門家の解説によると、「海面に浮いて呼吸が確保され救助を待てば約90%以上の生存率」とされています。
つまり、ライフジャケットは命を守る最強の装備なのです。
今回亡くなった自衛隊員の方も、もしライフジャケットを着けていたら、助かっていたかもしれません。
🏖️ インギャーマリンガーデンは危険な場所なのか―意外な事実
今回の事故が起きた「インギャーマリンガーデン」は、どんな場所なのでしょうか。
宮古島の観光情報によると、インギャーマリンガーデンは天然の入り江を活かした海浜公園で、波が穏やかなことから「天然プール」とも呼ばれています。
実は、この場所は初心者向けのシュノーケリングスポットとして人気があります。
✅ 安全な面:
- 天然の入り江で波が穏やか
- サンゴ礁や熱帯魚が多く、シュノーケリングに最適
- トイレ、シャワー、駐車場が完備
- 初心者やお子様でも楽しめる
⚠️ 注意すべき面:
- 最深部は約15メートル(5階建てのビルと同じ深さ)
- 橋の内側は比較的安全だが、橋の外側(西側)は危険
- 入り江の外は外海と接続している
詳しい情報を見ると、今回の事故は、インギャーマリンガーデンから西に約700メートルの海域で起きました。これは橋の外側、つまり外海に近い場所です。
つまり、インギャーマリンガーデン自体は比較的安全な場所ですが、範囲を超えて外海に出てしまうと危険なのです。
「有名な観光地だから安全」という思い込みは危険です。どんな場所でも、海には常にリスクがあります。
🛡️ シュノーケリングで絶対に守るべき5つのルール―命を守る対策
ここまで、シュノーケリングの恐ろしさをお伝えしてきました。
「じゃあ、どうすれば安全に楽しめるの?」
海上保安庁の安全対策や専門家の指導を基に、絶対に守るべき5つのルールをまとめました。
🦺 ルール1:ライフジャケットは必ず着ける
これが最も重要です。
- 自分の体に合ったサイズを選ぶ
- 全てのベルトをしっかり締める
- 「動きにくい」と感じても、命には代えられない
ライフジャケットを着けるだけで、生存率が2.5倍以上になることを忘れないでください。
👥 ルール2:必ず2人以上で行動する(バディシステム)
絶対に1人で海に入らないでください。
ダイビングの安全ルールでは、「2人以上で1組」を作る「バディシステム」が基本とされています。
- お互いの位置を常に確認する
- トラブルが起きたら助け合う
- 子供は必ず大人とペアになる
今回の事故では友人と2人でいたはずですが、約700メートルも離れた場所で、しかも1時間も気づかなかったということは、バディシステムが機能していなかった可能性があります。
📚 ルール3:基本スキルを習得する
シュノーケリングの基本を事前に練習しましょう:
シュノーケルクリア:
筒に入った水を、息を強く吐いて吹き飛ばす技術。これができないと水を飲んでパニックになります。
マスククリア:
マスクに入った水を外に出す技術。視界を確保するために必要です。
立ち泳ぎの体勢:
トラブルが起きた時に、顔を水面に出して呼吸を確保する姿勢。
これらは浅瀬で練習できます。いきなり深い場所に行かないでください。
💪 ルール4:体調を整え、安全な場所を選ぶ
体調管理:
- 前日は十分な睡眠をとる
- 寝不足、疲労、二日酔いの時は海に入らない
- 飲酒後は絶対にNG
- 持病がある人は医師に相談
場所選び:
- 波が穏やかな日を選ぶ
- 遊泳区域内で活動する
- 監視員がいる場所を選ぶ
- 離岸流が発生しやすい場所を避ける
🏊 ルール5:初心者はツアーに参加する
安全なシュノーケリングを楽しみたいなら、特に初心者は専門のガイドツアーに参加することを強くおすすめします。
ツアーのメリット:
- プロのガイドが安全を確保してくれる
- 器材の正しい使い方を教えてもらえる
- 天候や海の状況を判断してくれる
- 緊急時の対応体制が整っている
- 安全な場所に連れて行ってくれる
「自分たちだけで行けば安い」と考えるかもしれませんが、命には代えられません。
🎯 まとめ:海の恐ろしさを知り、安全に楽しもう
2025年10月4日に宮古島で起きたシュノーケリング事故は、私たちに多くのことを教えてくれます。
この記事の要点
- 宮古島では毎年複数人が海で亡くなっている(2024年は8人)
- 体力がある自衛隊員でも海では溺れる―プールで泳げることと海で安全なことは別
- シュノーケリング事故の約8割が溺水―ちょっとした水の侵入がパニックを引き起こす
- ライフジャケット着用で生存率が80%以上、未着用だと30%台―2.5倍以上の差
- 初心者向けの場所でも油断は禁物―範囲を超えると危険
🛡️ 絶対に守るべき5つのルール
- ライフジャケットは必ず着ける
- 2人以上で行動する(バディシステム)
- 基本スキルを習得する
- 体調を整え、安全な場所を選ぶ
- 初心者はツアーに参加する
美しい宮古島の海を安全に楽しむために、そしてあなたと大切な人の命を守るために―この記事の内容を忘れないでください。
「自分は大丈夫」という油断が、最も危険です。
海は楽しい場所ですが、同時に敬意を払うべき自然の力でもあります。ルールを守れば、安全に素晴らしい体験ができます。
もし周りにシュノーケリングを予定している人がいたら、ぜひこの記事をシェアしてください。1人でも多くの人が安全に海を楽しめるように。
📞 緊急時の連絡先
海での事故・救助要請:118番(海上保安庁)
陸上に引き上げた後:119番(救急)
あなたは、どのルールが最も重要だと思いますか?ぜひコメント欄で教えてください。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ自衛隊員でもシュノーケリング事故に遭うのですか?
プールでの泳力と海での安全性は別物です。海には波、流れ、塩水など予測不可能な要素が多く、体力があっても予期せぬトラブルでパニックになると溺れる可能性があります。
Q2. ライフジャケットを着けるとどれくらい生存率が上がりますか?
海上保安庁のデータによると、ライフジャケット着用時の生存率は80%以上、未着用時は30%台です。つまり2.5倍以上の差があり、ライフジャケットは命を守る最強の装備と言えます。
Q3. シュノーケリング事故の最も多い原因は何ですか?
最大の原因はパニックです。シュノーケルに水が入って誤飲し、頭が真っ白になって体が動かなくなります。シュノーケリング事故の約8割が溺水で、これは通常の遊泳事故(約6割)より高い割合です。
Q4. 宮古島ではどのくらいシュノーケリング事故が起きていますか?
2024年だけで8人が亡くなっており、宮古島では毎年複数の人が海難事故で命を落としています。2023年には沖縄県全体で172人が事故に遭い、66人が死亡・行方不明となりました。
Q5. インギャーマリンガーデンは危険な場所ですか?
入り江の内側は波が穏やかで初心者向けですが、最深部は約15メートルあります。橋の外側(西側)や入り江の範囲を超えた外海エリアは危険です。今回の事故は西に約700メートルの海域で発生しました。
Q6. シュノーケリングで絶対に守るべきルールは何ですか?
5つのルールがあります:①ライフジャケット必須着用、②2人以上で行動(バディシステム)、③基本スキルの習得、④体調管理と安全な場所選び、⑤初心者はツアー参加。特にライフジャケット着用が最重要です。
Q7. 海での緊急時はどこに連絡すればいいですか?
海での事故・救助要請は118番(海上保安庁)、陸上に引き上げた後は119番(救急)に連絡してください。迅速な通報が命を救います。