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共同親権とは?2026年4月開始で何が変わる?メリット・デメリットを10代向けに解説

2025年10月31日、政府は離婚後の「共同親権」を導入する改正民法を2026年4月1日に施行すると閣議決定しました。

実は、日本はこれまで世界でも珍しい「単独親権のみ」の国でした。G20加盟国24カ国のうち、単独親権しか認めていないのは日本・インド・トルコだけ。多くの先進国では、すでに離婚後も両親が子育てに関われる仕組みがあったんです。

これから何がどう変わるのか、自分の家族に影響はあるのか――。

この記事では、10代でも分かるように、共同親権の仕組みから手続きまで、すべて解説します。

 

離婚後も両親が子どもと笑顔で過ごすイメージ

離婚後も両親が子どもと笑顔で過ごすイメージ


 

 

📌 「共同親権」とは?2026年4月から何が変わる?

「共同親権」って、ニュースでよく聞くけど、実際どういう制度なんでしょうか?

まずは基本から見ていきましょう。

🔰 親権って何?

親権とは、簡単に言うと「子どもを育てる権利と責任」のことです。

具体的には以下のことを指します:

  • 子どもと一緒に暮らして世話をする
  • 学校や病院を決める
  • 子どものお金を管理する

こういったことを、親がする権利であり、同時に義務でもあります。

結婚している夫婦は、当たり前のように2人で親権を持っています。これが「共同親権」です。

 

 

 

📊 今までの日本は「単独親権」だけだった

日本経済新聞の報道によると、日本では1947年から、離婚後は父親か母親のどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」という制度が続いていました。

つまり、離婚すると必ずどちらか片方の親だけが子どもを育てる権利を持ち、もう片方の親は子どもに関する重要な決定に関われなくなっていたんです。

📈 データで見ると
親権を得るのは母親が85.9%父親が11.1%となっています(厚生労働省・令和4年調査)。

✨ 2026年4月から「選べる」ようになる

2026年4月1日からは、離婚後の親権について2つの選択肢ができます:

選択肢①:共同親権
→ 離婚後も父親と母親の両方が親権を持つ

選択肢②:単独親権
→ これまで通り、どちらか一方だけが親権を持つ

公明党の解説によると、まずは父親と母親が話し合って決めます。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所(家族の問題を扱う専門の裁判所)が判断します。

 

 

 

⚠️ 重要なポイント:強制ではなく「選択制」

「共同親権になったら、嫌でも元配偶者と関わらなきゃいけないの?」――そう心配する人もいるかもしれません。

でも大丈夫です。新しい制度は「強制」ではなく「選択制」です。

事情があって元配偶者と関わりたくない場合は、これまで通り単独親権を選ぶことができます。

🔄 過去に離婚した人も変更できる

「もう離婚しちゃったから関係ないよね?」――実はそうじゃないんです。

すでに離婚している人も、家庭裁判所に申し立てをすれば、共同親権に変更することができます。

つまり、2026年4月より前に離婚した人でも、制度を使えるということです。

💡 つまり

2026年4月から、離婚後も両親が子育てに関われる「共同親権」が選べるようになります。強制ではなく選択制で、過去に離婚した人も変更申請ができます。

 

⚖️ 共同親権のメリット・デメリットを分かりやすく解説

では、共同親権を選ぶと、実際にどんな良いことがあるのでしょうか?

そして、どんな問題が起こりうるのでしょうか?

✅ メリット①:子どもが両親と関われる

共同親権の最大のメリットは、離婚後も子どもが両親の両方と関係を持ち続けられることです。

実は、海外の研究では「離婚後も両親との関係を保つことが、子どもの精神面や成長に良い影響を及ぼす」という結果が数多く出ています。

関西学院の研究解説によると、アメリカでは離婚しても両親の家を行き来するのが一般的で、衣類も双方の家にそれぞれ置いておくなど、自由に会える環境を整えているそうです。

親が離れても、「自分には父親も母親もいる」と実感できることが、子どもの成長にとって大切なんですね。

 

 

 

✅ メリット②:親権争いを避けられる

今までは、離婚するときに必ず「どちらが親権者になるか」を決めなければなりませんでした。

両方とも子どもを育てたいと思っていたら、どうなるでしょうか?話し合いがまとまらず、裁判になることもありました。

でも共同親権なら、両方が親権を持てるので、こういった争いを避けられる可能性があります。

子どもにとっても、両親が争う姿を見なくて済むというメリットがあります。

✅ メリット③:育児の負担が分散できる

単独親権だと、親権を持った方の親が、子育てのすべてを一人で背負うことになります。

弁護士法律事務所の解説によると、共同親権では、離婚後も両方の親が協力して子育てができるため、どちらか一方に負担が偏ることを避けられます。

仕事と育児の両立で悩むシングルマザー・シングルファーザーにとって、これは大きな助けになるかもしれません。

✅ メリット④:養育費の未払いが減る可能性

養育費(子どもを育てるためのお金)の未払いは、日本で大きな問題になっています。

厚生労働省の調査では、実際に養育費を受け取っているのは母子世帯で28.1%、父子世帯で8.7%だけ。つまり、7割以上の家庭で養育費が払われていないんです。

共同親権になれば、親権を持っている以上、養育の責任も実感しやすくなるため、養育費の未払いが減るのではないかと期待されています。

 

 

 

❌ デメリット①:意思決定が複雑になる

メリットばかりではありません。共同親権には、こんな問題もあります。

共同親権を選ぶと、子どもに関する重要な決定を、両親で話し合って決めなければなりません。

例えば:

  • 子どもの学校をどこにするか
  • 引っ越しをどこにするか
  • 大きな手術を受けるかどうか

こういったことを、離婚した元配偶者と毎回相談しなければならないんです。

仲良く話し合える関係ならいいのですが、そうでない場合は大変です。意見が対立したら、その都度、家庭裁判所で決めてもらうことになります。

❌ デメリット②:離婚理由によっては難しい

DVや虐待が理由で離婚した場合、共同親権は大きな問題を引き起こす可能性があります。

この点については、次のセクションで詳しく見ていきましょう。

💡 つまり

共同親権には、子どもが両親と関われる、親権争いを避けられる、育児負担が分散できる、というメリットがあります。一方で、元配偶者との意思決定が複雑になる、というデメリットもあります。

 

🛡️ DVや虐待がある場合はどうなる?安全対策は?

「DVや虐待で逃げた人はどうなるの?」――これが、共同親権導入で最も心配されている点です。

✋ DVがある場合は単独親権になる

安心してください。新しい制度では、DVや虐待がある場合は、共同親権にはなりません。

法務省の公式サイトおよび弁護士法律事務所の解説によると、家庭裁判所が以下の2つのケースでは単独親権にすると定められています:

⚠️ ケース①:子どもへの虐待の恐れ
→ 父親または母親が子どもに害を及ぼす恐れがあるとき

⚠️ ケース②:DV等で共同親権が困難
→ 父母の一方が他方から暴力などを受ける恐れがあり、共同で親権を行うことが難しいとき

つまり、制度上はDV被害者を守る仕組みになっています。

 

 

 

😟 実際の運用には懸念の声も

ただし、「制度があっても、本当に守られるのか?」という心配の声もあります。

DVや虐待は、家の中という密室で起こることが多く、客観的な証拠を残すのが難しいんです。

プレジデントの記事では、DV被害者の声として「DVを家庭裁判所に認めさせるのは容易ではなかった」という体験談が紹介されています。

精神的DVなどは特に証拠が残りにくく、「DVがあった」と主張しても、裁判所に認めてもらえないケースがあるのではないか、という懸念です。

🏛️ 政府の対応:裁判所の体制強化

この問題に対して、政府は裁判所の体制を強化すると発表しています。

具体的には:

  • 裁判官や調停委員へのDV・虐待に関する研修の徹底
  • 家庭裁判所の人員増加
  • DVを見抜くための専門知識の向上

これらの対策が実際にどこまで効果を発揮するかが、制度成功の鍵になりそうです。

 

 

 

🏃 子どもを連れて逃げることは義務違反にならない

「共同親権だと、DVから逃げられなくなるんじゃないの?」――こんな不安もあります。

でも、法務省の説明によると、DVや虐待から逃れるために子どもを連れて別居することは、法律違反にはなりません。

「父母は協力して子育てをする義務がある」と法律に書かれていますが、暴力から逃げる場合は、その義務違反にはならないと明確にされています。

🚫 再被害防止の仕組みも

共同親権を理由に、加害者が何度も裁判を起こして被害者を苦しめる「リーガル・ハラスメント」を防ぐための措置も検討されています。

両院の付帯決議では「濫訴等の新たな被害の発生を回避するための措置を検討すること」とされており、具体的な対策が求められています。

💡 つまり

DVや虐待がある場合は単独親権になると法律で定められています。ただし、実際にDVを認定してもらうのは簡単ではないという懸念もあり、裁判所の体制強化が課題となっています。

 

💰 養育費はどう変わる?新しく決まった「法定養育費」とは

共同親権と同時に、もう一つ大きな変更があります。

それが「法定養育費」の新設です。

💵 養育費って何?

養育費とは、子どもを育てるために必要なお金のことです。

離婚後、子どもと一緒に暮らしている親(多くの場合は母親)が、子どもと離れて暮らす親(多くの場合は父親)からもらうお金です。

子どもの:

  • 食費
  • 服代
  • 学費
  • 医療費

などに使われます。

 

 

 

😢 今までの大きな問題:未払いが7割以上

先ほども触れましたが、養育費の未払いは日本で深刻な問題になっています。

厚生労働省の調査によると:

  • 母子世帯で養育費を受け取っているのは28.1%だけ
  • 父子世帯では8.7%だけ

つまり、7割以上の家庭で、養育費が払われていないんです。

なぜこんなことになるのか?理由の一つは、「養育費の取り決めをしていない」からです。離婚するときに「毎月○万円払う」と決めていないと、請求することができませんでした。

✨ 新しい制度:「法定養育費」月2万円

この問題を解決するために、新しく「法定養育費」という制度ができます。

日本経済新聞の報道によると、法務省は法定養育費の金額を子ども1人あたり月額2万円とする省令案を発表しました。

これは何が画期的かというと:

📍 取り決めなしでも請求できる
→ 離婚のときに養育費の話し合いをしていなくても、自動的に月2万円を請求できる権利が発生します

📍 離婚した日までさかのぼれる
→ 離婚してから時間が経っていても、離婚した日までさかのぼって請求できます

📍 強制執行しやすい
→ 「先取特権」という権利がついているため、払ってもらえない場合は、相手の給料や預金から強制的に回収しやすくなります

 

 

 

😤 「月2万円は安すぎる」という批判

ただし、この月2万円という金額には、多くの批判が集まっています。

X(旧Twitter)では:

  • 「月2万円で子どもが育つわけない」
  • 「コンビニバイト週1回分くらいしかない」
  • 「子どもの食費だけで消える金額」

といった声が多数上がっています。

実際、子ども1人を育てるのにかかる費用は、もっとずっと多いです。食費、服代、学費、習い事、医療費…すべて合わせると、月10万円以上かかることも珍しくありません。

⏳ あくまで「最低限の暫定的な制度」

弁護士法律事務所の解説によると、法定養育費はあくまで「最低限」「暫定的」な制度です。

本来は、父親と母親がきちんと話し合って、実際の生活費に見合った養育費を決めるべきです。月2万円は「話し合いがまとまるまでの間、とりあえず請求できる金額」という位置づけなんです。

法務省も「個々の適正な養育費の取り決めがなされるまでの間、暫定的に請求できるもの」と説明しています。

📝 パブリックコメントで意見募集中

この月2万円という金額は、まだ正式に決まったわけではありません。

2025年9月から1か月間、パブリックコメント(国民からの意見募集)が行われました。寄せられた意見を踏まえて、最終的な金額が決まる予定です。

💡 つまり

2026年から「法定養育費」という新しい制度が始まり、取り決めなしでも月2万円を請求できるようになります。ただし「安すぎる」という批判も多く、あくまで暫定的な最低額という位置づけです。

 

📋 すでに離婚している人も共同親権に変更できる?手続き方法

「自分はもう離婚してるから関係ないかな…」と思っている人、実はそうじゃないんです。

🔄 過去の離婚でも変更できる

2026年4月1日より前に離婚した人でも、共同親権に変更することができます。

これを「遡及適用(そきゅうてきよう)」と言います。過去にさかのぼって新しい制度を使えるということです。

例えば:

  • 10年前に離婚して、元配偶者が親権を持っている
  • でも最近、元配偶者との関係が改善した
  • 子どもも「もう一方の親とも関わりたい」と言っている

こんな場合、家庭裁判所に申し立てをすれば、共同親権に変更できる可能性があります。

 

 

 

🏛️ 申し立て先は家庭裁判所

親権を変更したい場合は、必ず家庭裁判所に申し立てをする必要があります。

弁護士法律事務所の解説によると、父親と母親が「共同親権にしよう」と合意していても、勝手に変更することはできません。必ず家庭裁判所の手続きを経る必要があります。

📝 申し立ての流れ

親権者変更の手続きは、以下のような流れで進みます:

ステップ①:調停の申し立て
→ 相手方(元配偶者)の住所地を管轄する家庭裁判所に、親権者変更調停を申し立てます

ステップ②:必要書類の提出
→ 申立書、戸籍謄本、収入印紙などを用意します(裁判所のウェブサイトからダウンロード可能)

ステップ③:調停期日での話し合い
→ 裁判官と調停委員を交えて、親権者を変更すべきかどうか話し合います

ステップ④:家庭裁判所調査官による調査
→ 親権者を変更しても問題ないか、調査官が父母双方との面談、子どもとの面談、家庭訪問などを実施します

ステップ⑤:調停成立または審判
→ 双方が合意し、調査でも問題なければ調停成立。合意できない場合は審判で裁判官が判断します

ステップ⑥:役所への届出
→ 調停成立または審判確定から10日以内に、市区町村役場で親権者変更の届出をします

 

 

 

⚖️ 判断基準は「子どもの利益」

家庭裁判所は、何を基準に共同親権への変更を認めるかどうか判断するのでしょうか?

法律では「子の利益のために必要があると認めるとき」と定められています。

つまり、親の都合ではなく、子どもにとって何が一番良いかが判断基準です。

具体的には以下のような点を総合的に考慮して判断されます:

  • これまでの子育て状況
  • 親と子の関係
  • 父親と母親の関係(協力して子育てできるか)
  • 子どもの意見(15歳以上の場合は必ず聞く)
  • 生活環境
  • 経済状況

✅❌ 変更が認められやすいケース・認められにくいケース

✅ 認められやすいケース

  • 父母の関係が良好で、協力して子育てができる
  • 子どもも共同親権を望んでいる
  • すでに定期的な面会交流が実現できている

❌ 認められにくいケース

  • 父母の対立が激しい
  • DVや虐待の恐れがある
  • 一方の親が親権者変更に強く反対している

👨‍⚖️ 弁護士に相談するのがおすすめ

親権者変更の手続きは、法律的に複雑な部分もあります。

特に相手が反対している場合は、弁護士に依頼した方がスムーズに進む可能性が高いです。多くの弁護士事務所では、初回相談を無料で受け付けているので、まずは相談してみるのがおすすめです。

💡 つまり

すでに離婚している人も、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立てることで、共同親権に変更できる可能性があります。判断基準は「子どもの利益」で、父母の関係が良好かどうかが重要なポイントになります。

 

🌍 共同親権はなぜ導入される?世界との比較

ここまで、共同親権の仕組みを見てきました。

でも、そもそもなぜ今、この制度が導入されるのでしょうか?

🌏 日本は世界で珍しい「単独親権のみ」の国だった

実は、離婚後も単独親権しか認めていない国は、世界的に見ると少数派なんです。

日本経済新聞の報道によると、法務省が米国や英国など24カ国を調査した結果:

📊 世界の状況

共同親権を採用している国:22カ国
単独親権のみの国:日本・インド・トルコの3カ国だけ

つまり、G20(主要20カ国)のほとんどすべての先進国が、すでに共同親権を導入していたんです。

 

 

 

📅 日本の制度は78年間変わっていなかった

日本で離婚後の単独親権制度ができたのは、1947年(昭和22年)のことです。

それから2026年まで、実に78年間も変わらなかったんです。

78年前といえば、おじいちゃん・おばあちゃんが子どもの頃。戦後すぐの時代です。

関西学院の研究解説では、「日本はガラパゴス化していた」と指摘されています。世界の流れから取り残されていたということですね。

🌐 国際的な批判:「実子誘拐」問題

日本が共同親権を導入する背景には、国際的な批判もありました。

国際結婚をした夫婦が離婚する際、日本人の親が子どもを勝手に日本に連れて帰ってしまう――こういったケースが問題視されていたんです。

これは「ハーグ条約」という国際条約でも取り上げられている問題です。

相手国では共同親権が一般的なので、「もう一方の親の同意なしに子どもを連れ去った」と見なされてしまうことがあります。

🇺🇸 アメリカの共同親権:「養育計画書」が義務

では、海外ではどのように共同親権が運用されているのでしょうか?

東京新聞の記事によると、アメリカでは離婚する際に「養育計画書」を裁判所に提出する義務があります。

養育計画書には:

  • 子どもと過ごす時間の配分
  • 教育や医療の方針
  • 意見が食い違った場合の対応

などを具体的に書きます。

例えば「月2回の週末は父親の家で過ごす」「夏休みは1週間ずつ交代」といった具体的なスケジュールを決めておくんです。

 

 

 

🇦🇺 オーストラリアでは見直しも

ただし、共同親権にも課題があることが分かってきています。

弁護士法律事務所の解説によると、オーストラリアでは2011年に法改正が行われました。

「フレンドリーペアレントルール」という、「もう一方の親に友好的な親を優先する」という原則があったのですが、これが問題視されたんです。

なぜかというと、DVがあっても「面会交流を拒否すると親権を失うかもしれない」という恐怖から、被害者が子どもを会わせざるを得なくなるケースがあったからです。

このように、海外でも共同親権の運用には試行錯誤があります。

🇯🇵 日本でも慎重な制度設計が必要

世界的には共同親権が主流ですが、だからといって「海外がやっているから日本もやればいい」というわけではありません。

日本には日本の事情があります:

  • DVや虐待の認定が難しい
  • 家庭裁判所の体制が十分でない
  • 養育費の未払いが多い

こういった日本特有の問題をどう解決していくかが、今後の課題です。

💡 つまり

G20中22カ国がすでに共同親権を導入しており、日本だけが78年間単独親権のみでした。国際的な批判もあり制度変更に至りましたが、海外でも運用には課題があり、日本でも慎重な制度設計が求められています。

 

🗣️ 共同親権への反対意見と賛成意見をまとめ

共同親権の導入について、社会では賛否両論が分かれています。

どんな意見があるのか、公平に見ていきましょう。

❌ 反対派の主な意見

①DV被害者が守られない

最も強い反対意見は、DV被害者の安全に関するものです。

滋賀弁護士会の声明では:

  • DVの認定は容易ではない
  • 共同親権を理由に加害者が被害者と子どもに関わり続ける恐れがある
  • 面会交流を強要される可能性がある

といった懸念が示されています。

X(旧Twitter)でも「DVから逃げたのに、また元夫と関わらなきゃいけないの?」「子どもの安全が第一なのに、危険すぎる」という声が多く見られます。

 

 

 

②意思決定の負担が増える

北海道弁護士会の決議では:

  • 重要な決定のたびに元配偶者と話し合わなければならない
  • 意見が対立すれば、その都度家庭裁判所に申し立てが必要
  • 子どもが適時適切な医療や教育を受けられなくなる恐れがある

といった実務上の問題が指摘されています。

③家庭裁判所の負担増

共同親権が導入されると、家庭裁判所への申し立てが大幅に増えることが予想されます。

しかし、現在でも家庭裁判所は人員不足と言われており、「本当に対応できるのか」という懸念があります。

✅ 賛成派の主な意見

①子どもの権利を守る

賛成派の最大の主張は、「子どもには両親と関わる権利がある」というものです。

共同養育支援議員連盟の主張では:

  • 親が離婚しても、子どもにとっては大切な父親・母親
  • 両親の愛情が子どもの健全な成長に不可欠
  • 親子の断絶を防ぐことが子どもの利益になる

という考え方が示されています。

 

 

 

②養育費の未払いが減る

共同親権になれば、親としての責任を実感しやすくなり、養育費の未払いが減るのではないか、という期待があります。

現在、養育費を受け取っている家庭は3割以下。この問題の解決につながる可能性があります。

③親権争いが減る

離婚の際に激しい親権争いをしなくて済むため、子どもへの精神的負担が減るという意見もあります。

④国際的な標準に合わせる

先ほど見たように、世界のほとんどの先進国が共同親権を導入しています。

日本だけが取り残されている状況を改善し、国際的な標準に合わせるべきだという主張です。

💬 X(旧Twitter)での生の声

❌ 反対派の声

  • 「話が通じないから離婚したのに、共同親権とか無理」
  • 「月2万円でこどもが育つの?養育費安すぎ」
  • 「DVを家裁で認めさせるのは容易ではなかった」

✅ 賛成派の声

  • 「来年4月から時代が変わるか」
  • 「施行確定!悲願であり希望の改正」
  • 「ようやく日本も国際標準に」

⚖️ 中立・慎重派の声

  • 「メリットもデメリットもある。慎重に運用してほしい」
  • 「子どもの利益が本当に最優先されるのか見守りたい」
  • 「ガイドラインの整備が重要」

 

 

 

📋 両院での付帯決議

法律が成立する際、衆議院と参議院では「付帯決議」という、政府への要請がなされました。

主な内容は:

  • DV・虐待被害者の安全確保を最優先すること
  • 家庭裁判所の体制を強化すること
  • 子どもの意見表明の機会を保障すること
  • ガイドラインを早期に策定すること
  • 濫訴(何度も裁判を起こすこと)を防ぐ措置を検討すること

これらがきちんと実現されるかどうかが、制度成功の鍵になります。

📝 今後の課題

共同親権の導入は決まりましたが、まだ多くの課題が残っています:

🔸 ガイドラインの策定

→ どんな場合に単独で親権を行使できるのか、明確な基準が必要

🔸 家庭裁判所の体制強化

→ 人員増加、研修の充実、専門性の向上

🔸 DV認定の基準明確化

→ 被害者が確実に守られる仕組み

🔸 養育費の実効性確保

→ 月2万円で本当に十分なのか、再検討

🔸 国民への周知

→ 制度の内容を正確に理解してもらう

これらの課題にどう取り組むかが、今後注目されます。

💡 つまり

共同親権には、子どもの権利を守る・養育費未払いを減らすなどの賛成意見と、DV被害者の安全・意思決定の複雑化などの反対意見があります。今後はガイドライン策定や家庭裁判所の体制強化が課題となります。

 

📌 まとめ:共同親権で何が変わるのか

2026年4月1日から始まる共同親権制度について、ここまで詳しく見てきました。

最後に、重要なポイントをまとめましょう。

🔖 押さえておきたい5つのポイント

✅ 選択制である

→ 強制ではなく、共同親権と単独親権を選べる


✅ 過去の離婚でも変更可能

→ すでに離婚している人も、家庭裁判所に申し立てれば共同親権に変更できる


✅ DVがあれば単独親権

→ 虐待やDVの恐れがある場合は、単独親権になる


✅ 法定養育費は月2万円

→ 取り決めなしでも請求できるが、「安すぎる」という批判も多い


✅ 世界標準への移行

→ G20中22カ国が導入済みで、日本は78年ぶりの制度変更

 

 

 

❓ あなたの家族に影響はある?

「自分には関係ない」と思っている人も、将来どうなるかは分かりません。

そんなとき、この制度について知っていれば、適切なアドバイスができるかもしれません:

  • 自分が将来、結婚・離婚するかもしれない
  • 友達や家族が離婚するかもしれない
  • 離婚している親戚がいるかもしれない

💝 最も大切なこと:「子どもにとって何が一番良いか」

賛成・反対、どちらの意見にも理由があります。

でも、どちらの立場も共通して願っているのは、「子どもが幸せに育つこと」です。

制度はあくまで道具です。

大切なのは、その制度を使って、子どもにとって最善の環境を作ることです。

👀 今後の動きに注目

2026年4月の施行に向けて、今後いくつかの動きがあります:

  • ガイドラインの策定(2025年度中)
  • 家庭裁判所の体制整備
  • 国民への周知活動
  • 法定養育費の最終決定

これらの動きに注目していきましょう。

 

⚠️ 注意事項

この記事の情報は2025年10月31日時点のものです。制度の詳細や運用方法は今後変更される可能性があります。

実際に離婚や親権変更を検討される場合は、弁護士や家庭裁判所にご相談ください。

また、この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の法律相談や個別のケースへのアドバイスを行うものではありません。

 

❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 共同親権とは何ですか?

離婚後も父親と母親の両方が子どもの親権を持つ制度です。2026年4月から日本でも選択できるようになります。これまでは離婚後はどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」のみでしたが、新制度では共同親権か単独親権かを選べます。

Q2. DVや虐待がある場合はどうなりますか?

DVや虐待の恐れがある場合は、家庭裁判所が単独親権にすると法律で定められています。子どもへの虐待の恐れがあるとき、または父母の一方が他方から暴力を受ける恐れがあり共同親権が困難なときは、単独親権となります。

Q3. 法定養育費の月2万円はどのような制度ですか?

離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、自動的に子ども1人あたり月2万円を請求できる新しい制度です。取り決めなしでも請求でき、離婚した日までさかのぼって請求可能です。ただし、あくまで暫定的な最低額で、実際の生活費に見合った養育費は話し合いで決めるべきとされています。

Q4. すでに離婚している場合でも共同親権に変更できますか?

はい、可能です。2026年4月より前に離婚した人でも、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立てることで、共同親権に変更できる可能性があります。ただし、判断基準は「子どもの利益」で、父母の関係が良好かどうかが重要なポイントになります。

Q5. なぜ日本は今まで単独親権だけだったのですか?

日本の単独親権制度は1947年(昭和22年)から続いており、78年間変わりませんでした。G20加盟国24カ国のうち、単独親権のみなのは日本・インド・トルコだけで、世界的には共同親権が主流です。国際的な批判や家族の多様化を背景に、制度変更に至りました。

Q6. 共同親権のメリットとデメリットは何ですか?

メリットは、子どもが両親と関われる、親権争いを避けられる、育児負担が分散できる、養育費の未払いが減る可能性があることです。デメリットは、重要な決定のたびに元配偶者と話し合う必要があり、意見が対立すると家庭裁判所での調整が必要になることです。

 

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