2025年9月8日、厚生労働省から衝撃的な発表がありました。
強度行動障害の人たちが精神科病院に入院することが、将来的に「対象外」になるというのです。
でも、そもそも強度行動障害って何？
なぜ精神科病院が使えなくなるの？ 💡
この記事では、今回の政策変更の詳細と、知っておくべき強度行動障害の実態、そして今後の対応策について、分かりやすく解説します。
📋 この記事でわかること
🏛️ 厚労省の衝撃発表：強度行動障害の精神科入院が「対象外」に
9月8日、厚生労働省の「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」で、座長を務める田辺国昭東京大大学院教授のもと、重要な方針が示されました。
📢 重要な政策変更
強度行動障害の人など、治療効果の見込めない人を精神科病院への入院対象から将来的に除外する
⚠️ なぜこんな変更が？
背景には、精神科病床の削減方針があります。
厚労省は今後、精神科への入院を以下に限定していく考えです：
- 急性期の患者（症状が急激に悪化した人）
- 急性期を超えても早期退院を目指す患者
つまり、慢性期にあたる強度行動障害の人たちは、「障害福祉や介護保険のサービスによって地域や施設の対応力を高めることにより適正化していく」とされました。
💡 代替案として提示されたのは？
精神科病院の代わりとして、厚労省が挙げたのが機能を強化した訪問看護事業所です。
🏥 新しい訪問看護事業所の5つの役割
- 124時間対応
- 2措置入院からの退院者への対応
- 3医療機関や障害福祉事業所との定期的な話し合い
- 4短期入所サービスとの連携
- 5身体的な病気も併せ持つ人への受診支援
しかし、委員からは「ケアの中身として医療の色が強くなりすぎることへの懸念」も出されました。
強度行動障害の人に対して、服薬で行動を抑えることは以前から問題視されてきたからです。 ⚠️
次に、強度行動障害の実態について詳しく見ていきましょう。
🔍 実は8万人もいた！強度行動障害の知られざる実態
❓ 強度行動障害って何？
強度行動障害とは、医学的な診断名ではありません。
実は、行政や福祉の分野で使われる用語なんです。 💡
具体的には、以下のような行動が著しく高い頻度で起こり、特別な支援が必要な状態を指します：
- 自傷行為：自分の体を叩く、頭を壁にぶつけるなど
- 他害行為：他の人を叩く、噛みつくなど
- 物を壊す行動
- 異食：食べ物ではないものを口に入れる
- 睡眠の大きな乱れ
- 激しいこだわり
😲 驚きの人数修正：推計の10倍だった実態
ここで驚くべき事実があります。
📊 衝撃の数字修正
国内の強度行動障害の人は、長年「約8000人」と推計されてきました。
しかし、2022年10月の障害福祉サービスの利用実績から算出すると、なんと延べ人数で約8万人（児童を含む）だったのです。
つまり、実際の人数は従来の推計の約10倍だったということになります。
📝 判定はどうやって決まる？
強度行動障害の判定には、厚生労働省が定める基準があります。
24点満点中10点を超える人が該当とされており、テストでいえば約4割の点数が基準ラインということになります。
📋 評価される項目
- 突発的な行動の頻度
- コミュニケーションの困難度
- 自傷・他害の程度
- 物を壊す行動の頻度
👨👩👧👦 意外な特徴：男性が3倍多く、思春期に悪化
統計を見ると、強度行動障害は男性が女性の約3倍多いことが分かっています。
また、発症時期にも特徴があります：
- 思春期以降に症状が重篤化することが多い
- しかし、学校卒業後に比較的落ち着くケースも報告されている
これは環境の変化が症状に大きく影響することを示しています。 🔄
🧠 背景にある障害
強度行動障害のある人の約8割は、知的障害を伴う自閉症を基礎障害としています。
障害特性と環境のミスマッチが原因で：
- コミュニケーションの困難
- 感覚過敏
- 強いこだわり
これらが重なって、強度行動障害の状態になると考えられています。
では、代替策として提案された訪問看護は本当に対応できるのでしょうか？
🏥 代替策の「機能強化型訪問看護」は本当に対応できるのか
💪 機能強化型訪問看護とは？
機能強化型訪問看護ステーションは、2014年から始まった制度です。
通常の訪問看護よりも：
- より多くの看護師を配置
- 24時間対応体制
- 専門性の高いケア
これらを提供できる事業所として評価されています。
❓ 強度行動障害への対応は現実的？
しかし、委員会では懸念の声も上がりました。
⚠️「医療の色が強くなりすぎることへの懸念」です。
これまで強度行動障害の人に対して、服薬で行動を抑えることが問題視されてきたからです。
現在、全国には機能強化型訪問看護ステーションが548箇所（2018年時点）ありますが、強度行動障害への専門対応ができる事業所がどれだけあるかは不明です。
🌙 24時間対応の現実
訪問看護の24時間対応といっても、実際には：
- 夜間は電話対応が中心
- 緊急時の駆けつけは限定的
- 人員不足が深刻
これらの課題があり、強度行動障害の人への対応が本当に可能かは疑問視する声もあります。 🤔
👥 他の対象者も同時に対応
興味深いことに、この機能強化型訪問看護事業所は強度行動障害だけでなく、以下の人たちも対象とする意見が出ています：
🎯 対象となる人たち
- 依存症の人
- 摂食障害の人
- 自殺企図のある人
- 引きこもりの人
これだけ幅広い対象に、本当に質の高いケアを提供できるのでしょうか。 ❓
最後に、家族が今できる準備について詳しく見ていきましょう。
👪 家族が今知っておくべき変化と準備すべきこと
🛡️ 現在利用できる支援制度
政策変更に不安を感じる家族も多いでしょうが、現在も様々な支援制度があります：
🏢 障害福祉サービス
- 行動援護（外出時の支援）
- 重度訪問介護
- 短期入所（ショートステイ）
- 生活介護
🏥 医療系サービス
- 精神科訪問看護
- 通院医療費の支援（自立支援医療）
⏰ 精神科病院はすぐに使えなくなる？
重要なポイントですが、この政策変更は「将来的には」という表現になっています。
つまり、現在すぐに精神科病院が利用できなくなるわけではありません。
ただし、今後段階的に変更されていく可能性が高いため、早めの準備が大切です。 ⏳
📋 家族ができる準備
1現在の支援体制の確認
- 利用している障害福祉サービスの整理
- 主治医との関係の維持
- 相談支援専門員との連携強化
2地域の社会資源の把握
- 近隣の訪問看護ステーション
- 強度行動障害に対応できる事業所
- 緊急時の連絡先
3関係機関との情報共有
- 市町村の障害福祉担当窓口
- 相談支援事業所
- 障害者支援施設
📞 相談先はどこ？
もし不安や疑問がある場合は、以下に相談してください：
- 市町村の障害福祉窓口
- 相談支援事業所
- 障害者相談支援センター
- 精神保健福祉センター
これらの機関では、最新の制度情報や利用できるサービスについて相談できます。 📋
🌈 今後の展望：希望もある
一方で、希望的な情報もあります。
厚生労働省の研究では、適切な支援を行うことにより、他害行為などの危険を伴う行動の回数が減少することが報告されています。
また、地域での支援体制が整えば：
- 住み慣れた環境での生活継続
- 家族との時間の確保
- 個別性に応じたケア
これらのメリットも期待できます。 ✨
🎓 強度行動障害支援者研修の充実
現在、全国で「強度行動障害支援者養成研修」が実施されており、専門的な知識を持つ支援者の育成が進んでいます。
こうした人材育成により、将来的にはより質の高い地域支援が可能になることも期待されています。 👨🏫
📝 まとめ：変化に備えつつ、希望を持って
今回の政策変更は確かに大きな変化ですが、以下の点を押さえておくことが大切です：
🎯 重要なポイント
- 強度行動障害の人は実際には約8万人おり、決して少数ではない
- 精神科入院の代替として機能強化型訪問看護が検討されているが、課題も多い
- 変更は「将来的」なもので、すぐに影響があるわけではない
- 現在も多様な支援制度があり、適切な支援で状況改善も期待できる
- 地域支援体制の充実により、より個別性に配慮したケアも可能になる
不安を感じるのは当然ですが、まずは現在利用できる制度や相談先を確認し、関係機関と連携を取りながら準備を進めていくことが重要です。
強度行動障害のある方とその家族が、安心して地域で生活できる社会の実現に向け、制度の動向を注視していきましょう。 🌟
💬 よくある質問
Q: なぜ強度行動障害の精神科入院が対象外になるのですか？
A: 厚労省は精神科病床を削減し、急性期患者に特化する方針のため、慢性期の強度行動障害は地域支援に移行させる考えです。
Q: 強度行動障害の人数が8000人から8万人に修正されたその後はどうなりましたか？
A: この大幅修正により支援体制の見直しが急務となり、今回の訪問看護拡充策が検討されることになりました。
Q: 機能強化型訪問看護は24時間対応の場合どこまで対応できますか？
A: 24時間対応といっても夜間は主に電話相談が中心で、緊急駆けつけは限定的です。人員不足も課題となっています。
Q: 家族が今すぐにでも準備すべき具体的な方法はありますか？
A: 現在の支援制度の確認、地域の訪問看護ステーションの把握、関係機関との連携強化が重要です。市町村窓口への相談から始めましょう。
Q: 現在の状況では以前と比べて支援制度は充実していますか？
A: 強度行動障害支援者研修の拡充や地域支援体制の整備が進んでおり、以前より専門的な支援が受けやすくなっています。
📚 参考情報
- 厚生労働省: 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会 ()
- 福祉新聞: 精神科の入院、強度行動障害は対象外 厚労省「訪問看護で対応」 ()
- 国立障害者リハビリテーションセンター: 強度行動障害支援者研修資料 ()
- LITALICO発達ナビ: 強度行動障害とは？原因や症状、なりやすい人や対応など ()
- 静岡県: 強度行動障害について ()
