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クマ被害死者7人で過去最多!緊急銃猟って何?ハンターへの抗議200件超の理由

⚠️ 2025年、クマ被害が過去最悪のペースで増加中

2025年10月18日、群馬県でキノコ採りをしていた人がクマに襲われてケガをした。同じ日、岩手県では露天風呂を清掃していた人が襲われたケースも報告されている。

今、日本中でクマ被害が「過去最悪」のペースで増え続けている。実は2025年度、クマによる死者数が統計開始以来初めて7人に達した。

 

しかも9月1日には「緊急銃猟」という新しい制度がスタートしたばかり。

市街地でもクマを撃てるようになったはずなのに、なぜ被害は減らないのか?

 

さらに驚くのは、命がけで駆除に当たったハンターに対して200件以上もの抗議電話が殺到しているという事実だ。

住宅街に現れたクマと警戒する日本人住民、遠くでハンターが猟銃を構えている緊張感のあるシーンを生成AIで作成したリアルなイメージ

住宅街に現れたクマと警戒する日本人住民、遠くでハンターが猟銃を構えている緊張感のあるシーンを生成AIで作成したリアルなイメージ



 

📊 2025年度、クマ被害死者"7人"で過去最多を更新

環境省が10月15日に発表したデータによると、2025年度のクマによる死者数は7人となり、統計を取り始めた2006年度以降で過去最多を記録した。

これまでの最多は2023年度の6人だったから、それをあっさり超えてしまったことになる。

 

💡 2025年度の被害状況(10月15日時点)

死者数:7人(過去最多)
内訳:北海道と岩手県で各2人、宮城県・秋田県・長野県で各1人

4〜9月の人身被害:99件、被害者数108人

 

死者だけではない。ケガ人を含めた人身被害は4月から9月までの半年間だけで99件、被害者数は108人に達している。

「過去最悪ペース」という表現がぴったりくる状況だ。

 

冬眠前の秋にはクマがさらに活発化するため、これからもっと被害が増える可能性がある。

 

 

 

では、なぜこれほどまでにクマ被害が増えているのか?

その背景には3つの大きな理由があります。

 

🐻 なぜこんなに増えた?クマ急増の"3つの真実"

クマ被害がここまで深刻になったのには、3つの大きな理由がある。

 

📈 理由1:クマの個体数が爆増している

実は、クマの数がこの30年で驚くほど増えている。

専門家の調査によると、北海道のヒグマは30年前と比べて約2倍に増加した。

 

本州のツキノワグマにいたっては、5〜6倍にまで膨れ上がっている地域もある。

これだけ増えれば、人間と遭遇する確率も当然高くなる。

 

さらに、クマの生息地も広がり続けている。

かつてクマがいなかった地域にまで分布が拡大しているのだ。

 

🍂 理由2:山にエサがない

2025年秋、東北地方などではブナやミズナラといった木の実が「大凶作」の見込みだ。

クマは冬眠前の秋に大量のエサを必要とする。

 

でも山に食べるものがなければ、人里に降りてくるしかない。

 

🍊 意外な犯人:空き家の柿の木

実は、クマを人里に引き寄せている意外な犯人がいる。それが「空き家の柿の木」だ。

国の対策会議で報告された資料によると、クマ出没時に柿が誘引物になっているケースが71%もあるという。

 

誰も管理していない空き家の柿の木。実が落ちて腐ると、遠くまでにおいを発する。

クマの嗅覚は非常に優れているため、そのにおいを何キロも先からキャッチして、人里深くまで入り込んでしまうのだ。

 

👤 理由3:人を恐れないクマが増えた

もともとクマは臆病で、人間を避ける動物だった。

でも最近は、人を見ても逃げないクマが増えている。

 

「アーバンベア」と呼ばれる都市型のクマだ。

人間の食べ物の味を覚えてしまったり、人間は危険じゃないと学習してしまったクマは、積極的に人の生活圏に現れるようになる。

 

学習能力が高いからこそ、一度「人間は怖くない」と学んでしまうと厄介なのだ。

 

 

 

こうした深刻な状況を受けて、2025年9月1日、新しい制度がスタートした。

それが「緊急銃猟」だ。

 

🔫 9月1日スタート「緊急銃猟」で何が変わる?

こうした深刻な状況を受けて、2025年9月1日、新しい制度がスタートした

それが「緊急銃猟」だ。

 

これまでは原則として、住宅が密集している地域では銃を撃つことができなかった。

発砲するには県知事の許可が必要で、さらに警察官が「まさに今、人を襲おうとしている」と判断した場合だけ、やっと撃てるという状況だった。

 

でも法律が改正されて、市町村長の判断で発砲できるようになったのだ。

 

✅ 緊急銃猟が可能になる4つの条件

  1. クマが住宅や公園など人の生活圏に侵入している(またはその恐れがある)
  2. 人の命や体に危害を防ぐ措置が緊急に必要
  3. 銃猟以外の方法では、的確かつ迅速に捕獲することが困難
  4. 避難などによって住民に弾丸が当たる恐れがない

 

この制度ができた背景には、2023年の「秋田市スーパー事件」がある。

クマがスーパーに入り込み、55時間も居座り続けた。

 

人々の生活に大きな影響が出たが、市街地では発砲できず、対応に苦慮したのだ。

そうした膠着状態を打破するために、この緊急銃猟という制度が生まれた。

 

 

 

でも、制度ができたからといって、すぐに機能するわけではない。

実際の運用には大きな課題がある。

 

⏱️ 訓練でも30分以上…制度の"本当の実効性"

でも、制度ができたからといって、すぐに機能するわけではない。

栃木県猟友会で実際に訓練を行ったところ、クマ発見の通報から発砲するまでに30分以上かかったという。

 

流れはこうだ。まず住民が110番通報する。

警察から市町村に連絡が行く。市町村からハンターに連絡が行く。

 

ハンターが発砲できる人たちを集める。現場に対策本部ができる…。

訓練では一部を省略したのに、それでも30分以上。実際の現場ではもっと時間がかかるかもしれない。

 

🚨 深刻なハンター不足

栃木県猟友会には2000人以上の会員がいる。

でも、クマを撃てる技術を持っているのは、そのうち100人いるかどうか。実際には数十人程度だという。

 

全国的にもハンターの減少は深刻だ。

1979年には45万人いたハンターが、2025年には約15万人にまで減少した。

 

しかも60歳以上が約6割を占めている。

猟友会の会員全員がクマを撃てるわけじゃない。

 

カモやハトなど小型の鳥を専門にしている人も多い。

クマのような大型で危険な動物の捕獲は、特別な技術と経験が必要なのだ。

 

専門家は「民間のハンターに依存している現状は健全ではない」と指摘する。

行政が専門の職員を育成し、各地に配置していく仕組みが必要だというのだ。

 

 

 

制度上の課題だけではない。

ハンターたちは別の問題にも直面している。

 

📞 "人命優先"のはずが…ハンターへの200件超の抗議

制度上の課題だけではない。ハンターたちは別の問題にも直面している。

2025年7月、北海道福島町で新聞配達員の男性がヒグマに襲われて亡くなった。

 

その後、人を襲ったクマが駆除されると、北海道庁と福島町に200件以上の抗議電話が殺到した。

 

💬 抗議の内容

「クマを殺すな」
「かわいそうだ」
「どこで判断したんだ」

一方的に怒鳴って電話を切る人。2時間以上にわたって意見を述べ続ける人。

業務に支障をきたすほどの抗議だった。

 

これを受けて、浅尾慶一郎環境大臣は記者会見で訴えた。

「人の生活圏に繰り返し出没するクマを放置することは、被害拡大を招く。時にはクマを捕らえて駆除しなければならないことをご理解いただきたい」

 

さらに大臣は「過度な苦情は、職員数が限られる自治体の活動を制限し、ハンターの活動を委縮させる」と指摘した。

北海道の鈴木直道知事も「命の危険を感じながらハンターの人たちが捕獲していただいている。どうか理解していただきたい」と呼びかけている。

 

💰 ハンターの実態

ハンターたちは、ボランティアに近い形で駆除に当たっている。

市町村から出動1回につき8000円程度の手当は出るが、自分の車でガソリン代も自己負担。

命の危険と隣り合わせの仕事だ。

 

栃木県猟友会の事務局長はこう語る。

「地域が困っているのにやらない、金銭が不十分だからやらない、とは思いたくない。それがハンターの矜持です。

 

でも、一生懸命やって人の命を守ったのに非難されるというのは、なんとも言えないものがあります」

実は、ハンターには「駆除する義務」はない。市町村からの委託を受けて、善意で協力しているに過ぎないのだ。

 

 

 

クマ被害は、もはや山の中だけの問題ではない。

市街地でも遭遇する可能性がある今、正しい対処法を知っておくことが命を守ることにつながる。

 

🛡️ クマに遭遇したらどうする?命を守る対処法

クマ被害は、もはや山の中だけの問題ではない。

市街地でも遭遇する可能性がある今、正しい対処法を知っておくことが命を守ることにつながる。

 

👀 遠くにクマを見つけたら

落ち着いて静かに、その場から立ち去ろう。

急に大声を上げたり、走って逃げたりするのは絶対にNG。

 

クマを驚かせて、逆に攻撃を誘発してしまう可能性がある。

 

🚫 近くでクマと遭遇したら

まず、絶対にやってはいけないことがある。

それは「背中を見せて走って逃げる」ことだ。

 

⚠️ なぜ走ってはいけないのか

実はクマは、逃げるものを追いかける本能がある。

しかもクマは時速40〜50キロで走れる。

人間が全力で走っても、絶対に逃げ切れない。

 

環境省と知床財団が推奨する対処法は次の通りだ。

 

  • クマから目を離さない(ただし、にらみつけない)
  • ゆっくりと後退して、クマとの距離を取る
  • 急な動きは避ける
  • 穏やかに話しかけながら、静かに離れる

 

クマが威嚇で突進してくることがある。これを「ブラフチャージ」という。

途中で止まって引き返すことが多いので、落ち着いて対応することが大切だ。

 

💀 「死んだふり」は迷信

昔から「クマに会ったら死んだふりをしろ」と言われてきた。

でもこれは完全に迷信だ。

 

クマは死んだ動物も食べる。だから死んだふりをしても、むしろ危険なのだ。

 

🎭 クマには「個性」がある

実は、クマには個体ごとに性格が違う。

好奇心旺盛なクマもいれば、臆病なクマもいる。

 

だから「こうすれば絶対に大丈夫」という対処法は存在しない。

状況に応じて、冷静に判断することが求められる。

 

🔐 最も大切なのは「出会わない」こと

クマと遭遇してしまったら、どんな対処をしても100%安全とは言えない。

だから最も重要なのは、そもそもクマに出会わないようにすることだ。

 

  • クマが出没している地域には近づかない
  • 山に入る時は複数人で行動する
  • クマ鈴やラジオで音を出して、自分の存在を知らせる
  • 早朝や夕方はクマが活発になる時間帯なので特に注意

 

 

 


 

2025年、クマ被害は過去最悪のペースで増え続けている。

9月1日に「緊急銃猟」制度がスタートしたが、現場では訓練でも30分以上かかる現実や、深刻なハンター不足という課題が山積みだ。

 

さらに、人命を守るために命がけで駆除したハンターに対し、200件を超える抗議が殺到するという理不尽な状況もある。

クマとの共存を目指しながら、人の安全を最優先する。

 

そのバランスをどう取るか——私たち全員で考えなければいけない、そんなフェーズに来ている。

 

📌 この記事のポイント

  • 2025年度のクマ被害死者は7人で統計開始以降過去最多を更新
  • クマが増えた理由は①個体数の爆増②山のエサ不足③人を恐れないクマの増加
  • 9月1日に市町村判断で発砲できる「緊急銃猟」制度がスタート
  • 実際の運用では通報から30分以上かかり、ハンター不足も深刻
  • 人命を守った駆除に200件超の抗議が殺到し、ハンターは板挟み
  • クマ遭遇時は「走らない」「目をそらさない」「ゆっくり後退」が基本

 

クマ被害について、あなたはどう思いますか?

身近な地域でクマ情報を見かけたら、ぜひ注意して行動してください。

 


 

❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 2025年度のクマ被害の死者数は何人ですか?

2025年度のクマ被害による死者数は7人で、統計開始(2006年度)以降で過去最多を記録しました。4〜9月の人身被害は99件、被害者数は108人と過去最悪のペースで推移しています。

Q2. 緊急銃猟制度とは何ですか?

緊急銃猟は2025年9月1日に施行された制度で、市町村長の判断で市街地でもクマの銃猟が可能になりました。従来は県知事の許可が必要でしたが、4つの条件を満たせば迅速に対応できるようになりました。

Q3. なぜクマが急増しているのですか?

クマが急増している理由は主に3つあります。①ヒグマが30年で2倍、ツキノワグマが5〜6倍に増加、②2025年秋は東北地方でブナやミズナラが大凶作、③人を恐れない「アーバンベア」が増加したためです。

Q4. クマに遭遇したらどうすればいいですか?

クマに遭遇したら、絶対に走って逃げてはいけません。クマから目を離さず、ゆっくりと後退して距離を取ることが大切です。「死んだふり」は迷信で効果がないため、落ち着いて穏やかに話しかけながら静かに離れましょう。

Q5. なぜハンターへの抗議が殺到しているのですか?

2025年7月に北海道福島町で人を襲ったクマを駆除した後、北海道庁と福島町に200件以上の抗議電話が殺到しました。「クマを殺すな」「かわいそう」といった内容で、人命を守ったハンターが板挟みになる理不尽な状況が生まれています。

Q6. ハンター不足はどれくらい深刻ですか?

1979年には45万人いたハンターが、2025年には約15万人に減少し、60歳以上が約6割を占めています。栃木県猟友会では2000人以上の会員のうち、クマを撃てる技術を持つのは数十人程度と推定されています。

 

 

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