📢 2025年10月、自民党の情報発信に大きな変化が起きました。
記者会見の内容を、編集なし・カットなしで「全文書き起こし」してSNSで公開するという前例のない取り組みです。
きっかけは、報道陣から漏れた「支持率下げてやる」という一言。
この発言が、政治広報の常識を覆す大転換の引き金となりました。
📋 この記事でわかること
🎯 自民党の「全文書き起こし」とは何か
自民党広報が始めた「全文書き起こし」とは、記者会見の質疑応答を一言一句そのまま、X（旧Twitter）に投稿する取り組みです。
従来の政治報道では、会見の「要旨」や「抜粋」が一般的でした。
しかし自民党は、会見の完全版をそのまま公開する道を選んだのです。
自民党広報の公式発表によると、この取り組みには3つの特徴があります。
💡 3つの特徴
まず、記者の質問をした社名まで明記している点。「TBSです」「朝日新聞です」といった記者の所属がはっきり分かるようになっています。
次に、動画リンクも同時に提供している点。
文字だけでなく、実際の会見映像も確認できます。
そして最も重要なのが、編集・要約なしの完全版という点です。
一般的な報道では、会見の中から「ニュースになる部分」だけが抜き出されます。
しかし全文書き起こしでは、記者とのやり取りがすべて残ります。
実は、一般的な企業広報でも全文公開は珍しく、政党では前例がほぼありません。
なぜなら、編集されていない生の発言には、言い間違いや言葉足らずな部分も含まれるからです。
SNS上では「長すぎて読みづらい」という声も上がっています。
しかしこの「読みづらさ」こそが、「切り取られていない証拠」として評価されているのです。
⚡ なぜ今「全文書き起こし」が注目されているのか
この取り組みが注目される背景には、2025年10月7日に起きた「ある事件」があります。
高市早苗総裁の会見前、待機していた報道陣の会話がライブ配信に乗ってしまったのです。
🔴 衝撃の発言
「支持率下げてやる」
「支持率下げる写真しか出さねーぞ」
笑いながら話すこの発言が、SNSで瞬く間に拡散されました。
報道によると、この音声は偶然ライブ配信に乗ってしまったものです。
実は、この発言が偶然ライブ配信に乗ったことで、「報道の裏側」が初めて可視化されました。
多くの人が薄々感じていた「メディアは公平じゃないかも」という疑念が、言葉として表に出た瞬間でした。
この事件に対し、新しく広報本部長に就任した鈴木貴子氏は見事な対応を見せます。
「#支持率上げてやる」というハッシュタグで返したのです。
この粋な返しは大きな反響を呼び、多くの人が「報道の公平性」について考えるきっかけになりました。
そして自民党は、メディアの編集を経ない「一次情報」を直接届ける戦略を本格化させたのです。
👤 鈴木貴子広報本部長が仕掛けた情報発信革命
この新しい広報戦略を推進しているのが、鈴木貴子広報本部長です。
報道によると、鈴木貴子氏は2025年10月7日に広報本部長に就任しました。
📊 鈴木貴子氏のプロフィール
• 当選5回、元外務副大臣という経歴を持つ39歳
• 鈴木宗男参議院議員の長女としても知られる
• 総裁選で茂木敏充氏の広報戦略も担当した実績あり
実は、茂木敏充氏の総裁選での広報戦略も担当していた「広報のプロ」なのです。
臨時総務会での就任挨拶で、鈴木氏はこう述べています。
「選挙に強いだけではなく、信頼関係や人間関係が強いのが自民党だと思っていただけるよう、頑張っていきたい」
この言葉通り、鈴木氏はSNS活用に積極的な姿勢を見せています。
「#支持率上げてやる」のハッシュタグは多くの支持を集め、自民党の新しい広報スタイルを象徴する言葉となりました。
39歳という若さと、デジタルネイティブ世代の発想。
これが、従来の政治広報にはなかった新しい風を吹き込んでいるのです。
🏢 メディアを介さない直接発信戦略の時代
自民党の取り組みは、実は企業の世界では先例があります。
代表的なのが、トヨタ自動車の「トヨタイムズ」と任天堂の「ニンテンドーダイレクト」です。
🚗 トヨタイムズの事例
2019年に開始されたオウンドメディア。俳優の香川照之さんが編集長を務め、テレビCMとWebサイトを連動させた情報発信を行っています。
専門家の分析によると、トヨタイムズの特徴は「メディアというフィルターを通さず、直接ユーザーに伝える」点にあります。
豊田章男社長の想いや、製品開発の裏側まで、すべて自社で発信しているのです。
一方、任天堂のニンテンドーダイレクトは2011年に始まりました。
ゲーム情報を動画で直接ユーザーに届ける取り組みです。
実は、任天堂がニンテンドーダイレクトを始めたのも、「メディアの歪んだ報道」が理由でした。
2011年当時、任天堂の情報がメディアを通じて歪んだ形で拡散されることが問題になっていたのです。
そこで任天堂は、メディアを介さずゲームファンへ情報を直接発信する方法を選びました。
今ではニンテンドーダイレクトは大成功を収め、多くの企業が同様の手法を採用しています。
🔗 共通点
トヨタ・任天堂・自民党。業種は違えど、「メディア不信」への対策として同じ道を選んだのです。
📱 SNSで実現可能になった「全文公開」の技術的背景
実は、この「全文書き起こし」戦略が可能になったのには、技術的な背景があります。
X（旧Twitter）の文字数制限が大幅に緩和されたのです。
調査によると、Xの有料プラン「X Premium」では、最大25,000文字まで投稿できるようになりました。
日本語なら約12,500文字です。
従来のTwitterは140文字（英語は280文字）が上限でした。
これでは会見の全文を載せることなど不可能でした。
📈 文字数制限の変遷
イーロン・マスクがTwitterを買収してから状況が変わります。2023年、わずか5ヶ月の間に文字数制限が段階的に拡大されました。
4,000文字 → 10,000文字 → 25,000文字
この急速な変化により、会見の全文を1つの投稿で完結できる環境が整ったのです。
実は、2023年まで4,000文字だったのが、わずか5ヶ月で25,000文字になったという事実は、多くの人が知りません。
この技術的制約の解消が、政治広報の新しい可能性を開いたのです。
これにより、ブログや外部サイトへの誘導が不要になりました。
読者は、Xの投稿だけで完全な情報を得られるようになったのです。
✅ 切り取り報道への対抗策としての効果と評価
では、この「全文書き起こし」は実際にどう評価されているのでしょうか。
SNS上では多くの肯定的評価が見られます。
「正確さが大切なので全文書き起こしはありがたい」「偏向報道防止に有効」といった声が上がっています。
一方で「長すぎて読みづらい」という意見も存在します。
💭 重要な指摘
しかし、この「読みづらさ」こそが重要だという指摘もあります。なぜなら、読みやすく編集された情報は、同時に「切り取られた情報」でもあるからです。
全文が長くて読みにくいということは、逆に言えば「何も削除されていない証拠」なのです。
メディア研究の分析によると、日本のメディアへの信頼度は年々低下しています。
2025年の調査では、日本人の39％しか「ニュースは信頼できる」と答えていません。
この背景には、2024年兵庫県知事選での出来事があります。
メディアの報道と実際の選挙結果が大きく乖離し、SNSの情報が有権者の判断に影響を与えたのです。
実は、「長すぎる」という批判こそが、この取り組みの価値を証明しています。
短く分かりやすい情報は魅力的ですが、そこには必ず「誰かの判断」が入っています。
全文を読むのは大変ですが、それが「編集されていない事実」を保証するのです。
メディアリテラシーの観点からも、一次情報へのアクセスが容易になることは重要です。
読者が自分で判断するための材料が、そのまま提供されるようになったのです。
🔮 今後の政治広報はどう変わるのか
この動きは、今後の政治広報をどう変えていくのでしょうか。
まず考えられるのは、他の政党も追随する可能性です。
自民党の取り組みが成功すれば、野党も同様の手法を採用するかもしれません。
メディアの役割も再定義が必要になるでしょう。
🎯 メディアの役割変化
全文が誰でも読める時代、メディアの価値は「情報の取捨選択」から「情報の分析と解説」へシフトしていくと考えられます。
有権者の情報収集方法も変化します。
「メディアが報じたこと」を知るのではなく、「政治家が実際に言ったこと」を直接確認する時代になるのです。
AIによる要約技術との組み合わせも期待されます。
全文は公開しつつ、AIが自動で要約を作成すれば、詳しく知りたい人も手軽に知りたい人も満足できます。
特に少数与党という現状では、説明責任の重要性が増しています。
野党の協力を得るためには、透明性の高い情報発信が不可欠です。
全文書き起こしは、この要請に応える一つの答えと言えます。
実は、この変化は「メディアの終わり」を意味しません。
むしろメディアの役割が変わるのです。
一次情報は政治家が直接発信し、メディアはその分析や背景説明に専念する。
そんな新しい関係性が生まれつつあります。
📝 まとめ：情報の民主化が始まった
自民党広報の「全文書き起こし」は、単なる広報手法の変更ではありません。
これは、メディア不信の時代における「情報の民主化」の一形態です。
重要なポイント：
- 📢 「支持率下げてやる」という報道陣の発言が、メディアへの不信を可視化した
- ✨ 鈴木貴子広報本部長の「#支持率上げてやる」という対応が、新しい広報戦略の象徴となった
- 🏢 トヨタや任天堂が切り開いた「直接発信」の道を、政治の世界でも歩み始めた
- 📱 Xの文字数制限緩和という技術的変化が、全文公開を可能にした
- 📖 「長すぎる」という批判こそが、編集されていない証拠として価値を持つ
今後、この取り組みが他の政党にも広がるかどうかは分かりません。
しかし確実なのは、有権者が「編集されていない一次情報」に直接アクセスできる環境が整ったということです。
私たち一人ひとりが、情報を読み解く力を求められる時代になりました。
メディアの要約を信じるのも、長くても全文を読むのも、選択は自由です。
💬 大切なのは、選択肢があるということ。そして、自分で判断する力を持つということ。
あなたは、メディアの要約を信じますか？
それとも、長くても全文を読みますか？
❓ よくある質問（FAQ）
Q1: 自民党の「全文書き起こし」とは何ですか？
記者会見の質疑応答を編集せず、一言一句そのままX（旧Twitter）に投稿する取り組みです。記者の所属社名も明記し、動画リンクも同時に提供しています。
Q2: なぜ「全文書き起こし」が注目されているのですか？
2025年10月7日、報道陣の「支持率下げてやる」という発言がライブ配信に乗って拡散されたことがきっかけです。これによりメディアの公平性への疑念が高まり、編集されていない一次情報への需要が増しました。
Q3: 鈴木貴子広報本部長はどんな人ですか？
39歳で当選5回、元外務副大臣。鈴木宗男参議院議員の長女で、総裁選で茂木敏充氏の広報戦略も担当した実績があります。「#支持率上げてやる」という機転の効いた対応で注目を集めました。
Q4: トヨタや任天堂も同じような取り組みをしているのですか？
はい。トヨタは「トヨタイムズ」、任天堂は「ニンテンドーダイレクト」で、メディアを介さず直接ユーザーに情報を届けています。いずれも「メディアの歪んだ報道」への対策として始まりました。
Q5: なぜ今までできなかったのですか？
従来のTwitterは140文字（英語280文字）が上限でした。しかし2023年、イーロン・マスク買収後に文字数制限が段階的に拡大され、最大25,000文字まで投稿できるようになったことで、会見全文の公開が可能になりました。
Q6: 「長すぎて読みづらい」という批判はありますか？
あります。しかしこの「読みづらさ」こそが「切り取られていない証拠」として評価されています。編集された情報は読みやすい一方で、誰かの判断が入っているからです。
Q7: 今後どうなると予想されますか？
他の政党も同様の手法を採用する可能性があります。また、メディアの役割は「情報の取捨選択」から「情報の分析と解説」へシフトしていくと考えられます。AIによる要約技術との組み合わせも期待されています。
