⚡ 2025年10月31日、静岡県伊東市で衝撃的な出来事がありました。
田久保真紀市長が、市議会の2度目の不信任決議により、この日をもって失職することが決定したのです。
しかも、市長に就任してからわずか5ヶ月。半年もたたないうちに市長の座を失うという、異例の展開でした。
いったい何があったのでしょうか。すべての始まりは、6月初旬に市議会に届いた一通の告発文でした。
この記事では、伊東市で起きた一連の騒動を、わかりやすく時系列で解説していきます。
📋 この記事でわかること

⚖️ 伊東市・田久保市長が失職決定―たった5ヶ月での異例の結末
2025年10月31日午前10時、伊東市議会で臨時会が開かれました。
議題は、田久保真紀市長に対する2度目の不信任決議案。結果は、賛成多数で可決されました。
この瞬間、田久保市長は自動的に失職することが決まったのです。
🤔 不信任決議って何?
「不信任決議」とは、市議会が市長に対して「あなたは市長として信用できない」と宣言することです。
これが可決されると、市長は「辞職するか」「市議会を解散するか」の2つから選ばなければなりません。
しかし、実は今回は「2度目」の不信任決議でした。
⚠️ 2度目の不信任決議は「失職確定」
地方自治法という法律には、こんなルールがあります。
1度目の不信任決議を受けて市議会を解散した場合、2度目の不信任決議が可決されたら、もう逃げ道はありません。
自動的に失職するのです。
つまり、田久保市長には「辞職」や「解散」という選択肢は残されていませんでした。
10月31日の不信任決議が可決された瞬間、日付が変わる時点で自動的に市長ではなくなる―これが決まったのです。
⏱️ わずか5ヶ月での失職
田久保市長が就任したのは、2025年5月。
そこからわずか5ヶ月で失職するという、地方政治では極めて異例の展開となりました。
半年もたたないうちに市長の座を失う―この短さが、今回の騒動の異常さを物語っています。
では、なぜこんなことになったのでしょうか。次のセクションで、その理由を詳しく見ていきましょう。
📝 なぜ失職?学歴詐称問題の全容―『東洋大卒』が実は除籍だった
田久保市長が失職することになった理由。それは、「学歴詐称問題」でした。
📮 6月初旬に届いた告発文
すべての発端は、2025年6月初旬のことです。
伊東市議会の全議員宛てに、匿名の告発文が届きました。その内容は衝撃的でした。
「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している」
実は、田久保市長は市長選に際して報道機関に提出した経歴調査票に「東洋大学法学部経済法学科卒業」と記入していました。
さらに、市が発行する広報誌「広報いとう」7月号にも「平成4年 東洋大学法学部卒業」と掲載されていたのです。
❌ 「東洋大卒」は嘘だった
告発文を受けて、議会で追及された田久保市長。
最初は「怪文書には対応しない」と突っぱねていました。
しかし、2025年6月28日、田久保市長は自ら東洋大学を訪れます。そして卒業証明書を取得しようとしたところ、衝撃の事実が判明しました。
卒業の記録がなかったのです。実際には「除籍」されていたことがわかりました。
🗣️ 7月2日の記者会見で認める
2025年7月2日、田久保市長は記者会見を開きました。
「除籍であることが判明しました」
本人は「卒業したものだと認識していた」「勘違いだった」と説明しましたが、市議会や市民は納得しませんでした。
なぜなら、議長と副議長に「卒業証書」を見せていたからです。この「卒業証書」が本物なのか、それとも偽物なのか―新たな疑惑が浮上しました。
学歴詐称問題の詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています。
⚖️ 百条委員会が「虚偽」と認定
市議会は「百条委員会」という特別な調査委員会を設置しました。
この委員会は、証人に出頭を命じたり、証拠の提出を求めたりする強い権限を持っています。
調査の結果、百条委員会は田久保市長の「卒業したと勘違いしていた」という主張を「虚偽」と認定しました。
学歴を偽っていたことが、公式に認められたのです。
では、この学歴詐称をした田久保市長とは、どんな人物だったのでしょうか。
🎯 "下剋上市長"田久保市長とは?最下位当選からの大逆転劇
田久保真紀市長は、2025年5月の市長選で初当選を果たしました。
しかし、実はその前には驚くべき経歴がありました。
📊 2023年市議選では最下位当選
田久保氏は元市議会議員でした。
2023年9月に行われた市議会議員選挙に立候補し、当選しています。
しかし、その順位が衝撃的でした。なんと、定数20人のうち「最下位」での当選だったのです。
つまり、あと1票でも少なかったら落選していた、ギリギリの当選でした。
🏆 2025年市長選で現職を破る
それから約1年半後の2025年5月。
田久保氏は伊東市長選に立候補します。対するは現職の小野達也市長。
現職 vs 新人、しかも市議選では最下位当選だった新人という構図でした。
ところが、結果は田久保氏の勝利。現職を破って、初当選を果たしたのです。
⚔️ "下剋上"と呼ばれた理由
最下位当選の市議から、わずか1年半で市長へ。
この劇的な逆転劇は、"下剋上"と呼ばれました。
無所属の新人でありながら、現職を打ち破ったことで、「伊東のジャンヌ・ダルク」とも呼ばれたといいます。
初の女性市長ということもあり、大きな注目を集めました。
田久保市長の大学時代については、友人の証言を含めた詳しい記事がこちらにあります。
しかし、この"下剋上"の栄光は、学歴詐称問題により一転して転落劇へと変わっていきます。
📅 市議会解散→再選挙で反対派圧勝―19対1という圧倒的敗北
学歴詐称問題が発覚してから、事態は急速に動いていきます。
❗ 2025年9月1日:1度目の不信任決議
2025年9月1日、伊東市議会は本会議で田久保市長に対する不信任決議案を採決しました。
結果は、議員19人全員が賛成という「全会一致」での可決でした。
不信任決議では、田久保市長について「無責任かつ卑劣な人物が市長であり続けることを市議会としては到底容認できるものではない」と厳しく非難されました。
💥 2025年9月10日:市長が市議会を解散
不信任決議を受けた市長には、2つの選択肢があります。
- 辞職する
- 市議会を解散する
田久保市長は、辞職ではなく「市議会を解散する」という道を選びました。
これは「市民に信を問う」という名目ですが、実質的には不信任決議から逃れようとする動きでした。
市議会を解散すれば、新しい市議選が行われます。そこで田久保市長を支持する議員が多数当選すれば、不信任決議は無効になると考えたのです。
🗳️ 2025年10月19日:市議選で反対派が圧勝
10月19日、市議会議員選挙が行われました。
立候補したのは前職18人と新人12人の合計30人。定数は20人です。
投票率は59.22%。前回2023年の市議選が48.88%だったので、10.34ポイントも上昇しました。市民の関心の高さが数字に表れています。
そして、開票の結果は―。
😱 19対1という圧倒的敗北
当選した20人のうち、9月1日に不信任決議案に賛成した前職議員が18人全員再選されました。
さらに新人2人のうち1人も「田久保市長を支持しない」と明言していました。
つまり、20人中19人が不信任賛成派という結果になったのです。
田久保市長を支持する議員は、わずか1人だけ。
19対1という、圧倒的な敗北でした。
🎲 市議会解散という賭けが完全に裏目に
田久保市長は「市民に信を問う」として市議会を解散しました。
しかし、市民の答えは明確でした。反対派の議員を圧倒的多数で当選させたのです。
市議会を解散するという賭けは、完全に裏目に出ました。
そして冒頭で説明したとおり、2度目の不信任決議が可決されれば、もう逃げ道はありません。
10月31日の臨時議会で2度目の不信任決議が可決され、田久保市長は失職することが確定しました。
では、今後の伊東市はどうなるのでしょうか。
🔮 今後の伊東市はどうなる?市長選と行政への影響
田久保市長が失職したあと、伊東市はどうなるのでしょうか。
📆 市長選は12月に実施予定
地方自治法では、市長が失職した場合、50日以内に市長選挙を実施しなければならないと定められています。
10月31日に失職した場合、12月中旬までには新しい市長を選ぶ選挙が実施される見込みです。
報道によると、12月7日告示、14日投開票という日程が有力視されています。
🤔 田久保氏は再出馬の意向
驚くべきことに、田久保氏は市長選への再出馬に意欲を示しています。
市議選で新人候補の応援演説に駆け付けた際、「私への賛否は他のところで問われる。その時には皆さんの信を問う」と述べていました。
19対1という圧倒的敗北を喫したにもかかわらず、再び市長選に挑戦する可能性があるのです。
👥 すでに複数の候補者が出馬表明
報道によると、すでに複数の候補者が出馬を表明しています。
出馬表明者(4名)
- 前市議の杉本憲也氏
- 会社役員の黒坪則之氏
- スポーツインストラクターの石島明美氏
- レジャー施設経営の岩渕寛二氏
さらに、2025年5月の市長選で田久保氏に敗れた前市長の小野達也氏も、出馬に意欲を示しているといいます。
自民党伊東支部では「小野氏を推す声」が上がる一方、「市民からNOを突きつけられた人物を再び立てるのか」という疑問の声もあるとのことです。
💰 行政への影響は?
今回の騒動により、伊東市の行政は大きく混乱しました。
市長選に必要な費用は約6300万円。市議選の費用も含めると、多額の税金が使われることになります。
また、観光地として知られる伊東市にとって、このような政治的混乱は観光イメージにも影響を与える可能性があります。
地元商店主は「次に誰が市長になっても、信頼の回復には時間がかかるでしょう」とため息をついていると報じられています。
🌟 伊東市の新しいスタート
たった5ヶ月で市長の座を失った田久保氏。最下位当選から市長へという"下剋上"の物語は、学歴詐称問題により一転して転落劇となりました。
市議会を解散して市民の信を問うという賭けも、19対1という圧倒的敗北で終わりました。市民の意思は明確でした。
今後、12月には新しい市長を選ぶ選挙が行われます。田久保氏が再び出馬するのか、それとも新しいリーダーが選ばれるのか。
いずれにしても、伊東市は今、新しいスタートを切る岐路に立っています。観光地として知られる伊東市が、この混乱からどのように立ち直っていくのか。全国が注目しています。
📝 この記事のまとめ
- 2025年10月31日、伊東市の田久保市長が2度目の不信任決議により失職決定
- 市長就任からわずか5ヶ月での失職という異例の短さ
- 学歴詐称問題が発端(「東洋大卒」と記載していたが実際は除籍)
- 1度目の不信任→市議会解散→市議選で反対派19/20という圧勝→2度目の不信任で失職
- 12月に市長選が実施予定、田久保氏は再出馬の意向を示している
伊東市で起きたこの騒動について、あなたはどう思いますか?学歴詐称問題から始まった一連の出来事が、地方政治にどのような影響を与えるのか、今後も注目していく必要がありそうです。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 伊東市の田久保市長はなぜ失職したのですか?
2025年10月31日に市議会で2度目の不信任決議が可決されたためです。学歴詐称問題(東洋大卒としていたが実際は除籍)が発端で、地方自治法により2度目の不信任決議では自動失職となります。
Q2. 学歴詐称問題とは具体的にどのような内容ですか?
田久保市長は「東洋大学法学部卒業」と経歴を記載していましたが、実際には除籍されていました。6月初旬に匿名の告発文が市議会に届き、百条委員会の調査で虚偽と認定されました。
Q3. 田久保市長はどのような経歴の人物ですか?
2023年市議選で定数20人中最下位で当選した元市議会議員です。2025年5月の市長選で現職を破り初当選し、"下剋上"と呼ばれましたが、わずか5ヶ月で失職することになりました。
Q4. 市議会解散後の市議選の結果はどうなりましたか?
2025年10月19日の市議選で、当選者20人のうち19人が田久保市長を支持しない議員となりました。支持派は1人だけという19対1の圧倒的敗北となり、2度目の不信任決議は確実な状況となりました。
Q5. 今後の伊東市はどうなるのですか?
失職後50日以内に市長選が実施され、12月7日告示、14日投開票の日程が有力視されています。田久保氏は再出馬の意向を示しており、他にも複数の候補者が出馬を表明しています。
Q6. 不信任決議とは何ですか?
市議会が市長に対して「信用できない」と宣言することです。可決されると市長は「辞職」か「市議会解散」を選ばなければなりません。2度目の不信任決議が可決された場合は自動的に失職します。