2025年9月30日の深夜、北海道新幹線で前代未聞の事態が発生しました。
本来なら時速160キロで走るはずの青函トンネル内で、新幹線が時速36キロまで減速。これ、実は自転車とほぼ同じ速度なんです。
原因は40代の運転士が「ぼーっとしていた」こと。ところが驚くべきことに、列車は定刻通りに終点の新函館北斗駅に到着したんです。
なぜこんなことが可能だったのでしょうか?
さらに衝撃的なのは、この運転士が9年前にも全く同じことをやっていたという事実。JR北海道の発表から明らかになった、事態の全貌をお伝えします。

📋 この記事でわかること
🚄 【衝撃】新幹線が時速36キロで走行?何が起きたのか
2025年9月30日午後11時頃、東京発新函館北斗行きの北海道新幹線「はやぶさ39号」が青函トンネル内で異常減速しました。
JR北海道への取材によると、列車は時速36キロまで速度が低下。本来この区間は時速160キロで走行できる高速区間です。
つまり、通常の約78%も速度が落ちていたわけです。
この列車には約50人の乗客が乗っていましたが、けが人はいませんでした。そして不思議なことに、列車は定刻通りに新函館北斗駅に到着したんです。
一体何が起きたのでしょうか?
💡 ポイント
運転していたのは40代の運転士。実はこの運転士、走行中に一時的に意識レベルが低下して、列車の操作ができなくなっていたことが分かりました。
異変に気づいたのは車掌でした。
あまりにも速度が遅いことに気づいた車掌が、車内電話で運転士に連絡。その電話の音で運転士は意識を取り戻し、すぐに加速操作を行って速度を上げたそうです。
時速36キロ。これ、実は電動アシスト自転車とほぼ同じ速度なんです。
新幹線が自転車並みの速度で走っていたって、想像できますか?
💭 運転士の「ぼーっとしていた」発言の真相
STVニュース北海道の報道によると、この運転士は社内調査に対して「一時的にぼーっとしていた」と説明しているそうです。
この率直すぎる証言に、多くの人が驚きました。
JR北海道の発表では、運転士は事前の健康診断で体調良好だったとのこと。アルコールの摂取や薬の服用もありませんでした。
では、なぜ意識レベルが低下したのでしょうか?
⚠️ 調査状況
JR北海道は「意識低下の詳細な理由は調査中」としています。具体的な原因はまだ分かっていません。
ただ、青函トンネル特有の状況が関係している可能性があります。
トンネル内では下り勾配に入るとブレーキが自動的にかかり、上り勾配になるとブレーキが自動的に解除される仕組みになっています。
運転士はこのブレーキ解除後に、本来ならアクセル操作(加速操作)をする必要がありました。でも、そのタイミングで意識レベルが低下し、操作を忘れてしまったんです。
つまり、アクセルを踏まないまま列車がどんどん減速していった、ということですね。
最終的に時速36キロまで落ちたところで、車掌が気づいて連絡。運転士は意識を取り戻して加速し、事なきを得ました。
🚲 時速36キロってどのくらい遅いの?身近な例で比較
時速36キロと言われても、ピンとこない人も多いと思います。
身近な乗り物で比較してみましょう。
🔍 速度の比較
- 普通のママチャリ:時速15-20キロ
- 電動アシスト自転車:時速24-25キロ(アシスト上限)
- 原付バイク:時速30キロ(法定速度)
- 今回の新幹線:時速36キロ
- 一般道を走る車:時速40-60キロ
- 通常の青函トンネル内新幹線:時速160キロ
そうなんです。この新幹線、頑張れば電動アシスト自転車で追いつける速度だったんです。
青函トンネルの通常運行速度は時速160キロ。これと比べると、今回の時速36キロは約4.4分の1の速度。
もし青函トンネル全体をこの速度で走ったら、通常20分程度で通過できる区間が、1時間30分近くかかる計算になります。
想像してみてください。新幹線の窓から外を見ていたら、自転車に乗った人が並走してくる光景を。
そんな異常事態が、実際に起きていたわけです。
⏱️ 定刻通りに到着できた"意外な"理由
「時速36キロまで減速したのに、なぜ定刻通りに着けたの?」
これ、多くの人が疑問に思うポイントですよね。
実は、いくつかの理由が重なって「奇跡」が起きたんです。
✅ 定刻到着を可能にした要因
1. 最終列車のダイヤに余裕があった
はやぶさ39号の運行ダイヤを見ると、東京17:20発→新函館北斗21:44着。
最終列車や深夜の列車は、通常よりも余裕を持ったダイヤが組まれていることが多いんです。これは、何かトラブルがあっても対応できるようにするため。
今回はこの「余裕」が功を奏しました。
2. 青函トンネル通過時間が短かった
青函トンネルの長さは約54キロ。通常時速160キロで走れば、約20分で通過できます。
今回、時速36キロまで減速したのは一時的。車掌がすぐに気づいて連絡したため、極端に遅い速度で走ったのは数分程度だったと考えられます。
3. 乗客が少なかった
深夜の最終列車で、乗客は約50人。通常の新幹線は定員が約700-800人なので、かなり少ない状況でした。
乗客が少ないと列車の重量も軽くなり、加速しやすくなります。運転士が意識を取り戻した後、速やかに速度を上げられたのも、この影響があるかもしれません。
4. 車掌の早期発見
車掌が異常に気づくのが遅れていたら、もっと長時間、低速で走ることになっていたでしょう。
早期発見・早期対応が、定刻到着を可能にした大きな要因です。
つまり、「奇跡」というよりは、システムに組み込まれた余裕と、車掌の適切な対応が組み合わさった結果だったんですね。
😱 実は9年前にも…同じ運転士が起こしていた類似事象
ここからが、さらに衝撃的な事実です。
STVニュース北海道の独自取材によると、この40代の運転士は2016年にも全く同じような事象を起こしていたそうです。
9年前。つまり、北海道新幹線が開業した年です。
JR北海道は当時、「再発防止のため指導を徹底」したとしています。でも、9年後の2025年に、同じ運転士がまた同じことを起こしてしまったわけです。
🚨 これは非常に重大な問題です
なぜ同じ人が同じミスを繰り返したのか?
なぜ9年間、この運転士は運転を続けられたのか?
再発防止策は本当に機能していたのか?
多くの疑問が浮かびます。
JR北海道は今回の事態を受けて、「再発防止のため指導を徹底し、今後厳正に対処したい」とコメントしています。
でも、「前回も同じこと言ってたよね?」と感じる人も多いでしょう。
一度のミスなら「誰にでもある」と言えるかもしれません。でも、2回目となると話は別です。
特に、新幹線という何百人もの命を預かる乗り物の運転士となれば、より厳格な管理が求められるはずです。
🌊 青函トンネルの特殊性が大事故を防いだ
今回、幸いにも大事故にはなりませんでした。
その理由の一つが、青函トンネルの特殊な構造です。
JR北海道の公式情報によると、青函トンネルには驚くべき特徴があります。
トンネル内に水平な場所が一切ないんです。
🔍 青函トンネルの構造
青函トンネルは全長53.85キロ。この間、ずっと上り坂か下り坂が続いています。
なぜこんな構造になっているかというと、トンネル内に湧き出る地下水を中央の最低地点に集めて、地上に排水するため。最急勾配は12/1000(1000メートル進むと12メートルの高低差)で設計されています。
この構造が、今回の事態に影響しました。
下り勾配では自動的にブレーキがかかります。そして上り勾配になるとブレーキが自動解除されるわけですが、このタイミングで運転士が加速操作をしなかった。
上り勾配を登る力がないまま、列車はどんどん減速していったんです。
でも、逆に考えると、この構造が大事故を防いだとも言えます。
もし下り勾配が続いていたら、ブレーキなしで加速し続け、危険な速度に達していた可能性もあります。上り勾配だったからこそ、自然に減速して、車掌が異変に気づくまでの時間を稼げたわけです。
また、青函トンネル内の最高速度が時速160キロに制限されているのも、ある意味では安全装置になっています。
この制限は、トンネル内を走る貨物列車との共用のため。新幹線が時速260キロですれ違うと、風圧で貨物が吹き飛んでしまうからです。
もし制限速度が時速260キロだったら、運転士の意識低下による影響はもっと大きかったかもしれません。
🔧 JR北海道の対応と今後の再発防止策
今回の事態を受けて、JR北海道はどう対応するのでしょうか?
JR北海道は公式に「意識低下の詳細な理由は調査中」としています。そして「再発防止のため指導を徹底し、今後厳正に対処したい」とコメント。
ただ、これだけでは不十分だと感じる人も多いでしょう。
なぜなら、JR北海道は過去に複数の重大な安全問題で業務改善命令を受けているからです。
⚠️ JR北海道の過去の安全問題
- 2011年:石勝線で特急列車脱線火災事故が発生。248人の乗客がトンネル内を徒歩で避難
- 2013年:函館本線で貨物列車脱線事故。その後、多くの線路検査データの改ざんが発覚
- 2014年:国土交通大臣から「輸送の安全に関する事業改善命令及び事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」が発令
これらの問題を受けて、JR北海道は「安全の再生」を掲げ、改革を進めてきました。
でも、今回の事態は、その努力が十分に実を結んでいないことを示しているのかもしれません。
特に問題なのは、9年前に同じことをした運転士が、また同じミスを繰り返したという点。
再発防止策が本当に機能していたのか?
運転士の健康管理体制は適切だったのか?
定期的な適性検査は行われていたのか?
こうした疑問に、JR北海道は明確に答える必要があります。
現在、運転士の意識低下の原因について詳しい調査が進められています。医学的な要因があるのか、勤務状況に問題があったのか、それとも別の原因があるのか。
調査結果が明らかになれば、より具体的な再発防止策が打ち出されるでしょう。
私たちが日々利用する新幹線。その安全は、決して当たり前ではありません。
今回は幸い大事故にはなりませんでしたが、「運が良かった」で済ませてはいけない事態です。
📝 まとめ:北海道新幹線36キロ走行事件の重要ポイント
🔑 事件の重要ポイント
- 2025年9月30日深夜、北海道新幹線が青函トンネル内で時速36キロまで減速(通常は時速160キロ)
- 40代の運転士が一時的に意識レベルが低下し、加速操作を忘れた
- 車掌の早期発見と最終列車のダイヤの余裕により、定刻通りに到着
- 同じ運転士が2016年にも同様の事象を起こしていた
- JR北海道は原因を調査中で、再発防止策を検討中
🎯 今後の課題
- 運転士の健康管理体制の抜本的な見直し
- 過去に問題を起こした運転士の継続的な監視体制
- 意識低下を早期に検知できるシステムの導入
- より厳格な適性検査の実施
新幹線の安全神話は、一人ひとりの責任ある行動と、確実な安全管理体制によって支えられています。
今回の事態を教訓に、JR北海道にはより強固な安全体制の構築を期待したいと思います。
私たち乗客も、「新幹線だから安全」と思い込まず、こうした問題に関心を持ち続けることが大切ですね。
あなたは今回の事態について、どう思いますか?
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: 北海道新幹線が時速36キロで走行したのはなぜですか?
運転士が一時的に意識レベルが低下し、加速操作を失念したためです。青函トンネル内の上り勾配でブレーキが自動解除された後、加速せずに減速し続けた結果、時速36キロまで速度が落ちました。
Q2: 時速36キロの新幹線に定刻通り到着できたのはなぜですか?
最終列車のダイヤに余裕があったこと、減速していた時間が数分程度と短かったこと、乗客が少なく軽量だったこと、車掌が早期に発見して対応したことなど、複数の要因が重なった結果です。
Q3: この運転士は過去にも同じことをしていたのですか?
はい。2016年にも同様の事象を起こしていたことが判明しています。JR北海道は当時、再発防止のため指導を徹底したとしていますが、9年後に同じミスが繰り返されました。
Q4: 青函トンネルの特殊性とは何ですか?
青函トンネルには水平な場所が一切なく、常に上り勾配か下り勾配が続いています。これは地下水を中央の最低地点に集めて排水するための設計で、今回は上り勾配が自然減速を生み、車掌が異変に気づく時間を作りました。
Q5: JR北海道の今後の対応はどうなりますか?
JR北海道は意識低下の原因を調査中で、「再発防止のため指導を徹底し、今後厳正に対処したい」としています。運転士の健康管理体制の見直しや、意識低下を早期検知するシステムの導入などが求められています。
Q6: 時速36キロはどれくらいの速さですか?
電動アシスト自転車の速度(時速24-25キロ)よりやや速く、原付バイクの法定速度(時速30キロ)よりやや速い程度です。通常の青函トンネル内の走行速度(時速160キロ)の約4.4分の1の速度です。