2025年10月22日、大阪府枚方市の静かな住宅街で、とんでもない事件が起きました。
48歳の男性が、一緒に暮らしている女性を人質に取り、包丁を突きつけて部屋に立てこもったんです。しかも、その時間は14時間——朝から夜まで、ずっと。
警察が必死に説得を続ける中、事態は一向に解決しません。そして日が暮れた午後10時46分、ついに大阪府警の特殊部隊「MAAT」が突入。緊迫の瞬間を経て、人質の女性は無事に救出され、男は逮捕されました。
この記事では、枚方市で起きた14時間の立てこもり事件について、何があったのか、なぜこんなことになったのか、そして謎の特殊部隊「MAAT」とは何なのかを、分かりやすく解説します。

📍 末次透容疑者(48歳)とは?枚方市桜町で起きた14時間立てこもり事件の概要
まず、事件の基本情報から整理しましょう。
🕐 事件が起きた日時と場所
2025年10月22日の午前8時過ぎ、大阪府枚方市桜町にある集合住宅で事件は発生しました。
枚方市は大阪府の北東部にある、人口約40万人の街。京都府との境に近く、住宅街が広がる静かなエリアです。
そんな普通の住宅街で、まさかこんな事件が起きるとは誰も思っていませんでした。
👤 犯人は末次透容疑者(48歳)
逮捕されたのは、末次透容疑者、48歳。
ABCニュースの報道によると、職業は「不詳」とされていて、具体的に何をしていた人なのかは明らかになっていません。
警察の発表でも「自称・末次透」とされていることから、本名かどうかも確定していない状況です。
👥 被害者は40代の内縁の妻
人質にされたのは、末次容疑者と一緒に暮らしていた40代の女性。
内縁関係、つまり結婚はしていないけど、事実上夫婦のように暮らしていた関係です。
✅ 救出後の状況
事件後、女性は警察に保護されましたが、幸いにも怪我はありませんでした。14時間もの間、包丁を突きつけられていたと考えると、精神的なショックは計り知れません。
⏰ 事件の結末:14時間後に逮捕
事件が解決したのは、発生から約14時間後の22日午後10時46分頃。
大阪府警の特殊部隊「MAAT」が部屋に突入し、末次容疑者を監禁の疑いで現行犯逮捕しました。
人質の女性は無事に保護され、容疑者本人も怪我はなかったとのことです。
14時間というと、朝の8時から夜の10時まで。学校や仕事が終わって、夕飯を食べて、お風呂に入って、そろそろ寝ようかという時間まで、ずっと立てこもっていたことになります。
🔍 事件のきっかけは警察の訪問|窃盗事件の捜査が立てこもりに発展した経緯
では、なぜこんな事態になったのでしょうか?
実は、この立てこもり事件のきっかけは「警察の訪問」だったんです。
🚔 警察が窃盗事件の捜査で訪問
22日の午前8時過ぎ、大阪府警の捜査員が末次容疑者の部屋を訪れました。
目的は、窃盗事件の捜査。具体的にどんな窃盗事件だったのかは報道されていませんが、末次容疑者が何かの窃盗事件に関わっているのではないかと疑われていたようです。
捜査員が呼び出しても、末次容疑者は応じませんでした。
👁️ 窓から確認すると、包丁を突きつけている姿が
応答がないため、捜査員は窓から室内の様子を確認しようとしました。
すると——
⚠️ 緊迫の瞬間
女性に包丁を突きつけている末次容疑者の姿が見えたんです。
「刺してしまうぞ」と大声を出しながら、包丁を女性に向けている。捜査員は、これは人質事件だと判断し、すぐに応援を要請しました。
❓ なぜ警察の訪問で立てこもりに?
ここで疑問なのは、「なぜ警察が来たくらいで、人質を取って立てこもるような事態になったのか」ということ。
考えられる理由としては:
- 窃盗事件で逮捕されることを恐れた
- パニックになって衝動的に女性を人質にした
- 他にも余罪があり、それが発覚することを恐れた
ただし、これらはあくまで推測です。末次容疑者は現在、取り調べに対して黙秘を続けているため、本当の動機はまだ分かっていません。
⏳ 14時間の膠着状態|警察との交渉と説得が続いた長い攻防
立てこもりが始まってから、警察と末次容疑者の間で長い攻防が続きました。
📞 警察は携帯電話で説得を試みる
警察は、末次容疑者の携帯電話に連絡し、女性を解放するよう説得を続けました。
「女性を解放してください」「話を聞きますから、出てきてください」
しかし、末次容疑者は説得には応じませんでした。会話自体はするものの、女性を解放する気配はなし。
金品の要求もなく、ただ「帰ってくれ」と繰り返すばかりだったといいます。
🏘️ 近隣住民は外出もできない状況に
立てこもり現場周辺は、警察による厳戒態勢が敷かれました。
近隣住民の証言によると、家を出ようとしたら警察官から「極力出ないように。出たら帰ってこれない」と言われたそうです。
「そんな事件が起こるとは思わないから怖い」
普通の住宅街で、まさか自分の家の近くでこんな事件が起きるなんて。住民の不安は計り知れません。
🌆 午後5時半、膠着状態が続く
事件発生から約9時間が経過した午後5時半の時点でも、状況は動きませんでした。
警察は周辺を封鎖し、説得を続けていましたが、末次容疑者は部屋から出てくる様子がありません。
人質の女性の安全を最優先に、警察は慎重に対応を続けました。
このまま夜を迎えることになるのか——現場には緊張感が漂っていました。
🎯 午後10時、特殊部隊MAATが突入準備を開始
事件発生から13時間が経過した午後10時頃、状況が動き始めます。
建物の外では、大阪府警捜査一課の特殊班「MAAT」が突入の準備を進めていました。
💡 重要ポイント
説得による解決が難しいと判断したのでしょう。いよいよ、強行突入の時が近づいていました。
🛡️ 警察特殊班MAATとは?|大阪府警のエリート部隊による緊迫の突入作戦
ここで登場するのが、謎の特殊部隊「MAAT」。
聞き慣れない名前ですが、実はこのMAATこそ、人質事件を解決するプロフェッショナル集団なんです。
📛 MAATの正式名称は「Martial Arts Attack Team」
MAATは「マート」と読みます。
正式名称は「Martial Arts Attack Team」——直訳すると「格闘技攻撃チーム」。かっこいい名前ですよね。
Wikipediaの特殊事件捜査係の記事によると、この名称は1992年に制定されました。実は、名前の由来には面白い理由があるんです。
🌍 なぜ「MAAT」という名前になったのか
東京の警視庁には「SIT」という似たような特殊部隊があります。
でも、「SIT」という発音は、海外の捜査機関と協力する時に発音しにくいという問題がありました。
💡 意外な命名理由
かっこいい名前の裏には「海外の人にも発音しやすいように」という実用的な理由があったわけです。意外ですよね。
🎯 MAATの役割:人質事件や誘拐事件に対応
MAATは、大阪府警捜査一課の特殊班。
主な任務は:
- 人質立てこもり事件
- 誘拐事件
- 企業恐喝事件
などの重大事件に対応することです。
普段から様々な訓練を重ね、いざという時に人質を救出するための技術を磨いています。
追跡訓練、特殊通信、交渉技術、そして強行突入の訓練——すべてが、人の命を救うためです。
🆚 SATとMAATの違い:「生きたまま確保」が目的
「特殊部隊」と聞くと、「SAT」を思い浮かべる人も多いかもしれません。
でも、MAATとSATは役割が違うんです。
🔄 MAAT vs SAT
MAAT(刑事部の特殊班)
目的:犯人を生きたまま逮捕する
対象:一般的な犯罪者(人質事件、誘拐事件など)
方針:可能な限り射撃は避け、逮捕を優先
SAT(警備部の特殊部隊)
目的:テロリストや武装集団を制圧する
対象:テロリスト、重武装の犯罪組織
方針:必要に応じて強力な武器を使用
つまり、MAATは「犯人も含めて、全員を無事に」を目指す部隊なんです。
🗾 全国でもたった5都道府県にしかない
実は、MAATのような特殊班派遣部隊は、全国でもたった5つの警察にしかありません。
- 警視庁(東京)
- 大阪府警
- 北海道警察
- 愛知県警察
- 福岡県警察
大阪府警のMAATは、近畿地方だけでなく、中国地方や四国地方で重大事件が起きた時にも応援に駆けつけることがあります。
まさに、エリート中のエリート部隊なんです。
⚡ 午後10時46分、MAATが突入
そして、運命の時がやってきました。
午後10時46分、MAATの隊員たちがバールのようなもので玄関のドアを破壊し始めました。同時に、ベランダの窓からも突入。
部屋の中では、末次容疑者が布団に横たわっていました。
「何しとんじゃ!」
容疑者はそう叫びましたが、訓練を積んだMAATの隊員たちによってすぐに制圧されました。人質の女性は無事に保護され、容疑者も怪我なく逮捕。
完璧な作戦でした。
部屋のテーブルの上からは、犯行に使われたとみられる包丁2本が押収されています。
⚖️ 監禁罪の刑罰と今後|黙秘を続ける末次容疑者に待ち受ける処罰
末次容疑者は現在、監禁罪で逮捕されています。
では、監禁罪とはどんな罪で、どれくらいの刑罰が科されるのでしょうか?
📖 監禁罪とは「無理やり閉じ込める犯罪」
監禁罪は、刑法220条に定められている犯罪です。
簡単に言うと、「不法に人を逮捕したり、監禁したりする罪」。つまり、正当な理由なく、人を無理やり閉じ込めたり、自由に動けないようにしたりすることです。
今回の場合、末次容疑者は女性に包丁を突きつけて部屋から出られないようにしました。これは典型的な監禁罪に当たります。
⚠️ 刑罰は「3ヶ月以上7年以下の懲役」
監禁罪の法定刑は:
3ヶ月以上7年以下の懲役
⚠️ 重要な注意点
監禁罪には罰金刑がないということ。つまり、起訴されれば必ず公開の法廷で裁判が行われ、有罪になれば懲役刑を受けることになります。「罰金を払って終わり」ということはありません。
🔄 監禁罪は「継続犯」という特殊な犯罪
監禁罪には、「継続犯」という特殊な性質があります。
これは、監禁している間はずっと犯罪が続いているという考え方。
普通の犯罪は「やった瞬間」に犯罪が完成しますが、監禁罪は「監禁をやめるまで」犯罪が続くんです。
今回の場合、14時間ずっと監禁していたので、14時間ずっと犯罪が続いていたことになります。
📊 実際の刑期はどのくらい?
法律解説サイトの情報によると、令和元年に監禁罪で有罪になった78人のデータでは:
- 最も多いのは「1年以上2年以下」の懲役(37人)
- 3年を超える懲役を受けたのは8人
執行猶予がつくかどうかは、刑が3年以下かどうかが分岐点になります。つまり、3年以下なら刑務所に入らずに済む可能性がありますが、3年を超えると実刑になります。
🤐 黙秘を続ける末次容疑者
現在、末次容疑者は警察の取り調べに対して黙秘を続けています。
黙秘権は、容疑者の権利として認められています。でも、黙秘を続けることで、なぜこんなことになったのか、窃盗事件とどう関係しているのかなど、事件の全容は明らかになっていません。
🔍 今後の捜査の焦点
時事通信の報道によると、警察は今後、以下の点を中心に捜査を進めると考えられます:
- 窃盗事件の内容:そもそもどんな窃盗事件だったのか
- 立てこもりの動機:なぜ警察の訪問で立てこもりに至ったのか
- 余罪の有無:他にも犯罪を犯していないか
末次容疑者が黙秘を続ける限り、これらの真相は分かりません。ただ、物的証拠や周辺の証言から、徐々に事実が明らかになっていくでしょう。
📝 まとめ:枚方市立てこもり事件の重要ポイント
この記事のポイントを整理します:
- ✓ 事件の概要:2025年10月22日、大阪府枚方市で末次透容疑者(48歳)が内縁の妻を人質に14時間立てこもり、監禁罪で逮捕された
- ✓ きっかけ:警察が窃盗事件の捜査で訪問したことが引き金となり、容疑者が女性に包丁を突きつけて立てこもった
- ✓ 膠着状態:警察は携帯電話で説得を続けたが、容疑者は「帰ってくれ」と繰り返すのみで、金品の要求はなかった
- ✓ MAAT突入:午後10時46分、大阪府警の特殊班「MAAT」が玄関とベランダから同時突入し、人質を無事救出、容疑者を逮捕
- ✓ 監禁罪:法定刑は3ヶ月以上7年以下の懲役で、罰金刑はなし。起訴されれば必ず公開法廷で裁判が行われる
今回の事件では、MAATという知られざる特殊部隊の活躍により、人質が無事に救出されました。14時間という長時間の膠着状態を経て、誰も怪我することなく事件が解決したのは、警察の慎重な対応と、訓練を積んだプロフェッショナルたちの技術があったからこそです。
末次容疑者の動機や、窃盗事件との関連など、まだ明らかになっていないことも多くあります。今後の捜査の進展に注目です。
あなたは、もし同じような立てこもり事件が起きたら、警察はどう対応すべきだと思いますか?人質の安全を最優先に慎重に説得を続けるべきか、それとも早期に強行突入すべきか——正解のない難しい問題ですが、今回の事件から学べることは多いはずです。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: 末次透容疑者とは誰ですか?
2025年10月22日に大阪府枚方市で14時間の立てこもり事件を起こした48歳の男性です。職業は不詳で、内縁の妻を人質に取り監禁罪で逮捕されました。現在は取り調べに対して黙秘を続けています。
Q2: MAATとは何ですか?
MAATは「Martial Arts Attack Team」の略で、大阪府警捜査一課の特殊班です。人質事件や誘拐事件に対応し、犯人を生きたまま逮捕することを目的とした全国でも5都道府県にしかないエリート部隊です。
Q3: なぜ立てこもり事件に発展したのですか?
警察が窃盗事件の捜査で末次容疑者の部屋を訪問したことがきっかけです。呼び出しに応じなかったため窓から確認すると、女性に包丁を突きつけている姿が発見され、立てこもり事件に発展しました。
Q4: 監禁罪の刑罰はどのくらいですか?
監禁罪の法定刑は3ヶ月以上7年以下の懲役です。罰金刑はないため、起訴されれば必ず公開法廷で裁判が行われます。令和元年のデータでは、1年以上2年以下の懲役が最も多く、3年以下なら執行猶予の可能性があります。
Q5: 14時間の間、警察は何をしていましたか?
警察は携帯電話で末次容疑者に連絡し、女性を解放するよう説得を続けました。容疑者は会話には応じたものの女性を解放せず、金品の要求もなく「帰ってくれ」と繰り返すばかりでした。午後10時頃、説得による解決が難しいと判断し、特殊班MAATによる強行突入を決定しました。