⚡ 5日間で2つの台風直撃 → でも死者ゼロという驚きの事実
10月9日と13日、東京の離島・八丈島に台風が立て続けに直撃しました。
わずか5日間で2つの台風が襲うという異例の事態。島の水源の7割が使えなくなり、約2000戸で断水が続いています。
でも驚くことに、これだけの被害が出ているのに、死者やけが人は1人もいません。
一体、八丈島で何が起きたのか。そして、島民の生活はいつ元に戻るのか。
最新の状況をお伝えします。

📋 この記事でわかること
🌀 5日間で2つの台風が直撃―20年ぶりの記録的暴風
八丈島を襲った2つの台風。まず理解しておきたいのは、その異常な状況です。
⚡ 台風22号:20年ぶりの記録的暴風
10月9日、台風22号(ハーロン)が八丈島を直撃しました。
ウェザーニュースの観測データによると、八丈島では最大瞬間風速54.7メートルを記録。これは時速に換算すると約197km、つまり新幹線と同じくらいの速さで風が吹いたということです。
💨 風速54.7m/s = 時速約197km = 新幹線並みの速さ!
八丈島で風速50メートル以上の暴風を観測したのは2005年以来、20年ぶり。20代以下の島民にとっては、生まれて初めて経験する規模の台風でした。
雨も凄まじく、24時間で356.5ミリの雨が降りました。これは観測史上1位の記録を大幅に更新する豪雨です。
🔁 台風23号:復旧前に再び直撃
そして10月13日、台風22号の被害から復旧する間もなく、台風23号(ナクリー)が再び接近しました。
日本気象協会の報道によると、八丈島では最大瞬間風速42.7メートルを観測。2週連続で最大瞬間風速40メートル超えという、極めて異例の事態となりました。
つまり、島民は5日間で2度、命の危険を感じる暴風を経験したのです。
📊 被害の規模
2つの台風による被害は深刻です。
10月14日午前8時時点での被害状況:
- 断水:約2000戸(島の約3割)
- 停電:約500軒
- 避難者:152人
- 建物被害:多数(屋根や壁の損傷など)
- 人的被害:確認されず
一見すると数字だけが並んでいますが、これは八丈島の人口約6,700人のうち、1000家族以上が水道を使えない状態だということです。
お風呂にも入れない。トイレも満足に使えない。
そんな生活が、復旧の見通しも立たないまま続いているのです。
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でも、なぜこれほど深刻な被害になったのでしょうか?
💧 島の水源7割が使えなくなった理由―三原山の湧水が土砂で埋まる
実は、八丈島の水道水には特徴があります。普通の街のように川やダムから水を引いているのではなく、山から自然に湧き出てくる水を使っているのです。
🏔️ 三原山の湧水―島の命の水
八丈町の公式情報によると、八丈町の水道水は三原山の湧水を主な水源としています。
三原山は八丈島の南東部にある標高700メートルほどの山。この山から湧き出る天然の水が、島民の生活を支えてきました。
ダムや浄水場に頼らず、自然の恵みで暮らせる。それは八丈島の大きな魅力の一つでした。
しかし今回、その水源が台風の猛威にさらされたのです。
⛰️ 土砂流入で水源が使用不可に
台風22号の記録的大雨により、島のあちこちで土砂崩れが発生しました。
⚠️ 深刻な水源被害
大量の土砂と流木が水源に流れ込み、島内10カ所ある水源のうち7カ所が使えない状態になってしまいました。
10個のうち7個。つまり水源の7割が一度に失われたということです。
気象庁のデータによると、3日間の総雨量は500ミリを超えました。これは普段の1ヶ月分以上の雨が、わずか3日間で降ったことを意味します。
地盤が緩んでいたところに台風23号の追加の雨。復旧作業も進まないまま、被害はさらに深刻化していきました。
🚰 約2000戸で断水継続
その結果、島内4地区の約2000戸で断水が発生。島の人口の約3割が、水道を使えない生活を強いられています。
お風呂に入れない。料理もできない。
トイレを流す水にも困る。
都市部では考えられない不便さです。しかも、いつ復旧するかの見通しは立っていません。
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では、島民の生活はどうなっているのでしょうか?
🚢 断水・停電はいつ復旧する?自衛隊艦艇が給水車を輸送
八丈島への支援は、発災直後から始まっていました。でも、離島への支援には大きな困難が伴います。
⏰ 復旧の見通しは「立っていない」
残念ながら、現時点(10月14日午前8時)で断水と停電の復旧見通しは立っていません。
なぜ復旧に時間がかかるのか?理由は3つあります。
復旧が困難な3つの理由
理由1:水源の被害が深刻
土砂を取り除くには重機が必要ですが、台風で道路も寸断されています。水源まで重機を運ぶことすら困難な状況です。
理由2:離島へのアクセスが限られる
八丈島は東京から南に287km。飛行機で55分、船では10時間以上かかります。大型の復旧資材を運ぶには海上輸送しかありませんが、波が高い時は船も出せません。
理由3:台風23号の追い打ち
復旧作業が始まろうとしていた矢先、台風23号が接近。作業は中断を余儀なくされました。
つまり、「離島」という地理的条件が、復旧を遅らせる大きな要因になっているのです。
⚓ 自衛隊艦艇で給水車を輸送
こうした困難な状況の中、大規模な支援体制が動き出しています。
東京都の発表によると、10月10日から海上自衛隊、東京都、海上保安庁による支援が開始されました。
🛡️ 大規模支援体制
海上自衛隊の支援:
防衛省の公式発表によると、多用途支援艦「えんしゅう」を使って給水車を輸送。八丈島まで海を渡って水を運ぶという、まさに非常事態の支援です。透析治療を受けている患者さんなど、水が絶対に必要な人たちのために、病院への給水も行われています。
東京都の支援:
・給水車1台を派遣
・給水袋2,400袋を提供
・職員16人を派遣(10月10日から15日まで)
海上保安庁の支援:
巡視船「いず」が横浜から出発し、八丈島の病院に給水支援を実施。
陸上自衛隊の支援:
通信障害も深刻なため、ヘリコプターで通信事業者の衛星通信機材を輸送しています。
🏠 2次避難所の準備も
長期化する断水に備えて、東京都は空きがある宿泊施設やアパートなど、2次避難所の準備も検討に入りました。
自宅で生活できない島民のために、より快適な避難場所を確保しようという動きです。
つまり、復旧には時間がかかることを前提に、島民の生活を支える体制が整えられているのです。
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でも、なぜ死者やけが人が1人もいないのでしょうか?
🛡️ 人的被害が出なかった理由―特別警報と早期避難
実は、これだけの被害が出ていながら、人的被害は1件も報告されていません。
これは偶然ではなく、早期の警戒と適切な避難行動の結果です。
⚠️ 気象庁の「特別警報」発表
台風22号の接近に際して、気象庁は伊豆諸島に大雨・暴風・波浪の特別警報を発表しました。
🚨 特別警報とは?
「数十年に一度」レベルの災害が予想される時に出される、最も深刻な警報です。「命を守る行動を取ってください」という、最大級の警戒呼びかけです。
この特別警報が、島民の命を守る大きなきっかけになりました。
🏘️ 早期の避難所開設
八丈町は台風接近前から避難所を開設。報道によると、10月9日の朝までに6カ所の避難所に約350人が避難しました。
避難した島民の中には、「これまで経験したことのない恐怖だった」と話す人もいました。でも、その恐怖を感じながらも、適切に避難したからこそ、命が守られたのです。
📦 事前の備えも徹底
島内の学校や保育園は、台風接近の10月9日は休校・休園を決定。
報道によると、島内のスーパーでは台風接近前の10月8日昼時点で、陳列棚の商品がほとんどなくなっていました。
島民が事前に食料や水を備蓄し、台風に備えていたことが分かります。
✅ 「命を守る行動」の成功例
つまり、今回の人的被害ゼロは次のような流れで実現しました:
🌟 命を守った5つのステップ
- 気象庁が特別警報を発表(最大級の警戒)
- 行政が早期に避難所を開設
- 学校・保育園が休校・休園を決定
- 島民が事前に食料・水を備蓄
- 島民が適切に避難所へ避難
➡️ 結果として人的被害ゼロ
深刻なインフラ被害が出た一方で、「命を守る」ことには成功した。これは今後の防災対策を考える上で、非常に重要な成功事例だと言えます。
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しかし、島民の困難はインフラ被害だけではありませんでした
📡 通信障害で孤立の危機―海底ケーブル損傷の可能性
台風22号の影響で、八丈島では通信にも大きな支障が出ています。
📵 固定電話・携帯電話が使えない
ITmediaの報道によると、10月9日午前2時45分ごろから、八丈島と青ヶ島で通信サービスに障害が発生しました。
- NTT東日本の固定電話:一部で使用不可
- 携帯電話(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天):一部で使用不可
災害時、家族や知人の安否を確認したい。でも電話が通じない。
この不安は、経験した人にしか分からない恐怖です。
🌊 海底ケーブル損傷の可能性
通信障害の原因は、海底に敷設された光ファイバーケーブルが損傷した可能性が高いとされています。
⚠️ 離島の通信インフラの脆弱性
実は、八丈島と本土を結ぶ海底ケーブルは1本だけ。予備のケーブルがありません。
大島、利島、新島など他の伊豆諸島の島々は、リング状のネットワークで複数のケーブルがつながっています。1本が切れても、別のルートで通信できる仕組みです。
でも、八丈島と青ヶ島間、八丈島と小笠原諸島間は単線構成。つまり、そのケーブルが切れると、通信手段が失われてしまうのです。
🚁 自衛隊が通信機材を輸送
この通信障害に対応するため、防衛省の発表によると、陸上自衛隊のヘリコプターで通信事業者の衛星通信機材を輸送しました。
衛星を使った通信で、当面の連絡手段を確保しようという対策です。
でも、これは応急処置。海底ケーブルが復旧しない限り、通信の不安定さは続きます。
🔌 離島の通信インフラの脆弱性
今回の通信障害は、離島の構造的な問題を浮き彫りにしました。
本土なら、ケーブルが切れても別のルートがある。でも離島は、たった1本のケーブルに命綱を託している。
それが切れたら、外部との連絡手段が失われる。現代社会で、これほど不安なことはありません。
断水、停電、そして通信障害。生活の基盤が全て揺らいでいる中、八丈島の人々は不安な日々を過ごしています。
📝 まとめ:深刻な被害と「命を守る」成功の両面
八丈島を襲った台風22号・23号の被害について、重要なポイントをまとめます。
🚨 被害の深刻さ:
- 5日間で2つの台風が直撃という異例の事態
- 最大瞬間風速54.7メートル(20年ぶりの記録)
- 島の水源7割が土砂流入で使用不可
- 約2000戸で断水、約500軒で停電
- 復旧の見通しは立っていない
- 通信障害も発生(海底ケーブル損傷の可能性)
✅ 人的被害ゼロという成功:
- 気象庁の特別警報による最大級の警戒
- 早期の避難所開設と適切な避難行動
- 事前の食料・水の備蓄
- 「命を守る行動」の徹底
🚢 現在進行中の支援:
- 海上自衛隊:艦艇で給水車を輸送
- 東京都:給水車・給水袋・職員を派遣
- 海上保安庁:巡視船で病院への給水
- 陸上自衛隊:ヘリで通信機材を輸送
- 2次避難所の準備も検討中
🏝️ 離島特有の困難:
- 海を渡らないと支援物資が運べない
- 海底ケーブルが1本だけで通信が脆弱
- 復旧資材の輸送にも時間がかかる
今回の八丈島の災害は、2つの側面から考える必要があります。
1つは、深刻なインフラ被害。島民の生活は大きく制限され、復旧には長い時間がかかりそうです。
もう1つは、人的被害ゼロという防災の成功。特別警報への対応、早期避難の徹底が、命を守ることにつながりました。
離島という地理的条件が生む困難さと、それでも「命を守る」ことに成功した防災対応。この両面から、今回の災害を見つめる必要があります。
💡 私たちへの教訓
そして私たちも、いつ自分の住む場所が災害に見舞われるか分かりません。
今回の八丈島の事例は、「特別警報が出たら、迷わず避難する」という防災の基本を、改めて教えてくれています。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 八丈島の台風被害はどのくらい深刻なのですか?
5日間で2つの台風が直撃し、最大瞬間風速54.7メートル(20年ぶりの記録)を観測しました。島の水源7割が使用不可となり、約2000戸で断水、約500軒で停電が続いています。復旧の見通しは立っていません。
Q2. なぜ八丈島の水源が使えなくなったのですか?
八丈島の水道水は三原山の湧水を主な水源としています。台風の記録的大雨により土砂崩れが発生し、大量の土砂と流木が水源に流れ込んだため、10カ所ある水源のうち7カ所が使用不可になりました。
Q3. 断水はいつまで続くのですか?復旧の見通しは?
10月14日午前8時時点で、復旧の見通しは立っていません。水源の被害が深刻で、離島という地理的条件から復旧資材の輸送にも時間がかかります。現在、自衛隊や東京都による給水支援が行われています。
Q4. これだけの被害でなぜ人的被害がゼロなのですか?
気象庁が大雨・暴風・波浪の特別警報を発表し、最大級の警戒を呼びかけました。八丈町は早期に避難所を開設し、約350人が避難。学校・保育園も休校・休園を決定し、島民も事前に食料や水を備蓄するなど、「命を守る行動」が徹底されたためです。
Q5. 八丈島への支援はどのように行われていますか?
海上自衛隊が多用途支援艦「えんしゅう」で給水車を輸送し、東京都は給水車1台と給水袋2,400袋を提供、職員16人を派遣しています。海上保安庁の巡視船「いず」も病院への給水支援を実施。陸上自衛隊はヘリで通信機材を輸送しています。
Q6. 八丈島の通信障害の原因は何ですか?
海底に敷設された光ファイバーケーブルが損傷した可能性が高いとされています。八丈島と本土を結ぶ海底ケーブルは1本だけで予備がないため、損傷すると通信手段が失われてしまいます。現在、自衛隊が衛星通信機材を輸送して応急対応を行っています。