2024年10月7日の夜、群馬県のスーパーで信じられない事件が起きました。
買い物中の客がクマに襲われたのです。
「つかまれて払いのけた」という証言が示す、想像を絶する恐怖の瞬間。
これは決して他人事ではありません。
📋 この記事でわかること
📍 群馬・沼田市のスーパーで何が起きた？事件の全容
2024年10月7日午後7時35分頃、群馬県沼田市恩田町にあるスーパー「フレッセイ沼田恩田店」で、衝撃的な事件が発生しました。
店内にクマ1頭が侵入し、買い物中の客を襲ったのです。
テレビ朝日系の報道によると、店員から「クマ1頭が店内に入って他のお客さんに覆いかぶさっている」「両腕をひっかかれている」という通報が入りました。
現場となったのは、JR沼田駅から北に約2kmの場所。住宅が点在する、ごく普通の街中です。
🐻 襲ってきたクマの大きさ
体長約1.4メートルの大人のクマ。中学生の平均身長くらいの大きさです。
実は、このクマが店内を歩き回る様子は、防犯カメラにしっかりと記録されていました。
スーパーの商品棚の間を歩くクマの姿は、まるで現実とは思えない光景です。
クマは店の外と中の両方で別々に客を襲っており、複数の場所で被害が発生しています。
💬 「つかまれて払いのけた」目撃証言から見る襲撃の瞬間
クマと直接遭遇した人の証言が、事件の恐怖を物語っています。
💭 被害者の証言
「クマと鉢合わせして、ちょっとこの辺をつかまれまして、私の方が払いのけたら店内のどこか行っちゃった」
この証言から分かるのは、突然の遭遇だったということ。
クマもおそらく驚いて、咄嗟に人をつかんだのでしょう。
そして被害者は、つかまれた腕を払いのけるという行動に出ました。
この時、クマは攻撃を続けず、店内の別の場所へ移動したそうです。
スーパーの関係者は当時の様子をこう語っています。
「けがされたお客さんは気が動転していた感じ。パニック状態でした」
誰もが想像できる、その場の緊迫した空気感。
いつものスーパーでの買い物が、一瞬で悪夢に変わった瞬間でした。
⚠️ 重要な注意点
実は、この「払いのけた」という行動は、専門家が推奨する対処法ではありません。通常、クマに触れるような距離まで接近した場合は、刺激しないことが重要とされています。
しかし、この時は結果的にクマが離れて、命が助かりました。咄嗟の判断が幸運な結果につながったケースと言えます。
🏥 被害に遭った2人は大丈夫？怪我の程度とその後
襲われたのは、76歳と69歳の男性2人です。
70代の男性は両腕を引っかかれたほか、右腕や背中にもけがを負いました。
もう1人の男性もけがをしています。
心配されるのは怪我の程度ですが、幸いなことに2人とも軽傷。命に別条はなく、病院に搬送されました。
高齢の方が大人のクマに襲われたにもかかわらず、軽傷で済んだというのは不幸中の幸いです。
クマに引っかかれると、鋭い爪によって深い傷ができることも多いのですが、今回は致命傷を免れました。
開店中の夜7時半という、多くの買い物客がいる時間帯。もし襲撃がもう少し長引いていたら、被害はさらに拡大していた可能性もあります。
🔍 クマはどうなった？捕獲状況と警察の対応
多くの人が気になるのは、そのクマがどうなったかです。
結論から言うと、このクマはまだ捕獲されていません。
上毛新聞の報道によると、クマは店を出た後、南の方向に逃走。現在も行方が分かっていない状況です。
群馬県警沼田署は、店舗周辺のパトロールを強化し、警戒を続けています。
パトカーから周辺住民に注意を呼びかけるなど、二次被害を防ぐための対応が取られているものの、クマが再び現れる可能性は否定できません。
⚠️ 現在の状況
「まだ捕まっていない」という事実は、地域住民にとって大きな不安要素です。今も近くにいるかもしれない、いつまた現れるか分からない――そんな緊張感が続いています。
警察は引き続き、クマの発見・捕獲に向けた活動を継続中です。
❓ なぜスーパーにクマが？侵入の理由と背景
「なぜクマがスーパーに？」――誰もが抱く疑問です。
実は、2024年度は特別な年でした。クマの主食であるドングリなどの木の実が、5年ぶりの大凶作だったのです。
群馬県鳥獣被害対策支援センターの調査結果では、2024年度の堅果類（ドングリ）の実りは「凶作」と発表されています。
昨年度までは3年連続の「不作」でしたが、今年はそれを下回る凶作。2020年度以来、5年ぶりの深刻な状況です。
🐻 クマの生態と冬眠準備
クマは冬眠する動物。冬眠前の9月から11月にかけて、大量の食料を食べて体に脂肪を蓄える必要があります。
通常なら山でドングリなどを食べて冬眠の準備をするのですが、今年は山に餌がありません。
冬眠に備えて食料が必要なのに、山には何もない。
そんな状態のクマが、餌を求めて人里に降りてくるのです。
さらに、もう一つの要因があります。それは、人間の生活圏とクマの住む山の境界があいまいになってきたことです。
過疎化や耕作放棄地の増加により、かつては人の手が入っていた場所が森に戻りつつあります。クマにとっては、「森の続き」のように見えるのかもしれません。
今回のスーパーも、JR駅から2kmという距離。決して山奥ではありません。
でも、クマにとっては「餌があるかもしれない場所」として認識されたのでしょう。
群馬県の公式情報によると、県内には約2000頭のツキノワグマが生息しています。
2000頭というのは、東京ドームの満員観客数（約55000人）の約3.6%ですが、群馬県という限られたエリアに集中していると考えると、決して少ない数ではありません。
📊 群馬でクマ被害が急増？知っておくべき現状
群馬だけの問題ではありません。全国的にクマ被害が急増しています。
環境省の公式データによると、2023年度のクマによる人身被害は統計開始以来、過去最多を記録しました。
📈 2023年度 クマ被害の実態
- 人身被害件数：197件
- 被害者数：218人
- 死亡者：6人
これは平成18年度以降、最も多い数字です。
特に東北地方での被害が深刻で、岩手県と秋田県だけで全体の約4割を占めています。
そして驚くべきことに、2024年11月には秋田市のスーパーでもクマが侵入する事件が発生しました。
J-CASTニュースの報道によると、秋田市土崎のスーパー「いとく土崎みなと店」に体長約1メートルのクマが侵入。
従業員が襲われ、顔などにけがを負いました。
このクマは店内に2日間居座り、最終的に箱わなで捕獲されました。肉売り場で食べ物を食い漁っていたといいます。
つまり、スーパー侵入は決して珍しいことではなくなっているのです。
群馬と秋田、離れた場所で同じような事件が起きている。これは偶然ではありません。
全国的な傾向として、クマが市街地に出没し、人の生活圏に入り込むケースが増えているのです。
⚠️ 重要なデータ
人身被害の発生場所を見ると、9月から12月にかけては、約3割から6割が「人家周辺」で起きています。
つまり、山の中ではなく、私たちの生活する場所での被害が増えているということです。
🛡️ スーパーや街中でクマに遭遇したら？絶対知っておくべき対処法
もし、あなたがスーパーや街中でクマに遭遇したら、どうすればいいのでしょうか。
知っているだけで命が助かる可能性が高まる、重要な対処法をお伝えします。
🔰 基本の3原則：「走らない」「騒がない」「背中を見せない」
環境省の公式ガイドラインでは、クマに遭遇した際の基本的な対処法が示されています。
最も重要なのは、この3つを守ることです。
✅ クマ遭遇時の3大原則
1️⃣ 走らない
実は、クマは時速60kmで走ることができます。これは高速道路を走る一般車と同じくらいの速さ。100メートルを7秒程度で走る能力があります。
つまり、人間では絶対に逃げ切れません。走って逃げることは、クマに「獲物だ」と認識させる最悪の行動なのです。
2️⃣ 騒がない
大声を出したり、急な動きをすると、クマを驚かせて攻撃的にさせてしまいます。クマも突然の遭遇で驚いている状態。こちらが冷静に対処することが重要です。
3️⃣ 背中を見せない
クマには、逃げるものを追いかける習性があります。背中を向けて逃げると、追いかけてくる可能性が高まります。
📏 距離別の対処法
遭遇した時の距離によって、取るべき行動が変わります。
🔹 遠くにクマがいる場合
落ち着いて、静かにその場から立ち去りましょう。クマが気づいていないようなら、そっと離れることが最善です。
🔹 近くにクマがいる場合
クマを見ながら、ゆっくりと後退してください。知床財団の専門的な対処法によると、ゆっくりと両腕を上げて振り、穏やかに話しかけながら距離をとることが推奨されています。
クマとの間に立木や電柱などの障害物を挟むように移動できれば、より安全です。
🔹 至近距離で突発的に遭遇した場合
最も危険な状況です。顔面や頭部が攻撃されることが多いため、両腕で顔面や頭部を覆い、うつぶせになって身を守りましょう。
クマは一撃を与えた後、すぐに逃走する場合が多いとされています。
🏢 屋内や車内にいる場合
もし建物の中や車の中にいる場合は、そこに留まってください。
クマが外にいるなら、絶対に外に出てはいけません。
スーパーの店内なら、バックヤードや事務所など、ドアで仕切られた場所に避難するのが安全です。
🚫 絶対にやってはいけないこと
- 走って逃げる
- 大声で叫ぶ
- 石や棒を投げる
- 死んだふりをする（クマは死んだ動物も食べます）
- スマホで撮影しようとする
これらの行動は、クマを刺激したり、攻撃のチャンスを与えたりする危険な行為です。
💨 クマ撃退スプレーについて
クマ撃退スプレーは、クマの目や鼻に向かって噴射することで攻撃を回避できる可能性があります。
ただし、有効射程距離は5メートル程度と短く、風向きによっては自分にも影響があります。スプレーを持っているからといって過信せず、基本は「遭遇しない」ことが最も重要です。
📝 まとめ：誰もが知っておくべきクマ対策
2024年10月7日、群馬県沼田市のスーパーで起きたクマ襲撃事件。
これは決して「山の中での出来事」ではありません。
誰もが利用する夜のスーパーで、日常的な買い物中に起きた現実です。
📌 この記事の重要ポイント
- 2024年10月7日、群馬県沼田市のスーパーで買い物客2人がクマに襲われた
- 被害者は76歳と69歳の男性で、幸い軽傷（命に別条なし）
- クマは体長1.4mの成獣で、現在も逃走中
- 2024年度はドングリが5年ぶりの大凶作で、餌不足のクマが人里に降りている
- 全国的にクマ被害が急増中（2023年度は過去最多の197件）
- クマは時速60kmで走れるため、逃げ切ることは不可能
- 基本の対処法は「走らない」「騒がない」「背中を見せない」
2024年11月には秋田市のスーパーでも同様の事件が発生しており、スーパー侵入は全国で起こりうる状況です。
「走らない」「騒がない」「背中を見せない」という基本的な対処法を知っているだけで、命が助かる可能性が高まります。
クマは時速60kmで走れるため、逃げ切ることは不可能。正しい知識を持ち、冷静に対処することが何より大切です。
この記事で紹介した対処法を、家族や友人と共有してください。
万が一の事態に備えることが、あなたと大切な人の命を守ることにつながります。
❓ よくある質問（FAQ）
Q1. 群馬県沼田市のスーパーでクマ襲撃事件はいつ起きましたか？
2024年10月7日午後7時35分頃、群馬県沼田市恩田町のスーパー「フレッセイ沼田恩田店」で発生しました。買い物客の男性2人（76歳と69歳）がクマに襲われ、軽傷を負いましたが命に別条はありません。
Q2. なぜスーパーにクマが侵入したのですか？
2024年度はドングリが5年ぶりの大凶作で、山に餌がありません。クマは冬眠前の9月から11月に大量の食料を必要とするため、餌を求めて人里に降りてきています。また、人間の生活圏とクマの生息域の境界があいまいになってきたことも要因です。
Q3. クマに遭遇したら絶対にやってはいけないことは何ですか？
走って逃げる、大声で叫ぶ、石や棒を投げる、死んだふりをする、スマホで撮影しようとする、これらは全て危険な行動です。クマは時速60kmで走れるため逃げ切れず、刺激すると攻撃される可能性が高まります。基本は「走らない」「騒がない」「背中を見せない」です。
Q4. 全国的にクマ被害は増加していますか？
はい、急増しています。2023年度のクマによる人身被害は統計開始以来過去最多の197件（218人、死亡6人）を記録しました。特に9月から12月にかけては、被害の約3割から6割が人家周辺で発生しており、山の中だけでなく生活圏での被害が増えています。
Q5. スーパーや街中でクマに遭遇した場合の正しい対処法は？
距離によって対処法が異なります。遠くなら静かに立ち去る、近くならクマを見ながらゆっくり後退、至近距離なら両腕で顔面・頭部を覆いうつぶせになる。建物や車内にいる場合は絶対に外に出ず、そこに留まってください。屋内なら奥の部屋やバックヤードに避難しましょう。
Q6. 襲撃したクマはその後どうなりましたか？
店を出た後、南の方向に逃走し、現在も捕獲されていません。群馬県警沼田署が店舗周辺のパトロールを強化し、周辺住民への注意喚起を続けています。クマが再び現れる可能性があるため、地域では警戒が続いています。
