日韓通算626本塁打の「アジアの大砲」が、15年ぶりに巨人のユニホームに袖を通します。
SNSでは「俺の青春が帰ってきた」「スンちゃんコーチ最高」と歓迎の声が殺到。
一方で「韓国で監督辞めたばかりなのに大丈夫?」という疑問も。
実は、この就任の裏には阿部慎之助監督との深い絆がありました。
この記事では、李承燁コーチ就任の経緯から、秋季キャンプでの指導ぶり、そして来季の巨人打線への影響まで詳しく解説します。

この記事でわかること
李承燁が巨人1軍打撃コーチに就任決定
結論から言うと、巨人は2025年11月27日、李承燁氏(49歳)が2026年シーズンの1軍打撃コーチに就任することを正式発表しました。
日刊スポーツの報道によると、李氏は今秋の秋季キャンプで臨時コーチを務め、阿部監督から直接オファーを受けていたとのこと。
この発表を受け、SNSでは瞬く間に「李承燁」「スンちゃん」がトレンド入り。
「子供の時のヒーローが来季の打撃コーチ就任」「懐かしすぎる」など、2000年代に巨人を応援していたファンからは感激の声が相次ぎました。
興味深いのは、一部のファンから「アジアの大砲とウィーラーの打撃コーチコンビはアツい」という期待の声が上がっていること。
来季の1軍打撃部門は、橋上秀樹オフェンスチーフコーチ、ウィーラー打撃コーチに李コーチが加わる体制となります。
この発表がされたのは李氏が韓国で監督を辞任してからわずか5か月後。なぜこれほど早く巨人コーチの話が進んだのでしょうか。
その背景には阿部監督との特別な関係がありました。
「アジアの大砲」李承燁とは?日韓626本塁打の伝説
李承燁とは、韓国で「国民的打者」と呼ばれた球界のレジェンドです。
日韓通算626本塁打という数字は、1年に50本ペースで12年以上打ち続けないと届かない大記録。
アジアを代表するホームランバッターとして、日本でも大きな注目を集めました。
NPB公式サイトの記録によると、李氏は1976年8月18日生まれの49歳。
韓国・大邱出身で、左投げ左打ちの一塁手として活躍しました。
韓国時代の伝説的な記録
李氏は1995年にサムスン・ライオンズに入団。
当初は投手として期待されていましたが、監督の判断で打者に転向します。
この「投手から打者への転向」は、あの王貞治氏と同じ経歴。李氏は自宅に王氏とのツーショット写真を飾っているほど、憧れの存在だったそうです。
転向後の李氏は才能を開花させ、2003年には韓国プロ野球でシーズン56本塁打を記録。
これは当時のアジア新記録で、王貞治氏の55本を上回る数字でした。
韓国での通算本塁打467本は歴代2位。背番号36はサムスンの永久欠番になっています。
日本での8年間
2004年、李氏は千葉ロッテマリーンズに入団して日本球界に挑戦。
2005年にはロッテの31年ぶり日本一に貢献しました。
その後、2006年に巨人に移籍。
移籍初年度から4番を任され、打率.323、41本塁打、108打点という驚異的な成績を残します。
📊 李承燁の巨人時代(2006〜2010年)
- 通算100本塁打超
- 巨人軍第70代4番打者
- 阿部・高橋由伸・小笠原との「30発カルテット」形成
日本での通算成績は797試合で159本塁打。「アジアの大砲」の愛称は、この時代に定着したものです。
国際大会でも大活躍しています。
2000年シドニー五輪で銅メダル、2008年北京五輪では金メダルを獲得。
第1回WBC(2006年)では大会最多の5本塁打・10打点を記録し、韓国代表をベスト4に導きました。
これほどの実績を持つレジェンドが、なぜ今になって巨人のコーチに就任することになったのでしょうか。
なぜ韓国監督を辞めて巨人コーチに?知られざる経緯
結論を先に言うと、李氏は今年6月に韓国で監督を辞任した後、阿部監督からの熱烈なラブコールを受けて巨人コーチ就任を決断しました。
この経緯を時系列で見ていきましょう。
2023年〜2025年6月:韓国での監督挑戦
李氏は2017年に現役を引退した後、しばらくテレビ解説者として活動していました。
そして2023年、韓国プロ野球・斗山(トゥサン)ベアーズの監督に就任。
韓国で「指導者経験ゼロ」のまま監督になったのは李氏が初めてのケースでした。
Full-Countの報道によると、1年目はチームを前年の9位から5位に押し上げ、2年目も4位とAクラス入りを果たしています。
ところが、今年は主力選手のFA流出や故障者続出が重なり、チームは9位に低迷。
李監督は成績不振の責任を取り、6月2日に自ら辞任を申し出ました。
SNSの一部で「韓国で無能扱いされていた」という声がありましたが、実際には2年連続でチーム順位を上げた実績があります。今年の低迷は戦力的な不運が大きかったと言えるでしょう。
2025年10月:阿部監督からのラブコール
辞任から約4か月後の10月22日、巨人は驚きの発表をします。
李氏が秋季キャンプの臨時コーチに就任するというのです。
中日スポーツの報道によると、これは阿部監督自身が李氏に直接連絡を取り、実現したもの。
実は、阿部監督と李氏は2006年から2010年まで5年間、チームメイトとして一緒に戦った仲。
阿部監督は現役時代、李氏の守備について「ショートバウンドの捕球はメジャーも含めて世界一」と絶賛していたほどです。
2025年11月13日:正式オファー
約2週間の秋季キャンプを終えた最終日、阿部監督は李氏に対して来季の打撃コーチ就任を正式に打診しました。
サンケイスポーツの報道によると、阿部監督は「とても選手に寄り添ってくれて指導していただいた。僕としては1年間いてほしい」とコメント。
李氏は当初「韓国に帰って家族と相談したい」と回答を保留していました。
3人の息子(20歳、14歳、4歳)を持つ父親として、拠点を日本に移すことへの慎重な判断が必要だったのでしょう。
そして11月27日、正式に就任が発表されました。
つまり、監督辞任→臨時コーチ→正式就任という流れの背景には、阿部監督との15年来の信頼関係があったのです。
では、秋季キャンプで李氏はどのような指導を見せたのでしょうか。
秋季キャンプで見せた「愛ある指導」門脇・浅野も絶賛
結論から言うと、李氏は通訳なしの日本語で若手選手を熱心に指導し、「教え方に愛がある」と選手たちから絶賛されました。
スポーツ報知の報道によると、秋季キャンプ中、李氏は連日のように若手野手から質問攻めに遭っていたそうです。
大城卓三、門脇誠、中山礼都、佐々木俊輔、浅野翔吾といった選手たちが積極的に話しかけ、打撃についてアドバイスを求めていました。
通訳なしで指導できる理由
李氏は8年間の日本生活で身につけた日本語力を今も維持しています。さらに、今年まで率いていた斗山ベアーズには日本人コーチが在籍していたため、日本語を使う機会が多かったとのこと。
キャンプ中は「オレ、投げようか」と自ら打撃投手を務めたり、「つまらないように!」と日本語で声をかけたりする場面も見られました。
囲み取材では日本語の質問を通訳なしで理解し、回答だけ韓国語で行う(より正確に伝えるため)というスタイルだったそうです。
「愛のある指導」とは
東京スポーツの報道によると、ある選手は李氏の指導についてこう語っています。
「教え方に愛があるなと思いました。紅白戦で凡打しても『いいよ、いいよ』と言ってたし、打撃練習中に選手本人が納得のいっていないだろう打球に対しても『いいね、振れてるよ』と。前向きな指導と愛のある言葉で選手としてはいい気分になれますし、素直に話も聞けると思う」
李氏自身がキャンプMVPに挙げた門脇誠選手も、「いろんな経験をされている方なので、スンヨプさんが伝えようとすることに興味があります」とコメント。
熱意に押された李氏は「選手が頑張っているから帰るわけにはいかない」と、連日マンツーマンで居残り練習に付き合ったそうです。
厳しく叱るだけでなく、選手を認めて前向きにさせる指導スタイル。
これが「愛のある指導」と評価された理由でしょう。
ウィーラーとの打撃コンビで巨人打線はどう変わる?
来季の巨人1軍打撃陣は、李承燁コーチとウィーラーコーチのコンビで指導にあたります。
実は、この2人には共通点があります。
どちらも「外国人選手として日本で成功した経験」を持っていることです。
ウィーラーコーチは元メジャーリーガーで、楽天と巨人で通算6年間プレー。
2021年には22試合連続安打を記録するなど、日本野球への適応力の高さを証明しました。
李コーチは韓国からの挑戦者として日本で159本塁打を放った実績があります。
2人とも「外国人として日本で活躍するために何が必要か」を身をもって知っている。この経験は、若手選手の指導に大きく活きるはずです。
期待される若手選手たち
秋季キャンプで李氏が特に注目していたのは、門脇誠選手と浅野翔吾選手。
門脇選手は今季、自己ワースト成績に終わり「悔しい1年」と振り返っています。
李コーチの指導で打撃力が向上すれば、来季はレギュラー定着も見えてくるでしょう。
浅野選手は高校時代から注目されたスラッガー候補。
李氏は荒巻悠選手についても「俺よりいい選手になれる」と太鼓判を押しており、若手の才能を見抜く目にも期待が集まります。
岡本和真のFA問題と後継者育成
来季の巨人打線を考える上で避けて通れないのが、岡本和真選手のFA問題です。
もし岡本選手がメジャー挑戦などで退団した場合、「ポスト岡本」の育成は急務となります。
日韓626本塁打のレジェンドが、次代の4番打者を育てる。
李コーチの就任には、そんな期待も込められているのかもしれません。
まとめ:李承燁コーチ就任のポイント
- 巨人は11月27日、李承燁氏の来季1軍打撃コーチ就任を発表
- 日韓通算626本塁打「アジアの大砲」が15年ぶりに巨人復帰
- 今年6月に韓国で監督を辞任後、阿部監督の熱烈オファーで就任決定
- 秋季キャンプでは通訳なしで「愛のある指導」を披露し選手から絶賛
- ウィーラーコーチとのコンビで若手打者の育成に期待
15年ぶりに巨人のユニホームに袖を通す「アジアの大砲」。
来季の巨人打線がどう変わるのか、キャンプから注目です。
よくある質問(FAQ)
Q. イスンヨプとは誰ですか?
A. 李承燁(イ・スンヨプ)は、日韓通算626本塁打を記録した韓国出身の元プロ野球選手です。2006年から2010年まで巨人でプレーし、「アジアの大砲」の愛称で親しまれました。2026年シーズンから巨人の1軍打撃コーチに就任します。
Q. なぜイスンヨプは巨人のコーチになったのですか?
A. 阿部慎之助監督が直接オファーしたためです。2人は巨人時代に5年間チームメイトとして共闘した仲で、阿部監督は秋季キャンプでの李氏の指導ぶりを高く評価し、「1年間いてほしい」と正式に打診しました。
Q. イスンヨプの巨人時代の成績は?
A. 2006年から2010年までの5年間で、通算100本塁打以上を記録しました。特に移籍初年度の2006年は打率.323、41本塁打、108打点という好成績を残し、巨人軍第70代4番打者を務めました。
Q. イスンヨプは韓国で監督を辞任したのに大丈夫?
A. 2023年に斗山ベアーズの監督に就任し、1年目は9位から5位、2年目は4位と成績を向上させました。2025年は主力のFA流出や故障が重なり9位に低迷しましたが、指導力そのものへの評価は高いです。
参考文献
- 日刊スポーツ - 李承燁氏の来季1軍打撃コーチ就任を発表
- サンケイスポーツ - 阿部慎之助監督の公開オファー受けた
- NPB公式 - 李承燁 個人年度別成績
- Wikipedia - 李承燁 (野球)
- Full-Count - 元巨人イ・スンヨプ氏、成績不振でKBOの監督辞任
- 中日スポーツ - 李承燁さんが秋季キャンプの臨時コーチに
- スポーツ報知 - スンヨプ氏は通訳なしで指導OK
- 東京スポーツ - 選手からラブコール「教え方に愛がある」