2025年10月23日、国の専門家会議で重要な議論が始まりました。75歳以上の方の医療費負担について、「3割負担になる人を増やす」という内容です。
⚡ 実はこの議論、年末までに方向性が決まる予定。思ったよりも早いスピードで進んでいます。
自分の親や祖父母は対象になるのか、いくら負担が増えるのか―気になるポイントを詳しく解説していきます。

📋 この記事でわかること
📢 高齢者の医療費負担「3割」拡大とは?いつから実施される?
読売新聞の報道によると、厚生労働省は2025年10月23日に開かれた社会保障審議会で、70歳以上の高齢者が病院の窓口で払う医療費について、「現役世代と同じ3割とする対象者の拡大」を議題として示しました。
⏰ 年末までに方向性をまとめる方針です。
現在、70〜74歳の方は原則2割、75歳以上の方は原則1割の負担ですが、一定以上の収入がある方は既に3割負担となっています。今回の議論は、この「3割負担になる基準」を見直すというものです。
🏛️ 政治的な背景
実はこの改革、自民党と日本維新の会が結んだ連立政権合意書に「年齢によらない真に公平な応能負担の実現」と明記されています。
「応能負担」とは、簡単に言うと稼いでいる人がもっと負担する仕組みのこと。年齢に関係なく、収入に応じて医療費を負担してもらおうという考え方です。
📅 いつから実施される?
具体的な実施時期はまだ決まっていませんが、政府は2023年に閣議決定した改革工程で「2028年度までに検討する」と記しています。
つまり、遅くとも2028年度までには何らかの形で実施される可能性が高いということです。
ただし、2025年の年末までに方向性が決まるため、実際の実施はそれ以降になります。早ければ2026年度、遅くとも2028年度というイメージです。
👥 誰が3割負担の対象になる?年収基準を詳しく解説
では、具体的にどんな人が3割負担の対象になるのでしょうか。まず、現在の基準から見ていきましょう。
💰 現在の基準(75歳以上の場合)
厚生労働省の公式サイトによると、75歳以上の方で3割負担になるのは、以下の条件を満たす「現役並み所得」の方です。
✅ 3割負担になる条件
- 課税所得が145万円以上
- かつ、年収が単身世帯で383万円以上、または複数人世帯で520万円以上
「課税所得」というのは、税金を計算する元になる金額のこと。年金や給料から、いろいろな控除を引いた後の金額です。
年収に直すと、単身で月収約32万円、夫婦世帯で合計月収約43万円が目安になります。
😮 実は対象は少ない
意外かもしれませんが、現在3割負担をしている高齢者は全体のわずか7%程度です。
ほとんどの方は1割または2割負担で済んでいます。年収383万円という基準は、一見低く感じるかもしれませんが、年金収入だけの方が多い高齢者にとっては「高所得」に分類されるのです。
🔄 今後どう変わる?
今回の議論では、この「年収383万円以上」という基準を見直す可能性があります。
ただし、具体的な新しい基準はまだ決まっていません。社会保障審議会での議論を経て、年末までに方向性が示される予定です。
委員からは「現役世代の負担軽減は強い経済を作るためにも重要だ」という肯定的な意見が出る一方で、「もう少し、きめ細やかに見る必要がある」という慎重な声も上がっています。
💸 現在の医療費負担はいくら?3割になるとどう変わる?
では、実際に医療費の負担がどれくらい変わるのか、具体的な金額で見ていきましょう。
📊 現在の負担割合の仕組み
政府広報オンラインによると、医療費の窓口負担は年齢と所得によって以下のように分かれています。
📋 年齢別の負担割合
- 6歳未満:2割負担
- 6〜69歳:3割負担
- 70〜74歳:原則2割負担(現役並み所得は3割)
- 75歳以上:原則1割負担(一定所得以上は2割、現役並み所得は3割)
実は細かく分かれているんです。
💵 具体的な負担額の違い
例えば、風邪で病院に行って医療費の総額が3万円だった場合を考えてみましょう。
💡 負担割合による支払額の違い
- 1割負担:3,000円
- 2割負担:6,000円
- 3割負担:9,000円
同じ診察を受けても、1割負担と3割負担では3倍の差があります。これは大きいですよね。
🛡️ 高額療養費制度で上限あり
ただし、「3割負担になったら医療費が無制限に増える」わけではありません。
日本には「高額療養費制度」という仕組みがあり、1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合、超えた分が後から戻ってきます。
75歳以上で一定所得以上の方の場合、外来の月額上限は18,000円、外来と入院を合わせた月額上限は57,600円に設定されています。
📅 2022年の変更と配慮措置
実は、2022年10月にも医療費負担の見直しがありました。
一定所得以上の75歳以上の方について、1割負担から2割負担への引き上げが実施されたのです。その際、急激な負担増を防ぐため、「月額の負担増を3,000円までに抑える」という配慮措置が取られていました。
⚠️ ただし、この配慮措置は2025年9月30日で終了しています。つまり、つい最近まで配慮措置があったということです。
🤔 なぜ3割負担に引き上げるの?背景にある理由
では、なぜ今このタイミングで3割負担の拡大が議論されているのでしょうか。
📈 医療費の増加が止まらない
厚生労働省のデータによると、2022年度の国民医療費は46兆6967億円に達しました。
これは国の予算の約半分に相当する巨額です。医療の高度化や高齢化により、医療費は増え続けています。
🏥 2025年問題:団塊世代が全員75歳以上に
2025年は「2025年問題」と呼ばれる大きな転換点です。
三菱UFJ銀行の解説によると、戦後のベビーブーム期に生まれた「団塊の世代」が、2025年に全員75歳以上になります。
⚡ 75歳以上の医療費は、現役世代の約5倍。この世代が後期高齢者になることで、医療費がさらに急増すると予測されています。
💼 現役世代の負担が限界に
実はあまり知られていませんが、後期高齢者の医療費の約4割は、現役世代が払う社会保険料で負担されている構造になっています。
親世代や働いている人の給料から引かれる社会保険料が、なかなか下がらないのはこれが一因なんです。
若い世代の手取りが増えないのは、給料が上がっていないだけでなく、社会保険料の負担が増え続けているからでもあります。
🗳️ 維新の公約:年6万円の削減
日本維新の会は2025年の参院選公約で、「医療費を年間4兆円以上削減し、現役世代1人当たりの社会保険料を年6万円引き下げる」と明記しました。
その具体策として、高齢者の医療費窓口負担を原則3割に見直すことを掲げています。
自民党の総裁選でも、支払い能力のある高齢者により負担してもらう「応能負担」の強化を求める主張が相次いでいました。
つまり、政治的にも大きな議論になっているということです。
🌏 全世代型社会保障の理念
政府は「全世代型社会保障」という考え方を掲げています。
これは、「高齢者だから負担が軽い」「若者だから負担が重い」という年齢による区別をやめて、「収入に応じて負担する」仕組みに変えようという理念です。
年齢に関係なく、働いて収入を得ている人はしっかり負担し、みんなで社会保障制度を支えていこうという考え方です。
⚖️ 賛成?反対?医療費3割負担拡大の議論
この改革について、賛否両論があります。
👍 肯定的な意見
社会保障審議会での議論では、「現役世代の負担軽減は強い経済を作るためにも重要だ」という肯定的な意見が目立ちました。
理由は以下の通りです。
✅ 賛成派の主張
- 現役世代の社会保険料負担が限界に達している
- 若い世代の手取りを増やすことが経済成長につながる
- 収入のある高齢者には応分の負担をしてもらうべき
- 全世代で公平に支え合う仕組みが必要
実は、後期高齢者の中でも給与所得や金融所得が増えている方がいます。
厚生労働省が会議で示した資料によると、後期高齢者の中にも収入が増えている層が存在しており、一律に「高齢者は経済的に弱者」とは言えない状況があります。
⚠️ 慎重な意見
一方で、「もう少し、きめ細やかに見る必要がある」という慎重な声も出ています。
⚠️ 慎重派の懸念
- 高齢者の中にも経済的に苦しい人がいる
- 医療費負担が増えると、必要な医療を受けられなくなる人が出る
- 急激な負担増は生活に大きな影響を与える
- 金融所得など、所得の把握が十分にできていない
単純に「高齢者 vs 現役世代」という対立ではなく、「収入に応じた公平な負担」をどう実現するかが課題なんです。
🔧 他の改革も検討中
維新は医療費削減の方法として、高齢者の負担増以外にも以下を提案しています。
🔧 その他の医療費削減策
- OTC類似薬(市販薬と似た薬)の保険適用見直し
- 不要な病床の削減
- 電子カルテの推進による効率化
時事通信の報道によると、これらの改革も含めて、年末までに医療保険に関する改革について一定の結論を出す見通しです。
🔮 今後の見通し
具体的な基準や実施時期は、今後の議論次第です。
年末までに方向性が示され、その後、詳細な制度設計が行われる予定。実施は早くても2026年度以降、遅くとも2028年度までと見られています。
自分や家族への影響を考えながら、今後の動きに注目していく必要があります。
📝 まとめ:今後の動きに注目を
💡 この記事の要点
- 2025年10月から、高齢者の医療費3割負担の対象拡大について議論が始まった
- 年末までに方向性が決まり、2028年度までに実施が検討される見込み
- 現在は年収383万円以上(単身)で3割負担だが、この基準が見直される可能性
- 1割負担と3割負担では同じ診察でも3倍の差があり、多くの高齢者と家族に影響
- 背景には医療費の増加(2022年度46.7兆円)と現役世代の負担増がある
- 賛否両論あるが、「収入に応じた公平な負担」という方向性は固まりつつある
高齢化が進む日本で、社会保障制度をどう持続させるかは大きな課題です。
この改革は、若い世代の負担を減らしつつ、高齢者の中でも収入のある方にはしっかり負担してもらうという考え方。年齢ではなく、「稼いでいる人が多く負担する」仕組みへの転換です。
自分の親や祖父母への影響、そして将来自分が高齢者になった時のこと―両方を考えながら、今後の議論を見守っていく必要がありますね。
🤔 あなたの家族は、この改革の影響を受けそうですか?
年末の方向性決定まで、引き続き注目していきましょう。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 高齢者の医療費3割負担はいつから実施されますか?
年末までに方向性が決まり、実施は早くても2026年度以降、遅くとも2028年度までと見られています。具体的な時期は今後の議論で決定されます。
Q2. 誰が3割負担の対象になりますか?
現在は課税所得145万円以上、年収が単身世帯で383万円以上の方が3割負担です。今回の改革でこの基準が見直される可能性がありますが、新しい基準はまだ決まっていません。
Q3. 医療費負担が1割から3割になると、実際にいくら増えますか?
医療費総額が3万円の場合、1割負担なら3,000円、3割負担なら9,000円と3倍の差があります。ただし高額療養費制度により、月額の上限(外来18,000円など)があります。
Q4. なぜ今、医療費3割負担の拡大が議論されているのですか?
2025年に団塊世代が全員75歳以上になり医療費が急増する見込みです。また、現役世代が後期高齢者医療費の約4割を負担している現状を改善し、全世代で公平に支え合う制度を目指しています。
Q5. 賛否両論があるようですが、どんな意見がありますか?
賛成派は「現役世代の負担軽減が重要」「収入のある高齢者には応分の負担を」と主張。慎重派は「経済的に苦しい高齢者への配慮が必要」「急激な負担増は生活に影響」と懸念しています。
Q6. 現在すでに75歳以上で3割負担している人はどれくらいいますか?
現在3割負担をしている高齢者は全体のわずか7%程度です。ほとんどの方は1割または2割負担で済んでいます。
📚 参考文献