TikTokやInstagramで、腕を振りながら横に走る不思議な動きを見たことはありませんか?
この走り方、実は61歳の研究家が11年かけて復元した「江戸走り」という走法なんです。
関連動画の総再生回数は2億7000万回を突破。日本の人口の2倍以上が見た計算になります。
10代・20代に聞くと「クラスの男子はみんな知ってる」「TikTokでめっちゃ流行ってる」と認知度バツグン。
一方、40代に聞くと「知らないです。欽ちゃん走りしか」という返答も。
この記事では、江戸走りの正体から正しいやり方、そしてなぜここまでバズったのかまで、まるっと解説していきます。

江戸走りとは?TikTokで2億回再生の「パッカパッカ」走法を解説
見た目の特徴は、体を横に向けて、腕を独特の形にしながら「パッカパッカパッカ」というリズムで走ること。
普通の走り方とは全然違うので、初めて見ると「なんだこれ?」と思わず二度見してしまいます。
SNSでは「何だか楽しい」という投稿が相次ぎ、真似する人が急増中。
実は幼稚園でも子どもたちが江戸走りに夢中になっているんです。
10代・20代の認知度は非常に高く、FNNの取材では「クラスの男子はみんな知ってる」「TikTokとかでめっちゃ流行ってるから」という声が聞かれました。
学校の休み時間や体育の時間に、友達同士で江戸走りをする光景も珍しくないようです。
江戸走りの考案者・大場克則さんとは?11年研究の61歳
「面白い動きをするおじさん」に見えるかもしれませんが、実は国会図書館に通い詰めた本格派の研究者なんです。
大場さんがこの研究を始めたきっかけは、膝の痛み。
2013年に初めて挑戦した100kmマラソンで途中棄権することになり、「長距離を走れる走り方はないか」と探し始めました。
そこで出会ったのが、「江戸時代には1日40里(約160km)走れる走り方があった」という情報。
東京から静岡くらいの距離を1日で走るなんて、にわかには信じられませんよね。
2014年から国立国会図書館で文献調査を開始。浮世絵や古文書を読み込み、江戸時代の人々がどう歩き、どう走っていたのかを研究し続けました。
大場氏の公式サイト「江戸時代の走り方を求めて」では、その研究内容が詳しく公開されています。
大場さんは物理学にも精通しており、理論と実践の両面から江戸時代の走法を追求。2019年から自作ホームページやSNSで発信を始め、現在に至ります。
取材では「ハーレルヤー!」と歌いながら元気いっぱいに登場するなど、そのキャラクターも人気の秘密。
浮世絵に描かれた「かごかきやてんびん棒を担いでいる人」の歩き方からヒントを得たそうで、単なるネタではなく、歴史的根拠に基づいた走法なのです。
江戸走りのやり方とコツ!「なんでやねん」と「パンチ」がポイント
大場さん直伝のやり方を、順を追って説明します。
まず、股関節から左足を外に向けます。次に、右足を股関節から内側にひねります。
左手は「裏手突っ込みのなんでやねん」の形。関西のツッコミでよく見る、手のひらを上に向けて突き出すあの形です。
右腕は「えぐるように下に向けてパーンチ」。
「パッカパッカパッカパッカ」というリズムで、最初の「パッ」で右腕を下にパンチします。
FNNの取材で広瀬キャスターが挑戦したところ、「全然、右と左のリズムが取れない」と苦戦する場面も。
でも安心してください。大場さんいわく、実は一番大事なのはリラックスすること。
「今けっこう肩に力が入っているので、これをリラックス〜でいきますね」
力を入れすぎると動きがぎこちなくなるので、脱力して走るのがポイントです。
実際に江戸走りで走った広瀬キャスターは「膝にも優しいです、これ」と感想を述べていました。
取材中には通りすがりの男の子が「江戸走り!」と声をかけてきて、即席の江戸走り講座が始まる場面も。その男の子は「走りやすい」と楽しそうでした。
剣道部の高校生からは「横に動くときにこう(江戸走り)するといいと思います。パッカパッカパッカ」という応用アイデアも飛び出しています。
江戸走りは本当に江戸時代の走り方?ナンバ走りとの違い
「ナンバ走り」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。
ナンバ走りのWikipediaによると、ナンバとは「右手と右脚、左手と左脚を同時に出す」動きのこと。
江戸時代の飛脚がこの走り方で1日に数十km、場合によって100km以上走れたとされています。
大場さんの江戸走りは、この失われた走法を浮世絵や文献から独自に「再現」したもの。
甲賀忍者の末裔である藤田西湖さんの書籍「どろんろん」には、前方、後方、横歩き、斜め歩き、這行、速歩の6種類の歩き方が記されているそうです。
ちなみに、2003年に男子200mでアジア新記録(20秒03)を出した末續慎吾選手は「ナンバ走りの動きを意識して走った」と発言し、話題になりました。
ただし、実際の走りは厳密なナンバではなく、その身体感覚を応用した効率的な走り方だったとされています。
江戸走りの効果は?理学療法士が認める健康メリット
理学療法士でランニング整体師の「ゆう先生」によると、江戸走りは「体を支えるとても重要なお尻の横の筋肉がすごく使われている」とのこと。
この「お尻の横の筋肉」というのは、専門用語で「中殿筋」と呼ばれる部分。歩いたり走ったりするときに、体がグラつかないよう骨盤を安定させる役割があります。
中殿筋が弱くなると、片足立ちでバランスを取りにくくなったり、歩き方が不安定になったりします。
実は、この筋肉を鍛えることで高齢者の転倒防止にもつながるんです。
- 筋力に頼らないので、年齢を重ねても走れる可能性がある
- つま先で柔らかく着地するので、膝への負担が軽い
- 地面を蹴らないので、砂地や泥、雪で滑りやすい場所でも走りやすい
前述のとおり、広瀬キャスターも「膝にも優しいです、これ」と実感していました。
見た目はコミカルですが、実用的な健康効果もあるというのは意外ですよね。
なぜ若者にバズった?PSG公式も取り上げた世界的ブームの理由
歴史芸人の「れきしクン」(長谷川ヨシテル)さんは、こうコメントしています。
「江戸走り、私もインスタでよく拝見します!一度見たら忘れられないコミカルさがあって、気軽に動画撮影にチャレンジできる動きなのでSNSとマッチ」
つまり、見て面白い+自分でも真似しやすい=拡散されやすい、という構図です。
サッカー批評Webの報道によると、「日本で話題の江戸走り。パリでも今流行っています」というメッセージとともに、PSG選手たちの動きと江戸走りの「類似性」を紹介する動画が公開されたそうです。
日本のファンからは「何これ?乗っ取られてる?」「公式ワロタww」と困惑と笑いの声が広がりました。
また、人気お笑いトリオ「ジェラードン」(登録者160万人)がコント化するなど、エンタメ界でも取り上げられています。
大場さん本人は、この広がりについてこう語っています。
「(江戸走りを)やると皆さん笑顔になる。それが一番の効果かなと思ってる。当時はこういう走り方だったっていうのが、できれば100年先の未来に残ってほしい」
欽ちゃん走りとの違いは?40代が知らない世代間ギャップ
FNNの取材で40代に江戸走りを聞いたところ、「知らないです。欽ちゃん走りしか」という返答でした。
欽ちゃん走りとは、萩本欽一さんが生み出した横移動の走り方。両手をブラーンと下げた状態で左右に振りながら、「何でそうなるの!」と叫びながら走るスタイルです。
実は、欽ちゃん走りの原点は師匠の東八郎さんからきているとも言われています。
| 欽ちゃん走り | 江戸走り | |
|---|---|---|
| 流行時期 | 1970〜80年代 | 2024〜25年 |
| 成り立ち | コントの中で生まれたエンタメ | 11年の歴史研究から生まれた走法 |
| 掛け声 | 「何でそうなるの!」 | 「パッカパッカパッカ」 |
| 認知度が高い世代 | 40代以上 | 10〜20代 |
どちらも「横に移動する走り方」という点では似ていますが、成り立ちは全く異なります。
親世代と子世代で「横走り」の認識が違うというのは、ちょっと面白い世代間ギャップですよね。
家族で江戸走りの話をしたら、「お父さんの時代は欽ちゃん走りだったんだよ」なんて会話が生まれるかもしれません。
まとめ
- 江戸走りとは:腕を曲げて横に移動するコミカルな走法。TikTokで2億7000万回再生突破
- 考案者:大場克則さん(61歳)。100kmマラソンリタイアをきっかけに11年間研究
- やり方のコツ:「なんでやねん」の手+下に向けてパンチ+リラックスが大事
- 健康効果:お尻の横の筋肉(中殿筋)を鍛え、転倒防止や膝の負担軽減に効果あり
- バズった理由:コミカルさ+真似しやすさのSNS適性。PSG公式も取り上げる世界的ブームに
気になった人は、ぜひ一度試してみてください。
最初は「パッカパッカ」のリズムが難しいかもしれませんが、肩の力を抜いてリラックスすれば、意外とすぐにできるようになりますよ。
🙋 よくある質問
Q. 江戸走りとは何ですか?
A. 江戸走りとは、腕を曲げて横に移動するコミカルな走法です。61歳の研究家・大場克則さんが江戸時代の文献や浮世絵を基に11年かけて再現しました。TikTokで2億7000万回再生を突破しています。
Q. 江戸走りのやり方・コツは?
A. 左手を「裏手突っ込みのなんでやねん」の形にし、右腕を下に向けてパンチする動きが基本です。「パッカパッカ」のリズムで走り、最も大事なのは肩の力を抜いてリラックスすることです。
Q. 江戸走りは本当に江戸時代の走り方ですか?
A. 江戸走りは大場克則さんが浮世絵や文献から推測・再現した走法です。江戸時代の飛脚が使ったとされる「ナンバ走り」は失伝しており、学術的には真偽に疑義がもたれています。
Q. 江戸走りにはどんな効果がありますか?
A. 理学療法士によると、江戸走りはお尻の横の筋肉(中殿筋)を鍛える効果があります。高齢者の転倒防止や、つま先着地による膝への負担軽減が期待できます。