2025年11月7日、世界を驚かせるニュースが飛び込んできました。
ノルウェーやデンマークなど北欧諸国で運行されている中国製の電気バスに、メーカー側が遠隔でアクセスできる機能が搭載されていたことが判明したんです。
⚠️ 公共交通の安全を脅かす深刻な事態
問題となったのは、欧州電気バス市場でシェアトップを占める中国の大手バスメーカー「宇通(Yutong)」が製造した電気バス。理論上は遠隔で運行停止させられる可能性があります。
一体何が起きたのか、日本への影響はあるのか、そして他の中国製品にも同じリスクがあるのか――。
この記事では、北欧を騒然とさせた中国製電気バスの遠隔制御問題について、分かりやすく解説します。
📋 この記事でわかること

🚨 中国製電気バスの遠隔制御問題とは?北欧で発覚した衝撃の事実
2025年10月28日、ノルウェー最大の公共交通事業者「ルーター」が、衝撃的な発表を行いました。
運行中の中国製電気バスに、メーカー側が遠隔でアクセスできる深刻なセキュリティの弱点が見つかったというのです。
問題となったのは、中国の大手バスメーカー「宇通(Yutong)」が製造した電気バスです。
宇通は欧州電気バス市場でシェア1位を占めるメーカー。つまり、ヨーロッパで最も信頼されている電気バスメーカーの製品で、この問題が発覚したことになります。
💡 実は、ノルウェーで運行されている電気バス約1300台のうち、なんと約850台がこの宇通製なんです
割合にすると3台に2台以上。驚きの普及率ですよね。
デンマークでも同様の問題が確認されており、最大手の運輸会社モビアが運行する中国製電気バス469台のうち、262台が宇通製でした。
中央日報の報道によると、メーカー側は遠隔でソフトウェアを更新する権限を持っており、その過程でバッテリーや電源供給制御システムにアクセスできることが判明しました。
つまり、理論上は中国から遠隔でバスを止めることができてしまう、ということです。
これは公共交通機関の安全性を根本から揺るがす、深刻な問題なんです。
⚙️ 遠隔制御で何ができる?発覚した具体的なリスク
では、遠隔制御によって具体的に何ができるのでしょうか?
ルーターの発表によると、理論的にはメーカー側がこのバスを「運行停止や機能不能の状態にすることができる」とのことです。
もっと具体的に見ていきましょう。
今回の調査で判明したのは、メーカー側がバッテリーや電源供給制御システムにアクセスできるということ。
これは、バスの「心臓部」とも言える部分です。スマホでバッテリーが切れたら動かなくなるのと同じで、バスもバッテリーや電源を制御されたら、もう走ることができません。
さらに怖いのは、電気バスには様々なセンサーが搭載されているという点です。
ライブドアニュースの報道によると、デンマーク緊急事態管理庁は「電気バスにはインターネット接続システムやカメラ、マイク、衛星測位システム(GPS)などのセンサーが搭載されている」と説明しています。
📹 実は、バスに搭載されているカメラやマイク、GPSなどのセンサーにも遠隔でアクセスできる可能性があるんです
つまり、こんなリスクが考えられます:
🚫 走行中の突発的な運行停止
→ 乗客の安全が脅かされる
📷 車内の映像・音声の情報窃取
→ プライバシーの侵害
📍 バスの位置情報の把握
→ 運行パターンの監視
これは単なる製品の不具合ではなく、外部からの意図的な操作により、公衆の安全を脅かす事態が発生する可能性があるということなんです。
🔍 なぜ遠隔制御が可能だったのか?発覚の経緯
では、なぜこんなことが可能だったのでしょうか?
その鍵を握るのが、「SIMカード」です。
ルーターは2025年の夏、宇通製電気バスとオランダ製VDL電気バスを対象に、セキュリティテストを実施しました。
これは、電気バスの安全性を確認するための定期的なチェックです。
そのテストで、宇通の電気バスに「ルーマニア製SIMカード」が搭載されていることを確認したんです。
SIMカードって、スマホに入っている小さなチップのことですよね。あれがあるから、スマホでインターネットができるわけです。
💡 実は、このSIMカードを通じて、メーカー側が遠隔でソフトウェアを更新する権限を持っていたんです
「ソフトウェア更新」と聞くと、スマホアプリの自動更新みたいに普通のことに思えますよね。
でも、問題はその更新の「過程」でした。
ソフトウェアを更新する際に、メーカー側はバスの重要なシステム――バッテリーや電源供給制御システム――にアクセスできてしまうことが判明したんです。
これは、中国製電子機器でこれまでも繰り返し指摘されてきた「バックドア」と呼ばれる問題です。
🚪 バックドアとは?
建物の「裏口」や「隠し扉」のようなもの。正面玄関(正規のアクセス方法)とは別に、こっそり中に入れる経路が用意されているイメージです。
メーカー側は「メンテナンスやソフトウェア更新のため」と説明していますが、その機能が悪用される可能性があるというのが、今回の問題の本質なんです。
🌍 影響範囲はどこまで?宇通製バスの実態
この問題、どれくらいの規模なのでしょうか?
影響範囲を見ていくと、その深刻さがよく分かります。
📊 ノルウェーでの状況
• 全国で電気バス約1300台が運行
• そのうち約850台が宇通製
• つまり、3台に2台以上が該当
📊 デンマークでの状況
• 最大手運輸会社モビアが中国製電気バス469台を運行
• そのうち262台が宇通製
📈 実は、宇通は2024年の欧州電気バス市場でシェア16%を占め、1位のメーカーなんです
つまり、ヨーロッパの電気バス6台に1台が宇通製ということになります。
影響はノルウェーとデンマークだけではありません。
宇通の公式発表によると、世界60カ国以上に累計11万台の車両を輸出してきました。
輸出先には、ポーランド、フランス、フィンランド、イギリス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ブルガリア、アイスランドなど、ヨーロッパの15カ国以上が含まれています。
宇通の本社は中国・河南省鄭州市にあり、2012年に完成した60万平方メートル規模のエコカー工場では、年間3万台もの電気バスや水素バスを生産できる体制を整えています。
これだけの規模と実績を持つメーカーの製品で、セキュリティの問題が発覚したことの影響は、計り知れません。
🇯🇵 日本への影響は?中国製電気バスの導入状況
「で、日本は大丈夫なの?」
これが一番気になるところですよね。
✅ 結論から言うと、日本では宇通製の電気バスは販売されていません
ですので、今回発覚した問題の直接的な影響はありません。
ただし、安心するのはまだ早いかもしれません。
⚠️ 実は、日本の電気バス市場でも中国製が約7割のシェアを占めているんです
Bloombergの報道によると、日本で主流となっているのは、宇通ではなく別の中国メーカー「BYD(比亜迪)」製の電気バスです。
BYDは日本国内の電気バス市場で約7割のシェアを持っており、京都、埼玉などで累計64台以上が運行されています。
なぜ日本では中国製の電気バスが主流になったのでしょうか?
それは、残念ながら日本では国産の電気バスの選択肢がほとんどないからです。
日本は水素バスの開発に重点を置いてきたため、電気バスへの対応が遅れてしまいました。
トヨタ・日野自動車が水素バスを開発していますが、価格が1億円以上と非常に高額です。
一方、中国製の電気バスは価格面で優位性があり、メンテナンス体制も整っているため、多くの事業者が導入を決めています。
BYDは日本市場に合わせた仕様の電気バスを開発し、全国約70の提携工場と協力して、必要な部品を原則48時間以内に現場に届ける仕組みを整えているそうです。
💭 BYD製バスに今回のような遠隔制御機能があるかどうかは、現時点では確認されていません
SNS上では「BYDも調査すべきでは?」という声も上がっています。
💬 宇通側の反応と今後の対応は?
では、問題を指摘された宇通側は、どう反応しているのでしょうか?
中央日報の報道によると、宇通側はこう説明しています。
🏢 宇通側の主張
「当社の車両は、運行されている地域の法令や規定を厳格に順守している」
また、電気バス関連のデータは「ドイツ・フランクフルトのアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のデータ保管センターに保存されている」と明かしました。
そして、「該当データは車両のメンテナンス、最適化、サービス改善など顧客のアフターケアを目的としてのみ使用され、顧客の承認なく誰も閲覧やアクセスはできない」と強調しています。
つまり、宇通側の主張は「データは安全に管理されており、不正なアクセスはない」ということです。
一方、ノルウェーとデンマークは、今後の対応を発表しています。
🇳🇴 ノルウェーの対応
• 電気バスの調達過程でセキュリティ基準を厳格に適用
• ハッキングを阻止するファイアウォールを開発
• 当局と協力してサイバーセキュリティ要件を強化
🇩🇰 デンマークの対応
• この分野を継続的に監視
• 追加で他機関との協力が必要かどうか判断
✨ 実は、これまでのところ、宇通製バスが実際にハッキングされた事例は確認されていません
ただし、「理論上は可能」という指摘に対して、各国が本格的な対策に乗り出しています。
「理論上可能」ということは、技術的には実行できるということ。実際の被害が出る前に対策を取るのは、当然の対応と言えるでしょう。
🔐 他の中国製品にも同じリスクが?専門家の指摘
ここまで電気バスの話をしてきましたが、「他の中国製品も危ないの?」という疑問が湧いてきますよね。
実は、デンマークの運輸会社モビアは、重要な指摘をしています。
⚠️ 「これは中国バスだけの問題ではなく、中国製電子装置を内蔵したあらゆる種類の車両や機器に共通する問題」
つまり、電気バスに限った話ではない、ということです。
中国製電子機器の「バックドア」問題は、これまでも繰り返し指摘されてきました。
GIGAZINEの報道によると、過去にも様々な中国製品でバックドアが発覚しています。
📋 過去の主な事例
• 監視カメラ(ハイクビジョン、ダーファ)
世界シェアトップの中国製監視カメラにバックドアが発見された
• VoIP製品(DblTek)
中国のVoIP製品メーカーのほぼすべての製品にバックドアが存在
• ルーター
複数の中国製ルーターでバックドアが確認され、DNS乗っ取りやフィッシング詐欺に悪用される可能性が指摘された
これらの事例に共通するのは、「メーカー側がメンテナンスのため」という建前で遠隔アクセス機能を搭載していたものの、それが第三者に悪用される可能性があった、という点です。
SNSでは「テスラも遠隔制御できるのでは?」という指摘もありました。
確かに、テスラの電気自動車には高度な遠隔制御機能があります。自動運転機能のアップデートや、工場から納車先まで自動で走行する機能などです。
🔍 テスラと今回の問題の違い
テスラの場合:
• 自動運転は「運転支援システム」として正式に機能が公開されている
• データの保管・管理方法が明示されている
• 米国企業として米国の法規制に従っている
今回の宇通製バスの問題:
• 遠隔アクセス機能の存在が明示されていなかった
• セキュリティテストで偶然発覚した
• 「バックドア」と呼ばれる隠れた機能の可能性
この違いは重要です。
機能として公開され、適切に管理されている遠隔制御と、隠れた形で存在する遠隔アクセス機能では、セキュリティリスクのレベルが全く異なります。
💡 実は、過去にも中国製IoT製品でバックドアが発覚しており、今回の電気バス問題も氷山の一角かもしれません
私たちの身の回りには、スマートフォン、監視カメラ、家電製品など、インターネットに接続される中国製品が数多く存在しています。
すべての中国製品が危険というわけではありませんが、IoT製品を選ぶ際には、セキュリティ対策がしっかりしているか確認することが大切です。
📝 まとめ:北欧の事例が教えてくれること
北欧で発覚した中国製電気バスの遠隔制御問題についてまとめます。
✅ この記事のポイント
• 何が起きた?
ノルウェーとデンマークで運行中の中国製電気バス(宇通製)に、メーカー側が遠隔でアクセスできるセキュリティの弱点が発覚
• どれくらい深刻?
理論上はバスの運行停止や情報窃取が可能。ノルウェーでは電気バスの3台に2台以上が該当
• 日本への影響は?
日本では宇通製バスは販売されていないが、別の中国メーカーBYD製が約7割のシェアを占めている
• 今後の対応は?
各国がセキュリティ基準の強化とファイアウォール開発に着手。実際のハッキング被害はまだ確認されていない
• 他の製品も危険?
過去にも中国製の監視カメラやルーターなどでバックドアが発覚しており、IoT製品全般に共通する課題の可能性
今回の事件を教訓に、公共交通機関をはじめとする重要インフラのセキュリティ対策が、世界中でさらに強化されることが期待されます。
私たち一般市民も、IoT製品を選ぶ際には、価格や機能だけでなく、セキュリティ面での信頼性も考慮することが大切ですね。
この問題、あなたはどう思いますか?身の回りの中国製IoT製品について、改めて考えてみるきっかけになったのではないでしょうか。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 中国製電気バスの遠隔制御問題とは何ですか?
2025年10月28日、ノルウェーで運行中の中国メーカー「宇通」製電気バスに、メーカー側が遠隔でアクセスできるセキュリティの弱点が発覚しました。理論上はバスの運行停止や情報窃取が可能な状態でした。
Q2. 遠隔制御で具体的に何ができるのですか?
メーカー側はバッテリーや電源供給制御システムにアクセスでき、理論的にはバスを運行停止状態にできます。また、カメラ、マイク、GPSなどのセンサーにも遠隔アクセスできる可能性が指摘されています。
Q3. なぜ遠隔制御が可能だったのですか?
2025年夏のセキュリティテストで、宇通製バスにルーマニア製SIMカードが搭載されていることが判明しました。メーカー側はこのSIMカードを通じてソフトウェア更新する権限を持ち、その過程で重要システムにアクセスできました。
Q4. 影響範囲はどれくらいですか?
ノルウェーでは電気バス約1300台のうち約850台(3台に2台以上)が宇通製です。デンマークでも262台が該当。宇通は2024年の欧州電気バス市場でシェア16%(1位)を占めています。
Q5. 日本への影響はありますか?
日本では宇通製バスは販売されていないため、直接的な影響はありません。ただし、日本の電気バス市場でも中国BYD製が約7割のシェアを占めており、同様のリスクがないか注視する必要があります。
Q6. 他の中国製品にも同じリスクがありますか?
専門家は「中国製電子装置を内蔵したあらゆる車両や機器に共通する問題」と指摘しています。過去にも中国製の監視カメラ、ルーター、VoIP製品などでバックドアが発覚しており、IoT製品全般の課題である可能性があります。
📚 参考文献リスト