中国・山東省の火鍋店で、とんでもない事故が起きました。
2025年11月22日、従業員がバーナー用の加熱アルコール燃料を、なんとスープに入れてしまったのです。
結果、客10人が吐き気や嘔吐の症状を訴えて病院に搬送されました。
さらに驚くのは、「うちの火鍋は問題ない!」と証明しようとしたマネージャーが、スープを5口連続で飲んで…自分も搬送されたこと。
計11人が病院送りになったこの事故、一体何が起きたのでしょうか?
なぜ燃料を間違えたのか、燃料を飲むとどうなるのか、11人は今どうなっているのか。
順番に見ていきましょう。

この記事でわかること
【山東省火鍋店事故】何が起きた?11人搬送の経緯
結論から言うと、従業員がバーナーに入れるはずの加熱用アルコール燃料を、火鍋のスープに誤って入れてしまいました。
事故が起きたのは、山東省濱州市博興県にある「小鮮肥牛火鍋店」。
中国メディア・極目新聞の報道(東スポWEB)によると、11月22日にSNS上で被害者による告発動画が投稿され、事故が発覚しました。
投稿者自身も被害者の1人で、病院に入院しながら動画を投稿していたそうです。
「スタッフがバーナー部分に入れるはずの加熱用アルコール燃料を鍋のスープに入れてしまい、10人が誤って食べて吐き気や嘔吐などの症状を訴えた」
と、当時の状況を説明しています。
火鍋というのは、テーブルの上で鍋を加熱しながら具材をしゃぶしゃぶのように煮て食べる中国料理。
加熱にはアルコールバーナーを使うお店も多く、今回の事故ではそのバーナー用燃料がスープに混入してしまったわけです。
でも、なぜそんな間違いが起きたのでしょうか?
なぜ燃料とスープを間違えた?「容器が同じ」驚きの原因
実は、燃料用の容器とスープ用の容器が「見た目がそっくり」だったことが原因と指摘されています。
香港メディア・星島頭条の報道によると、事故後にネット上でこんな声が上がりました。
- 「燃料用容器とスープ用の容器が外見的に似すぎているのではないか」
- 「過去にもスタッフが間違えて入れた事例があった」
つまり、今回の事故は「たまたま起きた」のではなく、いつ起きてもおかしくない構造的な問題があった可能性があるのです。
考えてみてください。
忙しい飲食店のキッチンで、同じような見た目の容器が並んでいたら…。
新人スタッフや、慣れていないスタッフが間違えるリスクは十分にあります。
本来なら、燃料は明らかに違う色・形の容器に入れて、絶対に間違えない管理をすべきでした。
この「容器が似ている」という問題が放置されていたことが、今回の事故につながったと考えられます。
では、この事態に店側はどう対応したのでしょうか?
ここから、この事故で最も衝撃的な展開が始まります。
「火鍋は問題ない!」5口飲んだマネージャーの驚きの結末
当日の値班マネージャーは、客の前でこう宣言しました。
「この火鍋には問題ない」
そして、それを証明するために…スープを5口連続で飲んだのです。
台湾・自由時報の報道によると、マネージャーは客の目の前でスープを何杯もすくって飲み干しました。
「ほら、私が飲んでも何ともない。安全でしょう?」
そう言いたかったのでしょう。
しかし結果は…
マネージャー自身も体調不良を起こし、他の10人の客と一緒に病院に運ばれ、胃洗浄を受けることになりました。
自信満々に「問題ない」と証明しようとして、自分も被害者になってしまうという皮肉な展開。
ネット上では「ある意味、責任感はあった」「でも判断力がなさすぎる」と様々な声が上がっています。
ところで、燃料を飲むと実際にどうなるのでしょうか?
今回は「軽症」で済みましたが、本来はもっと危険なはずです。
燃料用アルコールを飲むとどうなる?メタノールの危険性
燃料用アルコールの主成分は「メタノール」という物質で、誤飲すると最悪の場合、失明や死亡の危険があります。
化学薬品メーカー・三協化学の解説によると、燃料用アルコールには70〜95%のメタノールが含まれています。
メタノールは「劇物」に指定されている有害物質。
お酒に含まれる「エタノール」とは全く別物で、飲用は絶対に禁止されています。
メタノールが体に入るとどうなる?
メタノールを摂取すると、体内で「ギ酸」という毒性物質に変わります。
このギ酸が特に視神経にダメージを与えるため、メタノールは別名「目散る(メチル)アルコール」とも呼ばれているほどです。
⚠️ メタノール中毒の症状
- 症状が現れるのは摂取後18〜72時間後
- 視覚障害、失明
- 代謝性アシドーシス(血液が酸性に傾く状態)
- 最悪の場合は死亡
なぜ今回は「軽症」で済んだのか?
考えられる理由は3つあります。
- スープで希釈された:大量のスープに混入したため、濃度が薄まった
- 摂取量が少なかった:気づいて吐き出した人も多かった
- 加熱による揮発:メタノールは沸点が低く(64.7℃)、煮えたぎるスープで一部が蒸発した可能性
ただし、これはあくまで「運が良かった」だけ。
燃料用アルコールの誤飲は命に関わる危険な事故です。
では、11人の現在の状態はどうなっているのでしょうか?
11人の現在の容態と火鍋店の処分
11月23日、博興県の合同調査チームが公式発表を行いました。
結論として、11人全員が軽症で、8人はすでに退院、3人が経過観察中です。
調査チームの発表内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受診者 | 11人 |
| 検査結果 | 4人が陽性反応(中毒基準には未達) |
| 退院状況 | 8人が退院、3人が経過観察中 |
| 店舗処分 | 営業停止処分 |
経過観察中の3人のうち1人は、地元外から来た人で、見舞いに来る家族もいないため病院に残っているとのことです。
また、博興県では公安局(警察)、市場監管局、衛健局など複数の部門で合同調査チームを設置。
突発的な公共衛生事件として、現在も調査が続けられています。
今回の事故は「従業員の単純ミス」で片付けられがちですが、実は中国では火鍋店をめぐる食品安全問題が後を絶ちません。
中国で繰り返される火鍋店の食品問題|ケシ殻混入の闇
実は、中国では火鍋店に「ケシ殻」を入れる事件が毎年摘発されています。
現代ビジネスの報道によると、火鍋にアヘン成分を混入して摘発された事例は中国各地で確認されており、「まったく珍しくない」のが実態だそうです。
ケシはアヘンの原料として知られる植物で、その殻にも依存性のある成分が含まれています。
なぜ火鍋店がケシ殻を使うのか?
「ケシの殻を加えると味がよくなる上、客が中毒になってリピーターが増えると聞いた」
— 摘発された店の経営者の供述
つまり、依存性を利用して客を「やみつき」にさせようとしていたのです。
📊 衝撃の数字
2020年からだけでも、ケシ殻の「隠し味」に関する事件で少なくとも200件以上の裁判が開かれています。
年間2桁の店が摘発される計算です。
また、2010年には「下水道の汚水を精製した油(地溝油)」が食用油として中国全土の飲食店で使われていたことが発覚し、大問題になりました。
中国政府も2009年に「食品安全法」を施行するなど対策を進めていますが、問題は根深いのが現状です。
今回の燃料混入事故は「故意」ではなく「ミス」でしたが、中国の飲食店における食品管理の問題を改めて浮き彫りにしました。
まとめ
今回の事故のポイント
- 何が起きた:山東省の火鍋店で従業員がバーナー用燃料をスープに誤混入、11人搬送
- なぜ起きた:燃料容器とスープ容器の見た目が似ていた(過去にも同様のミスがあったとの指摘)
- 衝撃の展開:「問題ない」と証明しようと5口飲んだマネージャーも搬送
- 現在の状況:全員軽症、8人退院・3人経過観察、店は営業停止処分
- 背景:中国では火鍋店の食品安全問題が繰り返し発生している
マネージャーの行動は「責任感」の表れだったのかもしれませんが、結果的に事態を悪化させただけでした。
この事故から学べるのは、飲食店における「異なる液体の明確な区別」の重要性です。
燃料と食材が同じ容器で管理されている時点で、いつ事故が起きてもおかしくない状況だったと言えるでしょう。
日本でも飲食店を利用する機会は多いですが、こうした事故が起きないことを願うばかりです。
よくある質問(FAQ)
Q. 中国火鍋店の燃料混入事故で何が起きた?
2025年11月22日、山東省博興県の「小鮮肥牛火鍋店」で、従業員がバーナー用アルコール燃料をスープに誤って混入。客10人とマネージャー1人の計11人が病院に搬送されました。全員軽症で、8人が退院、3人が経過観察中です。
Q. なぜ燃料とスープを間違えたのか?
燃料用の容器とスープ用の容器の見た目がそっくりだったことが原因と指摘されています。ネット上では「過去にも同様のミスがあった」という声も上がっており、構造的な管理体制の問題が浮き彫りになりました。
Q. マネージャーはなぜ5口も飲んだのか?
当日のマネージャーは「この火鍋には問題ない」と証明するため、客の目の前でスープを5口連続で飲みました。しかし結局体調不良を起こし、他の客と一緒に病院に搬送されて胃洗浄を受けることになりました。
Q. 燃料用アルコールを飲むとどうなる?
燃料用アルコールの主成分メタノールは劇物で、誤飲すると視覚障害・失明・最悪の場合死亡の危険があります。症状は摂取後18〜72時間後に現れます。今回はスープで希釈されたため軽症で済んだと考えられています。