📋 この記事でわかること
ケーキを買ったら箱に持ち手がなくて困った—。
2025年11月、SNS上でこんな投稿が話題を呼びました。
不二家は「プラごみ削減のため持ち手を継続」、シャトレーゼは「強度を考慮して一部なし」、コージーコーナーは「基本的に持ち手なし」。
レジ袋有料化から5年、洋菓子店のケーキ箱をめぐる対応が大きく分かれています。
同じケーキ箱なのに、なぜここまで対応が違うのでしょうか?
実は、各社の選択には環境配慮、安全性、コスト圧力という3つの要因が複雑に絡み合っていました。
そしてこの問題の背景には、洋菓子店が次々と倒産する業界全体の危機的状況があったのです。

ケーキ箱に持ち手がない理由は?SNSで話題の背景
レジ袋有料化をきっかけに「持ち手なし箱+有料レジ袋」の組み合わせが増え、消費者の不満が高まったのが理由です。
2025年11月24日、ねとらぼの記事でこの問題が取り上げられました。
洋菓子店でケーキを買ったというSNSユーザーが、提供された箱に持ち手がなく、店員から有料のレジ袋を購入するよう呼びかけられて戸惑ったと投稿。
これに共感する声が次々と寄せられました。
- 「持ち手がないのは本当に不便」
- 「客の立場になって考えてほしい」
- 中には「箱代が有料」という店もあった
それまで:持ち手あり箱+無料レジ袋
有料化後:持ち手なし箱+有料レジ袋(2-10円)
消費者からすると、ケーキを買うたびに「レジ袋買いますか?」と聞かれる。
断ればケーキ箱を裸で持ち帰ることになる。
この「どっちつかず」な状況が、不満の声につながったわけです。
では、実際に大手洋菓子店はどう対応しているのでしょうか?
不二家・シャトレーゼ・コージーコーナーの対応比較
不二家とシャトレーゼは基本的に持ち手あり、コージーコーナーは持ち手なし—大手3社でも対応が大きく分かれています。
ねとらぼ編集部が都内の洋菓子チェーンでカットケーキ1個を購入して確かめたところ、こんな結果になりました。
| 店舗名 | 持ち手の有無 | 詳細 |
|---|---|---|
| 不二家 | ✅ あり | 通常のカットケーキ・アニバーサリーケーキは持ち手つき ※10個以上は耐荷重量の都合上なし |
| シャトレーゼ | △ 一部あり | 5-6個までは持ち手あり 7個以上は持ち手なし ※ケーキの形にもよる |
| 銀座コージーコーナー | ❌ なし | 基本的に持ち手なし 店頭で明示+有料レジ袋を案内 |
ケーキの価格帯は3社とも300-500円台で大きな差はありません。
でも箱の仕様は大きく違う。
普通は「同じ業界なら同じ対応では?」と思いますよね。
でも実は違うんです。
なぜ同じ業界なのに、ここまで対応が違うのでしょうか?
なぜ店によって対応が違う?各社の方針と理由
不二家は「環境配慮」、シャトレーゼは「安全性」、コージーコーナーは「コスト・効率」—各社それぞれ異なる優先順位を持っています。
🌱 不二家:環境配慮を最優先
不二家は取材に対してこう答えています。
「レジ袋を使用せずお持ち帰りいただくお客様も元々多くいらっしゃいました」
「現在のようにレジ袋が有償化になった際も、持ち手がついていて箱のままでも手軽にお持ち帰りできること、またプラごみを増やさないことができるという点が利点」
レジ袋有料化前から「箱だけで持ち帰る客」が多かった!
だから持ち手つき箱を続けることが、自然な選択だったんです。
環境に優しい+客の利便性=両方クリア。
今後も「持ち手のある箱を継続していく」と明言しています。
🛡️ シャトレーゼ:安全性を最優先
シャトレーゼの理由はこうです。
「持ち手をお付けすると便利な反面、箱自体の強度が十分ではないため、持ち上げた際に破損したりケーキが崩れたりする恐れがあります」
「お客様に安全にお持ち帰りいただけるよう、弊社では7個以上のケーキの箱には持ち手は設けておりません」
ケーキの重さが増えると、持ち手部分が破けてケーキが落ちる危険がある。
だから「7個以上は持ち手なし」という明確な基準を設けています。
安全第一の判断ですね。
💰 コージーコーナー:コスト・効率を考慮か
コージーコーナーは取材に応じませんでしたが、背景は推測できます。
同社は2023年3月期の売上高が245億円で、業績が軟調に推移しています。
洋菓子業界全体が原材料高騰に苦しむ中、あらゆるコストを見直す必要があった。
持ち手つき箱は持ち手なし箱より製造コストがかかります。
店頭では「箱に持ち手がない」と明示し、有料レジ袋を案内。
つまり「箱はシンプルに、必要なら袋を買ってもらう」という効率重視の方針と考えられます。
環境配慮 vs 安全性 vs コスト—各社の優先順位が、箱の仕様を決めているわけです。
でも、持ち手がない箱でも安全に持ち帰る方法はあるのでしょうか?
持ち手なしケーキを安全に持ち帰る方法
有料レジ袋購入が最も確実。エコバッグなら底が平らで硬いものを選び、水平に保つことが重要です。
でも「毎回お金を払うのはちょっと…」という人もいますよね。
そんな時はこんな方法があります。
🛍️ エコバッグを活用する
底が平らで硬いエコバッグを選びましょう。
布製の柔らかいバッグだと、ケーキが傾いて崩れる危険があります。
ポイントは3つ:
- 底が平ら:ケーキ箱が安定する
- 底が硬い:揺れても形が崩れない
- 深さがある:箱全体が入る
最近は100均でもケーキ用のエコバッグが売っています。
🚗 持ち運び時の注意点
どんな方法でも、これだけは守りましょう。
- 水平に保つ:箱を傾けない
- 振動を避ける:急ブレーキ、段差に注意
- 温度管理:夏場は保冷剤を入れる
車で運ぶなら、座席ではなく床に置くと安定します。
📦 タッパーや保冷バッグも使える
家にあるもので代用することもできます。
- 大きめのタッパーにケーキを移し替える
- 保冷バッグに入れれば、温度管理も万全
ちょっとした工夫で、ケーキは安全に持ち帰れるんです。
このような変化の背景には、洋菓子業界全体が直面する厳しい現実がありました。
洋菓子業界の苦境とケーキ箱問題の背景
洋菓子業界は過去最悪の危機に直面しています。
帝国データバンクの調査によると、2024年度の洋菓子店倒産は51件。
前年度(32件)から1.6倍に増え、過去最多を更新しました。
📈 原材料高騰が直撃
何が起きているのか?
原材料価格の高騰です。
小麦粉、鶏卵、砂糖、バター、ナッツ、フルーツ、チョコレート…。
ケーキ作りに必要なほぼ全ての材料が値上がりしています。
- ショートケーキの原価:5年間で2割超上昇
- チョコレートケーキの原価:5年間で約3割上昇
ケーキを作るコストが、この5年で1.2-1.3倍になったんです。
💸 値上げできないジレンマ
「じゃあケーキの値段を上げればいいのでは?」
そう思いますよね。
でも簡単ではありません。
- コンビニスイーツは100-300円台で高品質
- 大手チェーン店はスケールメリットでコストを抑えられる
- 街の小さな洋菓子店は、そうはいきません
値上げすれば客が減る。
値上げしなければ赤字になる。
洋菓子店の約6割が「業績悪化」という状態です。
🔍 ケーキ箱問題の本質
「持ち手なし箱」問題は、実は氷山の一角なんです。
洋菓子店は今、ありとあらゆるコストを削減しています。
箱代、包装資材、人件費、光熱費…。
「持ち手をつけるかどうか」という判断も、こうした厳しい経営環境の中で下されています。
環境配慮や安全性も大事。
でも「店を続けられるかどうか」がかかっている。
そんな切実な状況があるわけです。
帝国データバンクは「2025年度も倒産増加が続く可能性がある」と予測しています。
クリスマスやバレンタインなど、ケーキ需要が高まる時期。
でもその裏で、多くの洋菓子店が生き残りをかけて必死に戦っているんです。
📝 まとめ:ケーキ箱問題が映し出す業界の現実
ここまで見てきた内容をまとめます。
✅ 持ち手なし箱が増えた背景
レジ袋有料化後、持ち手なし箱+有料レジ袋の組み合わせが増え、消費者の不満が高まった
✅ 大手3社の対応の違い
不二家は環境配慮で持ち手継続、シャトレーゼは安全性重視で一部なし、コージーコーナーは効率重視で基本なし
✅ 安全な持ち帰り方
有料レジ袋購入が確実、エコバッグなら底が平らで硬いもの、水平に保つことが重要
✅ 業界の深刻な状況
2024年度の倒産は過去最多51件、原材料高騰でケーキ原価が5年で2-3割上昇、約6割の店が業績悪化
「ケーキ箱に持ち手がない」というSNSの話題。
一見すると小さな不満に見えます。
でもその背景には、環境問題、食の安全、そして洋菓子業界全体の存続をかけた戦いがありました。
次にケーキを買うとき、箱の持ち手を見てみてください。
そこには、各社の理念と、業界が直面する現実が詰まっているかもしれません。
❓ よくある質問(FAQ)