「ベビーカーで歩道を歩いていたら、突然知らない人に『カーだから車道だろ』って言われた」――こんな信じられない話、聞いたことありますか?
実はこれ、SNSで本当に起きた出来事なんです。子育て中の人はもちろん、多くの人が「え、マジで?」と驚いたこの発言。
✅ この記事で分かること
でも安心してください。法律的には完全に間違っています。
この記事では、弁護士の見解と正しい法律知識、そして万が一同じようなトラブルに遭遇したときの対処法まで、わかりやすく解説します。
📋 この記事でわかること

🚨 「ベビーカーは車道だろ」発言の真相―何が起きたのか
事の発端は、SNSの「Threads」に投稿された一つの体験談でした。
投稿主の方がベビーカーを押して普通に歩道を歩いていたところ、2人組の男性に突然声をかけられたそうです。その内容が、こちら。
💬 実際の発言内容
「自転車は『車』がつくから車道だろ? それならベビーカーも『カー』だから車道だろ」
この投稿は瞬く間に拡散され、多くの人が驚きと怒りの声を上げました。「頭おかしい」「こんな人がいるの?」という反応から、「少子化も無理ない」という社会問題への言及まで、様々な意見が飛び交いました。
あまりの反響の大きさに、弁護士ドットコムニュースも取材を行い、専門家の見解を交えた記事を配信しています。
投稿を見た人からは「嘘松(作り話)じゃないの?」という声もありましたが、実際にこのような非常識な発言をする人が存在するのは事実のようです。ぶつかりおじさんやクレーマーなど、理不尽な言いがかりをつける人は残念ながら一定数いるんですよね。
でも、こんな発言に惑わされる必要はありません。なぜなら、法律で明確に答えが決まっているからです。
⚖️ ベビーカーは本当に車道を走るべき?弁護士が教える法律的に正しい答え
✅ 結論
ベビーカーは「歩行者」です。歩道を走るのが正解です。
交通問題に詳しい松本洋明弁護士によると、ベビーカーは道路交通法で「小児用の車」として扱われ、これを押している人は「歩行者」とみなされると明確に規定されているとのこと。
つまり、ベビーカーは車両ではなく、歩行者と同じルールが適用されるんです。
📜 法律ではこう決まっている
道路交通法では、歩道と車道の区別がある道路では、歩行者は原則として歩道を通行しなければならないと定められています。
ということは、ベビーカーも当然歩道を通行すべきということ。もしベビーカーが車道を走っていたら、それこそ道路交通法違反になってしまいます(道路工事で歩道が通れない、車道を横断するといった、やむを得ない事情がある場合は除く)。
ちなみに、歩道がない道路を通行する場合は、普通の歩行者と同じく道路の右側端に寄って通行する必要があります。
🔌 電動アシスト付きベビーカーはどうなの?
最近は電動アシスト機能が付いたベビーカーもありますよね。これについても、一定のサイズと速度の基準を満たしていれば「小児用の車」として歩行者扱いになります。
📏 歩行者扱いになる基準
- 長さ:120センチ以下
- 幅:70センチ以下
- 高さ:120センチ以下
- 速度:時速6キロを超える速度を出せない構造
時速6キロというのは、成人がゆっくり歩く速さくらいです。一般的に市販されている個人用のベビーカーなら、ほとんどがこの基準を満たしています。
つまり、「ベビーカーは車道だろ」という指摘は、法律的に完全に誤りなんです。
🤔 なぜこんな発言が?「カーだから車道」の論理の問題点
では、なぜこんな発言をする人が現れたのでしょうか。
その人たちの論理は「自転車は『車』がつくから車道。だからベビーカーも『カー』だから車道」というもの。
でも、ちょっと待ってください。この論理、おかしいと思いませんか?
❌ この論理の致命的な矛盾
もしこの理屈が正しいとしたら、こんなことになってしまいます:
🚗 この論理の矛盾点
シニアカーも「カー」がついているから車道を走らないといけない?
→ でも、シニアカーは法律上「身体障害者用の車」として歩行者扱いです。歩道を走るのが正解。
車椅子も「車」がついているから車道?
→ これも歩行者扱いです。もちろん歩道を走ります。
SNSでも「じゃあシニアカーは歩道だろ」「車椅子はどうなるんだよ」というツッコミが多数寄せられました。まさにその通りですよね。
🔤 名前の「カー」に騙されないで
この発言の問題点は、名前の表面的な理解だけで判断してしまっていることです。
確かに自転車は「車」がついていて、道路交通法上は「軽車両」として車道を走ることになっています(ただし、自転車から降りて手で押せば歩行者扱いになります)。
でも、ベビーカーの「カー」とは全く意味が違うんです。ベビーカーは英語で「baby carriage(乳母車)」や「stroller」と呼ばれるもので、日本語では「乳母車」「小児用の車」と表現されます。
法律では、このような名前ではなく、実際の用途や構造、サイズなどで分類が決まっているんです。
💡 豆知識
ちなみに、ベビーカーは和製英語なので、英語圏では通じません。「stroller」と言わないと伝わらないんですよ。これも意外と知られていない豆知識です。
電動車椅子やシニアカーについても、名前に「カー」や「車」がついていても、全て歩行者として扱われることが法律で明確に決まっています。
🛡️ もし絡まれたらどうする?具体的な対処法と安全確保の方法
「自分も同じような目に遭ったらどうしよう」と不安になった人もいるかもしれません。
具体的な対処法をご紹介します。
🚶 その場での基本対応
⚠️ 最優先は安全確保
相手が理不尽なことを言ってきても、以下の対応を心がけてください:
- 相手にしない:理屈の通じない相手に説明しても無駄です。
- その場を離れる:子どもの安全を第一に、速やかにその場を離れましょう。
- 反論しない:正論を言い返したくなる気持ちはわかりますが、相手を刺激すると危険です。
- 周囲に助けを求める:近くに人がいれば、助けを求めることも有効です。
弁護士の松本氏も「法律上のルールを正しく理解していれば、不要なトラブルを避け、落ち着いて対応できるかもしれません」とコメントしています。
📞 警察に相談できる専用電話があります
実は、こういったトラブルを相談できる専用の電話番号があるんです。
📞 #9110(警察相談専用電話)
これは、緊急ではないけれど警察に相談したいことがあるときに使える番号です。政府広報オンラインでも紹介されています。
110番は今すぐ警察官に駆けつけてもらいたいような緊急事態用ですが、#9110は相談事用。路上でのトラブルや、今後どう対応すべきかのアドバイスを受けることができます。
全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。場合によっては匿名での相談も可能です。
📚 法律知識が最大の武器
今回のような理不尽な言いがかりに対しては、正しい法律知識を持っていることが最大の防御になります。
「ベビーカーは法律上、歩行者です。歩道を通行するのが正しいんです」
この事実を知っているだけで、自信を持って対応できますよね。間違ったことを言われても、自分が正しいとわかっていれば、心理的にも強くいられます。
そして何より、こういった知識を多くの人が共有することで、理不尽な言いがかりをつける人を減らすことができるはずです。
💬 SNSで大炎上―世間の反応と子育て環境への影響
この「ベビーカーは車道だろ」発言は、SNSで大きな反響を呼びました。
😲 驚きと怒りの声
多くの人が投稿に対して、以下のような反応を示しています:
驚きの声
「頭沸いてんのか?」「こんな馬鹿がいるのか」「ココまでアホになるのか」
理不尽さへの怒り
「国の宝乗せてんだよ」「お前が車道走れよ」
冷静な指摘
「小学生レベルの言いがかり」「知性は恐ろしいレベル」「常識を疑う」
😔 類似体験の共有も
実は、ベビーカーに関するトラブルは珍しくないようです。
SNS上では「ベビーカーをたため」と怒鳴られた、バスで乗車拒否された、といった体験談も多数見られます。キッズラインの調査によると、10人に1人が何らかの子育てクレームを受けた経験があるとのこと。
国土交通省は2013年から「ベビーカーマーク」の普及活動を行い、「ベビーカーはたたまなくてよい」という見解を示しています。バリアフリー化の推進として、公共交通機関でのベビーカー利用への理解を深める取り組みが続けられているんです。
👶 子育て環境と少子化の関係
「少子化も無理ない」というコメントが多く見られたのも印象的でした。
内閣府の調査では、「あなたの国は、子どもを産み育てやすい国だと思いますか」という質問に対して、日本では4割以上が「そう思わない」と回答しています。国際的に見ても、その割合は相当に高いんです。
こういった理不尽なトラブルや、子育てへの無理解が、「子どもを産み育てにくい」という印象を強めているのは間違いありません。
政府も少子化対策として、公共交通機関でのベビーカー利用促進や、子育て世帯への経済支援などを進めています。でも、制度だけでなく、社会全体の意識を変えることも必要なんです。
🤝 思いやりのある社会を目指して
弁護士の松本氏は「ベビーカーを利用する方はもちろん、周囲のドライバーや歩行者も思いやりのある運転や行動を心がけることで、誰もが安心して通行できる環境が育まれていくでしょう」とコメントしています。
法律で決まっているから歩道を走る権利がある、という以前に、小さな子どもを連れた人が安心して外出できる社会であってほしいですよね。
📝 まとめ:正しい知識を持って、子育てしやすい社会へ
✅ この記事のポイント
- ベビーカーは法律上「歩行者」:道路交通法で明確に規定されており、歩道を通行するのが正解
- 「カーだから車道」は完全な誤り:名前の表面的理解による間違った論理
- 絡まれたら安全第一:相手にせず、その場を離れる。#9110で相談も可能
- 同様の扱いのもの:車椅子やシニアカーも歩行者扱いで歩道を通行
- 社会的な課題:こういったトラブルが子育てしにくい環境を作っている
もしあなたが同じような理不尽な言いがかりに遭遇したら、この記事の内容を思い出してください。法律的に正しいのはあなたです。
自信を持って、安全を最優先に行動しましょう。
そして、この記事を読んでくださったあなたが、ベビーカーを押している人を見かけたときに、少しでも思いやりを持って接してくれたら嬉しいです。
🌟 子育て中の人が安心して外出できる社会を、一緒に作っていきませんか?
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: ベビーカーは歩道と車道、どちらを走るべきですか?
ベビーカーは道路交通法で「歩行者」として扱われるため、歩道を通行するのが正解です。歩道と車道の区別がある場所では、必ず歩道を通行してください。
Q2: 「ベビーカーは車道だろ」という発言は法律的に正しいですか?
いいえ、完全に誤りです。ベビーカーは法律で明確に「歩行者」と規定されており、歩道通行が原則です。名前に「カー」がついているからといって車道を走るという理屈は成り立ちません。
Q3: 電動アシスト付きベビーカーも歩道を走れますか?
はい、走れます。長さ120cm、幅70cm、高さ120cm以下で、時速6km以下の速度基準を満たしていれば、電動アシスト付きでも「小児用の車」として歩行者扱いになります。
Q4: ベビーカーで絡まれた場合、どう対処すればいいですか?
最優先は安全確保です。相手にせず、速やかにその場を離れましょう。後日相談したい場合は、警察相談専用電話#9110に連絡できます。反論すると危険を伴う可能性があるため避けてください。
Q5: シニアカーや車椅子も「カー」や「車」がついていますが、どこを走りますか?
シニアカーも車椅子も、ベビーカーと同じく法律上「歩行者」として扱われます。名前に「カー」や「車」がついていても、歩道を通行するのが正解です。
Q6: ベビーカーに関するトラブルはよくあることですか?
残念ながら、ベビーカーをたためと言われる、乗車拒否されるといったトラブルは珍しくありません。調査では10人に1人が何らかの子育てクレームを受けた経験があるとされています。