「月曜日に必要な備品を注文しようと思っていたのに…」そんなSNSの声が溢れています。
2025年10月19日夕方、オフィス用品通販大手のアスクルが突然、全サービスを停止しました。原因はランサムウェア感染。
ASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOの全てが注文できず、既に注文済みの商品も全てキャンセルという異例の事態です。
多くの企業の総務担当者が頭を抱え、個人利用者も「自分の情報は大丈夫？」と不安を感じています。一体何が起きているのか、自分の注文や個人情報はどうなるのか、いつ復旧するのか――。
現時点で分かっている情報と、今すぐできる対応策をまとめました。
📋 この記事でわかること
📰 アスクルで何が起きた？ランサムウェア感染の現状【2025年10月19日発生】
2025年10月19日18時30分、アスクル株式会社の公式プレスリリースで、衝撃的な発表がありました。
ランサムウェア感染によるシステム障害が発生し、ASKUL・ソロエルアリーナ・LOHACOの全サービスで受注・出荷業務を停止したというのです。
🚨 影響範囲はどこまで？
現在、以下の状態が続いています（10月20日時点）：
❌ 使えなくなったサービス
- ASKUL（法人向けオフィス用品通販）
- ソロエルアリーナ（企業の調達支援プラットフォーム）
- LOHACO（個人向け通販サイト）
具体的にできないことは以下の通りです：
- 新規注文の受付
- 商品の出荷
- 公式サイトへのアクセス
- 返品や各種サービスの申し込み
公式サイトを開こうとすると、「ただ今、ランサムウェア感染によるシステム障害が発生している影響により、Webサイトへのアクセスを停止しております」というメッセージが表示されるだけです。
💡 なぜこれほど深刻なのか？
実は、アスクルの社名の由来は「明日来る」。翌日配送をモットーに、1997年からオフィス用品通販の先駆けとして事業を展開してきました。
その「明日来る」が約束できない事態――。これがいかに異例の状況かが分かります。
SNS上では、こんな声が上がっています：
- 「会社の備品注文ができない」
- 「月曜日に注文しようと思っていたのに」
- 「備品担当者は混乱しそう」
- 「総務は大変になりそう」
多くの企業が日常業務で使っている大手サービスだけに、影響は広範囲に及んでいます。しかし、さらに深刻な事態が発生していました。
🚨 影響拡大：無印良品も停止、アスクルの子会社が配送を担当【10月20日最新】
アスクルのシステム障害は、思わぬところにも影響を及ぼしています。ASCII.jpの報道によると、10月19日21時頃から無印良品のネットストアも停止しました。
これは、アスクルとは別の企業なのに、なぜ影響を受けたのでしょうか？
🔗 なぜ無印良品が影響を受けたのか？
理由は、物流ネットワークの相互依存にあります。CNET Japanの報道によると、無印良品のネットストアは、アスクルの100%子会社である「アスクルロジスティクス（ASKUL LOGIST）」を宅配業務の一部で利用しているためです。
💡 アスクルロジスティクスとは？
アスクルとLOHACOの物流を担う、アスクル株式会社の100%子会社です。
2009年に創業し、全国11箇所の物流センターを運営しています。アスクルグループだけでなく、無印良品など他社の配送業務も受託しており、月間数千件の輸送依頼を取り扱っています。
📉 無印良品で使えなくなった機能
無印良品の公式サイトでは、「物流障害の影響により一部サービス・機能を停止している」と発表されており、以下が利用できない状態です：
- ネットストアでの商品購入
- サイトの閲覧
- マイページ機能
- チェックイン機能
- 月額定額サービスへの申し込み
- 一部ウェブコンテンツの表示
さらに、既に受け付けた注文についても出荷が中断しており、配送の遅延が発生する可能性があるとのことです。ポイント付与日にもずれが生じる見込みです。
⚠️ 「1社の障害」では終わらない現実
今回の事態は、現代の物流ネットワークがいかに相互依存しているかを浮き彫りにしました。アスクル本体だけでなく、その子会社を利用している企業にも連鎖的に影響が広がっています。
1つの企業へのサイバー攻撃が、まったく別の企業のサービス停止につながる――これがサプライチェーンリスクの恐ろしさです。
🔍 他にも影響を受ける企業は？
アスクルロジスティクスを配送で利用している企業は、同様の影響を受ける可能性があります。現時点で公表されているのは無印良品ですが、物流の専門家からは「他社への影響拡大も懸念される」との声が上がっています。
では、最も気になる「個人情報」の状況はどうなっているのでしょうか？
🔐 「個人情報は大丈夫？」気になるデータ流出の可能性
最も気になるのは、自分の個人情報が流出していないかということでしょう。
🔍 現在の状況：「調査中」
アスクルの公式発表では、「個人情報や顧客データなどの外部への流出を含めた影響範囲については現在調査を進めており、分かり次第お知らせいたします」としています。
つまり、現時点では「流出したかどうか分からない」という状態です。
これは決して「大丈夫」という意味ではありません。調査には時間がかかり、結果が判明するまで数日から数週間かかることもあります。
📊 被害規模はどれくらい？
Business Insider Japanの報道によると、アスクルの顧客規模は極めて大きいことが分かります。
約569万
法人向けBtoB
登録ID数
約1010万
LOHACO累計
お客様数
※2025年5月20日時点のデータ
合計で約1579万アカウントが潜在的な影響を受ける可能性があります。これは、東京都の人口を上回る規模です。
もし個人情報流出が確認された場合、国内最大級のデータ漏洩事件となる可能性があります。
⚠️ 過去の類似事例では何が起きたか？
実は、過去の日本企業のランサムウェア被害事例を見ると、半数以上で個人情報流出が発生しています。2025年のランサムウェア被害事例を見ると、その深刻さが分かります。
📊 最近の主な事例
- カシオ計算機（2024年10月）：約6万1000件の個人情報が漏洩した可能性
- サンリオエンターテイメント（2025年1月）：最大約200万件の個人情報が漏洩した可能性
- KADOKAWA（2024年6月）：従業員情報や取引先情報が流出
最新のランサムウェア事例分析によると、近年の攻撃は「二重脅迫型」が主流です。
これは、データを暗号化するだけでなく、事前に盗み出したデータを「身代金を払わなければ公開する」と脅迫する手口です。
✅ 今できることは？
不安になるのは当然ですが、焦らず以下の対応を準備しておきましょう：
- アスクルからの公式発表を待つ
メールやサイトでの続報を確認 - パスワード変更の準備
流出が確認された場合に備えて、他のサービスと同じパスワードを使っている場合は変更を検討 - 不審なメールへの警戒
「アスクルです」を名乗る怪しいメールに注意。公式サイトが復旧するまで、メール内のリンクは特に警戒 - クレジットカードの利用明細確認
不正利用がないか定期的にチェック
アスクルから正式な発表があり次第、適切な対応を取ることが大切です。では、既に注文済みの商品はどうなるのでしょうか？
📦 既に注文した商品はどうなる？キャンセルと返金について
「昨日注文したばかりなのに…」という方も多いのではないでしょうか。
❌ 既存注文は全てキャンセル
アスクルの公式発表では、明確にこう述べられています：
「すでにいただいたご注文については、大変恐れ入りますがご注文キャンセルとさせていただきます」
これは、既に注文確定のメールを受け取っていても、出荷前の商品は全てキャンセルになるということです。
💡 実は、アスクルは365日返品可能だった
🌟 豆知識
通常、アスクルは業界でもトップクラスのアフターサービスを提供しています。
納品書に記載されている出荷日から365日以内であれば、「商品のイメージが異なる」「違う商品を注文してしまった」といった発注者側の都合でも無料で返品が可能でした。
それほど顧客対応に手厚い企業が、今回は「全商品キャンセル」という判断をしたのです。これがいかに深刻な事態かが分かります。
💰 返金はどうなる？
返金の具体的な方法については、現時点では公式サイトがアクセス停止中のため詳細が不明です。
ただし、一般的には：
- クレジットカード決済：請求が発生しない、または返金処理
- 代金引換：配送されないため支払いも発生しない
- 後払い・請求書払い：請求書が発行されない
復旧後に、アスクルから個別に案内があると考えられます。焦らず公式発表を待ちましょう。
🔄 月曜日に必要な商品がある場合は？
既存注文がキャンセルされ、新規注文もできない状況では、代替サービスの利用を検討する必要があります。詳しくは後述しますが、まずはランサムウェアとは何かを理解しておきましょう。
🦠 ランサムウェアって何？アスクルを襲った攻撃の正体
「ランサムウェア」という言葉、ニュースで聞いたことはあっても、実際どういうものか分からない方も多いのではないでしょうか。
🔒 ランサムウェアは「データを人質にするウイルス」
ランサムウェアとは、「Ransom（身代金）」と「Software（ソフトウェア）」を組み合わせた造語です。
簡単に言えば、パソコンやサーバーに侵入して、保存されているデータを暗号化（使えない状態に）して、元に戻してほしければ金を払えと脅迫してくるウイルスのことです。
NTTドコモの解説によると、まるで映画の誘拐犯のように「データ」を人質に取って身代金を要求する――そんなイメージです。
🚪 どうやって感染するの？
政府広報オンラインの情報によると、企業のランサムウェア感染経路で最も多いのは：
62%
VPN機器の脆弱性
19%
リモートデスクトップ
つまり、テレワークなどで使う「外部から社内ネットワークに接続する仕組み」の弱点を突いて侵入してくるケースが8割以上を占めています。
攻撃者は以下のような手順で攻撃を実行します：
- 侵入：脆弱性のある機器を見つけて社内ネットワークに侵入
- 調査：どこに重要なデータがあるか調べる
- 情報窃取：脅迫材料として使えるデータを盗み出す
- 暗号化：ファイルを暗号化して使えなくする
- 脅迫：「金を払わなければデータを公開する」と脅す
📅 実は36年前から存在していた
💡 驚きの事実
ランサムウェアは最近の脅威ではありません。
世界初のランサムウェアは1989年の「AIDS Trojan」。当時はフロッピーディスクを通じて感染していました。そして2017年には「WannaCry」という名前のランサムウェアが世界中で大流行。
23万台以上のコンピューターに感染し、イギリスでは国営医療サービスが被害を受け、手術の中止や診療停止という深刻な事態が発生しました。
💸 身代金を払っても復旧しない？
ここで衝撃の事実があります。
身代金を支払っても、データが元に戻る保証はありません。
むしろ、FBI（アメリカ連邦捜査局）は身代金の支払いを推奨していません。
理由は：
- 支払ってもデータが復旧しない可能性がある
- 支払いが犯罪組織の資金源になる
- 一度支払うと「払う組織」として再度狙われる可能性がある
📊 日本企業の半数以上が既に被害経験
実は、ランサムウェアはもう「他人事」ではありません。
CrowdStrikeの調査によると、日本企業の52%が既にランサムウェア被害を経験しています。つまり、日本企業の半分以上が既に攻撃を受けているのです。
警察庁のデータでは、2025年上半期だけで116件のランサムウェア被害が報告されています。これは、ほぼ毎日どこかの企業が被害に遭っている計算です。
IPA（情報処理推進機構）が毎年発表する「情報セキュリティ10大脅威」では、ランサムウェアは5年連続で組織向け脅威の第1位に選ばれています。
アスクルのような大企業でさえ、突然サービスが停止する事態に陥る――それほど深刻な脅威なのです。では、実際に今すぐできることは何でしょうか？
🔄 いつ復旧する？今すぐ必要な場合の代替サービス
最も気になるのは「いつ復旧するのか」ということでしょう。
⏰ 復旧時期は「未定」
残念ながら、現時点では復旧のめどは立っていません。
アスクルの公式発表では「復旧のめどが立ち次第、改めてお知らせいたします」とのみ述べられており、具体的な時期は示されていません。
過去の企業事例を見ると、システムの復旧には数日から数週間、場合によっては数ヶ月かかることもあります。
🛒 今すぐ必要な場合の代替サービス
「月曜日の会議に必要な資料を作るための備品が…」という方のために、アスクルの代わりに使えるオフィス用品通販サービスをご紹介します。
実は、オフィス用品通販は複数の選択肢があり、それぞれ特徴が異なります。
① たのめーる（大塚商会）
特徴：
- 200円以上で送料無料（これが最大の強み）
- 平日11時までの注文で当日配送（対象地域）
- 200万点以上の品揃え
ポイント：ハッピーポイント（インターネット注文で100円につき2ポイント）
返品無料の期間は商品到着から14日間と、アスクルの365日より短めですが、日常使いには十分です。
② モノタロウ
特徴：
- 1800万点の圧倒的な品揃え
- 問屋価格で購入可能
- 工具や現場用品に特に強い
送料：一回の注文が7000円以上の場合、その月は送料無料
製造業や建設業、工場などで使う資材が必要な場合は、モノタロウが特におすすめです。
③ Amazonビジネス
特徴：
- 豊富な品揃え
- Amazonの配送網を活用
注意点：当日・翌日配送にはBusinessプライム会員（月額4455円〜）が必要
普段からAmazonを使っている企業なら、スムーズに移行できるかもしれません。
④ カウネット（コクヨ）
特徴：
- コクヨのオリジナル商品が充実
- 「カウコレプレミアム」「カウコレプライス」など独自商品
文房具を中心に使う場合は、カウネットも選択肢になります。
これらのサービスについて詳しくは、オフィス通販の比較記事や法人向けオフィス通販の詳細比較を参考にしてみてください。
🔄 アスクルが復旧したら戻ればOK
これらの代替サービスは、あくまで「今すぐ必要な場合」の一時的な選択肢です。
アスクルが復旧したら、また元に戻れば問題ありません。複数のサービスに登録しておいて、用途に応じて使い分けるという方法もあります。
📝 まとめ：アスクルのランサムウェア感染、今できることは？
2025年10月19日に発生したアスクルのシステム障害は、10月20日時点でも復旧のめどが立っていません。既に注文した商品は全てキャンセル、個人情報流出の可能性も調査中という深刻な状況です。
さらに、無印良品のネットストアも連鎖的に停止するなど、影響は拡大しています。
✅ 今できることは4つ
1. 公式発表を待つ
焦らず、アスクルからの正式な発表を確認しましょう。不審なメールに警戒し、公式サイトが復旧するまでメール内のリンクは特に注意。
2. 被害規模の認識
法人向けBtoB約569万ID、LOHACO約1010万アカウント、合計約1579万アカウントが潜在的な影響を受ける可能性。東京都の人口を上回る規模です。
3. 代替サービスの準備
たのめーる（200円以上で送料無料）、モノタロウ（1800万点の品揃え）、Amazonビジネス、カウネットなど、他のサービスも選択肢に。
4. サプライチェーンリスクへの理解
アスクルロジスティクスを利用する無印良品も停止。1社の障害が他社に連鎖する現実を認識し、今後の教訓として「もしもの時の代替手段」を考えておく。
ランサムウェアは、日本企業の半数以上が既に経験している「他人事ではない」脅威です。アスクルのような大企業でさえ、突然サービスが停止する事態に陥ります。
「明日来る」がモットーだった企業が「明日も来ない」状況に――。これがサイバーセキュリティの現実です。
今回の件を教訓に、日頃から「もしもの時の代替手段」を考えておくことも大切かもしれません。
アスクルの一日も早い復旧を願いつつ、最新情報はアスクル公式サイトで確認するようにしてください。
❓ よくある質問（FAQ）
Q1. アスクルで何が起きたのですか？
2025年10月19日、アスクルがランサムウェア感染によるシステム障害を発表しました。
ASKUL、ソロエルアリーナ、LOHACOの全サービスで受注・出荷業務が停止し、既存の注文も全てキャンセルされています。
Q2. 個人情報は流出したのですか？
現時点では「調査中」という状況です。
法人向けBtoB約569万ID、LOHACO約1010万アカウント、合計約1579万アカウントが潜在的な影響を受ける可能性があります。過去の類似事例では半数以上で個人情報流出が発生しており、正式な調査結果が出るまで数日から数週間かかる可能性があります。
Q3. 既に注文した商品はどうなりますか？
アスクルの公式発表により、既に注文済みの商品も全てキャンセルとなります。
返金の具体的な方法は復旧後に案内される見込みです。
Q4. いつ復旧しますか？
現時点では復旧のめどは立っていません。
過去の企業事例では、システムの復旧に数日から数週間、場合によっては数ヶ月かかることもあります。
Q5. 今すぐオフィス用品が必要な場合はどうすればいいですか？
たのめーる（200円以上で送料無料）、モノタロウ（1800万点の品揃え）、Amazonビジネス、カウネットなどの代替サービスを利用することができます。
アスクルが復旧したら、また戻ることも可能です。
Q6. ランサムウェアとは何ですか？
データを暗号化して使えなくし、元に戻すことと引き換えに身代金を要求する悪意のあるソフトウェアです。
日本企業の52%が既に被害を経験しており、2025年上半期だけで116件の被害が報告されています。
Q7. 無印良品も影響を受けているのですか？
はい、10月19日21時頃から無印良品のネットストアも停止しています。
アスクルの子会社であるアスクルロジスティクスを配送の一部で利用しているため、連鎖的な影響を受けたと考えられます。再開時期は未定です。
Q8. アスクルロジスティクスとは何ですか？
ASKUL LOGIST（アスクルロジスト）は、アスクルとLOHACOの物流を担うアスクル株式会社の100%子会社です。
2009年に創業し、全国11箇所の物流センターを運営しています。アスクルだけでなく無印良品など他社の配送業務も受託しています。
Q9. 他にどの企業が影響を受ける可能性がありますか？
アスクルロジスティクスを配送で利用している企業は影響を受ける可能性があります。
現時点で公表されているのは無印良品ですが、物流ネットワークの相互依存により、さらなる影響拡大の可能性もあります。
