⚠️ 2025年10月9日未明、衝撃の事態発生
東京都青ヶ島村で携帯・ネット・テレビが全滅
でも、宇宙からの通信だけは生きていた
2025年10月9日未明、東京都青ヶ島村で信じられない事態が発生しました。台風22号によって海底ケーブルが切断され、携帯電話もインターネットもテレビも、すべての通信手段が一瞬で使えなくなったのです。
約170人の島民は完全に孤立状態に。でも、絶望的な状況の中で、たった1つだけ繋がっていた通信手段がありました。
それが、宇宙からの衛星通信「スターリンク」です。地上の通信インフラが全滅しても、空から届く電波だけは生きていました。
📋 この記事でわかること
🌪️ 台風22号で青ヶ島が孤島に!海底ケーブル切断で全通信遮断
2025年10月9日午前2時45分頃、青ヶ島村と八丈町で通信サービスに障害が発生しました。原因は台風22号です。
この台風は「非常に強い」勢力で、中心気圧940hPa、最大風速50m/s、最大瞬間風速はなんと70m/sという過去最大級の規模でした。
ウェザーニュースの報道によると、伊豆諸島には暴風・波浪の特別警報が発表され、青ヶ島は台風の目に入るほど直撃を受けました。青ヶ島村議会議員の方は「間違いなく過去最大級でしたね」とコメントしています。

📵 何が使えなくなったのか
通信障害の影響は深刻でした。
❌ 使えなくなった通信手段
- 携帯電話(NTTドコモなど):通話不可
- インターネット:完全遮断
- テレビ:視聴不可
- 電柱:倒壊により港への道路が閉鎖
つまり、現代社会で当たり前に使っている通信手段がすべて使えなくなったのです。ただし、防災無線と固定電話の一部は利用可能だったため、東京都の公式発表によると、都と村の連絡には支障はなかったとのことです。
💡 豆知識 実は、青ヶ島の住所は「東京都青ヶ島村無番地」で、番地が存在しないんです。それくらい小さな島が、完全な通信途絶という事態に直面しました。
🔌 なぜ通信が全部止まったのか
東京都の公式発表によると、海底に敷設された光ファイバーケーブルが台風の影響で損傷した可能性があるとのことです。東京都は伊豆諸島の島々をつなぐ海底光ファイバーケーブルを整備していますが、八丈島と青ヶ島間のケーブルは単線構成なんです。
単線構成というのは、予備のケーブルがないということ。1本切れたら、それでおしまいです。
🔄 ループ化とは?
他の島々、例えば大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島は、大きなリング状のネットワークでつながっています。これを「ループ化」と呼びます。
ループ化されていれば、1本のケーブルが切れても、もう1本のケーブルに自動で切り替わるので通信は維持されます。
でも青ヶ島は、そのループの外にあります。だから1本切れたら、全通信が遮断されてしまうんです。
では、この絶望的な状況で、なぜスターリンクだけが繋がったのでしょうか?
🛰️ スターリンクが命の通信を確保!村役場が唯一の接続拠点に
地上の通信が全滅した青ヶ島で、唯一繋がっていたのがスターリンクでした。青ヶ島村役場に設置されていたスターリンクが、島民の命綱となったのです。
村議の方は「今は村役場のスターリンクを使わせてもらってます」とSNSに投稿しました。
🌐 スターリンクって何?
スターリンクは、アメリカの起業家イーロン・マスク氏が運営するSpaceX社が提供する衛星インターネットサービスです。NTTの説明によると、高度550kmの低軌道を周回する数千機の小型衛星を使って、地球上のどこでも高速インターネットが使えるようになっています。
✨ 驚きの事実 実は、この高度550kmというのは、国際宇宙ステーション(ISS)とほぼ同じ高さなんです。宇宙飛行士がいる場所と同じくらいの高さから、インターネットが届いているんですね。
💡 なぜスターリンクは繋がったのか
通常のインターネットは、光ファイバーケーブルや携帯電話の基地局など、地上のインフラに頼っています。だから台風でケーブルが切れたり、基地局が壊れたりすると、使えなくなってしまいます。
でもスターリンクは違います。地上に必要なのはアンテナだけ。そのアンテナを通じて、直接宇宙の衛星と通信するんです。
🚀 地上 vs 宇宙の決定的な違い
台風で地上がどんなに荒れても、上空550kmの衛星には影響がありません。だから通信が途切れないんです。
これが、青ヶ島でスターリンクだけが繋がった理由です。
🏥 災害時に活躍するスターリンク
スターリンクが災害時に強いことは、他の事例でも証明されています。2024年1月の能登半島地震では、KDDIとソフトバンクが合計約700台のスターリンクを避難所などに無償提供しました。
光ケーブルや基地局の設備が損壊して、多くの地域でネットワークインフラが途絶えてしまった中、小型で軽量なスターリンクアンテナを使うことで、迅速にインターネット環境を構築できたのです。
地震、台風、どんな自然災害でも、地上のインフラが壊れると通信は途絶えます。でも宇宙からの通信なら、地上の状況に左右されません。
でも、そもそもなぜ海底ケーブルは台風で切れてしまうのでしょうか?海の底にあるのに…
🌊 海底ケーブルってなぜ台風で切れるの?意外すぎる理由
「海の底にあるケーブルが、なんで台風で切れるの?」って思いますよね。海底なら波の影響を受けないはずなのに。
実は、海底ケーブルが損傷する原因はいろいろあるんです。
⚓ 通常の海底ケーブル損傷原因
海底ケーブルの専門家によると、海底ケーブルが切れる最も多い原因は、船の錨(いかり)や底引き網などの漁具が引っかかってしまうことです。世界的に見ると、海底ケーブルの切断は年間100件以上も報告されています。
他には、地震によって海底の地盤がずれてケーブルに負荷がかかったり、海底の岩でケーブルが擦られて摩耗したりするケースもあります。
🌀 台風で切れる理由
台風による海底ケーブルの損傷は、おそらく以下のような理由が考えられます(調査中のため推測を含みます)。
🌊 台風による損傷の可能性
- 高波による影響:台風の巨大な波が海底の地形を変えたり、ケーブルに物理的な力を加えたりする可能性
- 海底地盤の変動:強い海流によって海底の砂や岩が動き、ケーブルが露出したり損傷したりする可能性
- 陸揚げ部分の損傷:海底から陸地にケーブルを引き上げる「陸揚げ部分」が、台風の高波で直接ダメージを受ける可能性
東京都の海底ケーブル維持管理の説明によると、海底ケーブルは浅い海ほど波などの外的要因による故障リスクが高いとされています。そのため、水深約30mまでの浅海部には、ポリウレタン製や鋳鉄製の防護管を取り付けて保護しているんです。
でも、今回の台風22号は最大瞬間風速70m/sという過去最大級の規模。どんなに頑丈に保護していても、想定を超える力が加わった可能性があります。
⏰ 歴史の驚き 実は、海底ケーブルの修理方法は150年以上前から基本的に変わっていないんです。1866年に大西洋横断ケーブルを修理した時と、現代の修理方法は本質的に同じ。海底を引きずるフックでケーブルを引っかけて、船上に引き上げて修理する、というシンプルな方法です。
⚠️ 青ヶ島の脆弱性
青ヶ島と八丈島をつなぐ海底ケーブルは、先ほども説明したように単線構成です。他の島々のようにループ化されていないため、1本切れたらそれで終わり。
予備がありません。これが、青ヶ島の通信インフラの大きな弱点なんです。
では、この切れてしまった海底ケーブルは、いつ直るのでしょうか?
🔧 復旧にはどれくらいかかる?過去の事例から見る見通し
「いつ直るの?」これが今、島民の方々が最も気にしていることでしょう。結論から言うと、海底ケーブルの修理には平均で3週間程度かかります。
ただし状況によっては数日で済む場合もあれば、数週間から数ヶ月かかる場合もあります。
🛠️ 海底ケーブルの修理手順
専門家の解説によると、海底ケーブルの修理は以下の手順で行われます。
📝 修理の6ステップ
- 損傷箇所の特定:陸上の監視装置で、どの中継器まで信号が届いているかを確認し、障害箇所を特定する
- 専門船の派遣:横浜港などから、海底ケーブル敷設船が24時間以内に出航する(消防車のように常に待機している)
- ケーブルの引き上げ:海底を引きずるフックでケーブルを引っかけ、切断された片方を船上に引き上げる
- ケーブルの接続:船上で、引き上げたケーブルと予備のケーブルを接続する(資格が必要な専門作業)
- 反対側の処理:もう片方のケーブルも引き上げて、予備ケーブルと接続する
- 海底に戻す:修理が完了したケーブルを、ゆっくりと海底に戻す
この一連の作業には、高度な技術と経験が必要です。特に、髪の毛ほどの細さの光ファイバーを、揺れる船上で正確に接続するのは、熟練の職人技なんです。
🚢 貴重な存在 実は、海底ケーブル修理船は全世界に20数隻しか存在しない貴重な存在なんです。日本近海を担当する「KDDIオーシャンリンク」も、その貴重な1隻です。
📊 過去の事例から見る復旧期間
📅 過去の復旧事例
2019年の伊豆諸島4島の障害
2019年4月、御蔵島、神津島、式根島、新島の4島で海底ケーブル故障が発生。NTT東日本は当時「復旧には数週間かかる見込み」と発表。
2011年東日本大震災
東日本大震災では、海底ケーブルが20箇所以上で切断される甚大な被害が発生。この時の復旧には数ヶ月を要しました。
ただし、青ヶ島の場合は損傷箇所が1箇所である可能性が高く(調査中)、東日本大震災ほどの時間はかからないと考えられます。とはいえ、修理船の手配、現場への移動、作業自体にかかる時間を考えると、最短でも数日、通常なら2〜3週間程度は見ておいた方がよさそうです。
その間、島民の方々はスターリンクに頼りながら生活することになります。
ところで、そもそも青ヶ島ってどんな島なのでしょうか?
🏝️ 青ヶ島ってどんな島?日本一人口が少ない絶海の孤島
ここまで読んで「そもそも青ヶ島ってどこ?」と思った方もいるでしょう。青ヶ島は、東京から南に358km離れた太平洋上に浮かぶ、まさに「絶海の孤島」です。
📍 基本情報
東京観光公式サイトの情報によると、青ヶ島の基本情報は以下の通りです。
🗾 青ヶ島の基本データ
- 人口:約170人(日本一人口が少ない村)
- 面積:5.98平方キロメートル
- 周囲:9.4km
- 位置:東京から南に358km、八丈島からさらに南に68km
人口約170人というのは、日本の市町村で最も少ない数字です。しかも人口の約半分は、学校の先生や役所の職員で、任期を終えると島外へ帰っていきます。
昔からの島民は100人ほどだそうです。
🌟 世界的評価 実は、青ヶ島は米国の環境保護NGOが選ぶ「死ぬ前に見たい世界の絶景13選」に、日本で唯一選ばれた場所なんです。
🌋 世界的にも珍しい二重カルデラ火山
青ヶ島の最大の特徴は、その地形です。島全体が火山の火口で、島の周囲をぐるっと囲むカルデラ(外輪山)の中央に、さらに「丸山」という内輪山がある、世界でも珍しい二重カルデラ火山なんです。
青ヶ島村公式の説明によると、現在の島の地形は、1785年の「天明の大噴火」によって形作られました。
📜 青ヶ島の歴史
1785年の天明の大噴火では、当時300人程度だった島民の100人以上が犠牲になり、生き残った島民も全員が八丈島への避難を余儀なくされました。
その後、約50年間にわたって青ヶ島は無人島となり、1835年に島民が帰還を果たしたという歴史があります。
✈️ アクセスが超困難
青ヶ島へのアクセスは、日本で最も困難だと言われています。東京から青ヶ島へは直行便がありません。必ず八丈島を経由する必要があります。
🚢 八丈島から青ヶ島へのアクセス方法
1. 船
週4〜5便運航予定だが、就航率は約50%。波が高いとすぐに欠航する。所要時間は約3時間。
2. ヘリコプター
1日1便、定員9人。就航率は80〜90%だが、予約が非常に困難。所要時間は約20分。
船は3時間ほどかかり、しかも青ヶ島は断崖絶壁に囲まれていて港の桟橋が短く、防波堤もないため、少しの高波でも着岸できなくなります。ヘリコプターは20分で到着しますが、1日たった9人しか乗れません。
予約開始と同時に埋まってしまうそうです。
「行けるかどうか、帰れるかどうか、全くわからない」という意味で、旅人の間では「選ばれし者しか上陸できない島」「神のご加護がないと行けない島」と言われているとか。
でも、だからこそ、青ヶ島は手つかずの自然と、世界が注目する絶景を保っているんです。
📝 まとめ:宇宙からの通信が示した災害対策の未来
台風22号による海底ケーブル損傷で、青ヶ島は「完全な通信途絶」という現代社会で最も恐れられる事態に直面しました。でも、その絶望的な状況で唯一機能したのが、宇宙からの衛星通信・スターリンクでした。
💡 この出来事が教えてくれること
- 地上インフラの脆弱性:どれだけ発達していても、自然災害の前では一瞬で途絶える
- 宇宙通信の強さ:地上に依存しないため、災害時も機能し続ける
- 単線構成のリスク:予備がないと1本切れたら終わり
- 復旧には時間がかかる:海底ケーブル修理には数週間単位の時間が必要
- 災害対策の重要性:スターリンクのような代替手段の準備が命を救う
海底ケーブルの復旧には数週間を要する見込みですが、青ヶ島の島民たちはスターリンクに支えられながら復旧を待つことになります。この出来事は、「宇宙からの通信」が単なる未来技術ではなく、今まさに私たちの命を守る現実の技術となったことを証明しました。
能登半島地震、そして今回の青ヶ島。災害が起きるたびに、スターリンクの重要性が実証されています。
日本一人口が少ない村、世界的な絶景を誇る絶海の孤島・青ヶ島。その小さな島が、災害時の通信インフラの未来を照らす大きな教訓を私たちに残してくれました。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1: 台風で海底ケーブルはなぜ切れるのですか?
A: 台風による高波や海底地盤の変動、特に陸揚げ部分や浅海部(水深30m以下)での損傷が主な原因と考えられます。通常は船の錨や漁具による損傷が多いですが、台風の場合は想定を超える力がケーブルに加わることで切断される可能性があります。
Q2: スターリンクはなぜ災害時でも繋がるのですか?
A: スターリンクは高度550kmの低軌道衛星を使用しているため、地上のインフラに依存しません。台風や地震で地上の通信網が全滅しても、宇宙の衛星には影響がないため、アンテナさえあれば通信が維持できます。
Q3: 海底ケーブルの復旧にはどれくらいかかりますか?
A: 平均で3週間程度、状況によっては数日から数週間、複数箇所の損傷の場合は数ヶ月かかることもあります。専門の修理船が現場に到着し、ケーブルを引き上げて修理する高度な作業が必要です。
Q4: 青ヶ島はどんな島ですか?
A: 東京から南に358km離れた絶海の孤島で、人口約170人の日本一人口が少ない村です。世界的にも珍しい二重カルデラ火山の島で、米国NGOが選ぶ「死ぬ前に見たい世界の絶景13選」に日本で唯一選ばれています。アクセスは船とヘリコプターのみで、非常に困難です。