🚨 2025年6月、兵庫県尼崎市で23歳男性が拉致され、3時間超の暴行を受けて殺害されました。
13人が逮捕された組織的犯行の全容とは?
2025年6月11日夜、兵庫県尼崎市の路上で起きた拉致殺害事件。10月25日までに13人もの逮捕者が出た大規模事件として、社会に衝撃を与えています。
なぜこれほど多くの人間が関与したのか、被害者に何が起きたのか、事件の全容を詳しく解説します。
📋 この記事でわかること

🚔 尼崎拉致殺害事件とは?2025年6月に起きた事件の基本情報
2025年6月11日午後9時半頃、兵庫県尼崎市大物町1の路上で、23歳の男性が暴力団関係者らに拉致されました。阪神電鉄大物駅から約200メートル東の場所です。
男性は走って逃げていましたが、路上で追いつかれ、激しい暴行を受けた後、車に押し込まれました。
💬 目撃者の証言
「許してくれ」という叫び声を聞いた人が110番通報しましたが、警察が現場に到着した時には、車は既に走り去っていました。
その後、男性は大阪府能勢町の民家に連れ込まれ、3時間以上にわたって激しい暴行を受けて死亡。遺体は3台の車を使って高知県土佐町上津川の山中まで運ばれ、遺棄されました。
神戸新聞の報道によると、10月25日までに暴力団関係者ら13人が逮捕されています。
では、この23歳男性に具体的に何が起きたのでしょうか。次のセクションで時系列に沿って詳しく見ていきます。
⏱️ 事件の詳しい経緯:23歳男性に何が起きたのか
🌙 路上での拉致の瞬間
2025年6月11日午後9時半頃、尼崎市大物町1の路上。男性は何かから逃げるように走っていました。
しかし、複数の男たちに追いつかれ、路上で激しい暴行を受けます。そのまま車に押し込まれ、連れ去られました。
🏠 能勢町の民家での暴行
車は大阪府能勢町宿野の民家に到着。ここで、男性は午後9時半から翌日午前0時50分までの約3時間20分にわたって、激しい暴行を受けました。
顔や腹を殴る・蹴るの暴行に加え、刃物のようなもので左太ももを刺されて、死亡したとされています。
⚠️ 証拠隠滅の痕跡
神戸新聞の取材では、民家の床板や壁紙がはぎ取られていたことが明らかになっています。男性のDNA型と一致する血液が検出されたため、証拠隠滅を図ったとみられます。
🚗 3台の車を使った遺体運搬
容疑者らは、警察の追跡を逃れるため、3台の車を乗り換えながら遺体を運びました。
MBSニュースの報道によると、運搬ルートは以下の通りです:
- 6月12日早朝:能勢町→京都府南丹市(1台目から2台目に積み替え)
- 6月13日早朝:京都府→高知県(2台目から3台目の軽自動車に積み替え)
- 6月13日夜:高知県大川村またはその周辺の山中に遺棄
3台目の軽自動車は、死体遺棄で逮捕・起訴された大坪美砂被告(28)の父親名義でした。大坪被告は高知県土佐町在住で、遺棄現場周辺に土地勘があったとみられています。
遺体は切断され、一部は人為的に土に埋められていました。神戸新聞の報道によると、捜査員は9月26日から30日にかけて、容疑者の供述に基づき高知県土佐町上津川の山中を捜索し、大小の骨数百個を発見しました。
関西テレビの報道では、10月3日、発見された骨が被害者男性と特定されたことが明らかになっています。
このように組織的に証拠隠滅が図られた本事件。では、なぜ13人もの逮捕者が出たのでしょうか?
👥 13人逮捕の理由:なぜこれほど多くの逮捕者が出たのか
10月25日時点で13人が逮捕されているこの事件。これほど多くの逮捕者が出た理由は、事件が高度に組織化された犯行だったためです。
容疑者らは役割分担をして犯行に及んでおり、警察は実行犯だけでなく、証拠隠滅に協力した者まで逮捕しています。
🔴 実行犯グループ(4人)
暴行・殺害の実行犯として逮捕されたのは以下の4人です:
- 三谷晃平容疑者(27):指定暴力団東組系赤松組の組員
- 畠山琢磨容疑者(33):無職
- 江口雄星容疑者(26):無職
- 少年(19):無職
この4人は、6月11日午後9時半から翌12日午前0時50分頃まで、尼崎市の路上や能勢町の民家で男性に殴る蹴るの暴行を加え、刃物で左太ももを刺して死亡させた疑いで逮捕されました。
神戸地検は10月15日、三谷容疑者ら3人を傷害致死罪で起訴。少年は家裁送致となりました。
🟡 遺体運搬・遺棄グループ(複数人)
遺体を高知県まで運び、山中に遺棄したとして逮捕された者もいます。MBSニュースの報道によると、以下の2人が死体遺棄容疑で逮捕されています:
- 大坪美砂被告(28):会社員、死体遺棄罪で起訴
- 徳重流星容疑者(33):指定暴力団山口組系兼一会幹部
大坪被告は高知県土佐町在住で、遺体運搬の最終段階で使用された軽自動車は父親名義でした。徳重容疑者は兼一会の幹部で、京都府南丹市で遺体を2台目の車に積み替える際に、車を準備したとみられています。
🟢 証拠隠滅グループ(複数人)
関西テレビの報道によると、10月25日には13人目の逮捕者が出ました。また、神戸新聞の報道では、証拠隠滅に関わった容疑者らの詳細が明らかになっています:
✈️ 海外から帰国した瞬間に逮捕
ABCニュースの報道によると、根本玲志容疑者(29)は、遺体を載せていた車の処分を目的に、高知県から大阪府柏原市の自動車買い取り業者まで運搬し、証拠を隠滅した疑いで逮捕されました。
根本容疑者は今月中旬から海外に行っていましたが、10月25日午前、帰国したところを関西空港で逮捕されました。警察によると、根本容疑者は死体遺棄で逮捕されている山口組系兼一会幹部の徳重流星容疑者と接点があり、暴力団関係者とみられています。
その他、逮捕監禁や犯人隠避の容疑で逮捕された者もおり、桜本哲也被告(34)は逮捕監禁罪で起訴されています。
このように、実行犯だけでなく、車の運搬や処分、証拠隠滅に協力した者まで、組織的に関与していたことが13人逮捕の理由です。
これほど多くの人間が組織的に動いた背景には、暴力団組織の関与がありました。次は、どんな組織が関与していたのかを見ていきます。
🏴 関与した暴力団組織について
この事件には、2つの指定暴力団組織が関与していました。主犯格は指定暴力団東組系赤松組、遺体運搬には指定暴力団山口組系兼一会が協力しています。
通常は対立関係にある東組と山口組が協力したことも、この事件の異例な点です。
⚫ 指定暴力団「東組」とは
東組は、大阪府大阪市西成区に本部を置く指定暴力団です。
構成員は2023年時点で約60人と小規模ながら、「孤高の少数精鋭」「武闘派一門」「喧嘩の東組」などの異名で知られています。
🔍 東組の特徴
- 山口組などの大団体の傘下に入らず、独立を貫いた
- 1973年以降、山口組と暴力的な対立抗争を数次にわたって引き起こした
- 暴力団の群雄割拠地帯である西成地区で、常に独立状態を維持
今回の事件で主犯格として逮捕された三谷晃平容疑者は、東組の傘下組織である三代目赤松組の組員です。
⚫ なぜ東組と山口組が協力したのか
通常、東組と山口組は対立関係にあります。1987年には「泉州抗争」と呼ばれる抗争事件も発生しています。
しかし、今回の事件では遺体運搬の段階で、指定暴力団山口組系兼一会の幹部である徳重流星容疑者が関与していました。
❓ 対立組織がなぜ協力?
具体的な理由は明らかになっていませんが、証拠隠滅という共通の利害が一致したためと考えられます。遺体を高知県まで運ぶという大掛かりな作業には、複数の組織の協力が必要だったのかもしれません。
これほど組織的に動いた背景には、何か重大な理由があったはずです。次は、事件の動機について見ていきます。
❓ 事件の動機は?被害者はなぜ狙われたのか
なぜ23歳の男性は、これほど残酷な方法で殺害されたのでしょうか。事件の動機については、現在も謎が多く残されています。
容疑者らの供述と警察の見解には、大きな矛盾があります。
🗣️ 容疑者の供述:「盗難に遭ったと思った」
神戸新聞の取材によると、逮捕された男らの一部は、男性に危害を加えた目的について次のように供述しています:
「盗難に遭ったと思い、被害品の所在を自白させるためだった」
つまり、容疑者らは被害者男性が何かを盗んだと思い込み、その所在を聞き出すために3時間超にわたって暴行を加えたという主張です。
これが事実であれば、事件は「拷問目的の暴行」だったことになります。
🚔 警察の見解:「盗難事案は確認されていない」
しかし、兵庫県警は容疑者らが主張する盗難事案について、「確認されていない」としています。
つまり、被害者が何かを盗んだという事実は確認できていないということです。
⚠️ 真の動機は謎のまま
容疑者の供述する「盗難事案」が確認されていないということは、事件の真の動機が別にある可能性を示唆しています。
暴力団組織が組織的に動き、3時間超の暴行、3台の車を使った遺体運搬、証拠隠滅まで行った背景には、容疑者らが語っていない別の理由があるのかもしれません。
🤔 被害者の背景は?
警察は被害者男性の名前を公表していません。理由は「親族が危険にさらされる恐れが強い」ためとされています。
一般的に、暴力団組織がこれほど大規模に動くケースは、被害者が何らかの形で暴力団組織と接点があった可能性が高いと考えられます。
しかし、これはあくまで推測であり、被害者が何をしていた人物なのか、なぜ狙われたのか、真相は明らかになっていません。
事件から約4ヶ月が経過した現在、捜査はどこまで進んでいるのでしょうか。最後に、現在の状況を見ていきます。
📊 現在の捜査状況と今後の展開
2025年10月25日時点で、この事件の捜査は以下のように進展しています。
⚖️ 起訴状況と裁判の見通し
ABCニュースの報道によると、神戸地検は10月15日、実行犯とされる3人を起訴しました。ただし、容疑は殺人罪ではなく傷害致死罪です。
- 三谷晃平被告(27):傷害致死罪で起訴
- 畠山琢磨被告(33):傷害致死罪で起訴
- 江口雄星被告(26):傷害致死罪で起訴
- 少年(19):傷害致死と死体遺棄の罪で家裁送致
📌 なぜ殺人罪ではなく傷害致死罪?
殺人罪は「殺意を持って人を殺すこと」が要件です。
傷害致死罪は「傷害を加えた結果、死亡させたこと」で、殺意の認定は不要です。
検察は、3時間超の暴行があったものの、「明確な殺意の立証が困難」と判断したとみられます。傷害致死罪の法定刑は3年以上の有期懲役です。
その他、以下の被告が起訴されています:
- 桜本哲也被告(34):逮捕監禁罪で起訴
- 大坪美砂被告(28):死体遺棄罪で起訴
🔍 今後の捜査の焦点
兵庫県警は、事件の全容解明に向けて捜査を継続しています。今後の焦点は以下の点です:
- 事件の真の動機:容疑者が主張する「盗難事案」が確認されていない以上、別の動機があった可能性
- 組織の関与の全容:13人以外にも関与者がいる可能性
- 国外逃亡計画の詳細:容疑者の一部がパスポートを申請していた事実
💡 国外逃亡を計画していた事実
神戸新聞の報道によると、容疑者の一部は事件後にパスポートを申請し、国外への逃亡を計画していました。
兵庫県内の旅券事務所に三谷容疑者らが出入りする姿が、周辺の防犯カメラ映像に記録されていたということです。
📅 裁判の今後
起訴された被告らの裁判は、今後、神戸地方裁判所で行われる見込みです。傷害致死罪での審理となるため、争点は以下になると予想されます:
・暴行の態様と死亡との因果関係
・各被告の関与の程度
・組織的犯行における役割分担
事件から約4ヶ月が経過した現在も、捜査は続いています。今後の展開が注目されます。
📝 まとめ:尼崎拉致殺害事件の全容
2025年6月11日、兵庫県尼崎市で発生した拉致殺害事件。路上で拉致され、3時間以上にわたって暴行を受けた23歳男性の遺体は、3台の車を使って高知県まで運ばれ、山中に遺棄されました。
10月25日までに13人が逮捕される大規模な組織的犯行として、社会に衝撃を与えています。
主犯格は指定暴力団東組系赤松組の組員で、通常は対立関係にある山口組系兼一会も遺体運搬に協力していました。
容疑者らは「盗難に遭ったと思い、被害品の所在を自白させるため」と供述していますが、警察は「盗難事案は確認されていない」としており、真の動機は謎のままです。
実行犯3人は傷害致死罪で起訴されており、今後の裁判で事件の全容が明らかになることが期待されます。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 尼崎拉致殺害事件とは何ですか?
2025年6月11日、兵庫県尼崎市で23歳男性が暴力団関係者に拉致され、3時間超の暴行を受けて殺害された事件です。遺体は3台の車で高知県まで運ばれ、山中に遺棄されました。
Q2. なぜ13人も逮捕されたのですか?
事件が高度に組織化された犯行だったためです。実行犯4人、遺体運搬・遺棄に関与した者、証拠隠滅に協力した者など、役割分担をして犯行に及んでいたことから、多数の逮捕者が出ました。
Q3. どの暴力団組織が関与していますか?
主犯格は指定暴力団東組系赤松組の組員です。また、遺体運搬には指定暴力団山口組系兼一会の幹部も関与していました。通常は対立関係にある両組織が協力した点も異例です。
Q4. 事件の動機は何ですか?
容疑者らは「盗難に遭ったと思い、被害品の所在を自白させるため」と供述していますが、警察は「盗難事案は確認されていない」としています。真の動機は現時点では明らかになっていません。
Q5. 被害者はなぜ名前が公表されていないのですか?
警察は「親族が危険にさらされる恐れが強い」として、被害者男性の名前を公表していません。暴力団関係者による報復を防ぐためと考えられます。
Q6. なぜ殺人罪ではなく傷害致死罪なのですか?
神戸地検は、明確な殺意の立証が困難と判断したためです。3時間超の暴行があったものの、「殺すつもりだった」という殺意を証明することが難しいと判断され、傷害致死罪での起訴となりました。