⚠️ この記事のポイント
2025年10月14日、AdoのMVが突然公開停止に。でも実は、Ado本人は全く悪くないんです。何が起きたのか、詳しく見ていきましょう。
2025年10月14日、突然のニュースが駆け巡りました。
人気歌手Adoの「愛して愛して愛して」のミュージックビデオが公開停止に。
しかも、公開されたのは2025年4月。わずか半年での出来事です。
理由は「クリエイティブの一部を無断で使用していた」こと。
でも、実はAdo本人は全く悪くないんです。
一体何が起きたのか、分かりやすく解説していきます。
🎵 Ado『愛して愛して愛して』MV公開停止の真相

2025年10月14日、Ado公式サイトでユニバーサルミュージックとクラウドナインが連名で謝罪文を発表しました。
内容は衝撃的なものでした。
「愛して愛して愛して」のMVで、さしたま(赤卵氏とさしみやま氏のユニット)が制作したオリジナルMVの作品の一部を、許可なく使ってしまったというのです。
この問題は、ユニバーサルミュージック側の自主的な調査で発覚しました。
つまり、外部から指摘されたわけではなく、自分たちで気づいて公表したということです。
公式発表では以下のように説明されています。
「動画の赤卵氏とイラストのさしみやま氏のユニット『さしたま』様のクリエイティブの一部を無断で使用していたことが確認され、その対応として、弊社判断により公開を停止いたしました」
この時点で多くのファンが疑問に思ったはず。
「Adoは何も悪くないの?」
その答えは、次のセクションで明らかになります。
🎨 『さしたま』とは?オリジナルMVの制作者
そもそも「愛して愛して愛して」は、Adoのオリジナル曲ではありません。
この曲は、ボカロP(ボーカロイド・プロデューサー)のきくおさんが2013年に発表した楽曲です。
きくおさんは、初音ミクを使って数々のヒット曲を生み出してきたクリエイター。
Rolling Stone Japanのインタビューによると、「愛して愛して愛して」は2023年1月にSpotifyで1億回再生を突破。
これはボカロ曲として史上初の快挙でした。
💡 実は、この曲は日本よりも海外で圧倒的に人気!
リスナーが最も多いのはアメリカ、次にメキシコ、ブラジル、イギリス、カナダと続きます。日本のリスナー数は、なんとチリと同じくらい。世界中で愛されている楽曲なんです。
そして、この原曲のMVを制作したのが「さしたま」。
さしたまは、動画担当の赤卵さんとイラスト担当のさしみやまさんのユニットです。
2015年に公開されたオリジナルMVは、独特の世界観とおどろおどろしい雰囲気で、楽曲の魅力を最大限に引き出していました。
このMVがあったからこそ、「愛して愛して愛して」は世界的ヒットになったと言っても過言ではありません。
今回の問題は、このさしたまが作った作品の一部を、許可なく使ってしまったということなんです。
📅 事の経緯:なぜ無断使用が起きたのか
ここで時系列を整理しましょう。
⏰ 出来事の流れ
- 2013年:きくおさんが「愛して愛して愛して」を発表
- 2015年:さしたまがオリジナルMVを制作・公開
- 2023年:Adoがきくおさんの承諾を得てカバー音源を制作
- 2023年12月:Adoの「歌ってみたアルバム」に収録
- 2025年4月:Adoのカバー版のMVを公開
- 2025年10月14日:MVの公開停止を発表
注目すべきは、Adoのカバー音源自体は、きくおさんの正式な承諾を得ているということ。
問題はMV制作の段階で起きました。
オリコンの報道によると、ユニバーサルミュージック側は以下のように説明しています。
「さしたま様が制作したオリジナルのMVをオマージュする意図はあったものの、著作権に関する認識不足、および法務確認のプロセスを怠ったことにより、そのクリエイティブの一部を無断で使用してしまいました」
つまり、こういうことです。
オリジナルMVへの敬意はあった。
でも、「敬意があれば許可なく使っていい」わけではなかった。
しかし、その法律の確認を怠ってしまった。
結果として、許可を取らずに使ってしまった。
これが問題の本質です。
❌ Ado本人に責任はあるのか?ユニバーサルの説明
ここが多くの人が気になるポイントでしょう。
「Adoは悪くないの?」
公式発表では、この点について明確に説明されています。
✅ 結論:Ado本人は全く悪くありません
「本件はひとえに弊社の管理体制の不備によるものであり、Ado本人、および本MVの制作チーム(イラスト:沼田ゾンビ!?様、映像編集:Syamo.G様、文字デザイン:Haる様、映像制作:KZM様)は、制作過程において許諾取得の提案や法務確認の手続きを行う立場ではなく、本件の無断使用については一切関与しておりません」
分かりやすく言い換えると、こういうことです。
- Ado本人の仕事:歌を歌うこと
- 制作チームの仕事:MVの映像や絵を作ること
- 会社(ユニバーサル)の仕事:法律的な確認をして、必要な許可を取ること
今回の問題は、会社側が本来やるべき確認作業を怠ったことが原因。
Ado本人や制作チームには、そもそも法律のチェックをする立場ではありません。
🏫 例えるなら...
あなたが学校で発表をすることになりました。発表の内容はあなたが考えます。でも、「この内容を発表していいかどうか」の最終確認は先生がします。もし先生が確認を忘れて、発表内容に問題があった場合、責任があるのは確認を忘れた先生ですよね。
Adoはただ歌を歌っただけ。
制作チームはMVを作っただけ。
法律的な確認は会社の責任だったのです。
⚖️ 『オマージュ』と『無断使用』の決定的な違い
ここで多くの人が疑問に思うはず。
「オマージュって聞こえはいいけど、結局ダメなの?」
この疑問に答えるために、法律的な視点から説明します。
📖 言葉の意味
- オマージュとは:他の作品への敬意を込めて、似た表現や要素を取り入れること
- 無断使用とは:権利者の許可なく、作品の一部を使ってしまうこと
重要なのは、日本の著作権法では「オマージュです」と言っても、自動的に許されるわけではないということ。
著作権の専門サイトによると、オマージュやパロディも、一般的な模倣品と同じ基準で判断されます。
つまり、どんなに敬意があっても、権利者の許可が必要なんです。
🎨 例えるなら...
友達が描いた絵を見て「すごくいい!」と思ったとします。その絵を参考に、自分も似た絵を描きました。「あなたの絵が好きだから似せて描いたんだよ!」と言っても、友達に許可なく作品展に出したら、それは問題になりますよね。敬意があることと、許可を取ることは別の話なんです。
今回のケースでは、ユニバーサルミュージック側も「オマージュする意図はあった」と認めています。
でも、意図だけでは足りなかった。
さしたまに「こういう風にオマージュしたいんですが、いいですか?」と確認する必要があったのです。
🌏 海外との違い
海外では、アメリカの「フェアユース(公正な使用)」のように、一定の条件下でパロディやオマージュが認められる制度がある国もあります。でも日本では、そういう制度がありません。必ず権利者の許可が必要です。
これが「オマージュ」と「無断使用」の決定的な違いです。
🔮 今後の展開:再発防止策と再公開の可能性
では、今後どうなるのでしょうか。
ユニバーサルミュージックは、再発防止のために3つの対策を発表しています。
🛡️ 3つの再発防止策
1. 著作権に関する社内教育の再徹底
現在実施している研修の内容を見直して、アップデートします。「著作権って何?」から「具体的にどうチェックするか」まで、しっかり学び直すということです。
2. 制作物法務確認プロセスの強化
作品を公開する前に、法律の専門家がチェックするプロセスを徹底します。今回のような「確認漏れ」を防ぐための仕組み作りです。
3. 外部クリエイター作品の利用に関するガイドラインの策定と遵守
他の人の作品を使う時のルールを明文化します。「どういう場合に許可が必要か」を明確にして、全員が守れるようにするということです。
また、公式発表では「さしたま様には大変なご迷惑をおかけすることとなり、深く反省しております。弊社より直接謝罪を申し上げ、今後の適切な対応について協議を進めております」とも述べられています。
つまり、さしたまと話し合いを続けているということ。
🔄 再公開の可能性は?
公式には「再公開する」とは発表されていません。でも、適切な許可が得られれば、再公開の可能性はあると考えられます。さしたまとの協議がどう進むか。そして、適切な形で許諾が得られるか。それ次第でしょう。
ファンとしては、Adoの素晴らしい歌声と、さしたまの才能あふれる作品、そしてきくおさんの名曲、すべてが適切な形で評価される日を待ちたいですね。
📝 まとめ:この記事の要点
- 2025年10月14日、Adoの「愛して愛して愛して」MVが公開停止に
理由はさしたまのクリエイティブを無断使用していたため - Ado本人と制作チームには一切責任なし
問題はユニバーサルミュージックの管理体制の不備。法律的な確認は会社の責任だった - 「オマージュ」でも許可は必要
日本の著作権法では、敬意があっても権利者の許可が必須。「オマージュです」と言っても自動的には許されない - 3つの再発防止策を実施
社内教育の徹底、法務確認の強化、ガイドラインの策定。さしたまとの協議も継続中 - 再公開の可能性あり
適切な許諾が得られれば、MVが戻ってくる日も期待できる
今回の件は、音楽業界全体にとって著作権管理の重要性を再認識させる出来事となりました。
クリエイターの権利を守りながら、素晴らしい作品を届ける。
その両立のために、業界全体で取り組んでいく必要がありますね。
あなたは、この問題についてどう思いますか?
❓ よくある質問(FAQ)
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